僕は無敵の結界術士 〜素敵なお足の女神様に頼まれたとあっては、転生するのもやぶさかではないです(ぺろぺろ)〜   作:龍々山ロボとみ

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第028話・旅は道連れ、性癖も

 

 ◇◇◇

 

 盗賊退治をした日から、さらに二週間ほど移動を続けました。

 

 途中、五つの小さな村と二つの町を訪れ、それぞれのところで人助けをしたり悪人を退治したり物を売り買いしたり美味しい物を食べたりちゃんとした宿で寝泊まりしたりしました。

 

 ジェニカさんという新しい旅の仲間を加えたことで僕たちの旅路はより賑やかになり、楽しい毎日を送っています。

 

 いやぁ、やっぱり皆でワイワイするのは楽しいですね。

 

 そして、一緒に旅をしてみて分かったのですが、ジェニカさんってめちゃくちゃ優秀な商人です。

 

 まず、先天スキルがすごいです。

 

 ジェニカさんの持つ先天スキルは「亜空間格納術」という名前で、お嬢様も使っている「収納術」の超上位互換のスキルなのですが。

 

 お嬢様が自分の魔力によって用意した収納空間(そのため、魔力量によって収納可能量が増減します)に物をしまっておくのと違い、ジェニカさんのスキルはこの世界とは完全に切り離された全く別の空間(僕の前世や女神様のいらっしゃるところともまた別の空間みたいです)に物を格納できます。

 

 なので格納量に上限はありませんし、格納空間とこの世界では時間の流れが違うので、格納した物を格納した時の状態のまま(お湯はいつまでも暖かいままだし、生肉等も腐りません)で置いておけるのだそうです。

 

 あと、後天習得しているスキルも、交渉術とか計算術とか記録術とか複写術とか、そういうやつばかりです。

 馬にも乗れるみたいですし、馬車も操れるのだとか。

 

 戦闘用のスキルは一切持っていませんが、とにかく商売に特化したスキル構成をしているようです。

 

 うーん、すごい。

 仕事のできる大人の女性って感じがします。

 尊敬しちゃいます。

 

 ジェニカさんは元々海沿いの大きな港町を中心に活動していたらしいのですが、個人での活動ながら格納空間を使って大きい物とか重い物とかをまとめて運んで売り買いできるため、いろんな商店や生産者から頼りにされていたのだとか。

 

 港で上がった海産物を腐らせることなく別の街に届けることもできますし、大量の土砂や鉱石、木材なども軽々運べます。

 

 たった一人で、この地域一帯の物流量の半分近くを担っていたというのですから、驚きです。

 

 で、そんなジェニカさんなんですが、たまたま商品のほとんどを売り払ってお金に替えていたときに、先日退治した盗賊団に運悪く襲われてしまったみたいで。

 

 殺されないかわりに持ち物を全て奪われてしまった(格納空間への出入口を開けたままにしておくと生きている人間も入れるみたいで、持っていたお金と食糧を全て運び出されてしまった)そうです。

 

 そして盗賊の下っ端たちに辱められそうになったところで隙をついて逃走、着の身着のままで数日間逃げていたところで狼たちに襲われ、あわやというところで僕の結界に辿り着いたのだとか。

 

 思っていたよりもはるかにピンチだったわけですね。たまたま僕たちが野宿していなければ、ジェニカさんはどうなっていたことか。

 

 そんなジェニカさんも、奪われたお金の大半を取り戻せた(悔しいことに、多少は減っていたみたいです)ことでまた商人として活動を続けていけるようになり、僕たちが町や村に寄るたびにあれやこれやと売り買いをして稼いでいます。

 

 僕たちから譲った毛皮も売り払ったようですし、なにやらお嬢様も、ジェニカさんを介して細々としたものを売り買いしているようです。

 

 と、ここで僕も気づきました。

 どうしてお嬢様はジェニカさんのことをたいへん気にかけて手助けしたのかを。

 

