一夏がワームホールを抜けるとあたりは夜のライトの光で輝いていた。
「戻ってきたけど・・・・・・何処だここ?」
一夏は戻ってきたはいいがどこにいるのか分からなかった。
「たく、どーしよ。ん?」
一夏はポケットから落ちてきた紙を見るなり拾った。
「なんだこれ?」
一夏は紙に書かれている文字を見る。その文字はプラズマギャラクシーで見慣れている文字であった。
〈一夏君へ、君のISについて話していない事があったのですぐさま君のポケットに入れておきました。君の持つISは君の世界ISのコアではありません。つまり登録の無いコア。ですが私とチブル星人の技術で作り上げましたのでご安心を。それでは一夏君、頑張ってください。〉
「ジェントさん・・・・・・・貴女は束さんですか。ん?」
一夏はふと耳に入ってくる声の方を向くとそこには一人の女性を三人の男性が取り囲んでいた。場所は人気の無い路地裏。しかも一人はズボンに手をかけていた。
「おいおい、それやっちゃダメだろ。」
一夏はその女性の方へ飛ぶ。
私は織斑先生と一緒にお酒に付き合ってたのですが織斑先生の酒の勢いについて行けず外の空気を吸おうと外に出た途端でした。急に口を押さえられて路地裏に引っ張られました。
「おい、この姉ちゃん胸超でけぇな。」
「こら上物だぜ!」
三人の男が私を襲おうとしてきますが私は声が出せません。目の前にいる男性がズボンを脱ぐ準備をしたとき私は涙を流しながら思いました。
(助けて・・・!)
その時でした。
「ぬぺらっ!」
男性が突然変声を上げたので目を開けるとそこには長髪の人がいました。
突然現れた一夏に男たちは驚く。
「な、なんだよお前!」
「おめえらに名乗る必用ねぇよ。」
「お、男!」
「悪いか髪伸ばしてて。」
「そうじゃなくてなんで女を助けるんだよ!」
「あ?」
一夏は男の発言に疑問を持つ。
「お前も分かってんだろ!男は女の奴隷みたいなこの世の中!そんな世の中で女を助ける義理なんてねぇよ!」
「そうだ!大体、ISが使えるからって偉そうにしている女たちが悪いんだよ!」
「はぁ~。」
一夏は大きく溜息を吐く。
「ヒヨッコ共がうるせぇったらあらしねぇな。」
「んだと!」
「だってそうだろ。ISを使えるのはほんの一握り。467しかないISのコアが全員の女性を触れて使っているわけじゃねぇ。お前らが行っているのはおもちゃを取られてムシャクシャしているヒヨッコの発言だ。」
「う、うるせぇ!」
一人の男が一夏の言葉に逆ギレして一夏に殴りかかってくる。一夏は男の上に跳ぶと男の後頭部を蹴る。男は意識を失い倒れる。
「こんの!調子に乗んな!」
男がナイフを取り出し一夏に向け突く。
「危ない!」
山田先生が声を出すが一夏は全く動じず、男を合気で倒すと同時にナイフを取り上げた。
「バーカ。ナイフを取り出すなんてヒヨッコどころかミジンコなんだよ。さっさと失せろ。さもねぇと。」
一夏は片手でナイフの刃を曲げ、両手でナイフを野球のボールのような芸術アートに替えてしまった。
「こんな感じの身体になってしまうが・・・・・・・それでもいいか?」
「ひ、ひぁああああああああああ!」
男はへっぴり腰になりながらも仲間を抱えてその場を去って行った。
「仲間を見捨てなかったのは褒めるところだな。」
「あ、あの!」
「ん?」
山田先生は一夏に声を掛ける。
「助けていただき、ありがとうございます!」
「気にしなくていいよ。それにああいうヤツら俺嫌いだし。じゃ、そういうことで。」
「ま、待ってください!」
山田先生は一夏の手を掴む。
(うぉ!この子いい動きすんな。でもハンターには向いてないな。)
「せめて何か御礼をさせてください!なんでもしますから!」
「言葉に気をつけろよ。下手したら何されるかわかんねぇから。でもいいって。たまたま俺あの場にいただけだし。」
「それでも何かさせてください!」
「あー・・・・んじゃあそこの自販機でコーヒーかって欲しいのと俺の質問に正直に答えて。」
「わ、わかりました!」
「ここって日本?」
「・・・・・ええ。そうですが・・・・・・どうしてそんな事を?」
「いや、ちょっと事情があってな。あんがと。」
「あ、ちょっと待ってくださいね。」
山田先生はそう言うと自販機の方に向かい小銭を入れて飲み物を取ると一夏の方に戻ってきた。
「どうぞ。」
「悪いね。」
一夏は栓を開けてコーヒーを一気に飲み干した。
「あ~、なんか地球に帰ってきたって感じがするわ。」
「地球に帰ってきた?」
「ああ、こっちの話し。」
「そ、そうですか。じゃあそれ私が捨ててきますね。」
「せんでええ。それにこの距離なら撃つより楽だし。」
そう言うと一夏は空き缶を30m離れたゴミ箱に向かい投げる。缶は見事にゴミ箱に入った。
「す、すごいです!」
