お酒を飲んだら、ホシノの唇を奪っていたらしい   作:新月

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ムシャクシャして書いた2。
反省はやっぱりしていない。



ん、先生にお酒を飲ませたら、ホシノ先輩のお腹を撫でていた

 “──眠い、目を開けてられないや……”

 

 確か、シロコがジュースを差し入れしてくれたから、それを飲んで……

 そこからの記憶が曖昧だ。

 それにしても、眠い……いつもみたいに、二徹していたからだろうか?

 

 “……あれ、おっきいヌイグルミだ”

 

 目の前に、何故か“おっきいヌイグルミ”が立っていた。

 むう、抱きつくのに丁度良さそう。

 この年齢でヌイグルミという歳ではないが、眠気が酷いのと、抱き枕がわりにちょうど良さそうだったから、そのヌイグルミを抱き寄せた。

 

「……!?」

 

 わあ。思った通り柔らかい……これなら気持ちよく寝られそう

 

 その抱えたヌイグルミを、自分の膝の上に乗せて背中側から抱きしめるようにする。

 落とさないように、ヌイグルミのお腹側らしきところに両手を回し込んで。

 

 うん。体にスッポリ。ベストポジションだ。

 

 一瞬ヌイグルミが動いたような気がしたが、すぐに大人しくなり、やっぱり気のせいだったと判断した。

 

 それにしても、このヌイグルミとても柔らかい。フニフニしてる。

 感触を確かめるように、大きなヌイグルミの“お腹”を軽く押してみた。

 

 うん、フニフニだ。ちょっと感触が気持ちいい。

 

「…………っ」 

 

 調子に乗って、もっとフニフニと繰り返すように押し込む。

 その分、弾力が返って来てそれがとても心地よい。自分の手遊びに付き合ってくれているようで、とても気分が良くなっていた。

 

 それからしばらく、この感触を堪能した。

 フニフニとした触り方だけでなく、グイグイと強めに押し込んだり、トントンと衝撃を与えたり。

 

「──っ♡ ──っ♡♡」

 

 すると、気のせいだった筈のヌイグルミが、いつの間にか少し動き始めたような気がした。

 まるで、自分の腕の中から逃げ出そうとするような。

 む。ダメだよ、心地いいんだから逃げていっちゃ。

 

 そうして、逃げ出さないように抱える力を少し強めて、グッとヌイグルミのお腹にも力を入れた。

 

「──っ♡♡ ──っ♡♡♡」

 

 よし、これで安心。

 ……安心したら、余計に眠気が来てボーッとしてきた。

 あれ、なんでヌイグルミを抱っこしようと思ってたんだっけ……?

 

 ……気がつくと、大きなヌイグルミと思っていたそれは、“大きな桃”になっていた。

 

 あっれ、桃だっけ? あれ、なんか前にもこんな事あったような? あれ、思い出せない……

 

 ──まあいっかあ。頂きます。

 

 そう思って、目の前の桃の””に口を付けて──

 

 

 ☆★☆ 

 

 ──時は少し遡り。 

 

<D.U.>

 

「うへー、疲れちゃったよー。けど、これで今日の用事は終わったかなー」

 

 おじさんはそう、独り言を呟いた。

 今この場にはおじさん一人しかいない。

 ちょっと私物で街中で買いたいものがあったから、ここまでお出かけしてきたのだ。

 そうして無事買いたい物も買えて、これから帰るつもりだった。

 

「……そういえば、ここからシャーレって割とすぐ近くだっけ」

 

 見ると、シャーレの建物がここからでもすぐ見える位置にあった。

 うへー、ここまで近くに来てたんだ。無意識だったよー。

 ……先生は確か、今日はシャーレにいる筈だけど……

 

「……いやー、まあ止めておこう。今日当番の子に悪いしねー」

 

 シャーレに寄ってから帰る、そう一瞬思った思考を振り払う。

 シャーレの当番は希望制だが、その人数は思った以上に多い。

 だって先生と一緒にいられる時間でもあるんだ、その貴重な時間を二人っきりで味わいたいという考えの生徒は多いだろう。

 

 おじさんも、その気持ちは分かるからねー。だから、他の人の時は基本的に邪魔をしない。

 

 ……それに、“”の当番の時は、先生にすっごく“良く”してもらってるから。

 

 二人っきりの時に凄くいい思いしてるのに、他の人の邪魔なんてしちゃダメだし。

 何より、この“良いこと”は他の人に見られたらマズイ事だ。

 だから、二人っきりの……いや、“私”だけの秘密にしておいた方がいい。

 

 ……アビドスのみんなはノーカンで。初回のあれは、不可抗力だったし。

 うへー、今でも恥ずかしいようあれは……

 

「さて、それじゃあ遅くなっちゃうし、アビドスに戻って……」

 

 ──♩、──♫

 

「って、あれ? シロコちゃんからモモトーク?」

 

 自分のケータイが鳴って確認すると、シロコちゃんからメッセージが届いた通知だった。

 おじさんは、ロックを解除してモモトークを開いた。

 

『ホシノ先輩、今いい?』

『いーよー。どうしたのシロコちゃん?』

『ホシノ先輩って、確か今日D.U.に行く予定だったよね? 今シャーレの近くにいる?』

『うん。シャーレここから見えるよー。それがどうかしたの?』

『ちょっとシャーレまで来て欲しい。確認したいことがあって』

『確認したい事?』

 

「なんだろう? 確認したいことって……」

 

 それにシロコちゃん、もしかしてシャーレにいる?

