ジャックは両腕をプラズマソウルのナイフ形を変え、一夏の黒竜と白竜と剣を交える。
ギギギギギギギギギッギギギギギギギギギギギギッギギギギギッギッギ!
剣と剣がぶつかり合う音が海に響く。
「やるじぇねえか一夏!」
「ジャックもな!」
一夏とジャックは互いの力で互いを弾く。
「はぁあああああああああ!」
ジャックは触手を一夏に向けると触手からビームを放つ。一夏は海面にまで急降下し海面ギリギリを飛行し、放たれるビームを回避する。
「いくぞ!」
一夏は黒竜を収め、白竜を両手で握ると一夏は剣先を地面に向ける。すると赤、青、黄、緑、銀、白の球があるヘキサゴンが一夏の足元に現れる。
「属性、火!」
一夏がそう言うと赤い球が光り、白竜の刀身が赤に変わり、炎を纏う。
「色が変わった?」
「いくぜ!剣技・炎斬!」
一夏はジャックに接近し白竜・炎を振るう。ジャックは触手で応戦しようとするが白竜で焼き斬る。
「燃え斬るのかよ!」
ジャックは両腕を大砲に変え一夏に向け放つ。
「属性・光!」
白竜の剣先を下に向け、ヘキサゴンを出すと、白の球が光り、刀身を白に染まると、剣義・光盾を作りビームを防ぐ。
「んなのアリ!」
一夏は光盾を解くと刀身を強く輝かせる。
「剣技・光刃!」
一夏は光の刃をジャックに向け放つ。光刃はいくつもの小さい刃になり、ジャックを四方八方から襲ってくる。
「ちぃ!」
ジャックは一気に上昇し回避すると触手を一夏に向け触手の爪を弾丸のように飛ばす。
「属性・土!」
剣先を下に向け、ヘキサゴンを出すと緑の弾が光り、刀身が緑に染まる。
「体技・風加!」
一夏は風加を身に纏うと速度を上げ回避行動を取る。
「面白いな、一夏!」
ジャックは両腕に触手を絡ませると両手を大きな爪に変え一夏に接近する。
「剣技・砂斬!」
一夏が叫ぶと砂の刃が形成される。一夏はジャックと剣を交える。
「ぐっ!砂が重い!」
ジャックの爪にかかる砂が少しずつジャックの動きを鈍らせる。一夏はジャックと距離を取る。
「属性・光!」
白竜の刀身を白に染めると一夏は剣先をジャックに向ける。剣先に光の球体が形成されジャックに向けビームが放たれる。ジャックは両腕を交差させ攻撃を防ぐ。ビームが止み、反撃しようとしたジャックだが異変に気付いた。自分の両手にガラスが溶け付いていたのだ。
「成程。科学知識を応用したんだな。だが!」
ジャックは自ら両手を砕くと、新たに手を形成する。触手も再生させる。
「いくぜ!」
ジャックは右腕を平行二連銃の形に変えると一夏に向けビームショットガンを放つ。
「くっ!」
一夏は後退瞬間加速をし、回避を取ろうとするがいくつか一夏に当たる。
「属性・水!」
剣先を地面に向け、ヘキサゴンを出すと青の玉が光り、刀身が青に染まる。一夏は右手で刀を回すと峰から水が出て水の盾になる。
「剣技・氷円盤!」
回転によって作られた水の盾が凍り、氷の円盤になると一夏はそれを掴みジャックに向かい投げる。
「そんなモン!」
ジャックは水平二連ショットガンで打ち落とす。
「術技・氷針!」
一夏は左手の人差し指と中指を立てる。すると砕けた氷円盤の氷がジャックの周りを浮遊し氷の針のようにジャックに襲い掛かる。氷の針はジャックの身体に刺さる。
「グッ!やるじゃねえか。だが!」
ジャックは氷の針を砕き、一夏に向かい接近する。
「剣義・水斬!」
刀身に水を纏い一夏はジャックに振るう。剣を振る度に高出力で水の刃がジャックを切る。
「水カッターか。面白いな一夏!」
「お前もな!」
ジャックは一夏から距離を取ると左脚からプラズマソウルの針を一夏に向け跳ばす。
一夏は急降下し回避するがプラズマソウルの針は一夏を追いかけてくる。一夏は海面ギリギリを飛行すると急停止する。急停止によって大きな水飛沫が上がる。
「剣技・海竜牙!」
刀身に水飛沫となった海水を取りこみ水の竜の手を形作ると横一線に振る。プラズマソウルの針を全て砕く。
「もらった!」
ジャックが両腕をプラズマソウルのチェーンソーに変え一夏に振り下ろす。
「剣技・水鮫!」
一夏ははく竜を坂手に持つと刀身を海水に浸し、一気に振り上げる。水の鮫がジャックに襲い掛かるがジャックはいとも簡単にそれを消し一夏にチェーンソーを振り下ろす。一夏は逆手でそれを受け止める。
「ぐっ!」
「うらぁあああああああああ!」
ジャックは雄叫びを上げながら一夏を押す。一夏は海に落ちると海中で剣先を下に向け。ヘキサゴンを出す。
(属性・メタル!)
