僕は無敵の結界術士 〜素敵なお足の女神様に頼まれたとあっては、転生するのもやぶさかではないです(ぺろぺろ)〜   作:龍々山ロボとみ

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第141話・立場を越えて

 

 あまりに多くの情報が頭の中に流れ込んできたからでしょうか。

 知らない間に脳が過集中(オーバーヒート)状態になっていたようです。

 

 だんだん頭がくらくらしてきて、目の奥の方がズキズキと痛みます。

 鼻血がボタボタ垂れていますが、結界作成中は両手の平を合わせていないといけませんので、拭くこともできません。

 

 ううっ、息苦しい……。

 それに、脳が焼き切れそうなぐらい熱いです。

 

 しかし……、まだお嬢様たちのいる過去まで遡れていません。

 

 ここで諦めるわけには……!!

 

 と。

 

「……慌てることはないぞ、マイブラザー(ナナシ)

 

 ソウ兄ちゃんの操作する小さな水球が、優しく鼻血を拭ってくれました。

 

 ぷはっ、息が……!

 

「この期に及んで孤軍奮闘する必要はない。お兄ちゃんたちにできることがあるなら、遠慮なく言うといい!」

 

 ソ、ソウ兄ちゃん……!

 

 見回してみれば、他の皆さんもソウ兄ちゃんと同じような表情で僕を見ていました。

 僕は、皆さんの優しさに泣きそうになりながら、ソウ兄ちゃんにお願いしました。

 

「それなら、適宜鼻血を拭ってほしいです。あと、脳天から後頭部のあたりを思いっきり冷やしてくれると助かります!」

 

「分かった」

 

 すぐさま温度操作で氷点下まで過冷却した水膜が僕の頭部を包み込み、焼き切れそうな頭を冷やしてくれます。

 鼻血を拭ってくれるので呼吸が楽になり、脳に酸素が行き渡ります。

 

 これなら……!

 

 僕は、さらに大量に流れ込んでくる情報を処理していきながら、お嬢様たちのいる時空を探します。

 

 どこでしょう、どこにいるのでしょう。

 まだでしょうか、まだ足りないのでしょうか。

 

「くっ……! メラミちゃん! キャベ子さん! フェアちゃん! お願いがあります!」

 

 僕はその場にしゃがむと、後ろにぱたんと倒れて仰向けに寝転がりました。

 

「僕の顔をお足で踏んでください!!」

 

「はあっ!?」

 

 スーちゃんさんがドン引きしたような声を出しましたが、

 

「しゃーねーな」

 

「ん。任せろ」

 

「ほんとに好きだねぇ♪」

 

 三人は靴を脱いで生足を出し、僕の顔を優しく踏み踏みしてくれました。

 

 う、うおおおぉぉぉぉぉおおおおおーー!!

 

 三人の素敵なお足に踏まれていることでテンションが限界突破し脳ミソがものすごい早さで回ります。

 

 限界のさらに先の限界を超えたかつてない集中状態に僕はもうスーパーナナシになっていると言えるでしょう。

 

 しかし、まだです。

 

 まだ足りません。

 

 さらにその先へ行かなくてはならないようです!

 

 僕は、心から叫びました。

 

「ワンコちゃん!!」

 

「えいよぉ」

 

 すいーっと浮かんで寄ってきて、ワンコちゃんもその小さなお足で僕を踏んで(もう顔周りはいっぱいいっぱいなので、僕のお腹のあたりに着地しました)くれます。

 

「スーちゃんさんも!!」

 

「はあっ!? やるわけないでしょ!?」

 

 お願いします!!

 どうかよろしくお願いします!!!

 

「バッカじゃないの!!? って、ちょっと……!?」

 

「まぁまぁ、スーもおいでよ」

 

「ほらほら、仲間外れはよくないからねぇ」

 

 どうやら、フェアちゃんとワンコちゃんがスーちゃんさんを連れてきてくれたみたいでした。

 

 僕の足元に立って真っ赤なお顔でぷるぷると震えていたスーちゃんさんは、やがて意を決したように叫びました。

 

「〜〜〜〜っ!! あんた、こっち帰ってきたら覚えてなさいよ!!」

 

 そして、靴と靴下をばっと脱ぎ捨て、僕の下腹部のあたりを生足でずんっと踏みつけてくれました。

 

 ありがとうございます!!!

 

 五人の可愛い女の子たちのお足の感触に、僕は夢見心地になりました。

 

 そして、見えたのです。

 女神様のお姿が……!!

 

 あ、今、目が合いました。

 お食事中(カップ麺みたいなのをすすってました)だったようでなんだか慌てていますね。

 

 僕は、女神様の御尊顔を拝見できた喜びに打ち震えながら、ペコリと頭を下げてその場をあとにします。

 

『待て待て待て!? おヌシどうやってそこに!?』

 

 あ、お嬢様たちの姿も見えます!

 大森林の拠点結界にいるのが見えました!!

 

 よーし、これで……!!

 

『ナナシよ、ここはそんなホイホイ来て良いところではないからな! そこのところは、よーく脳ミソに刻んでおくのじゃぞ!!』

 

 お嬢様たちの元に行けるぞー!!

 

 

 

 ◇◇◇

 

 ……はっ!

 

 ……夢?

 

「ちょっとあんた、ほんとに大丈夫なの……?」

 

 いえ、夢だけど夢じゃなかったですね。

 

 僕はむくりと上半身を起こし、手の中にある逆転結界から得た情報を使いつつ、リングを使用します。

 

「……ゲート、オープン」

 

 僕の目の前の空間がぐにゃりと歪み、地上へのゲートが開きました。

 

 できました。

 

「この先に、お嬢様たちがいますね」

 

「なんかよく分かんねーが、うまくいったのか?」

 

 はい。皆さんのおかげです。

 

「本当にありがとうございました。特にスーちゃんさん。また帰ってきたときにはしっかりお礼をさせてください」

 

 さぁ、皆さん。

 行きましょうか。

 

 お嬢様の元へ……!

 

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