キサキ、ヒナ、誕生日おめでとう。
ホシノ以外書くの初めてです。相変わらず正気の先生では無いので、こちらで番外編扱いで。
いつもと書き方変えてみました。楽しんでいただけると幸いです。
キサキ視点です。
番外編 ヒナとキサキの接吻競争
──おお、来たかヒナよ。
急な呼び出しに応じてくれてすまないの。
更に言うが、このような体勢で出迎える事を許して欲しい。
して、本題なのじゃが……そう、先生。この先生じゃ。
何をしてるのか、じゃと?
ふむ、見て分からぬか? 接吻をしておる。
……いや、いささか説明が足りぬか。初めから話そう。
実は、先生の所に行き、そこでお香を炊いたのじゃがな……
そう、そのお香がちーっとばかし、気分を高揚する効果があってな。
いや、勘違いするでない。性的なまぐわいを誘発させるようなほどの効果は持ち合わせておらん。
先生が半裸になっているじゃないか、じゃと? うむ、それは別件で、もう少し後に話す事にする。
それはそうと。ただちょいと、血流を良くする事で近くにいる異性に対し、ほんの少し高揚する程度の効果の筈なのじゃ。
そう、その筈じゃった……先生には、効きすぎたようじゃがの。
まるでそう、酒池肉林の最中の
そこからは、そう……先生に、抱きしめられていたのじゃ。
異性の体に抱きしめられると言うのは、それはもう夢心地のようでな……話が逸れた。
それでな。途中から先生はあるものを取り出したのじゃ。
確か、リップクリーム、と呼ばれるものじゃのう。指で掬って、直接塗るタイプじゃな。
先生が持っておるのが意外に思うか? しかし、唇の乾燥は
男である先生が使っていたとしても、何ら不思議ではあるまい。
そこで、じゃ。そこからが本題なのじゃが……先生に、塗られたのじゃ。もちろん、リップクリームを、じゃ。
何を思っておったのか分からぬが、先生が突然、妾の唇にソレを塗ってきおったのじゃ。そう、先生手ずからの指でじゃ。
きっと意識朦朧とした頭で、生徒の唇の保湿を守らなくてはとか、無意識に思ったかそんなあたりじゃろうな。
とにかく、妾の唇にそのリップクリームを塗られていく事になったのじゃ。
唇の端から端をスーッと優しく撫でていくかのように。
触れてるのか、触れていないのか分からない力加減で、何度も何度も塗られていきおった……
まるで透明な絵具で、妾の唇を染め上げていくかのように。
知っておるか? 先生の指は案外、ゴツゴツとした感触がするぞ?
異性の力強さを感じるその指で、妾の唇を何度も何度も触れていく。まるで白いキャンバスに、力強い筆で色を塗っていくように。
先生の指が撫でていくたび、妾と言う存在が、口の先から先生の色に塗り替えられていくのを感じておった。
ふふ、異性の色に染められるというのは、こう言うことかと実感したな……
こうして、妾の唇は先生の物になったのじゃ。……スマン、飛躍しすぎた。ただ、妾にとってはそう勘違いしたくなるような程の感情が込み上げておった。
そうして、湧き出た感情に従うかのように、唇を塗られた妾がやった行動は……先生に対しての、接吻だったのじゃ。
いや、いや。唇同士はまだじゃ。流石に正気で無い先生に対して、このような形で奪うのは申し訳ないのでの。
ただ、おでこに、頬に、耳に、まぶたに、鼻先に、目尻の下に……
唇を先生の色に染め上げられたお返しに、先生の顔も、妾の色に染め直して上げたくなってな。
いや……違うか。妾の唇は、貴方様のものになりました。どうかそれを分かって下さい。
まるで心奪われた童女が、
そのような事を伝えたいが為、先生の色に染め上げられた唇で、先生に触れて行きたかったのじゃ。
唇に塗られたクリームが切れたら、再度先生に塗り上げられて染め直される……
そうして、再度妾が口付けを先生の体に落としていく。そのサイクルの繰り返しじゃ。
顔だけじゃ物足りぬ。妾はそう思い、先生のシャツを脱がし始めた。
半裸になった先生の、胸、腹、臍、横腹、下腹……
肩、鎖骨、二の腕、肘、手首、手のひら、手の甲、指先……
あらゆる所に、口づけを落としていった。
おかげで先生の体中、リップクリームだらけじゃな。
これが口紅で無かった事が惜しむ……そうすれば、先生の体中、妾の口付けの後がはっきりと残っておっただろうに。見た目は何ら変哲の無い、無地のようなままの肌じゃ。
強く、跡が残るほど吸い付くのも悪くは無かったのじゃがな……ふふ、あれほど優しい力で染められていったのじゃ。先生にも、同じぐらいの力で返すのも乙であろう?
じゃが……一見無地のように見える肌でも、しっかりと妾の唇の痕跡が残っておる。
新雪に足跡を残していくかのように。一見目だたなくとも、明らかに何かに踏み固められた跡があるようにな。
ふむ、どうしたヒナ?
一体何が言いたい、と? そのような事を言うために呼び出したのか、じゃと?
うむ、それはすまなんだ。本題に入ろう。
して、ヒナよ。──お主も、先生の色に染め上げられぬか?
おお、分かりやすいように動揺しておるのう。顔が林檎のように真っ赤じゃ。
いや、何。一緒に誕生日を祝われた仲じゃ。
この望外ないきさつを、妾一人で独占すると言うのは惜しいと思っての。
……いや、嘘を言うのはよそう。確かに、自慢の気もあった。
しかし、共に誕生したそなたに幸福を分かち合いたいと思ったのも事実。
で、あるならば……競争の場を整えるのも、悪く無いと思ったまで。
そこで、じゃ……ヒナよ。そなたも、先生の色に染められ、その上で、先生の体に跡を残さぬか?
