IS学園学年別トーナメント一年生の部、トーナメント決勝戦、第二アリーナ。
各国の企業やトップ、IS学園の生徒がグランドに視線を向けていた。
――ドコォオオオオオオオオオォォン!
爆音と共に黒い煙が上がる中から一人の男が姿を表した。
「おっほ!やるね!」
黒い煙の中から出てきたのは一夏であった。
「くっ!ミサイルを直撃させたと思ったのですが上手い具合に逃げられてしまいましたわ!」
「セシリア!まだ勝気はあるわ・・・・・と言いたいとこだけど流石にこれは心が折れてきたわ。」
一夏に改造してもらったIS、ブルーティアーズを纏っているセシリアと甲竜を纏っている鈴は一夏を相手にしていた。
「いやいや、大分成長したよ。お兄さん嬉しいよ。」
一夏はそう言いながらバルキーツインソードを展開すると一気に脱力をする。
「まずい!セシリア!」
「分かってますわ!」
セシリアと鈴は本国から送られた盾を展開し、防御態勢を取る。
「乱舞!鎌鼬(カマイタチ)!」
一夏は上に跳び身体をきりもみ回転させ空気の刃、鎌鼬を跳ばす。鎌鼬は目に見えないがISのセンサーによって絶対防御が働く。一見大した攻撃には見えない。
が、しかし!鎌鼬が通り過ぎる際に目には見えない粒子が一転に大量に集中しとてつもない切れ味を生む。これに近いのが水のカッターである。考えてみて欲しい。短い距離で鉄をも斬るカッター以上の速さを持ち、それが人間サイズであったならばどうなるか?
一夏の飛ばした鎌鼬は二人の盾を紙切れのように破壊し、二人にダメージを与える。
「ウッソ―――――!」
「これでも防げませんの!」
二人は吹っ飛ばされ地面に堕ちる。一夏は武装をバルキートライデントに変えると独自で編み出した技を繰り出す。
「オーシャン・・・・・・トライデント!」
バルキートライデンとの先に水が螺旋に纏わせると一気に鈴に接近し振り下ろした。
「まだよ!」
鈴は双天牙月を展開すると一夏に向け投げつける。しかし一夏はそれを回避する。
「掛かりましたわ!」
セシリアのビットから銃弾が連射され一夏は体勢を崩す。
「そこっ!」
鈴は青龍刀を展開すると一夏に向け斬りかかる。一夏はオーシャントライデントを地面に突き刺した。その瞬間いくつのも水柱が上がり二人を襲う。
「「きゃあああああああ!」」
オーシャントライデント、一見水の力を纏ったトライデントを叩きつける技とも捉えることは出来る。しかしそれは直接的な面だけであるが、間接的な技である。オーシャントライデントは防御として水柱を作り出すことが出来るが一夏はそれを武器にした。
「流石に今の攻撃はよかった。褒美をやる!」
一夏はバルキートライデントの先端に大きな水の球を作る。すると水の球は徐々に渦を巻き、大きな渦潮へと姿を変えてゆく。
「オーシャン!ドラゴン!」
一夏は渦潮を鈴に向け跳ばす。渦潮は竜のような姿になり鈴の襲うとセシリアに向かい襲い掛かった。
「「キャアアアアアアアアアッ!」」
二人は攻撃に巻き込まれながら地面に堕ちた。それと同時に試合終了のブザーが鳴り響いた。
『試合終了!勝者、織斑一夏!』
アナウンスと共に歓声が湧いた。
「ア゛―――――――――ッ!くっ~~~~~~~~~~やしぃ~~~~~~~~~!」
食堂で一夏達と一緒に食事をしている鈴は決勝戦の敗北がまだ残っていた。
「仕方ないですわ鈴さん。一夏さんの武装で油断した私達に原因がありますし。」
「でもセシリア!あの条件の中で負けるとなると完全に経験と力量の差を思い知らされるわよ。てか一夏、あの技は何?」
「ん、あれか?アレは簪が貸してくれた小さなダンボールの中で戦うロボットのアニメを見て思いついた奴だ。ちなみに元技はグングリルです。」
一夏は食事をしながら説明をする。
今回行われた学年別トーナメントは一夏は一人だけと言う非常に不利な条件であった。しかしそれは一夏の力が強すぎるといっても過言ではない。更に力の差をなくそうとする計らいで一夏には武器が書かれているカードを三枚引き、そのカードに書かれている武器だけをその試合で使うと言う追加条件もあった。
ちなみに鈴とセシリアの時はバルキーツインソード、バルキートライデント、フッグチェーンでした。
「一夏、ちょっと聞いてもいいかな?」
「なんだ簪?」
「水は何処から調達したの?」
「ああ、あれね。アレはこいつの中に海水を貯蔵して、後はグローザー星人の氷を操る記述を応用したんだ。最も、楯無さんのミステリアス・レディを見てあの技は出来たんだけど。」
「ちょっと一夏君、人の技術盗んじゃっていいの?」
「技術はいつでも盗られていく物ですよ。そういや箒、あの時の動きはよかったぞ。」
「そ、そうか?」
「ああ。だが訓練機だから扱いなれていないのが弱点だったな。」
「うむ・・・・・実はな、大事な報告がある。」
箒の言葉に専用機持ち一同耳を傾ける。
「臨海学校が来月あるだろう。」
「ああ、それが・・・・・・まさか束さんから専用機を貰うってんじゃ・・・・」
「そ、その通りだ。正直向こうから電話があった。これをもらっていいものか悩んでいる。」
箒は深刻な顔をする。箒は一夏から力を持つことの意味を知っている。それを手にするということは同時に大きな責任を持つということである。それを自身が正しい方甲に扱えるかはその者の心構えが大事であると言うこと。
「箒はどうしたいんだ?」
一夏はテーブルに両肘をつきながら箒に聞く。
「・・・・・正直欲しい。だが・・・・・」
「恐い・・・・か?」
箒は頷いた。
「・・・・それが大事だ。」
「え・・・・・」
一夏の言葉に箒は驚いた。
「力ってのは扱いを間違えれば取り返しがつかなくなる。それを前もって恐いと思うのは当然だ。箒、忘れないでくれ。力に溺れれば力無しでは生きていけなくなってしまう。」
「・・・・・・わかった。」
一夏の言葉に箒は返事をした。他の専用機持ちからも箒は色々なアドバイスを貰った。
一方、ある深海で何かが鼓動を放っていた。