僕は無敵の結界術士 〜素敵なお足の女神様に頼まれたとあっては、転生するのもやぶさかではないです(ぺろぺろ)〜   作:龍々山ロボとみ

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第111話・浮かれポンチのゴキゲンな朝

 

 皆さんおはようございます!!

 今日もウキウキルンルンのナナシです!!

 

 ゲヘナダンジョン攻略開始から二十六日目。

 今日もたくさん頑張りましょう!

 

 あ、コック長のタマゾン姉貴(ネキ)、おはようございます!

 いつも美味しいご飯をありがとうございます。今日の朝食はなんですか?

 

「ん、ナナシ様かい。昨日卵をたくさん仕入れたから、今朝はフレンチトーストにしようかと思ってるよ」

 

 良いですね!

 僕、メープルシロップをたっぷりかけたいです。

 飲み物は牛乳が良いなぁ。

 

「ははは、分かったよ。用意しとくから顔洗ってきな」

 

 ありがとうございます!

 

 お顔お顔〜。バシャバシャ〜。

 

 あ、ミーシャ姉さんおはようございます!

 今日も朝から出勤ですね!

 また後で冒険者ギルドに顔出しますね!

 

「はーい。あ、ナナシ様、髪も跳ねてるよ。……ほら、これで良し」

 

 おお、ありがとうございます!

 ミーシャ姉さんは今日も髪型バッチリですね!

 

「すいて結んだだけだけどねー。それじゃ、行ってきまーす」

 

 ミーシャ姉さんに手を振って見送ると、入れ替わりに護衛隊長のロコさんが家に入ってきました。

 

 ロコさんおはようございます!

 夜番明けですか?

 

「……おお、ナナシ殿か。おはよう。その通りだ。少し敷地内の警戒をしていた。これから殿下のおそばに戻る」

 

 いつもお疲れ様です。

 けど、敷地全体を僕の結界で囲んであるので、そうそう不審者が侵入することはないと思いますよ。

 

「まぁ、そうかもしれないが、警戒を怠っていい理由にはならんからな」

 

 うーん、真面目ですね。

 僕も見習わなくてはなりません。

 

 そうこうしていると、殿下のお部屋のほうからメイド長のフラーさんが。

 

「おはようございます、ナナシ様。本日もご機嫌麗しゅう」

 

 おはようございますフラーさん!

 一分の隙もない着こなし、相変わらずお見事ですね。

 殿下はもうお目覚めですか?

 

「はい。また朝食の席でお見えになると思います」

 

 分かりました、またご挨拶させていただきます。

 

 あ、勇猛楽団の皆さん、おはようございます!

 

「おはようございます」

「おはよ」

「ナナぽんおっはー!!」

 

 三人とも、今日の朝食はフレンチトーストみたいですよ。

 

「ジーマー!? やっりー! タマゾーん! ウチのはシナモンたっぷりにしてちょー!」

 

 と、ヘリーちゃんがバタバタ走って食堂に。

 ふわわ、とあくびをこぼすユニ子ちゃんが後に続きます。

 

「ナナシさん、今日のダンジョン探索はどのようなご予定ですか?」

 

 メガネをクイッと持ち上げるロビンちゃんは、ワクワク笑顔で聞いてきます。

 

「ひとまずは、あの灼熱空間への順応ですね。エアコプターの性能を調整して、なるべく皆さん乗ったままで探索できるようにしたいです」

 

 なるほどなるほど、とロビンちゃんが頷いているところに、ユニ子ちゃんが戻ってきて「ハチミツたっぷり。ロビンも食べよ」とロビンちゃんを連れていきました。

 

 僕は、勇猛楽団の三人を見送ってから、イェルン姉さんのお部屋に向かいます。

 

 イェルン姉さん、おはようございます!

 

「ふみゃっ……、ナナシちゃんだ、おはよぉ〜」

 

 と、寝ぼけ眼のイェルン姉さんの手を引いてベッドから下ろし、お着替えをさせてから洗面台に。

 

 顔を洗わせて髪を整えてあげると、スッキリお目々になりました。

 

「ナナシちゃん、今日もダンジョン?」

 

 はい。今日も行ってきます。

 

「そっかあ。それなら、気をつけて行ってきてね。絶対無理しちゃダメよ? 皆で無事に帰ってきてね?」

 

 了解です!

 

 僕がおちゃらけて敬礼すると、イェルン姉さんも同じように敬礼を返してくれました。

 

 ふふふ、指はもっと真っ直ぐにですよ。

 

「そうなの? けど良いのよ。こういうのはなんとなくでも」

 

 そういうものですか。

 じゃあ僕もクイッと曲げて、イェルン姉さんに合わせます。

 

 それから二人で食堂に向かうと、すでに食堂では皆さん食べ始めていて、メイドの皆さんが給仕をしてくれています。

 

 キッチンを見ればタマゾン姉貴とコック見習いさんたちが慌ただしく調理をしていて、これから来るフードファイター(キャベ子さん)に備えてひたすらフレンチトーストを量産していました。

 

 皆さんもおはようございます。

 そしていつもありがとうございます。

 

 また今度の休養日には、お茶菓子を買ってきて振る舞わさせていただきますね。

 それか、何か甘いものでも作りましょうか。やっぱり皆さん女の子なので、甘い物は大好きだとお聞きしていますし。

 

 と、長テーブルのお誕生日席(一番上座にあたるところです)に座って優雅に食事中のフェアネス殿下が、僕に目を向けました。

 

「あ、ナナシだ。おはよー♪」

 

 おはようございますフェアネス殿下。

 本日もご機嫌麗しゅう。

 

 フラーさんが殿下に紅茶を注ぎながら、僕に頭を下げます。

 それからそっと殿下に耳打ちしました。

 

「……ところでナナシ、全然眠そうじゃないね。昨日はだいぶ夜更かししてたみたいだけど?」

 

 すると突然殿下が言ってきました。

 

 およ?