 そういえば、当番表でもうすぐシロコちゃんの番だったような気がしたけど、今日がそうだったのかな。

 

「うへー。じゃあ帰るつもりだったけど、しょーがないよねー。だって当番の子に呼ばれちゃったんだし、ついでに先生に会いに行っても仕方ないよねー。うへへ……」

 

 そうしておじさんは、誰に言い訳してるわけでもなく独り言を呟いて、それからシャーレに向かって行った。

 流石に寄り道などはせず、今回は“差し入れ”は持っていかないつもりだ。

 急いだ方がいいし、何より二人っきりじゃない時なら意味ないからね。

 

 さて、シロコちゃんを待たせないように急がないと……

 

 

 ☆★☆ 

 

<シャーレ>

 

「うへー。シロコちゃん、来たよー。お待たせー」

 

 おじさんはシャーレにたどり着いて、中にいるだろうシロコちゃんにそう声を掛けながら部屋に入って行った。

 先生にも会えるかな、と期待を持って。

 

「ん、ホシノ先輩待ってた」

「“…………”」

 

「あ、やっぱり先生もいたんだね。二人ともどうしたの? 確認したい事って……」

 

 部屋に入ると、シロコちゃんと先生がソファーに向かい合わせで座っていた。

 仕事机じゃないってことは、多分休憩中だったのかな?

 

「急に呼び出したから、何事かと思っちゃったよー。それで結局何を確認したいの?」

「ん。ホシノ先輩じゃないと確認出来ないこと」

「おじさんじゃないと? どういう事さ」

「“…………”」

「先生もどういう事? 正直何を聞きたいか全く分からないんんだけど」

「“…………”」

「……先生?」

 

「“…………あー……?”」

 

「って、先生お酒飲んでる!?」

「ん。飲ませた」

「何やってるのさシロコちゃーんっ?!」

 

 さっきから黙っていた先生の理由が判明した。

 まさか前みたいにお酒飲んじゃってたの!?

 よく見ると、ソファーの前のテーブルにコップが置かれていたけど、多分その中にお酒が入ってたんだ!!

 シロコちゃん飲ませたってことは、まさかコッソリ、先生にお酒って事バレないように注いだんだね!?

 

「ちょ、ちょっとシロコちゃん大丈夫だった!? だって先生、お酒飲むと……」

「ん。大丈夫だった。……残念ながら、先生は私に手を出したりしなかった

「そ、そっか。それなら良かったんだけど……」

 

 おじさんは、以前先生にやられたような経験をシロコちゃんにやってないか懸念したけど、それは無かったらしい。いや、良かったよ……

 そういえば、アビドスのみんなに見られていたから、みんな先生のお酒の弱さ知ってるもんね……

 というかシロコちゃん、狙ってたでしょ? 先生にお酒を飲ませたってことは……

 

「本当に残念。先生はボーッとしたままだった。追加で飲ませたりしても、上の空」

「あんまり飲ませすぎちゃダメだよシロコちゃん。先生本当に弱いんだから……って、あれ? 本当に上の空のままだったの? 一切動いたりしないで?」

 

 おじさんはシロコちゃんの言葉に疑問に思った。

 だって先生、いつも……

 

「ん。そう、今日仕事を早めに終わらせた後、先生に飲ませたけど一切反応が無い。……ところでホシノ先輩、そこで疑問を持つって事は……」

「……えっ! いやー、ほら初回の時の先生の事を思って、あの時の事を考えたらって意味で……」

「初回? 先生は私達の前だと、あの時の一回しかなかった筈だけど」

「う……うへへえ……」

 

 おじさんは、曖昧な返事をするしか無かった。

 あ、あちゃー……

 

「ん。ホシノ先輩が墓穴を掘ったのはいいとして。……それで確認したい事があったから、こうしてホシノ先輩を呼んだの」

「うへへ……ん? 結局確認したい事って……」

 

 一体何。そう聞こうと思って……

 

 ──気づいたら、先生に腕を引っ張られていた。

 

「んえっ!? せ、先生♡!?」

 

 気がつくと、ソファーに座っている先生の膝の上に座らされた。

 そして先生の腕が、抱えるように私のお腹の前に回されている。

 ま、まさかシロコちゃんの目の前で!?

 そう思って一瞬身構え、体が固まり……

 

 ──しかし、そこから先生は何もしなかった

 

「……あれ?」

「……ん? 予想が当たったように見えて、予想外?」

 

 先生は、そこから本当に何もしなかった。

 強いていうなら、お腹に回した手が時折グーっと力を入れる事があるくらいだけど、以前のようにキ、……キスをしてくるような事は無かった。

 

「あ、あれー……? そ、そういえばシロコちゃん、結局予想って何?」

「ん、先生は私に対してはキスをしようとしなかった。じゃあホシノ先輩だったら、手を出すのかどうか確認したかった」

「何を確認しようとしているの!?」

 

 つまりシロコちゃんは、目の前で先生がおじさんにキスしようとするかどうか見たかったって事!?

 初回のあの時はいざ知らず、また後輩の目の前であれを見られるのは恥ずかしいよ!

 全くシロコちゃんはー……それにしても先生、シロコちゃんにはお酒を飲んでもしなかったんだ。

 私だけ……う、うへえ♡

 

「でも、結果は微妙に失敗。確かにホシノ先輩に反応はしていたけど、ただ抱きしめただけ。それでも十分羨ましいけど」

「い、いやー……でも、本当に先生動かないね? シロコちゃん、本当に先生にお酒飲ませた?」

「ん、アルコール度数前より高いやつを。先生それをゴクゴク飲んでいた」

「いやー、まさかとは思うんだけど、そのアルコール度数高すぎたのが原因じゃ無いかなーって……」

 

 確か先生、以前アビドスで飲んだ時も、確かにアルコール度数はある程度高いやつだったけど、チビチビと飲んでいた筈。

 それで結局、缶ビールの半分くらいしか飲んでいない状態で、あの状態になっていた。

 

 けどシロコちゃん、さっきゴクゴク飲んでいたってのと、追加で飲ませたって言って無かったっけ?