銀色の球が光、白竜の刀身が銀に染まる。
(剣技・剣輪!)
一夏は海中からジャックに向け剣を振るうと白竜からチャクランが飛ばされる。
「っ!」
海面から出て来たチャクランにジャックは驚き一瞬隙を見せる。一夏は海面から水飛沫を上げながら出てくると白竜を右斜め下から構える。
「剣技・舞剣!」
白竜の刀身がいくつ者細い糸状の刃に姿を変える。一夏はジャックに向かい剣を振るう。いくつもの細い刃がプラズマソウルを削ってゆく。
「どんな芸当だよそれ!」
「まだまだ終わんないぜ!」
一夏とジャックの戦闘を見ていた千冬たちはその光景に何も言えなかった。
「すごいですね、織斑君。」
「ああ。」
千冬は腕組みをしながらそう言った。
「あの剣はなんなのでしょう?」
「さっき一夏はアレを、七星剣を呼んでいた。」
「でもそれだと八本になってしまいますよ。」
「おそらくだが・・・・・・・・アレは二本で一本の存在なのだろう。」
「つまり今までの織斑君は半分の実力で戦っていたことになりますか?」
「そうだな。だが・・・・・・・あの剣、まだ何かありそうだな。」
一夏は白竜を収めると黒竜を手に取り抜刀する。
「今度は黒か。」
「ああ。属性・闇」!
一夏がそう言うと黒竜の刀身に黒い光が纏われる。
「はぁあああああ!」
一夏はジャックに接近し黒竜を振るう。ジャックは防御を行うが、一夏の一振り一振りが思い斬撃を繰り出す。
「ちょいちょいちょい!反則だろ!」
「お前が言うな!」
ジャックは一夏と距離を取り触手を手で掴むと触手を千切り、プラズマソウルの剣に変える。
「いくぜ!」
ジャックの二刀流の猛攻に今度は一夏が防御を取る。
「おら!おら!おら!」
「ぐっ!」
押される一夏。だが一夏は刀の柄に闇を集中させる。黒竜の柄の口が開くと一気に闇を吹出しまるでジェットのように離脱する。
「お、そんな使い方あるんだ。」
「まあな。でもこっからはちょっと驚くぜ。」
一夏は黒竜を右手に握ると白竜を左手に持つ。
「また二刀流かい?」
「ちょっと変わったな。剣態・竜尾!」
一夏が叫ぶと黒竜と白竜の柄からそれぞれの色の尾が出て互いに絡み、柄の部分が尾で結ばれた姿に変わる。
「わぉ!」
「いくぜ!」
一夏は二本の剣先を地面に向けるとヘキサゴンを出す。
「属性・炎!土!」
黒竜の方の刀身が赤、白竜の方の刀身が緑に染まる。
「二属性を使うことが出来るのか・・・・・面白い!」
ジャックは一夏に接近してくる。一夏は剣先をジャックのほうに向けると二つの剣先のそれぞれ赤と緑の光を集める。二つの光は混じり、まるで溶岩のような色に変わる。
「術技・炎土弾!」
一夏は炎土弾をジャックに向け跳ばす。ジャックはそれを斬りろうとするが斬った途端に中からマグマが出てくる。
「マグマ!」
ジャックが驚いている間にマグマはジャックの身体に纏わり付き冷え固まる。
「属性・水!雷!」
黒竜の刀身が青に、白竜の刀身が黄に変わる。一夏は黒流に水、白竜に雷の竜を纏わせる。
「竜技・水雷竜!」
雷と水の竜がジャックに向かい飛ぶ。二体の竜はやがて一つとなりジャックに直撃する。
「ぐぅおおおおおお!」
ジャックは体勢を崩すものの耐えた。
「なら!」
ジャックは背中に生やした三つのプラズマソウルを一夏に向け放つ。三つのプラズマソウルは細かく、小さく分かれると大きくなり何千もののミサイルのように一夏に向かい襲ってくる。
「くっ!」
一夏は上昇しながら黒竜と白竜の属性を変える。
「属性・闇!光!」
黒竜の刀身を黒、白竜を白に染める。一夏はジャックより上空で静止すると闇と光の刃を飛ばしミサイルを打ち落とす。爆煙野中からプラズマソウルのミサイルが来るが一夏は急降下し海面ギリギリを飛行する・ミサイルの一部は海面にぶつかり爆発するがまだ数百と残っている。一夏は白竜と黒竜を頭上に上げるとバク宙をしながら後ろのプラズマソウルのミサイルに斬波を飛ばしミサイルを斬る。
「このままじゃジリ貧だな。こうなったら・・・・・・剣態・竜弓!」