 はて……?

 

「夜番で徹宵警戒してたロコッピが、ナナシの部屋の明かりがずっと点いてたって言ってるよ。それになぜか、メラミとキャベンシアも全然自分の部屋に帰ってこなかったって」

 

 ああ、そうか。

 ロコさんずっと起きてたんですよね。

 

 ……えーっと、はい。

 

 確かに、メラミちゃんとキャベ子さんと一緒にちょっと夜更かししましたけど、体調と心境は今までになく良好です。

 

 それに、不埒なことはしてませんよ?

 

「ふーん……」

 

 お互いの足をふやけるぐらい舐めてただけです。

 

 ……まぁ、とちゅうで全員興奮してきて、お足以外も舐めたりしましたけど。

 

 何度かキャベ子さんにパクッとされて、一滴残らずちゅーっと吸い出されて、ゴックンされたりもしましたけど。

 

 けど、それはよく覚えていない話ですので。

 

「……え、ナナシちゃん?」

 

 僕は、追及するような殿下の視線や、絶句しているイェルンさんを横に置き、メープルシロップたっぷりのフレンチトーストを食べ始めます。

 

 ぱくぱくもぐもぐ。

 

 ぐびぐびごくん。

 

 うーん、最高ですね。

 めちゃくちゃ美味しいです。

 

 牛乳もよく冷えてて美味しいですし。

 

 おかわりを所望します。

 

「きさまー。さてははぐらかすつもりだなー?」

 

「え、え、ナナシちゃん? う、嘘よね……?」

 

 まぁ、あの時の僕の部屋は防音と遮光の付いた結界で囲っていましたので、覗かれてはいないでしょう。

 

 それに中で何をしていたか理解していたらこんな問い詰め方はしないと思います(たぶんもっと困惑していると思います)し。

 

 とかなんとか思いつつ、殿下やイェルン姉さんのお言葉を華麗にスルーしながらおかわりを食べていると。

 

「うるせぇな……。朝から誰が騒いでんだよ……」

 

 眠そうな目で頭をガリガリかきながら、メラミちゃんが食堂にやってきました。

 

「メラミちゃん、おはようございます! 今日もダンジョン探索頑張りましょうね!」

 

 と、昨晩のことを思い出し、幸福感のままにニッコリ笑顔でご挨拶をしたところ。

 

「……お、おう。おはよう、ナナシ」

 

 メラミちゃんは、なんだか照れたような様子で頬を赤く染め、そっぽを向いて挨拶を返してきました。

 

 ……んん?

 

 どうしました?

 

「な、なんでもねーよ。それより、今日も頼むぞ」

 

 メラミちゃんは僕のすぐ隣(イェルン姉さんの反対隣です)に椅子を持ってくると、ドカリと腰を下ろしてフレンチトーストを食べ始めます。

 

 そして時折僕のほうをチラチラ見てきては、慌てたようにそっぽを向いてしまいます。

 

 んー……?

 

 いったいどうしたのでしょうか?

 

 そうしてよく分からないまま首を傾げていると、

 

「……ナナシ、おはよう」

 

 あ、キャベ子さん!

 おはようござ……、……います?

 

 思わず挨拶が尻切れトンボになってしまいました。

 

 というのも、なんだかキャベ子さんのお肌と髪が、ツヤッツヤのキラッキラになっていたからです。

 

 いえ、昨日までのキャベ子さんがくすんでいたということではないのですが……。

 

 なんかこう、めちゃくちゃ輝くような劇的大変身(シンデレラチェンジ)をしている感じがします。

 

 え、なんで……?

 

「今日も探索を頑張ろう、ナナシ」

 

 うわっ……!?

 やばい……!?

 

 ふんわりとしたキャベ子さんの笑顔に、思わず皆さん見惚れてしまっています。

 

 なんか。なんでしょうか。

 

 今日はキャベ子さんがものすごく素敵に見えます。

 

「そういえばナナシ。ナナシは本当にすごいな」

 

 え。……いきなりどうしました?

 

「だってナナシは、何でも美味しいからな。とってもすごいと思うんだ。……だから、」

 

 そう言うと、自然な動きで僕の左手を取り、僕の手の甲に優しく口付けをしてきます。

 

「ワタシのアナタ。今夜も素敵な夜にしたい。待っているから、……呼んでくれると、嬉しい」

 

 と言って、山のように運ばれてきたフレンチトーストを食べ始め(合間合間に魔石をポリポリかじっています)ました。

 

「……ナナシー?」

 

「ナナシちゃん……?」

 

 ええーと。はい。……そうですね。

 

 ……うん。

 

 今日もダンジョン行ってきます!!!

 

 と、勢いだけで誤魔化して(誤魔化せてるとは言ってない)、皆で家を出て冒険者ギルドに顔を出し、

 

 ダンジョンゲート前に向かったのでした。

 

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