 それ単純に、飲ませすぎじゃないかなー……

 

「むう。それなら失敗。今度からもうちょっと量を調整して、再挑戦してみる」

「再挑戦したらダメだよ、シロコちゃん……」

「ホシノ先輩、いつもどんな感じに飲ませてた?」

「えっと……いやシロコちゃん? 何おじさんがいつも飲ませてたように聞いてくるのさ?」

「違うの?」

「…………うへえ」

 

 ──それから、数十分ぐらい経って。

 

 相変わらずおじさんは、シロコちゃんと話し続けていた。

 体勢はそのまま、先生の膝の上に座ったまま。

 時折先生はお腹をフニフニ押してきているけど、大した刺激じゃ無かった。

 

「ところで、ホシノ先輩は先生とやったの?」

「やったって、何を?」

「ん。──男女のまぐわい。所謂、せ……セッ■ス」

「何を聞いてるのシロコちゃん!?」

 

 恥ずかしそうに顔を赤らめながら聞いてくるシロコちゃんに、思わず叫んでしまっていた。

 いや本当に何聞いて来てるの!? こっちが顔赤くなりそうだよ!

 

「やってないよ先生と! 生徒と先生だよ、やっちゃダメじゃん!」

「ん、でもホシノ先輩、先生とキスはした」

「そ、それは……先生がお酒飲んじゃってたからだし、先生も覚えていないし」

「そっか……ところでさっきから思ってたけど、ホシノ先輩も覚えていないって言ってなかった?」

「ん……? あ!? えっと、そのー……」

「まあ、それは置いておいて。先生が生徒に手を出したのは事実。だったら、その先もやっててもおかしく無いと思って」

「そ、その先って……」

 

 シロコちゃんのその言葉に、体が熱くなる。

 その先って、おじさんと先生が裸になって……ま、まぐわうって事だよね。

 う、うへえ……流石に今は、そこまで考えられない……

 

「ん、大丈夫。私はホシノ先輩と先生がそういう関係になっても応援する」

「シロコちゃん……」

「寧ろ一線を越えて貰った方が、生徒と先生でそういう事をしていたって既成事実になるし」

「シロコちゃん?」

「一度前例さえ作っちゃえば、私が先生と“そういう事”をしてもおかしく無いって風に出来そうだし」

「シロコちゃん!?」

 

 こ、この子全然応援する気ないよ! 寧ろおじさんから先生を奪って、手に入れやすくなったとか思ってるんじゃない!?

 あれ、育て方間違っちゃったかなー……? って、ちょっと後悔……

 

「むしろ、ホシノ先輩からそう迫ったりしてないの?」

「し、してないよシロコちゃん! 先生絶対断るだろうし……」

 

「でも先生、お酒飲ました後しばらくしたら寝ちゃったから、その間に襲っちゃえるし」

「マジで何言っちゃってるのシロコちゃん!?」

 

 それ完全に先生の事襲っちゃってるよね!?

 それ先生と生徒以前に、人としてどうかと思うよ!?

 

「でも、実際その手があるっていうのは事実。ホシノ先輩はやる気はないの?」

「な、無いよ! 逆にシロコちゃんはどうなのさ!」

「私? 私は、その……嫌われたくないし、恥ずかしいし……」

「なんでその考えで、おじさんに聞いたの? おじさんも一緒だよ……」

 

 照れるように話すシロコちゃんに、呆れながらもツッコミする。

 とりあえず、シロコちゃんが先生を襲う気がないようで良かったよ……

 それに……

 

「そ、それにさ。そういうのは、先生と……ま、まぐわうのはさ。先生の意識がある時に、先生からやって欲しいな~って……」

「ん、完全に同意」

 

 おじさんの言った言葉に、シロコちゃんもうんうん、とうなづいていた。

 やっぱり、乙女心としては意識の無い相手に奪われるより、意識のある相手に自分の意思で奪って欲しいってのが本音だよ。

 キスは……もう奪われちゃったから仕方ないけど、やっぱり本番はしっかり正気の先生にして欲しい。

 おじさんはそう思っていた。

 

「まあ、今日のところは先生にこうして抱きしめられているだけで満足かなー」

「ん、ホシノ先輩ずるい」

「うへへー、シロコちゃん確認なんでしょー? だったらもう少し観察しなきゃー」

「むう……」

 

 おじさんは先生の両腕を握って、そうシロコちゃんに自慢するようにそう言った。

 うへへー、おじさんで試そうとした罰で、そこで見ていてね~。

 

 

 ──今思うと、ここで完全に調子に乗っていたのがダメだったと思う。

 

 

 シロコちゃんを先に帰らせるか、早く先生の膝の上から退いておくべきだった。

 でもシロコちゃん当番なら絶対先に帰らないだろうし、私も先生の膝の上を満喫していたから、その発想は出来なかった。

 

 

 ☆★☆ 

 

 

 ──異変に気づき始めたのは、あれから更に数十分後だった。

 

「──ん、あれ?」

「ホシノ先輩、どうしたの?」

「いや、ちょっと違和感が……」

 

 あれからずっと、おじさんは先生の膝の上に座りながら、シロコちゃんと会話をしていた。

 その間、先生はずっと私のお腹をフニフニと撫でている。

 大して刺激がないから問題ないと放っておいたけど、流石にずっと触られていたせいか、お腹にちょっと違和感があった。

 

 それに、体全体が少しだけポカポカして来ていた。

 

「んー……ちょっとこの部屋、あっつくない?」

「別に、ちょうど良い温度だけど。……ホシノ先輩、もしかして風邪ひいた?」

「ええ? いやー、そんな事ないと思うんだけど……」

 

