僕は無敵の結界術士 〜素敵なお足の女神様に頼まれたとあっては、転生するのもやぶさかではないです(ぺろぺろ)〜   作:龍々山ロボとみ

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第1章・極魔の大森林・転生ナナシの単身全裸サバイバル生活編
第002話・極魔の大森林に来ました


 

 森の皆さんこんにちは、ナナシです!

 

 女神様に別れを告げ、大穴に落ちて目の前が真っ暗になったかと思いきや、気づいた時には森の中にいました。

 

 どうやらこれで転生を果たしたということのようです。

 

 赤ん坊になってオギャアと産まれるのかと思っていましたが、ちょっと違うみたいですね! ふしぎ!

 

 さてさて僕は今、深い森の中にいるようです。

 

 なんだかとても大きい森ですね。

 周りに生えている木の一本一本が太くて大きいものばかりです。

 

 上を見上げてもてっぺんが見えないぐらい高く、幹の太さは僕が両腕を伸ばしたものより太いでしょう。

 

 足元にはふかふかとした腐葉土が積み重なり、大きな木の根が嵐の海の波のようにうねって地上まで出てきています。

 

 地面の高低差も激しいです。

 これは歩くのがたいへんそうですね。

 

 どこまで見通しても立ち並ぶ木々しか見えず、ここが深い森の中だということが嫌でも分かります。

 

 そして僕ですが、なんと全裸です。

 

 転生したばかりなので当然なのかもしれませんが、それにしてもパンツ一枚すら身につけずに森の中に立っていると、それだけで普段とは違う非日常感を味わうことができてなんだか興奮してきますね。

 

 早くもテンションアゲアゲ⤴︎⤴︎です。

 

 あと、僕の身体なんですが。

 

 なんだか前世より若返っていますね。

 身長も低くなっていますし、手足も細くなっています。

 

 ザ・幼い少年の身体、って感じがします。

 目の前にショタコンさんがいたらヤバいかもですね。

 

 事案が発生して精通と童貞をダブルゲットされちゃうかもです。

 

 もっとも、見える範囲にショタコンさんどころか人っ子ひとりいないのですが。うーん、寂しい。

 

 鏡がないので自分の顔を見ることはできませんが、ペタペタと手で触ってみる限りでは、顔つきも変わっている気がします。

 

「あー、あー。本日は晴天なり、本日は晴天なり。ただいまマイクの試験中。僕の名前はナナシです」

 

 声も全然違いますね。

 女の子みたいな可愛らしい声になってます。

 

 転生したことで、まったく別の肉体になったということなのでしょう。股間のゾウさんも転生前よりさらにビッグですし。

 

 今の僕は元日本人の転生者、ナナシ。

 

 心機一転新しい肉体で頑張ることにします。

 

 さてさて、まずは女神様との約束を果たさなくてはなりません。

 

 転生前には一切説明を受けませんでしたが、どうやらこの肉体の脳ミソの中には女神様からの指示事項が刻み込まれているようです。

 

 これってもしかして洗脳では?

 

 と思わなくもないですが、いちいち聞いても忘れてしまいそうですし、これでいいのだと思います。

 

 さて、女神様曰く、僕がこの森の中にいる間に徐々に僕の中から真力が流れ出して大地に溶け込んでいくようで、その間は僕は森から出ることができないそうなのです。

 

 ですので、当面の間の僕の仕事は、この森の中でひたすら生き抜いて、死なないことなのだとか。

 

 僕が死んでしまうと、僕の中に残っている分の真力は一気にまとめて大地に押し込まれてしまうらしく、そうなった場合に地上のどこかで大災害として歪みが出てくるうえに、ロスした分だけ猶予期間が短くなってまた次の転生者を用意するのが早まってしまうようです。

 

 つまり、約束を果たすまで生き延びないと、僕のせいで不幸になる人たちが出てくるというわけで。

 

 僕は裸一貫スタートで、この森の中で生き延びていかなくてはならないということなのです。

 

