僕は無敵の結界術士 〜素敵なお足の女神様に頼まれたとあっては、転生するのもやぶさかではないです(ぺろぺろ)〜   作:龍々山ロボとみ

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第099話・メイド服は露出の少ないクラシカルタイプで、足首までのロングスカートです

 

 ◇◇◇

 

「ここが僕たちの(ハウス)ですか?」

 

 鉄道の駅から皆でてくてく歩き(殿下用の馬車が用意されていましたが、断って僕たちと一緒に歩いています)。

 

 とちゅうで一度イェルン姉さんとミーシャ姉さんが冒険者ギルド迷宮都市支部に寄ってあいさつをしてから、必要書類一式とカギを受け取ってきました。

 

 で、ギルドで教えてもらった住所(ギルドのすぐ近くの、いわゆる一等地的なところにありました)に行くと、なんとも大きなお屋敷が建っていました。

 

 すごい。

 

 辺境伯様のお屋敷にはさすがに負けますが、それでも十数人が一度に暮らせるくらいの大きさです。

 

 お屋敷の周囲は背の高い鉄柵で囲まれていて、敷地の出入口にはこれまた鉄製の門扉がついています。

 

 門扉を抜けると小さな庭があり、門扉から十五メートルほど進むとお屋敷の玄関扉にたどり着きます。

 

「ようこそ、お待ちしておりました」

 

 すると、玄関扉の前にはメイド服を着た女性が一人立っていました。

 

 さらに開け放たれた玄関の奥(カギ、開いてますね。はて?)では、別のメイドさんたちがずらりと(十人ぐらい?)並んで立っています。

 

「うん。これからしばらくよろしくね」

 

「はい。誠心誠意、務めさせていただきます」

 

 フェアネス殿下が言葉を返し、メイド服姿の女性がひざまずいて首を垂れました。

 

「それと、私はあくまでも同行者だから。この屋敷の使い主の言うことはよく聞いてね」

 

 頷くメイド服の女性。

 静かに立ち上がると、今度は僕の前にやってきました。

 

「お初にお目にかかります、ナナシ様。皇室からの命により馳せ参じました。フラーシフォンと申します」

 

 なんだか、一部の隙もないメイドさん、って感じの方です。

 これが瀟洒なメイド長ってやつですかね。

 

「これはご丁寧にありがとうございます。僕はナナシです。フラーさんとお呼びしても? それと、もしかしなくてもメイドさんですか? この家の管理をしてくださるということですか?」

 

 頷くフラーさん。

 フェアネス殿下も頷きます。

 

「フラーシフォンは、大皇居宮で私の身の回りの世話をしてくれてたの。今回私がこっちに来るって言ったら、部下と一緒についてきてくれたんだ」

 

 ほほう、そうだったのですね。

 

「本来我々は皇室及び殿下にお仕えする身ですが、この街で活動する間のナナシ様の補佐をするよう任じられておりますゆえ。なんなりとご命令ください」

 

 命令、ですか。

 

「じゃあ、最初にひとつだけ。この街で暮らしている間は、ここにいる皆で仲良く楽しく元気に過ごしましょう!」

 

「……? それは、ご命令ですか?」

 

 いえ、全然。

 僕がそうしたいな、と思っているだけですので。

 

「……フェアネス様」

 

 フラーさんは少しだけ困ったような様子で殿下を見ますが。

 

「フラーシフォン、私からはさっき言ったとおりだよ。ナナシの言うことはよく聞いてね?」

 

「……かしこまりました」

 

 というわけで。

 

 メイド部隊の皆さんが先入りして屋敷の清掃や模様替えを行なってくれていたみたいなので。

 

 僕たち(護衛部隊の皆さんや、おそれ多くも殿下も一緒に)もそれを手伝って、皆で居住環境を整え(ついでに敷地全体を僕の結界で囲って拠点化もしました)、

 

 清掃が終われば各自が使う部屋を決め、荷物を置きます。

 

 で、陽が暮れたぐらいで晩ご飯の準備をすることになりました。

 僕とヘリーちゃん(勇猛楽団の三人の中で一番料理上手です)とメイドさん二人で手分けして料理を作りつつ。

 

 僕はそれに並行して半球状のくぼみがたくさん並んだ結界板と、それに入れるためのタネを作りました。

 