 今朝家を出た時も、風邪の感じはしなかったし。

 体調も、体温は測ってはいなかったけどいつも通りだった筈だ。

 だから、特に問題は無い。そう思って、シロコちゃんと話し続けて……

 

 ──更に数十分後。違和感ははっきりと感じていた。

 

「──ん、あ。うん……」

「ホシノ先輩……? 本当に大丈夫?」

「あ、うん。大丈夫……大丈夫」

 

 お腹の奥がジンジンして来ている。

 体中もお風呂に入っている時のようにポカポカだ。

 背中が先生に当たっているのもあって、先生の体温に包まれているように感じているのも関係あるかもしれない。

 

 ……いつの間にか、おじさんの呼吸が荒くなって来ていた。

 

 

 ──そして、さらに数十分が経って……

 

 

「……っ♡ …………っ♡♡」

「ホシノ、先輩……?」

「だ、大丈夫、大丈夫だから……」

 

 体ポカポカ。お腹ジンジン。ますます呼吸荒い。

 

 

 ─そして、さらに時間が経ち……

 

 

「はー……っ♡ はー……っ♡♡」

「先、輩……?」

「あー……っ♡ はぁー……っ♡♡」

 

 私は、シロコちゃんの声に応えることすら出来なくなっていた。

 先生にずっとフニフニと触られていて、お腹の奥のジンジンが無視出来ないくらい大きくなっていたのだ。

 

 ……そして、私は大きな思い違いをしていたんだ。

 

 お腹の奥がジンジンしてるんじゃない。むしろもう少し下。

 先生が触っていたのは、私のお腹の奥の、女の子の大事な所……♡

 そこがずっと、先生に触られていたのだ。フニフニと、柔らかい力で、ずっと。

 

「う、あ……っ♡ しま、った……っ♡♡」

 

 もっと早く気づくべきだった。

 初めて先生がお酒を飲んだ時、唇を奪われた衝撃で印象が大きすぎたから、それに比べて大した事ないと放置しすぎていた。

 

 本当は、女の子のとても大事な所をずっと弄られていたということも気づかずに。

 今じゃちょっとした刺激でさえ、そこは敏感に違和感を感じとる。そうなるように刺激に弱くされてしまっていた。

 

「ひ、あ……っ♡ せん、せい。おさな、いで……っ♡」

 

 気がつくと、先生の押し込むリズムが変わっていた。

 今までのフニフニとした柔らかい感触から、グイッグイッと強めに押し込むような形に。

 軽く触れるような感触から、揉みしだくような強めの刺激になって行った。

 

「あー……♡ ああー……っ♡」

 

 私は、口端からヨダレが少し垂れてしまっているにもかかわらず、それを拭う事をしない、出来なかった。

 気づいたら、以前の時のように両腕に力が入らない。

 ただ自分の体を投げ出して、先生に身を委ねるしか出来ていなかった。

 

 そして委ねた結果、女の子の大事なところが既に先生の玩具になっていた事にも気づかずに。

 

「おっ!? おー……っ♡♡」

 

 グイイーッと、先生の指が強めに押し込められる。

 小さなゴム毬を、大きく変形するまで押し込むように。

 その刺激に合わせて、重たい深いようなジンジンとした感覚が、女の子の大事な所から指先まで広がっていってるようで。

 

「ま、って……これ、直接触ってるわけじゃ、無いのに……♡」

 

 ……まぐわい、いわゆるセッ■スについての知識は、私も人並みには持ってるつもりだ。

 アソコを互いに触れさせて、お互い感情を昂らせて達する。その程度は私も知っている。

 それに、実際に男女がまぐわらなくとも、一人でアソコを弄ることで、それだけでも達する事が出来る事も知っている。

 私も……大きな声では言えないが、達した経験はあった。

 でもそれは、自身の女のアソコを弄った場合だ。その経験しか、無い。

 

「なんでえ……なんで、お腹だけで、こんな……♡」

 

 けど先生は、そんな経験を嘲笑うかのように、お腹を触るだけで私を身悶えさせていた。

 この感触は、ヤバイ。そう感じていた。

 だって、一人でした時の感覚に、どんどん近づいちゃってる……♡

 

「先生、やめ、止めて、やだ。やだ、私こんな、こんなので、……♡」

 

 私はその感覚に恐怖していた。

 ジンジンと湧き上がり、痺れを伴うような全身に伝わる溜まっていくような感覚。

 それを、あろう事か男女のまぐわいというわけで無く、裸になっているわけでもなく……アソコに直接触れている訳でも無い。

 到底、そこに到る要素があるはずもないのに。……それなのに、私は先生にお腹を撫でられるだけで、そこに達そうとしている。その事実が恐怖だった。

 

 怖い、怖い、怖い。

 

 こんな形で達するのが怖い。私が普通じゃ無くなるのが怖い。おかしいと思うままそこまで行くのが怖い。

 

 私の先生からの初めては、本番もしないまま、こんな形で奪われようとしていた。

 

「先生、先生、先生……っ!!」

 

 気がつくと、私は先生の両腕を握り締めていた。力が入らないにもかかわらず、恐怖から逃れるために今入る力だけでギュッと握りしめて。

 

 私はただ、先生の名前を呼ぶことだけしか出来ない。

 恐怖から逃れるために。先生にしがみつけば、恐怖が紛れると思って。

 

 もう自分の体が言うことを聞かない。

 背中と腕と、膝裏。お腹を含め、全ての方向から先生の感触を感じとる、感じとり続ける。

 先生って存在を感じていないと、おかしいままどこかに行ってしまいそうで。

 

「あ、あ……っ♡♡ くる、来ちゃう♡♡」

 

