僕は無敵の結界術士 〜素敵なお足の女神様に頼まれたとあっては、転生するのもやぶさかではないです(ぺろぺろ)〜   作:龍々山ロボとみ

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短めの小話・1

 

「ところでナナシさん」

 

 なんでしょうお嬢様。

 

「これ、いつまで飛ぶのかしら」

 

 お嬢様、眼下に広がる広大な森の景色を見ながら、呟きました。

 

「飛び始めて半日ほどになるけど、先ほど一回お昼休憩も挟んだけど、見える先見える先森の木々ばかりで、まったく終わりが見えないのだけど」

 

 そうですね。

 この森、やっぱりめちゃくちゃ広いですよね。

 

「前から思ってたんだけど、この、なに、カベコプターっていうの? これってもっと早く移動できないのかしら?」

 

 お嬢様は、退屈そうに言います。

 

「今まではほら、森の中を通ってて、木々が乱立してたから安全のために低速で飛んでたんでしょうけど、ここまで高度を上げればぶつかる心配もないと思うのよ。だから、もっと速度を上げても良いと思うんだけど」

 

 なるほどお嬢様。

 その言い分はもっともです。

 

 しかしですね。

 

「残念ながらお嬢様、僕のカベコプターは時速約三十キロメートル程度しか出ません。つまり、今が一番速く飛んでいます」

 

「……なんですって?」

 

「僕の結界術の数少ないウィークポイントなのですが、結界壁の移動や変形にかかる速度は、一定以上に早くならないんです」

 

 これはたぶん、結界術の性能に由来すると思うのですが。

 

 僕の結界術は、ただでさえ強固で、巨大で、大量で、精密で、持続的で、そのうえ多数の機能を付加できて、と色々なことができるのですが、そのせいで()()()()()()()()()()()なっているんだと思います。

 

 どれだけ高性能なコンピューターを使っていても、データ量の多いゲームやアプリをするときは、処理落ちするじゃないですか。

 

 あれと同じで、たぶんこの世界の中でも、僕の結界術はとてつもなく()()()()()()()()ものなのではないでしょうか。

 

「なので、これ以上は速く飛べないです。無理すれば短時間なら今の倍ぐらいまでは速くできますが、そのあとしばらくはデフォルト結界の作成ぐらいしかできなくなります」

 

「……つまり、無理すると総合的な移動速度は余計に落ちると?」

 

「その通りです、お嬢様」

 

 お嬢様は、なんとも言えない表情で天を見上げました。

 

「……それなら仕方ありません。ですが、このままずーっと、ただ座っているだけというのは、どうにも退屈だわ……」

 

 それならお嬢様、こちらはいかがでしょうか。

 僕は、自作の結界製タブレットをお嬢様にお渡ししました。

 

「……なにこれ」

 

「表面に指で触れてください」

 

「うわ、光った。……何か、図形や数字が書いてあるわね」

 

「パズルゲームです」

 

「パズルゲーム」

 

「暇つぶしにどうぞ」

 

「……まぁ、無いよりはマシかしら。えーっと、ルールは……」

 

 お嬢様は大きめのクッションにもたれてリラックスした体勢になり、無言でスワスワ(スワイプのオノマトペです)し始めたのでした。

 




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