僕は無敵の結界術士 〜素敵なお足の女神様に頼まれたとあっては、転生するのもやぶさかではないです(ぺろぺろ)〜   作:龍々山ロボとみ

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第076話・ダンジョン転移しました

 

『クリア報酬として、第六位階のスキルオーブが一つ生成されます。本ダンジョンは百秒後に自然崩壊します。ダンジョン内滞在者は、ただいまから順次ダンジョンゲート前に転移します』

 

 ふむ?

 なにやら色々言われましたが。

 

「お嬢様。今の声は聞こえましたか?」

 

「…………」

 

 お嬢様?

 

 僕は振り返り、びっくり仰天な表情で固まっているお嬢様のお顔をのぞき込みます。

 

 僕がお嬢様の可愛らしいお目々を見つめていると、やがてハッとなったお嬢様が。

 

「……まさかとは思うけどナナシさん。ダンジョンデーモンを、倒してしまったの? こんな、あっさりと?? えっ、ほんとに???」

 

 なんだか混乱したままのような様子で呟きます。

 

 ラスボスさんは、ダンジョンデーモンというのですね。

 悪魔というからには、やはりラスボスなのでしょう。

 

「はい。ラスボスさんは首を落として倒しました。このダンジョンの全ての空間は僕が支配し、先ほど頭の中にダンジョンクリアを知らせる声が聞こえました。何かの報酬をもらえることと、まもなく順次ダンジョンの外に転移させられることを言われました」

 

 僕が事実を告げると同時に、ダンジョン全体がグラグラと揺れ始めました。

 

 たぶん、ダンジョンの崩壊が始まったのでしょう。

 

 それとともに、お嬢様たちのお体が淡い光に包まれていきます。

 

 最初にジェニカさん。

 次にナルさん。

 その次がレミカさんと、光に包まれたまま順番に姿が消えていきます。

 

 たぶん、蓬莱樹の根元にあったレンガ造り調のダンジョンゲートの前に、転移していっているのでしょう。

 

 事前に知らされているからか、一人ずつ目の前から消えていく様子を見ても落ち着いていられます。

 

 次は、お嬢様を包む光が強くなりました。

 お嬢様の番のようです。

 

「順番、とのことでしたので、お先にどうぞ。僕もすぐに後を追うと思います」

 

 僕の言葉に、ようやく事態が飲み込めた様子のお嬢様です。

 

 大きく一つ深呼吸をしてから、僕に言いました。

 

「色々ナナシさんに言いたいことはあるけれど、それはここを出てからにするわ。とりあえず一つだけ。……さすがナナシさんね、これからも頼りにしてるわ」

 

 はい。お褒めに預かり光栄です、お嬢様。

 

 そうして、お嬢様の姿も光の中に消えていきました。

 

 さぁ、最後は僕ですね。

 

 僕の体も淡い光に包まれ始めました。

 

 そしてそれとは別に、赤い光が僕の手の中に集まってきて、小さな丸い形となりました。

 

 僕の手の平の中に、赤いビー玉のようなものが乗っています。

 キラキラしていて、とても綺麗です。

 

 僕は思わず、その赤いビー玉を口の中に入れました。

 

 コロコロと舐め転がすと、甘いような渋いような不思議なお味がしました。

 

 頭の中に、またもや声が響きます。

 

『スキルオーブの使用により、第六位階のスキルを取得できます。スキルを選択してください』

 

 スキルの取得?

 

 ふむふむ。もしかして、新しいスキルをゲットできるのですか?

 

 それなら僕、前世のインターネットに接続できるスキルが欲しいです!

 

 そういうの、ありませんか?

 

『条件指定、検索中……。該当有り。異界電脳接続術を候補として表示します。取得しますか?』

 

 お、あるんですね!

 

 じゃあそれください!

 

『了承。習得フェイズに移行します。スキル習得中は魔力操作ができません。ご注意ください』

 

 ぐもももも、っと、僕の中に何かが流れ込んでくる感じがします。

 流れ込んできた何かは、僕の中でぐるぐると渦巻きながら、次第に一つの形に組み上がっていきます。

 

 なるほど、これが新しいスキルを取得する感覚なのでしょうか。

 

 空き地に新しい家が建つところを十倍速で見ているみたいなイメージで、僕の中に新しい魔力の通り道ができていきます。

 

 僕は、あともう少しで新しいスキルを取得できそうという状況に高揚しつつ、自分を包む光が一際強くなるのを感じました。

 

 これは、スキルの取得とダンジョンの外に出るの、どっちが先になるのでしょうね。

 

 できれば、スキルを取得してからダンジョンを出て、いの一番にお嬢様にご報告したいところなのですが。

 

 

 

 とかなんとか、考えていると。

 

 

 

「……ぐぐ。貴様、だけ、は」

 

 突然、ラスボスさんの()()がゴロリと動きました。

 

「貴様だけは、許さん……!」

 

 掠れた声で喋り。

 悪化のような形相を浮かべ。

 頭の両側についたツノが破滅的に輝き、今にも爆発しそうな様子で不安定に明滅しています。

 

 え、まだ意識が!?

 

「ムゥン……ッ!!」

 

 目をカッと見開いて、僕を見つめます。

 頭のツノがパリンと砕け散りました。

 

 とたんに、僕を包んでいた光が異常なまでに強くなり、僕の身体を浮遊感が包みました。

 

 なにか、変な感じが!

 

 僕は慌ててラスボスさんの生首を見ますが、すでに事切れた様子でもうピクリとも動きません。

 

 うっ、おへその内側から引っ張られる!

 

 

 うわあああぁぁぁあああああっ!?

 

 

 そうして僕は、崩壊するダンジョンから転移しました。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 ◇◇◇

 

「え、ここどこですか?」

 

 気がつくと僕は、どことも知れぬ大草原のど真ん中に立っていましたとさ。ちゃんちゃん。

 




ハローチェ「それにしてもナナシさん、まさかダンジョン攻略までしてしまうなんて。……ふふふ、これはもう、しっかりご褒美を出さないといけないようね!」
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