「ナナぽんそれなんなん?」

 

「ヨロズ焼きです」

 

 ほんとはタコ焼きにしたいんですけど、タコが食材の中になかったので別のものを入れるようにします。

 

 タコ焼き機型結界板を魔導コンロ(IHコンロみたいなやつです)の上に置き、タネを流し込んで刻んだ具材を入れてくるくる回します。

 

 ソースやマヨネーズは他の調味料などを混ぜてそれっぽい味のものを作り、青のりや鰹節はないのでかわりに削りチーズをかけてお出ししました。

 

 丸い形のヨロズ焼きに皆さん不思議そうな目を向けていましたが、食べてみればおおむね好評でした。

 

「あっっっづ!!?」

 

 できたてを無警戒に口に放り込んで熱さで絶叫したメラミちゃんは、ちょっと苦手になったようですが……。

 

「おいしい。おかわり。おいしい。おかわり。おいしい。おかわり……」

 

 あと、キャベンシアさんがヨロズ焼きを一人で千個ぐらい食べてて、メイドの皆さんが慄いていましたが……、明日からも毎日同じぐらい食べると思うので料理当番は今後もたいへんだと思います。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 迷宮都市入りの翌日。

 

 殿下と護衛の皆さんとメイドの皆さん、それからイェルン姉さんに見送られて家を出ると、ひと足先に出勤していたミーシャ姉さんの待つ冒険者ギルドに行きました。

 

「ようこそいらっしゃいました、結界同盟の皆様。冒険者ギルド迷宮都市支部一同を代表して、ご挨拶いたします」

 

 という慣例的なあいさつをミーシャ姉さんから受けたあと、昨日のうちに書かされた書類を窓口で提出しました。

 

「はい、確かに。必要書類はきちんと揃っていますね」

 

 まぁ、揃っていると思います。

 昨日ミーシャ姉さんが横について教えてくれながら書類を書きましたので。

 

「それではここに冒険者証(ライセンス)を当ててください」

 

 はいはい。ポチっとな。

 

 受付端末に冒険者証をかざすとピッという電子音が鳴りました。

 

 薄紅色のカードの表面に、紋章化されたDDという文字が加わります。

 

 これはダンジョン・ダイバーの頭文字だそうです。

 この街では、ゲヘナダンジョンへの突入許可を受けたパーティーの証となります。

 

「それではミーシャ姉さん、行ってきますね」

 

「はい。無事のお帰りを心からお待ちしております。……いやほんと、また姉さんが泣くからちゃんと帰ってきてね……?」

 

 最後にいつもの口調に戻ったミーシャ姉さんに見送られてギルドを出ると、僕たちはゲヘナダンジョンの入口へ向かいます。

 

 今回はゲヘナダンジョンに初挑戦なので皆で行ってみます。

 

 一緒にダンジョンに入るのは、結界同盟の僕とメラミちゃん!

 僕に雇われた傭兵のキャベンシアさん!

 賑やかし担当でついてくる勇猛楽団の三人!

 

 の、六人となります。

 

「全員止まれ。冒険者証を出してここにかざせ」

 

 ダンジョン入口広場は高い壁に囲まれていて、唯一の門の前には兵士さんが立っていました。

 

 兵士さんに促されて冒険者証をかざすと、端末の上のランプが緑色に光りました。

 

「いいだろう。入れ」

 

 門をくぐるとだだっ広い空き地のようなところにつながっていました。

 

 東京ドームぐらいの広さでしょうか。

 硬い土がむき出しの地面を高い壁が囲っています。

 

 それと、ところどころにぶ厚い土壁や塹壕がありますね。

 どうやらこれ、ダンジョンからモンスターがあふれてきたときに対応できるような構造になっているみたいです。

 高い壁の上も人が歩けるようになっていますし、場合によってはバリア的なもので上空を塞ぐこともできるのだとか。

 

 広場の真ん中あたりはすり鉢状に沈んでいっていて、すり鉢の底には以前に一度見たことがある窓枠らしきものがありました。

 

 窓枠の中では、揺らめく闇が大きく口を開けています。

 ここから入るというわけですね。

 

「それでは皆さん、行ってみましょう」

 

 僕たちは、ダンジョンに突入していっている他の冒険者たちと一緒に、ゲヘナダンジョンに突入しました。

 

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