ジェントがハンターステーションに戻ると周りのハンター達はざわめき始めた。異星人を連れて戻って来たハンターなど今までいないからである。
「なんか・・・・・俺来たらマズかったんじゃ・・・・」
「気にしなくていいですよ一夏君。それよりこちらへ。」
「は、はぁ・・・」
ジェントに促され一夏はソファーに座る。
「さて、まずこれからいくつかの質問をします。まず、怪獣は見た事はありますか?」
「テレビ番組で見る着ぐるみの怪獣なら何度か。」
「ふむ・・・・ではプラズマソウルという単語は?」
「全く。」
「ではプラズマギャラクシーという言葉は?」
「聞いた事が無いです。」
「君の出身惑星は?」
「地球です。」
「地球?」
「はい、太陽系第三惑星の地球です。」
「太陽系・・・・・・・成程。」
ジェントは一夏の事がわかった。
「あー一夏君。これから話すことは君にとっては衝撃的なことです。ですが心して聞いて下さい。」
「は、はい。」
「良い返事ですね。では、まずここプラズマギャラクシーは君のいた宇宙とは別の宇宙です。」
「別の宇宙!?」
「驚くのも無理は無いでしょう。ですがどうか冷静に。ここはプラズマギャラクシーという宇宙です。そして君が先程出くわした怪獣。アレに付いていた水晶体、つまりプラズマソウルをハンティングするのが我々の仕事です。」
「怪獣?ハンティング?」
一夏はその言葉に疑問符を浮かべる。
「では順を追って説明しましょう。プラズマソウルとは高エネルギーを宿した云わばエネルギーの塊です。しかしそれはそのプラズマソウルを口にした、もしくは宿した怪獣やロボットからしか取れません。プラズマソウルは貴重で需要が多く、そして価値が高い物です。それをハンティングするのが我々ラッシュハンターなのです。」
「成程。でも生物を殺すのに罪悪感は感じないのですか?」
「では君に尋ねますが君は生きてゆくためにあらゆる生命を犠牲にはしていませんか?」
「・・・・・・・・はい。」
「我々も生きてゆくためには犠牲が必要なのです。」
「・・・・・等価交換の原理ですね。」
「その通りです。ところで君はどうやってここまで来たのですか?」
「おれは光に吸い込まれてここに気付いたらいたんです。」
「光・・・・・おそらくワームホールですね。」
「ワームホール?」
「簡単に言うと異次元へのトンネルといったところです。君は偶然にもそれをとおった事になります。」
「帰れるんですか!」
「残念ながら君の通ったワームホールが再度開く保障はありません。ワームホールにも波長があります。その波長でなければ君は元の星には帰れません。」
「そんな・・・・」
「ですが君は幸運といえるかもしれません。」
「どういうことですか?」
「これも何かの縁です。ハンターになってはみませんか?」
「っ!?」
一夏に衝撃が走った。そんな言葉が来るとは本人も思っても見なかったことだ。
「な、なんでそんなことを!」
「ええ普通はそう思うでしょう。見たところ君の星では格闘術を習う風習があるようですね。」
「いえ、俺のは武道と言って自主的に習うものです。」
「ほう、ますます興味深い。私は君のその武道というものにも興味があります。しかし君をそれだけの器にしておくのはもったいないと思うのです。君は欲しませんか?自分の今以上の力を?君が守ろうと思うものを守れる力を?」
ジェントの言葉に乗せられたわけではない。一夏は本心で思った。あの時の自分の不甲斐なさ。無力さが憎かった。そんな自分を壊したいと一夏は思った。
「・・・・・・・・やらせてください。」
「はい?」
「俺に!ハンターをやらせてください!」
一夏の真剣な眼差しをジェントは見た。その瞬間心なしかジェントは微笑んだ。
「その覚悟や良し!いいでしょう。ですがその前に君には模擬戦を行ってもらいます。」
「模擬戦?」
「はい。君が今どのくらいの実力なのかを見たいからです。ちょっと待っててください。」
ジェントはそう言うと立ち上がりあるチームの元に向かうとチームごと引き連れて一夏の元に戻ってきた。
「待たせてすみません、一夏君。」
「い、いえ!全然待って無いです!」
「そんな心遣いが出来るとは正直嬉しいですね。君の相手をしてもらうのはこちらのチーム・ラッシュハンターのバルタンバトラーのバレルさんです。」
一夏が見る先にはオレンジ髪の宇宙人、鳥顔の宇宙人、青い宇宙人がいた。一夏は立ち上がると深くお辞儀をする。
「織斑一夏です!よろしくお願いします!」
その反応を見て四人はきょとんとするがバレルが口を開いた。
「バレルだ。よろしく頼む。」
バレルの反応にガルムとマグナは驚く。
ハンターステーションの訓練場。障害物は無い訓練場。一夏は木刀、バレルは小太刀を持っている。
「いいですか一夏君?君が参ったと言うまでが勝負です。」
「はい!」
「バレルも手加減をせず本気でお願いします。」
「わかった。」
「では・・・・・・・・・始め!」
ジェントの合図でバレルは一夏から姿を消す。一夏は一瞬驚いたがすぐさま後ろに反転し木刀を向けるとそこには既にバレルが小太刀を振りかざしていた。一夏は背筋が凍りついた。一夏はバレルの攻撃を喰らい後ろに弾き飛ばされるが何とか体制を保つ。
「ほぉ、いい線いってるじゃねぇか。」
「バレルの旦那の速度に反応しやがった!」
「チゲェよ。アレは直感だ。だが一瞬でその判断が出来るのはそうそういねぇ。」
ガルムは一夏に関心する。
(剣道の構えじゃダメだ!隙が多すぎる!どうしたらいい・・・・)
一夏はバレルと睨み合いになりながら考える。だがバレルはそんな暇を与えない。バレルは一夏に急接近すると小太刀を細かく振るう。一夏は小太刀を木刀で防ぐが腕が持っていかれそうになっていた。
(つ、強い!千冬姉よりも強い!けどこのままで終われるか!)
一夏は一歩足を前に踏み出すと木刀を突く。するとバレルは一夏の前から姿を消した。一夏は咄嗟に木刀の剣先を自分のほうに向け後ろに突く。それと同時に一夏の首にバレルの小太刀の剣先が向けられていた。
「・・・・・・・・参りました。」
一夏は負けを認めた。しかしバレルはそうではなかった。
「いや、俺の負けだ。」
「何言ってんだバレルの旦那!」
「おいヒヨッコ。気付かなかったのか?一夏の野郎が後ろに剣を突いた瞬間バレルのアーマーを掠った。あそこは急所だ。もし本物の武器ならバレルが負けていた。」
バレルもガルムも一夏の強さを認めた。
「一夏と言ったな。」
「はい!」
「お前の腕はまだ荒削りだ。俺たちが鍛えてやる。」
「い、いいんですか!?」
「ああ。いいだろう二人とも。」
バレルが聞くと二人はこう答えた。
「まっ、コイツは面白そうだし俺はいいぜ。ヒヨッコは?」
「俺もいいぜ。なんだかわかんねぇけどこいつを鍛えてやりてぇ!」
「決まりだな。一夏、戦いの基礎とかは俺たちが教えてやる。だが俺たちは甘い教え方はしないぞ。覚悟しろ。」
「はい!」