一夏は黒竜と白竜の柄を解き、二つの刃の方向を同じにしたまま二つの柄を近づける。すると黒竜と白竜は首を伸ばし、互いに絡み柄が一つとなりまるで刀の弓のようになった。
「竜技・咆矢!」
一夏はプラズマソウルのミサイルの方を向くと弦を引く仕草をする。すると光の弦と白と黒の矢が一夏の手に表れる。一夏が二本の矢を射ると日本はいくつもの細かい矢に分かれプラズマソウルのミサイルを全て射落とした。
「・・・・・なあ一夏、なんで泣いてんだ?」
ジャックは一夏を見下ろしていて気付いた。一夏は戦いの中で涙を流していた。
「お前だって、泣いているじゃねえかよ。」
ジャックも一夏と同様に泣いていた。
(ジャック、俺は・・・・・)
(一夏、俺は・・・・・・)
((出来れば、人間である時にこうしたかった。))
二人の思いは一緒であった。もしあの時裏切りが無ければ、もしあの時早く転送装置が直っていたら。そんな思いが二人にはあった。だが、現実はそうはいかない。時は戻らない。
一夏はジャックに向かい接近すると竜弓をジャックに向け振り下ろす。ジャックはそれを両腕を交差させ防ぐ。
(せめて今だけ、今だけでいい!)
(もっと、もっと長くこの時を味わっておきたい!)
((最後に、悔いが残らないように!))
一夏はジャックとジグザグな軌道を描きながら剣を交える。
「はぁあああああああああ!」
「やぁああああああああああ!」
互いの涙が海に落ちながらも二人はその手を緩めない。二人は退かない。どちらかが生き残るまで戦う。
箒達はその光景を見ていた。・・・・・・・・・・否、見ていることしか出来なかった。二人は戦いながら最後の時間を過ごしている。そんなことを邪魔することは誰にも出来ない。
二人は空中で距離を取り、肩で息をしながら静止していた。
「一夏・・・・・・そろそろ・・・・・決着を・・・・・つける・・・・ぞ・・・・」
「ああ・・・・・・・・・そう・・・・だな・・・・」
二人にはもう分かっていた。別れが来ることを。
「はぁあああああああああ!」
ジャックは右腕にプラズマソウルの塊を形成すると、砕き、大きな拳を作った。
一夏は竜弓を解くと黒竜と白竜を下に下ろす。
「プラズマ!インパクト!ナックル!」
ジャックは拳を天に向け上げると拳にプラズマソウルのエネルギーが集中させ輝かせると一夏に向かい拳を突き出す。
「秘奥義・無!」
一夏が叫ぶと黒竜と白竜の刀身は透明になる、一夏はジャックに接近しながら黒竜と白竜を突く。
互いの武器と武器。技と技がぶつかり合った。
「おおおおおおおおおお!」
「ヤァアアアアアアアア!」
二人は雄叫びを上げる。ジャックが徐々に一夏を押していた。だがその時であった。ジャックの拳にヒビが入り、そして砕けた。黒竜と白竜はそのままジャックの胸に向かい一直線に突き進み、そして胸を貫いた。ジャックは胸から全身に徐々にヒビが入ってゆく。
「なぁ、一夏。」
「なんだ。ジャック?」
「俺さ、前に親父の事話したろ。なんであんな今年たんか俺にはわかんなかった。でも、お前を庇ったあの日に気付いたんだ。親父は、未来を託したんだって。」
「それで今度は俺に未来を託したのか?馬鹿だよ、お前は。」
「そう・・・だな。でもいいじゃねえか。馬鹿でも・・・・・よ。」
「・・・・・・・ああ。」
「一夏、これを受け取ってくれ。そして、俺のお袋に伝えてくれ。“愛してる”って。」
一夏はジャックからドッグタグを受け取った。
「ああ・・・・・・・・・・伝えるよ!」
「・・・・・・・・・・サンキュー、一夏。」
―あばよ。
ジャックはそう言い残すと砕け散った。ジャックの遺体は残らず、プラズマソウルの粉となってその場から姿を消した。
一夏は黒竜と白竜を収めるとジャックのドッグタグを握り締めながら空を見上げ泣いた。声にも出さずに泣いた。
箒達も見て泣いた。
モニターから見ていた千冬たちも涙を流していた。
誰一人として、一夏の邪魔をするものはいなかった。ただそっと、今はそってとしておきたかった。ジャックのドックタグにはジャックのプラズマソウルが少しだけ残っていた。