僕は無敵の結界術士 〜素敵なお足の女神様に頼まれたとあっては、転生するのもやぶさかではないです(ぺろぺろ)〜   作:龍々山ロボとみ

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第103話・ここまでかなりの駆け足だったので一旦小休止します

 

 ◇◇◇

 

 その後、一日に二階層ずつのペースで攻略を進め、攻略開始から七日目にしてようやく五十階層のフロアボスを倒しました。

 

 五十階層のフロアボスは、阿修羅土蜘蛛とか呼ばれている全高八メートルぐらいの大きさの怪物で、巨大な蜘蛛の体の上に腕が六本と顔が三つある人型の上半身が生えていました。

 

 死神とかが持っていそうな大きな鎌を振り回してくるのと、毒液とか粘糸とか爆発する大量の子蜘蛛とかを使ってくるのと、三つある顔のそれぞれの口から炎と冷気と雷を吐いてくる奴でした。

 

 しかしまぁ、先日の大亀よりは強くなかったので。

 

 メラミちゃんとキャベンシアさんが一緒に戦ってくれると、わりとすぐに倒せました。

 

 メラミちゃんはスタンパンチやノックバックパンチでこまめに足止めしてくれましたし、

 

 キャベンシアさんが大剣を持ってグッと力を込めると、敵の攻撃が引き寄せられて無効化(たぶん、暴飲暴食術で()()()()()()いたんだと思います)されたりしたので、

 

 僕が隙をついて結界に閉じ込めて動きを封じてから薄刃結界で真っ二つにしたところ、無事に倒せました。

 

 帝国の公式記録では六回しか討伐記録がないそうで、僕たち結界同盟with勇猛楽団が史上七度目の討伐達成になるみたいです。

 

「ナナシさん!! ナナシさん!!! ひゃっほーーう!!!」

 

 ちなみに、フロアボス部屋の入口のあたりに作った結界内で戦闘の一部始終を見ていたロビンちゃんは、興奮のあまり戦闘終了後に鼻血を出して気絶してしまい。

 

 やれやれ顔のヘリーちゃんとユニ子ちゃんに担がれての帰還となりました。

 

「いやー、これぐらいになってくると、戦いにも緊張感が出るな」

 

「ナナシ、こんなのが落ちていたぞ」

 

 なんだか楽しそうなメラミちゃんと、難しそうな顔でドロップした魔石などを拾ってきたキャベンシアさんとハイタッチをし、

 

 僕たちは、五十階層のリトライクリスタルにタッチして地上に帰還しました。

 

 それで、阿修羅土蜘蛛から出てきた魔石(だいぶ大きくて、キラキラしています)と、大鎌の刃先の一部らしき金属塊と、蜘蛛の毒牙みたいなものがドロップしていたので冒険者ギルドに報告すると、なんだかバタバタとギルド内が騒がしくなり。

 

 よく分からないので後のことをミーシャ姉さんに任せて家に帰ると、今度はフェアネス殿下から魔石を見せてほしいと言われました。

 

「これがそうですよ」

 

 僕がカバンから出してテーブルに置くと、フェアネス殿下は「……はぁー、ほんとうに本物だ」と呟きました。

 

「ねぇ、ナナシ。この魔石はどうするつもり?」

 

 うーん、そうですねぇ……。

 

「さすがに、これは僕の一存では処分を決められないですね。僕一人の力で倒したわけではないですし」

 

「じゃあちょっと、皆を集めてくれない? 相談したいから」

 

 ということで、メラミちゃんとキャベンシアさん、やっと起きていたロビンちゃんと、ユニ子ちゃんにヘリーちゃん。

 

 一緒にダンジョンに潜った皆をリビングに集めました。

 

「この魔石は、また皇室あてに献上してくれると嬉しいんだけど、ダメかな?」

 

 と、フェアネス殿下は言います。

 

「かわりに他のドロップ品は好きにしていいし、換金したいなら皇室(ウチ)が割り増しで買い取るからさ」

 

「それでアタシたちに何の得があるんだよ。割り増しされなくてもこのデカいの売り払ったほうがよっぽど高値になるんじゃねーのか?」

 

 メラミちゃんは不満そうです。反対一。

 

「ワタシは……、どちらでも構わない。皆の判断に合わせる」

 

 キャベンシアさんは無投票ですか。棄権一。

 

「とっても名誉なことなので、是非とも受けるべきだと思います!」

 

 ロビンちゃんは嬉しそうですね。賛成一。

 

「けんじょー、ってのしたらフェアぴが嬉しいん? ほんなら良いーんじゃね? しよしよー!」

 

 ヘリーちゃんも賛成。賛成二。

 

「ぼくは反対。お部屋に飾ってインテリアにしたい」

 

 ユニ子ちゃんは反対。反対二。

 うーん。ここまでで、賛成と反対が同数ですね。

 

「ナナシは、どう?」

 

 あらためて殿下に問われました。

 

「僕は、献上しても良いと思っています。色々と便宜を図ってくれて助かっていますし、正直なところ、殿下たちと敵対するつもりもなければ、敵対する意味もないですので」

 

 よほど理不尽なこととか面倒なことを言われないのであれば、求められれば応じるつもりではいますよ。

 

 そして、これで賛成三。

 

 ということで、賛成三、棄権一、反対二なので、阿修羅土蜘蛛の魔石は皇室に献上することに決定します。

 

「そっか。ありがとう。じゃあ、反対してたメラミとユニスには個別で補償をする形でもいい? メラミには金銭補償と……、ユニスには、何かカッコいい置物をあげるよ」

 

「ちっ、……まぁ、しゃーねーか」

 

「ピカピカの全身甲冑がいい。金色で、六本腕のやつ」

 

 ということで話がまとまり、魔石はロコさんたち護衛部隊が責任をもって皇室に届けてくれることになりました。

 

 で、その間は殿下の守りが手薄に(というか、ゼロに)なるので、三日後にロコさんたちが帰ってくるまでは殿下をお守りしてほしいとフラーさんに頭を下げられました。

 

 まぁ、僕としてもちょっと試したいことがあってまとまった時間を取りたかったので、三日間はお家に篭りきりになることにしました。

 

 その間、他の皆さんは思い思いに過ごしてもらうことにします。

 

 僕は、タマゾン姉貴(ネキ)姐御(あねご)、って呼んだらさすがに恥ずかしいと断られました)のご飯を三食食べつつ、殿下と女神様についてのお話をしたり、ロビンちゃんも入ってきて今までの旅のお話をしたり、

 

 この拠点に置いておく用の簡易女神様像を彫ったり、イェルン姉さんやミーシャ姉さんとお茶を飲んだり、

 

 ちょっとお高いお菓子を買ってきてもらって、メイドの皆さんにお配りしたり一緒につまんだりしたりして、

 

 ロコさんたちの帰りを待ちました。

 

 そして三日後。

 

 無事にロコさんたち護衛部隊が帰ってきて、また明日からダンジョン探索を再開することになり、

 

 タマゾン姉貴のご飯をお腹いっぱいに食べてから、自室に戻りました。

 

 すると。

 

「すまない、ナナシ。少しだけ良いだろうか」

 

 夜更けに、キャベンシアさんが僕の部屋を訪ねてきました。

 

 ……なんだかちょっと、思い詰めたような表情で。

 

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