 お腹の下を更にグイイーッ、グイイーッ! って押さえ込まれる♡

 もう痺れるような感触が、ブワッと大きくなる♡

 お腹から、太腿、腕、足先、指先、頭まで広がっていく♡

 

「来る♡ 来る♡ 来る♡」

 

 先生の、手だけで──

 

 

 「イッ──、────────────ッッッ♡♡♡♡♡」

 

 

 ──私は、その瞬間を言葉に表せないでいた。

 最大級の痺れと、目の前が真っ白になるような感覚を味わい、声にならない悲鳴を上げていて。

 

 ……その全身の痺れが治るまで、しばらく時間がかかった。

 

「はー……っ♡ はー……っ♡♡」

 

 私は、荒い息を吐くことしか出来なかった。

 体どころか、両腕すら動かす事が出来るまで、かなり時間が掛かった。

 今も、自分の両手は先生の腕を握ったまま。

 体中の全身から、汗が大量に湧き出ていたのを感じていた。

 

 ──私、達しちゃったんだ。先生の手で、手だけで……本番、無しで……♡

 

 その事実に、心に深い快感と、僅かな達成感が湧き上がった。

 複雑な思いをしながらも、先生に、自分をそこまで連れていってもらったと言う事実は変わらない。

 

 意識の無い先生だが、本番をしたわけじゃ無く、女としての初めてを奪われたわけでも無い。

 

 ──だったら、別に良いよね……♡

 

 自分は、何も奪われていない。

 生徒と先生が、まぐわった訳でも、無い。

 服を脱いだり、アソコに触ったわけでも無い。

 

 咎められる要素は、一つも無い筈だ。

 私が責められる要素は、一つも無い筈だ。

 

 ──じゃあ、もっと味わっても良いよね……♡

 

 そう思ったホシノに対して、先生の手が再度ホシノのお腹に──

 

 ☆★☆ 

 

 ……気づいた時には、遅かった。

 

「はー……っ♡ はー……っ♡♡」

「先、輩……?」

「あー……っ♡ はぁー……っ♡♡」

 

 ホシノ先輩は、もう私の存在に気づいていないように見えた。

 ……ホシノ先輩は服を着ているし、先生の膝に座る所も見ている。

 先生とホシノ先輩が、キスしてる訳でも無い事も確認していた。

 

 それでも、ホシノ先輩は喘いでいる。

 私の存在に気づかないほどに、興奮している。

 

「もしかして、本当に、お腹を触られてるだけで──?

 

 私は、薄々思っていたことを呟く。

 だって先生、他に何もしていない。

 その両手はホシノ先輩のお腹に置いたまま、特に激しく動かしたりすることなく、そこに置かれていた。

 確かに、微かに押し込むような動作はしているけど、言ってしまえばその程度の動作でしかなかった。

 

 だから、ホシノ先輩が様子がおかしい原因から除外していたのだが……

 

「気持ち……いいの……?」

 

 私はホシノ先輩が喘いでいる様子を見て、そう思った。

 お腹を触られているだけで、先生に押されているだけで、本当にそこまで気持ちいいの……?

 自分では、そこまで思えない事だった。目の前の光景が、いまだに信じられないほど。

 

「あー……♡ ああー……っ♡」

 

 ホシノ先輩が、ヨダレを垂らしながらそう喘いでいるのを見て、私は現実だと知る。

 ホシノ先輩は以前のように、体中の力を抜いて全身を先生に委ねている。

 

 その様子が、とても羨ましくて。

 

「……んっ」

 

 私も、気づいたらお腹に両手で触っていた。

 少ししたの下っ腹に当たるあたりで、女の子の大事なところがある位置を、重点的に。

 こことしか考えられない。ホシノ先輩が、あそこまで喘いでいる理由は。

 

 ……自分を慰める行為は、恥ずかしいけど私もやったことはある。

 

 けれど、直接アソコに触らずに気持ち良くなるなんて、考えた事もなかった。

 しかし、実際にホシノ先輩はそれで気持ち良さそうにしている。

 

 私はグニグニとお腹を触るが、やはり気持ち良くはならなかった。

 何か違う? そう思っていると……

 

「おっ!? おー……っ♡♡」

 

 ホシノ先輩が、一際大きい声を出していた。

 見ると、先程より先生の手が強くホシノ先輩のお腹を押していたらしい。

 あんなちょっと、先生の手に押されただけで、ホシノ先輩がトロトロに惚けている……

 

「んっ……んっ……!」

 

 私はそれが羨ましくて、私もホシノ先輩と同じぐらい気持ち良くなりたくて、もっとグニグニと自分のお腹を押し始めた。

 一生懸命、必死になって。

 

 ……けれど、いつまで経っても気持ち良くなるきっかけすら湧かなくて。

 

「先生、先生、先生……っ!!」

「っ!?」

 

 気がつくと、ホシノ先輩が必死になって先生を呼んでいた。

 顔を上に上げて、助けを求めるように。お腹の刺激から逃れるように。

 

「あ、あ……っ♡♡ くる、来ちゃう♡♡」

「ホシノ、先輩……?」

 

 来るって? 来ちゃうって?

 本当に、お腹だけで?

 私は自分の手の動きを止めて見入っていた。

 

「来る♡ 来る♡ 来る♡」

 

 本当に、先生の、手だけで──

 

 

 「イッ──、────────────ッッッ♡♡♡♡♡」

 

「──っ!!?」

 

 ──ホシノ先輩は、声にならない悲鳴を上げていた。

 ホシノ先輩は本当に、手だけで、先生の手だけで──達していた。

 

 私には分かった。先生に連れて行かれるなんて……あんなの、あんなの、絶対女の子の幸せだ。

 ホシノ先輩、先生に最大の女の子の幸せを味わわされちゃってる……!!