「うんにゃ。俺の知ってる人でどんな的も百発百中で当てる人いるし。そんじゃ。」
「あ、あの!せめて名前だけでも教えてください!」
山田先生がそう言うと一夏は振り向き、山田先生に近づき頭を撫でる。
「名乗るほどの者じゃないよ。それよりも頑張りな。」
その瞬間山田先生は顔が真っ赤になった。
「真耶!」
「っ!」
自分の名前が呼ばれたので山田先生は後ろを振り向くとそこには千冬の姿があった。
「織斑先生!」
「どうしたんだ?先程から姿を見ないと思ったらどうしてこんな所に?」
「い、いえ。この人に先程助けてもらって。」
「誰もいないぞ。」
「え?」
山田先生が後ろを振り向くとそこには一夏の姿がなかった。
「どうした真耶?顔が紅いぞ。」
「えっ!」
山田先生の前から姿を消した一夏は自宅の前に来ていた。
「織斑の看板があるって事は千冬姉はここに住んでいると見て間違いないな。けど・・・・・・いないな、今。」
一夏は敷地の中に入りポストボックスの中を見るとそこには企業からなどの手紙が溜まっていた。
「勝手に入って補導されるわけにも行かないし・・・・・・・そういや弾の食堂今開いているかな?」
一夏はそう思うと弾の家の五反田食堂へと向かう。
「あ~、よくよく考えたら鈴の家の方を向かうって選択しあったけどアイツにいきなり会ったらぶん殴られそうで恐いんだよな~。」
一夏がそう呟いているといつの間にか五反田食堂に着いた。店はもう店を閉める準備が始まっていた。一夏は五反田食堂の扉を開ける。
「すみません。もう営業は・・・・・・・」
一夏の姿を見た蘭は声を失う。
「どーした蘭?なんかあったんか?」
厨房から弾が顔を出す。蘭は一夏の名を口にする。
「一夏・・・・・・さん?」
「ああ。久しぶりだな二人とも。」
「・・・・・・え?い、一夏!」
弾は驚き厨房から抜け、一夏の方に近づく。
「ほんとに一夏なのか?幽霊じゃないよな。」
弾がそう言うと一夏は弾にデコピンをする。
「痛っ!」
「現実だよ。」
「・・・・・こんの!」
弾は一夏に抱きつく。
「バカヤロウ!いったいいままで何処で何してたんだよ!みんな心配してたんだぞ!」
「悪い。帰ろうにもちょっと事情があってな。」
その後蘭が泣き出し厳が来てまた騒動になった。
「すみません。お風呂いただいちゃって。」
「気にすんな。それよりお前さん今まで何処で何をしていた?なんで連絡の一つもよこさなかったんだ?」
五反田一家が一夏に興味を持つ。
「あ~、それについてこれから話しますけど他言無用で。多分普通に信じてもらえないし。」
一夏はプラズマギャラクシーのこと、ラッシュハンターたちの事を。
「あー一夏、流石の俺も信じられねぇわ。」
「だろうな。だからと言ってここで武器を出したら問題だしなんかねぇかな?」
一夏はジェントから貰ったISをいじると何かのファイルを見つけた。
「なんだこれ?」
一夏がファイルを開くとそこには怪獣の名前がタイトルとなっているファイルがあった。
「成程。ジェントさんのやりそうなことだな。」
「どうした一夏?」
「弾、この中で一つ適当に選んでくれ。」
「おう。」
弾は“GORUZA”と書かれたファイルを開く。すると空中に投影ディスプレイが現れゴルザとのハンティング映像が流れる。
「懐かしいな。ゴルザとのハンティング。」
一夏は映像を見るなり懐かしむ。五反田一家はその映像に釘付けになった。映像が終わると弾は口を開いた。
「一夏・・・・・・マ!ジ!で!あんなことしてたのか!」
「ああ。向こうじゃプラズマソウルほど金になるもんは無いからな。」
「そ、そうか・・・・・わかった・・・・・・」
「そういや弾。」
「なんだ?」
「鈴の奴元気にしているか?」
「あ~・・・・・お前がいなくなったと知ってしばらく泣きじゃくってたぞ。でもなんか両親の事情で中国に帰ったみたいだぞ。」
「そうなのか。後、千冬姉が何処に務めているかわかるか?」
「全然。じいちゃんも知らねぇよな?」
「おう。だが一夏、絶対千冬ちゃんに会ったらまず殴られるぞ。」
「それって鈴にも言えるよな。一夏、どっちに先に会う?」
一夏は考えてみた。ブリュンヒルデとして世界に名を連ねると幼馴染。どちらのダメージを先に受けるか。
「・・・・・・・先に鈴のほうに詫びを入れたらいいかもしれねぇ。」
その言葉に五反田一家は首を縦に振った。
翌日
「すまねぇな、一日泊めて貰って。」
「気にすんなよ。それに俺らも一夏に会えてよかったし。これから中国に行くにもお前・・・・・・パスポート無いだろ。」
「光学迷彩で姿を消して1フィート以下の高度で飛べば問題ない。」
「お前そういやあの映像で普通に飛んでたな。」
「まあな。んじゃ行ってくるわ。」
そう言うと一夏は五反田食堂を後にし、中国へ向かった。