島村卯月(27歳)による藤田ことねトップアイドル化計画   作:天宮雛葵

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45 - 遍く世界に、祈りよ届け!

 

月刊アイグラWeb出張版・2024年7月号本誌記事

初星学園の新たな偶像・藤田ことねの素顔に迫る(後編)

 

インタビュー / 三峰結華 撮影 / 早坂そら

 


 

 

 藤田: あたしがこんなこと言っても、信じる人はいないかもしれないんですけど。あのライブの……島村さんって、すっごくファンサしてくれたじゃないですか。

 

 ──そうですね、以前のライブよりもかなりファンサービスを多くしていたと私も感じました。

 

 藤田: あのときの島村さん、観客全員にファンサする勢いでしたよね。それで……いやほんと、妄言だと思われそうなんですけど……Great Journeyの後半で、あたしと島村さんの目がバッチリ合ったんです。しかもそのすぐ後に完璧な笑顔を向けられちゃって。

 

 ──参考までにお聞きしたいのですが、当時の藤田さんは会場のどのあたりにいらっしゃったんですか?

 

 藤田: バルコニー席のド真ん中って感じでした。だから島村さんがただ単に前の方を向いて、持ち前のスマイルを決めただけじゃないのかって言われたら、それはちょっと反論しにくいんです。でもあのときのあたしにとっては、絶対にあたしの方を向いたうえで島村さんが笑ってくれたんですよ。それで……もう、情緒がおかしくなっちゃいましたね。

 

 ──ざっくばらんに言うなら、沼に落ちたという感じでしょうか。

 

 藤田: 沼って言っていいんですかね、あれは。むしろ光に焼かれた感じがします。

 

 ──その感情は理解できますよ。つまるところ、藤田さんにとってはその経験こそがもうひとつの転機だったと。

 

 藤田: そういうことです。それまではアイドルとしてどういうパフォーマンスを目指すのか、アイドルとしての目標をどこに置くのかっていうことがあまり定まってなかったんですけど、あの日のライブで覚悟を決めました。今のあたしが掲げる目標は、あの日の島村さんを超えるくらい全力で動き回って、会場に来てくれた人たち全員にファンサを決めて、最後まで可愛くステージに立つことです!

 

 ──緒方さんと島村さんのライブが、藤田さんが今後目指すアイドル像を定めることになったんですね。

 

 

夢は『お金を稼げるアイドル』?

 

 ──藤田さんが掲げる目標についてお聞かせいただきましたので、併せて藤田さんの夢についてお伺いしたいと思います。ずばり、アイドルとして叶えたい夢はありますか?

 

 藤田: あります。しっかりあるんですけど……これ本当に言っていいんですよね? 言っちゃいますよ? ……あたしも信じられないんですが、これにもオッケーが出ちゃったのではっきり言います。あたしの夢は大金持ちになることです! そのために、お金を稼げるアイドルを目指してます!

 

 ──ほう。興味深いですね。

 

 藤田: 聞かれる前に答えちゃいますけど、何か事情があってお金が必要とか、お金がないと叶えられない夢があるとか、そんな高尚なことは何もないです。あたしは大金持ちになるために一攫千金を目指してアイドルをやってます。

 

 ──正直なところ、意外でした。私の勝手な思い込みですが、アイドルや芸能界といった世界への憧れかと推測していましたので。

 

 藤田: あたし、自分の可愛さには自信があるんです。……当然、アイドルの世界が可愛いだけでやっていけるものじゃないってことはわかってました。可愛い以外にもいろんな才能を持っている人たちがひしめいてるってことも、今ならわかります。それでも、あたしの『可愛い』は世界に轟きます。轟かせてみせます、きっと! そして目指すのは収入ウハウハのトップアイドルです!