 

「ずる、い……」

 

 ずるい、ずるい、ずるい……!!

 

 私も、私も連れてって欲しい……!

 なんで私じゃ無いの? なんでホシノ先輩だけなの? なんで私は一人だけ取り残されてるの?

 

 そんな嫉妬が、心の奥底から湧き上がっているのが感じた。

 

「──あっ♡ せん、せい♡」

「──!?」

 

 ……見ると、ホシノ先輩がまた先生にお腹を押され始めているのが分かった。

 またホシノ先輩は、あそこまで連れていってもらうつもりだ。

 私を置いて。

 

 やだ、やだ、やだ……!

 置いて行かないで、私も連れていって……!!

 

 そう思って、私も急いで自分のお腹を押し始める。

 けどダメだった。このやり方じゃホシノ先輩と同じ所まで行けない。

 どうしたら……

 

「──! そうだ……」

 

 だったら、完全に同じことをすればいい。

 私が、“ホシノ先輩”になっているように。

 私はそう思って、よく観察する。ホシノ先輩の様子を、先生の手の動きの様子を。

 

「──あっ♡ あっ♡ あっ♡」

「──あっ! あっ! あっ!」

 

 ホシノ先輩と、喘ぎ声を同じタイミングで上げる。

 呼吸を合わせ、ホシノ先輩の声と完全に重なるように。

 この部屋に、声を上げているのは“一人”だけになっているように。

 

 ──グニッ、グニッ

 ……グニッ、グニッ

 

 先生の押し込む手の形と、押し込む力を同じように。

 私のお腹を押す私の手の強さを、同じようにする。

 あの場所にいるのがホシノ先輩じゃなくて、私だったと思い浮かべて。

 

「──はっ♡ はっ♡ はっ♡」

「──はっ! はっ! はっ♡」

 

 ──あ、来た♡

 だんだん感触が掴めて来た。お腹の奥からジンジンとして来たものが感じて来てる。

 これ、だ。これがホシノ先輩の感じていたもの……♡

 私にも、その一端が掴み始めて来ていた。

 

 ──トン、トンッ。トン、トンッ

 

「んあ♡!? 先生、先生♡!?」

「──っ!?」

 

 見ると、ホシノ先輩がさっきまでと明らかに様子が違っていた。

 先生のホシノ先輩のお腹の押し方が、今までと完全に違っていたのだ。

 

 それは片手をお腹にぴったりと当て、もう片方の手でぴったり当ててる方の手の甲をトンットンッと3本指で叩いていたのだ。

 まるで病院で、聴診器をつけながら体の異常が無いかどうか確認している時の動作。

 あれでは、今までのように強い刺激は来ていないだろう。直接お腹を叩かれる方が刺激が強い筈だ。

 

「──っ♡」

 

 でも分かる。私にはあれが気持ちいいって分かる。

 私は今の先生と同じ手の動きを、自分のお腹に対して行い始めた。

 

「──ん! や、はあっ♡」

「──ん! や、はあっ♡」

 

 ──トン、トンッ、トンッ

 ──トン、トンッ、トンッ

 

「はあっ♡ はあっ♡」

「はあっ♡ はあっ♡」

 

 私はホシノ先輩と、同じ声を上げていた。

 自分から合わせようとしたわけでもなく、もはや自然と同じ声に。

 だって私は、あそこにいる“ホシノ先輩(わたし)”だから。

 

 ──だって、気持ちいいもんね♡

 あれって、手で押さえられてる方で女の子の大事な所、全部押さえつけられちゃってるもんね♡

 その上から、トンットンって叩かれると、じわーっとした衝撃が全方面から来ちゃうもんね♡

 下に衝撃逃がそうとしても、先生の体が背中にあって抑えられているから、衝撃全部女の子の大事な所で受け止めなきゃいけないもんね♡

 一点に集中した力じゃなくて、幅広く浸透するような衝撃で、どんどんどんどん女の子の大事な所の耐久が削れていってるもんね♡

 

 私は、あそこにいる“ホシノ先輩(わたし)”の心の声を感じ取れるように、そう思っていた。

 もはや“ホシノ先輩(わたし)”の思考は、手に取るように感じ取れている。

 

 ──トン、トンッ。トン、トンッ

 ──トン、トンッ。トン、トンッ

 

「──あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

「──あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 

 叩かれるたびに、どんどん耐え切れる容量が削り取られていくのが感じた。

 快楽という器を受け止める容器そのものが、ヒビが入っていくように。

 

 ──グニッ、グニッ

 ──グニッ、グニッ

 

「──あっ♡!? ああっ♡♡」

「──あっ♡!? ああっ♡♡」

 

 また先生の手の動きが変わった。

 両手で同時に女の子の大事な所を押し付けるように。

 耐久そのものを削り取られた“ホシノ先輩(わたし)”の大事な所では、到底受け止める事は出来なくなっていた。

 

 ──グイイーッ、グイイーッ!

 ──グイイーッ、グイイーッ!