そしてどちらがより、先生の体に「証」を刻み付けられるか、競おうでは無いか?
……ふむ、まだ混乱しておるようじゃの。しょうがない、先生、手伝ってくりゃれ。
妾は一旦離れよう。先生の体から離れるのは、いささか寂しさを感じるがな。
そう、そうじゃ。先生、白い雛鳥はそこにおるぞ? ほら、先生のその異性の体という鳥籠で、捕まえてくりゃれ。
ほうれ、ヒナ。良いのか? このままじゃと、檻の中に閉じ込められてしまうぞ? 逃げなくて良いのか? ……ふふ、一切の棒立ちじゃな。
あわわ、と声を出しておっても、足が動いておらぬよ。その背中の羽も、力がまるで入っておらぬ羽ばたきじゃな? ……あーあ、捕まってしもうたな。
ほれ、先生。追加のリップクリームじゃ。この白き雛鳥に、妾にしたのと同じように染め上げてくりゃれ。透明な先生の色に染め上げるように、な。
ふふ、ヒナよ。目をギュッと瞑っておって。
良いのか? そんな事をすれば、余計に唇の感触がはっきりと分かってしまうぞ?
異性のゴツゴツとした指の感触を、余す事なく感じ取ってしまうぞ? それとも……それがお望みか?
ふふ、分かりやすくビクッと同様しおって。しかしもう遅い。
ほうら、先生の指先がそなたの唇に……触れたな。
ここからはもうなすがままじゃ。男の象徴に無茶苦茶にされる童女のように、ヒナの唇も先生の色に染め上げられてゆく。
感じるじゃろう? クリームという滑らかな絵具が、力強い指という筆で……しかし、優しく描かれていくのを。
それが異性の色に染め上げられていく感触じゃよ。ふふ、生娘には刺激が強かったかのう? 異性に染め上げられる破瓜、おめでとう。まあ、妾も先ほどまでそうだったのじゃが。
……ほう、もうそのようにうっとりとした表情に。
先生は、意外とテクニシャンじゃのう。
さて、ヒナよ。これでそなたの唇は、妾と同様、先生のものになった。
して、その唇で如何する? 先生に証を残すか? それとも、お返しする勇気が出ないか?
それもまた、ありじゃろう。先生の「色気」は、ありすぎるのじゃがな。所詮童には、刺激が強すぎて動けなくなると言う気持ちもよく分かる。そなたは……ほう、やはり「証」を残したい、と。その粋じゃな。
して、どこから残す? 顔か? それとも胸か? それとも手?
……ん? 何故先生のズボンを脱がして……もしや貴様、男の象徴にか!? ……あ、違うと。流石に安心したぞ。
しかし、何処まで脱がして……む、靴先と、靴下まで。一体何を……おお──
そなた、そこまで──足先に口付けとは、やりおるな。
ふむ、そなたの先生に対する服従の意思、しかと伝わった。
そこまで先生に対する隷属の意思があったとは、驚きじゃな。
……何? 以前先生がそのようにしていた事があったのを見た事あったから、じゃと?
だから自分も、先生に対してやってみたかった、と……?
……ふむ。先生に対して問い詰めるのは、また今度にするとして。
さて、ヒナは……ほほう、そこまで足に熱心か。
指先、足の甲、裏、かかと、くるぶし、足首。ふむふむ。
それに、アキレス腱、膝、太腿、内腿と……くふふ、熱心に「証」を残しておるな。
しかしヒナよ、気づいておるか? そなたの顔、まるで溶け掛けの蝋燭のロウのように、トロリとしておるぞ?
まるで鎖に繋がれた発情期の雌犬のようじゃ。ふふ、他人である妾に見られる事に気づかないほど夢中になっておったか?
良い、良い。先生も気持ち良さそうじゃ。
さて、ヒナよ。改めて、先ほど言った競争と参ろうか?
勝負は、どれだけ「証」を刻んだか。ふむ、証明方法はどうするか、じゃと?
そうさな。先生のリップクリームは、透明じゃからな。同じものを使えば、差別が分からないのは当然の話じゃろうて。
しかし……気にするほどの事か?
相手より沢山「証」を刻もうと行為を多くすれば、自然と相手より多くなろう。
その結果、先生の体を見ても判別が付かなくとも、些細な問題ではなかろうか?
……ふむ、正直に言おう。
競争など、ただの建前。共に、この屈強な異性の体に、溺れようではないか。
雄の前で、ただの雌が二匹。些細な事で争った所で、二人とも鳥籠に囚われるのみじゃ。
それが狙いだったのか、じゃと? さて、どうかな。
……いや、待て。ふむ、確かにはっきり決着つく方法を思いついたぞ。
ヒナよ。……先生からの接吻に、興味はないか?
先ほども申したが、妾は先生の唇を奪ったりはしておらん。先生が明らかに正気では無いからな。
しかし、じゃ……たとえ正気ではなかろうと、大の大人が、童の唇を奪う行為には責任をとるべきではないかと……そう思わんか?
つまり、じゃ。
先生を、その気にさせて……どちらが、先生から唇同士の接吻を受け賜るか、と言う勝負はどうか?
……ふふ、その顔を見れば返事は言わずとも良い。
それじゃあ、聞いておったか先生? 胡乱げな様子のまま、聞くが良い。
そなたを愛する、童女が二人。どちらがよりお好みか。そなたの色に染め直して証明してくりゃれ……♡