 

 ──なるほど。……芸能界がアイドル戦国時代と呼ばれるようになり、SNSの台頭で芸能人がより身近となった現代、アイドルという存在の不可侵性や非日常性は薄れつつあります。そういった時代にあっては、藤田さんのように……失礼な物言いですが、俗物的な欲望を隠さない方も珍しくはなくなってきたと、記者の立場からは感じています。

 

 藤田: それこそ、アイドル戦国時代が始まった10年前の時点で、双葉杏さんとかがいらっしゃいますしね。

 

 ──仰るとおりです。ですが、藤田さんは双葉さんとはタイプが違うように見受けられます。僭越ながら、アイドルとはファンに夢や希望、活力を届ける職業です。また同時に、アイドルという職業はファンにチケットやグッズ、CDなどを買っていただかないと活動を続けられないという事実もあります。藤田さんは、こういった理想と現実……あるいは夢と金銭の関係について、どのように考えていらっしゃいますか?

 

 藤田: そうですねぇ。今時、お金のことを汚いものだなんて言う人は少ないと思います。だとしても、夢を与える仕事をやってる人間が、お金とか収入の話ばっかりしてるんじゃないよ、って意見もあるだろーなぁとも思います。ましてやあたしみたいに、可愛さでアイドルやっていきますなんて言ってるヤツが、お金の話を表立ってするのか? みたいな。

 

 ──否定は……できませんね。

 

 藤田: あたし自身も半信半疑です。これ言っちゃって本当に大丈夫だったのかなーって。言わないまま、純粋に可愛いアイドルとして売っても良かったんじゃないかって今まさに思ってます。

 

 ──それでも、こうして大金持ちになる夢を公言した理由は何なのでしょうか?

 

 藤田: あたしの可愛さは、お金の話をしてるくらいじゃ揺るがないからです! なんならお金の話してるあたしだってめちゃ可愛いだろ~って思ってます。それに……これからあたしがステージに立つような日が来たとき、あたしは他のどんなアイドルよりもファンひとりひとりに感謝して、本気のファンサービスってものを見せつけてみせる自信があります!

 

 ──気合の入った宣言ですね。では、その心は?

 

 藤田: あたしよりもお金を稼ぐことに真剣で、大金持ちになる夢のために本気を出してるようなアイドルはいないと思ってます。だからこそ、あたしのためにチケットやグッズを買ってくれたり、あたしのために時間を割いてくれるような人たちの期待を裏切りたくないんです。その期待を裏切るのは、あたしのために使ってくれたお金や時間の価値を、あたしが否定するのと同じです。それだけは絶対イヤなんです! ……えっと、どうでしょうか。こんな感じで……。

 

 ──いえ、大変失礼しました。そうですね……藤田さんは大変真面目で、それでいて目標も夢も野望も秘めていて、自らの信じるものを裏切ることが許せない、そんなアイドルなのですね。

 

 藤田: えっ、いや、急に褒めすぎじゃないですかっ!? 

 

 ──これでも到底言葉が足りないと思っています。ですが誌面の都合もありますので、ここまでとしましょう。最後となりますが、藤田さんからファンの皆様に……これからファンとなる皆様に、何か伝えたいことなどはありますか?

 

 藤田: あ~っと、そうですねぇ。そうだ、あたしのツイスタアカウントが本格始動しました! それから告知専門のアカウントもいろんなSNSで準備ができてて、近いうちにみんなを驚かせるような発表がたくさんできると思います。デビュー直後、今からあたしを追っかけてくれたら数年後には古参の顔ができますよ! なにせこのインタビューが初仕事ですからねっ!

 

 ──今のうちに藤田ことねを推していけ、と。

 

 藤田: そうですね! みんなが推すに足るようなあたしの魅力を、これからもっと示していきます。あたしのことを褒めてくれて、推してくれて、好きになってくれる人のことが、あたしはだぁ~い好きですっ! その期待をあたしは裏切りません!

 

 ──本日はありがとうございました、藤田さん。

 

 藤田: こちらこそ、今日はありがとうございましたっ!




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