 

「「ああ♡ 来る、来るっ♡♡」」

 

 お腹の下を更にグイイーッ、グイイーッ! って押さえ込まれる♡

 もう痺れるような感触が、ブワッと大きくなる♡

 お腹から、太腿、腕、足先、指先、頭まで広がっていく♡

 

「「来る♡ 来る♡ 来るっ♡」」

 

 やっと、私も──

 

 「イッ──、っ?!!」

 「イッ──、────────────ッッッ♡♡♡♡♡」

 

 き、たぁ……♡

 私はさっきのホシノ先輩のように、声にならない悲鳴を上げていた。

 

 ……女の子の幸せを、実感していた。

 

 私も、味わうことが出来た……♡

 そのことがとても嬉しくて、達成感があって……

 

 その気持ちを分かち合いたいように、ホシノ先輩達を見ると──

 

 

「ん──っ♡♡ ん──っ♡♡♡」

 

「…………あ」

 

 

 ──ホシノ先輩の唇が奪われていた。

 

 先生によって、首を横に回されたホシノ先輩は先生とキスをしていた。

 そのせいで、ホシノ先輩は声にならない悲鳴すら、上げることが出来なくなっていった。

 

 そうなると、当然逃げ場のない叫び声は、体の中に止まり、快楽の逃げ道のない状態になり。

 ……さっきのホシノ先輩は、私以上の快楽の爆発をその身で受け止めていることになっただろう。

 

 その衝撃を受けながら、ホシノ先輩は驚きと、トロンとした表情を浮かべていた。

 

「……う、あ」

 

 私は、さっきまでの興奮した頭が、急速に冷えていくように感じた。

 やっぱり、私は私でしか無かった。

 いくらホシノ先輩と同一視した所で、実際に先生の膝の上にいたのは、ホシノ先輩だ。

 

 ……私はその事実が、すごく悲しくて──

 

「──ずる、い」

 

 消えたはずの嫉妬心が、再度湧き上がってくるのが感じた。

 私はその衝動に任せながら、ホシノ先輩達に近づいていった。

 

「──はあ、っはあ、っはあ……♡」

「…………」

 

 目の前で、ホシノ先輩が荒い呼吸をしている。

 既に先生とのキスは解かれていた。

 私はそんなホシノ先輩の目の前で、膝立ちの状態になる。

 

「──はあ、っはあ、……シロコ、ちゃん……?」

 

 私の方を見て、ホシノ先輩がそう声を上げる。

 ああ、やっと私に気づいたんだホシノ先輩。

 

 でもごめんね。私、ホシノ先輩にちょっと意地悪したくなっちゃった。

 

「──ひっ♡ やあ!? シロコちゃん!?」

「──ん、──ん♡」

 

 私は、ホシノ先輩のお腹の上に置かれた“先生の手”を強く押し込んだ。

 ……あ、先生の手ってこんなにあったかいんだ……♡

 その感触を味わいながら、先生の手をリズム良く押していく。

 

 そしてそれに合わせるよう、もう片方の手で私のお腹を同じタイミングで押し込む。

 

「やあ♡ やめて、やめてシロコちゃん!! こんな、こんなのやだあっ♡」

「──ん、──ん♡ やだ、やめない」

 

 ホシノ先輩は、駄々をこねるように首を横にブンブンと振り回す。

 けど、止めない。私はそのまま、先生の手ごとホシノ先輩のお腹を押し続ける♡

 

「あ──っ!! ああ──っ♡!!」

「──ん、──あっ♡」

 

 悲鳴を上げ続けるホシノ先輩を他所に、私もまた気持ち良くなって来た。

 ホシノ先輩は変わらずブンブンと、何かを否定するように声を上げ続ける。

 その様子は、とても先輩とは思えなくて。

 

 ──ん♡ ホシノ先輩凄く気持ち良さそう。私も……♡

 

 私も気持ち良くなろうと、先生の手の方と一緒に自分のお腹も押し続ける。

 もう一回、もう一回あそこまで行ける……♡

 

「あ──っ♡ ごめん、ごめんなさい──っ!!」

「んっ♡ いいよ、先輩♡」

 

 私はそう、謝ってくるホシノ先輩を許す。

 先生を独り占めしたことを、謝っているんだろうと。

 だから、私は許して、ホシノ先輩をあそこまで連れて行こうと──

 

 

「ごめん、ごめんなさい──っ! せんせ、い! シロコちゃ、ん! き、嫌いに、ならないで──っ!!」

 

「──え?」

 

 その言葉が、予想外で。一瞬動きが止まってしまった。

 なんで、嫌いにならないで?

 

 ……冷静に考えたら、先生に対してだけなら理解出来る。

 先生によがらされているけど、先生はお酒を飲んだから無意識にこうしているだけで、そうなるように仕向けたのは私だ。

 というか、私のいない時もホシノ先輩が同じ事をしていたのなら、その罪悪感からだろう。

 

 でも、私に対して? それが意味が分からない。

 私は別に、ホシノ先輩を嫌ってるわけじゃないのに。

 先生を取ろうとしたから? 独り占めしようとしたから謝ってるのだろうか?

 

「ごめん、ごめんなさい! ちゃん、ちゃんと、ちゃんとするからぁ──っ!」

「──あ」

 

 その言葉で、ようやく分かった気がした。

 

 ホシノ先輩は、ここまでよがり狂ってる所を見られて、先輩として見られなくなる事を恐怖している。

 実際、私もちょっと先輩らしいとは思えない、とはほんのちょっと思っちゃった。

 

 ホシノ先輩は、多分後輩に自分の醜態を見られて嫌われることを恐れているんだろう。

 

 ホシノ先輩……

 

「──ん。可愛い♡」

 

 私はそんなホシノ先輩に、凄く愛おしさを感じていた。

 私がホシノ先輩を嫌うなんて事は無いのに。

 嫉妬は湧いて、こうしてちょっと意地悪はしちゃうけど、それでもホシノ先輩はホシノ先輩だ。

 その事は、ずっと変わらない。

 

「“…………”」

「ひうっ♡ せ、先生……♡」

 

 すると、先生の腕が強く、ホシノ先輩を抱きしめるように動いた。

 先生の意識は、はっきり戻ったわけでは無さそう。

 ……もしかしたら、泣きそうになっているホシノ先輩を無意識に感じ取って、慰めようとしているのかもしれない。

 

 ──ん。先生も一緒。ホシノ先輩が大好き。

 

 

 ──だから、もっと喜ばせて上げるね♡

 