 なるほど、お嬢様は別の国の人間(この辺り一帯はペルセウス共和国の北部国境付近の地域みたいです)ですし、僕に至って森からやってきた文明人です。

 

 知らぬ者同士での売買はお互いに警戒心が出てしまうものですし、ふっかけられたり拒否されたりすることもあるかもしれません。

 

 そこで、この辺りで商人として知名度のあるジェニカさんを間に挟むことで、そういった交渉時の摩擦を減らすことができます。

 

 さらに僕たちだけでは入れない場所や会えない人も、ジェニカさんのツテを辿ればどうにかできるかもしれません。

 

 つまりジェニカさんは、まったく知らない土地を安全かつ快適に旅するための、ナビゲーターとして動いてくれるわけです。

 

 だからお嬢様は、ジェニカさんと仲良くなるためにあの手この手を使ったのですね。

 

 ふふふ、さすがお嬢様。

 類稀なる深謀遠慮、ただただ敬服するばかりでございます。

 

「まぁ、それだけでもないんだけれどね」

 

 と、お嬢様の素晴らしさを讃えていたところ、お嬢様からそのように返されました。

 

 と、申されますと?

 

「純粋に心配したのが三割、貴方が言ったような目的が二割、あとの五割は、()()()()も頼りになりそうだと思ったからよ」

 

 ほほう、それはつまり。

 

「ナナシさんは、ジェニカさんのことをどう思う?」

 

 めっちゃ良い人ですし、頼りになる大人の女性です!

 

 あと、僕の作ったご飯を毎回美味しそうに食べてくれるので、好きです。

 

 お足も美味しいですし。

 

 そういえば僕、ジェニカさんと会ってから毎日のようにジェニカさんのお足を舐めさせてもらってますね。

 

 なんでも、カベコプターでの移動や結界小屋での寝泊まりの代金としてお嬢様と話し合いが行われていたらしく、一日一回三分間、左右どちらかのお足を舐めさせてもらえることになっていました。

 

 なので、毎日舐めています。

 

 ジェニカさん、爪の生え際のあたりが特に美味しくて、爪先からくわえて足の指全体を味わいながら、時々アクセント代わりに爪のほうを舐めると、とっても良い感じなんです。

 

 あと、ジェニカさんの汗って柔らかい旨みがあるというか、じっくり引いた和だしみたいなイメージの旨みがありまして。

 

 ジェニカさんのお足を洗ったあとの水ならジョッキで何杯でもいけると思います。

 

 まぁ正直、こんなに毎日舐めさせてもらっていると、僕としては万々歳で何の文句もないんですけど、ジェニカさんのほうは流石にちょっと思うところがあったりするんじゃないかと心配になるぐらいですね。

 

 ただそれも、先日お足を舐めていた時にジェニカさんが。

 

「……うぅ、また一生懸命舐めてくれてる。私の足を、美味しそうに……。こんな、声変わりもしていない、女の子みたいな可愛い顔してる男の子が……。美味しい美味しいって一心不乱に……。あぁ、なんだか、イケナイ気分になってしまいそう……!」

 

 みたいなことを言ってたので、たぶんこれ、お互いに嬉しいWin-Winの関係ってやつなんだと思います。やったね。

 

 ですので、

 

「ジェニカさんと一緒にいると、とても楽しいです!」

 

「それならナナシさんも、ジェニカさんがこれから先も一緒に旅をしてくれたら、嬉しいと思わない?」

 

 めっちゃ思います!!

 

「じゃあ、そういうことよ。それが理由」

 

 分かりました!!

 

 

 とかなんとかやっているうちに。

 とうとう着きました、海に面した港のある町です。

 

 

 

 ◇◇◇

 

「え、今って海に出られないんですか?」

 

 困りました。さっそくピンチです。

 




ナナシ「いったい何があったのでしょうか……」
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