 キュロキュロキュロ……。

 

 ギョェーギョエー、ギョェーギョエー。

 

 グゴォォオロロロロロロ……。

 

 ふいに、周りの木々の向こうから地鳴りのような動物の鳴き声が聞こえてきました。

 

 とても巨大な、例えるなら太古の地球の恐竜たちの鳴き声であるかのような、そんな鳴き声でした。

 

 この森には、とても大きな生き物たちが住んでいるのでしょうか。

 

 というかうーん、ひょっとしてこの森って、裸一貫の人間が住むのにはあまり適していない土地なのでしょうか……?

 

 気候はちょっと蒸し暑いぐらいというか、全裸でも風邪をひくことはなさそうですが。

 

「まぁけど、いまさらドキドキしても仕方ないし、なんとか頑張らなきゃですね!」

 

 それに、僕には女神様から授かったすごいスキルとやらもあるみたいですし、そんな簡単に弱肉強食の餌食にはならないでしょう。

 

 えーと、脳ミソに刻み込まれた記憶によれば、僕は「超・結界術(極)」というスキルが使えるようです。

 

 なんだか大仰な名前になっていますが、「超・」とか「(極)」の部分は女神様が色をつけてくれた部分のようです。

 

 普通の結界術よりできることが多そうなのですが、さてさて、どのくらい違うのでしょうか。

 

 普通の結界術というものすら分からない手探り状態なのですが、脳ミソに刻まれた記憶をまさぐって使用方法を引き出します。

 

「試しに一回、結界を張ってみましょうか」

 

 僕は記憶に刻まれた方法に従い、両手の平を合わせてから頭の中で「結界作成」と唱えました。

 

 すると、僕を中心に半透明の光の壁が現れ、僕は球状の光の壁に包まれました。

 

 すごい。

 なんだか大きなガチャポンのカプセルに入れられちゃったかのようです。

 

 もっとも、全裸人間の入ったガチャポンを回す奇特な人間はそうそういないと思いますが。

 

 ちなみに僕は拝んでいる柴犬のガチャポンを近所のスーパーで買い物するたびに回してました。

 

 僕は光の壁をコンコンと叩いてみます。

 光の壁は暑くも冷たくもなく、触っても特に何の変化も起きません。

 

 球体の大きさは直径二メートル程度。

 壁を押してみても動くことはなく、球体がコロコロ転がったりはしませんでした。

 

 初結界はガチャポンカプセルin全裸人間。

 

 なかなか幸先のいいスタートと言えるのではないでしょうか。

 

 ちなみにこれ、解除しないとここから出ることができず移動もできなさそうですね。

 

 それと、光の壁を出してから、なんだか少しずつ体の中から力が抜けていっている感覚があります。

 

 脳ミソに刻まれた記憶を探るに、この世界には魔力と呼ばれる形のエネルギーが存在し、基本的にスキルは魔力を消費することで使用することができるものみたいです。

 

 つまり僕は、結界を張って維持している間は少しずつ魔力を消費しているということなのでしょう。

 

 僕の魔力とやらはいったいどれぐらいあるのやら。

 小さじ三杯分とかよりは多いといいのですが。

 

 そしてそれとは別に、ズシーンズシーンと大きな足音が近づいてくるのが聞こえます。

 これはさっそくピンチなのではないでしょうか。

 

 女神様、どうか僕をお守りくださいませ。

 

 僕は真剣に祈りを捧げてみましたが、現実は無情でした。

 やがて僕の目の前には、ティラノサウルスのような姿の巨大な爬虫類がやってきました。

 

 すごい!

 子供のころに読んだ学習図鑑のイラストにそっくりだ!

 

 そんなことを思っていると、ティラノサウルスは鋭い牙のついた大きな口を開けました。

 そしてそのまま僕の入っているガチャポンカプセルにかじりついてきたのでした。

 

 うーん、南無三!!

 

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