「ひあっ♡ ああっ♡♡ あああ──っっ♡♡♡」

「──んっ♡ あっ♡ んんっ♡♡」

 

 私はまた、先生の手を強く押して、再開しはじめた。

 自分のお腹も押して、一緒に気持ち良くなれるように。

 でも、もう喘ぎ声を一緒にする必要はなくなっていた。

 私は私で、もう気持ち良くなれるから。

 

「ああ、あああ────っ♡♡」

「んっ♡ ああ────っ♡♡」

 

 また、例の痺れる感覚が湧いてくる♡

 お腹の中から、体全体の隅々まで♡

 

 そして……先生の手を触っている方からも伝わってくるように錯覚して♡

 

 「「イッ──、────────────ッッッ♡♡♡♡♡」」

 

 ……こうして、私はまた、あそこまでいけた。

 ホシノ先輩と、同じ所まで。

 今度は、置いて行かれなかった。

 

「ああ……♡」

 

 私はその事に、すごく充実感を感じていた。

 先生がいて、ホシノ先輩と一緒に同じ場所に到達出来て。

 ズルい、……ううん、寂しいって思いを感じなくなって。

 

「あっ──♡ ああ────……」

 

 ホシノ先輩が上の空の声を上げながら、ボーッとしていた。

 見ると、ホシノ先輩のヘイローがチカチカと点滅していた。

 

 ……ん、ホシノ先輩気絶しそう。

 

 そのことに気づいて、私は……

 

「…………」

 

 ──グイッ

 

「んはあっ♡?!」

 

 再度先生の手を押し込めた。

 

 ごめんね、ホシノ先輩。ホシノ先輩のこと、嫌いじゃ無いよ。それは本当。

 

 ……でも、先生の手で直接触られてるのはホシノ先輩だけだから、その分は味わってね♡

 

 私はやっぱりまだ残っていた嫉妬心に従って、ホシノ先輩を幸せの中の幸せ、快楽の底に落とし込もうと決めていた。

 奪うなんて事はしない、むしろ逆にもっともっと幸せの海に溺れさせて、ホシノ先輩だけじゃ受け止めきれないようにしてあげたい♡

 

 だってそうすれば、私にもチャンスが回ってくるかもしれないし♡ ん、独り占めは許さない♡

 見ると、先生の手がもう私が押さなくても、勝手にホシノ先輩のお腹をまた押し込むようになっていた。

 

 ん。先生も分かってる♡

 

 私はもう、私のお腹だけを押すことに集中し始めていた。

 

「ああ、あああ────っ♡♡」

「んっ♡ ああ────っ♡♡」

 

 こうして、私たちは再度嬌声を上げ始めた。

 3人とも、全員が動けなくなる限界まで、ずーっと──

 

 

 ☆★☆ 

 

「“……えっと、その……シロコ、昨日の夕方以降の事何も覚えていないんだけど、何かあった?”」

「ん、知らない」

「シロコちゃん、えっと、本当に何も無かったよね? ……正直、途中から本気で記憶飛んじゃってて、おじさん何かやらかしたりしなかった……?

「ん、知らない」

「「“え、ええ〜……”」」

 

 二人が私を問い詰めて来てるけど、私は何も知らない。そういう事にする。

 というか、ホシノ先輩前回みたいに実は全部覚えていたりしない?

 まあこの聞き方だと、本当に忘れてる可能性も高そうだけど。

 

 ……それに実際に私が話した所で、困るのは二人だと思う。

 大丈夫。ホシノ先輩のあの痴態は、私の心の奥底だけで記憶しておくから……

 

「“ま、まあいいや。いつの間にか朝だし、お腹すいたな。昨日結局夜ご飯食べたっけ……?”」

「うへえー、お腹ペコペコだよお〜」

「ん、私も。すっごくお腹が空いてる」

「“この時間じゃ、まだ外食開いていないし……しょうがない、何かシャーレにあるもので適当に何か朝ご飯作ってあげるよ”」

「本当? うへえー、先生の手作りだ」

「ん、楽しみ」

「“ちょっと待っててね。ちなみに量多めでいいかな?”」

「「良いよー」」

 

 ──そうして、私たちは先生に作ってもらった朝ご飯をたっぷり食べていた。

 

「“ふう。ご馳走様でした。”」

「うへー、満腹だよー」

「ん、満足」

「“二人とも、たくさん食べたねー”」

「いやー、あはは……なんかすっごいお腹空いてて」

「でも、ちょうど良かった」

 

 先生のご飯を食べれた事に、私たちは満足していた。

 たくさん食べて、恥ずかしいけどお腹も少しぽっこりしている。

 見ると、ホシノ先輩はパンパンになったお腹を少し撫でていた。

 

 …………

 

「ん、先生。ちょっと良い?」

「“ん? 何かな?”」

「ちょっと片手出して欲しい」

「“片手? はい”」

 

 そうして私は、差し出された手を取り……

 

 

 ──私のお腹に、先生のその手を当てた

 

「んっ──♡」

 

「“シ、シロコ!?”」

「シロコちゃん!?」

 

 お腹の、ちょっとしたあたりになるように調整して、先生の掌を当てる。

 ホシノ先輩にされていたように、撫でるように。

 

「ん、ほら。先生、満腹」

「“へ!? あ、ああ、そうだね!?”」

「う、うへえー……?」

 

 そうして私は、混乱する先生の手を離した。

 今はこれで、十分満足。

 

 “起きている”先生に、お腹を触られたし。

 

「──ん! 満足!」

 

 私はそう心の底から満たされたように、そう言えた。

 

 




今回のお話は、R-15範囲で直接的な描写を可能な限り削りました。
が、もしこの話が消えていたら、R-18に飛ばされたんだな、とでも思って下さい。
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