一夏は光学迷彩で姿を隠しながら低空飛行で海面を飛行していた。
「IS学園に鈴がいるのか・・・・・・そういや箒もいるんじゃないのか?あいつ保護プログラムであっちこっち転校させられてそうだし。」
一夏がそう呟いて飛行をしていると遥か上空で高速で移動している何かをハンターボールが捕らえた。
「あれは・・・・・何処に向かっているんだ?」
一夏は地図を投影し予測進行方向を見てみるとそこにはIS学園があった。
「おい冗談だろ!」
一夏は最悪の結果を予想した。
謎の飛行物体は迷うことなくIS学園のアリーナのシールドを破り、アリーナ内に入った。
一夏は光学迷彩を解くとIS学園の上空で待機、状況を整理する。
(おいおい、あの出力はこの星だと一番な火力じゃないか!でもアレだけの威力だと砲身はかなり焼けているはずだ。二度同じ出力で放つと確実にアレは壊れる。となると威力は小さくするはずだ。だが問題はこの状況だ。観客が一向に減る気配が無い。と言うより非常口の方が詰まって・・・・・・・いや!ロックされていると考えたらいい。テロリストかなんか知らないが邪魔をさせてもらうぜ。)
一夏は迷うことなくIS学園のアリーナに向かった。
一夏は見取り図を見ながら避難経路の扉に立つと厚い壁を通して聞こえてくる女子の悲鳴が聞こえた。
「やっぱりロックされてたか。おい!扉の向こうにいる奴、聞こえるか?」
「は、はい!」
「今から荒技でこの扉を開ける!少し離れてくれ!」
「わ、わかりました!」
一夏はハンターボールを使い扉の前から人が離れたのを確認するとシザーブレードを装備する。
「はぁあああああ!」
一夏は扉の淵に沿って斬るとハンターボールをアントラーモードに変え、扉を磁力で引き寄せる。アントラーモードのハンターボールはわずか2秒しか磁力を起こしていないがそれでも扉は一夏の方まで跳ぶ。一夏は扉を受け止めるとゆっくりと下ろして退路を確保する。
「大丈夫か?」
「は、はい!あれ?この人・・・・・」
「山田先生を助けた人だ!」
一夏は何のこと言っているのか分らないため首を傾げるがそんな気持ちはすぐに捨てた。
「ハンターボール、あと何箇所だ?」
するとハンターボールは2と示す。
「だったらこれでいくか。」
一夏は瞳を閉じ、意識を集中させると一夏の身体が光、二人の一夏に別れた。
「じゃ、よろしく。」
「おう。あっ、サーベルクロー貸して。それ一人しかもてないだろ。」
「そうだな。」
片方の一夏がもう一方の一夏にサーベルクローを渡す。
「じゃよろしく。」
「おお。」
二人の一夏は二手に別れ残りの非常口に向かった。
IS学園アリーナのモニター室。
時間は遡り数分前。
「山田先生、最近恋をしたと聞くのでどんな男かと思ったら飛ぶ男とは聞いていませんでしたよ。」
「私も彼が空を飛べるなんて思っても見ませんでした。それより織斑先生、早くに復帰してくれて助かりました。」
「まぁ、アイツがもしいたら今頃怒られているだろうからな。」
「それって弟さんの話ですよね。」
「・・・・・・更識、いきなり声を掛けてくるな。」
千冬の後ろから楯無が話し掛けてくる。
「あれ?楯無さんは試合に出ないのですか?」
「私が出たら盛り上がらないと言うことと今の子達の実力をこの場で見ようかと思いまして。」
楯無は扇子を広げ「会長特権」と書かれた字を見せる。
「まぁ、構わないがな。」
「どうもです。でもあの四人が初戦から戦うことになるとはねー。」
「そうですね。凰さんとオルコットさんペア、ボーデヴィッヒさんとデュノアさんペアは互いにバランスが取れていますし、面白い試合になりそうですね。」
そう思った矢先、突如アリーナのシールドを破る紅い光がアリーナのグラウンドを抉る。
「なっ!」
「一体なんですか!」
「っ!」
土煙が晴れるとそこには全身装甲のISがいた。
「山田先生!すぐに避難勧告を!」
「は、はい!」
山田先生は千冬の指示に従い避難勧告を出す。しかし非常口はレベル4のロックが掛けられていた。
「織斑先生!」
「くっ!」
「織斑先生!ここは私がISを展開して―――」
楯無が言う最中で山田先生は大きな声を上げる
「あ―――――!」
「どうかしましたか山田先生!?」
「ひ、非常口1のカメラを見てください!彼がいます!」
「「はいっ!」」
千冬と楯無が見る方向には一夏の姿があった。一夏がシザーブレードとハンターボールで救助するところを見て二人は驚きを隠せなかった。
「非常口に使われている厚さ10cmの特殊合金の扉をいとも簡単に!」
「それにあの浮遊するビット、なんて磁力を持っているの!」
更に二人は分身に驚きを隠せない。
「山田先生!ISの反応は!」
「全くありません!いえ、違うこれは!」
「どうかしたのですか?」
「ISの反応はあります。でも現在使用していません!」
「じゃああれは・・・・・・なに?」
全ての非常口の扉を壊した一夏は外に出て考えた。
(どうする・・・・・・非常口は今避難する人でいっぱい。かと言って強引に穴でも開けたら耐震構造に問題が生じる。となると・・・・)
一夏は謎のISが開けた穴の上まで跳ぶ。
「ここしかないよな。」
一夏はバレルから貰ったマフラーを身体に巻き、きりもみ回転をしながらアリーナの中へと入る。
アリーナ内では四人が謎のISに苦戦していた。
「なによあいつ!」
「硬いですわ!」
「でも負けられないよ!」
「ここで弱音を吐いたら教官に会わせる顔が無い!」
四人が連携して謎のISに攻撃をする。謎のISは円運動をしながらレーザーを放つ。放たれたレーザーは四人に命中する。四人は体制を崩し倒れる。
謎のISが鈴に銃口を向ける。
(一夏・・・・・)
鈴が目を閉じてそう思った瞬間であった。
「おぉらぁあああああああああ!」
ギュオンッ!
謎の金属音が耳に入った鈴は目を開けるとそこにいたのは長髪の男の姿であった。
「あんた・・・・・一体・・・・・」
「ん?俺?俺はただここにいる人を助けようとしただけ。まぁついでにコイツも倒そうかと思って。」
鈴たちは第一印象から驚くべき事があった。それは生身でISを吹っ飛ばしたことだ。いくらなんでもそんな常識外れの人物などこの世でも三人はいない。
「さーて、あいつの実力でも確認しますか。」
一夏は謎のISに向かい走り出し、跳び蹴りをする。謎のISは腕でその攻撃を受け止める。
(この匂い・・・・なるほどな。)
謎のISは腕を振り一夏を振り払おうとする。一夏は謎のISの腕の振りを利用し距離を取る。
「ほー、ブリキ人形にしてはやるじゃん。だがチブローダーより性能とスタイルは劣るな。チブローダーはかっこよかったし用途によっては改造が可能。」
「ちょ、ちょっと!」
「ん?」
シャルロットが話し掛ける。
「なんでこんなところにいるの?君は誰なの?」
「あ~、二つ目はまだ早い気がするわ。でも一つ目だけは答える。主な理由はここにいる奴に殴られに来たって事。しばらく音信不通だったからあいつ怒っているだろうしね。」
「あ、あいつって・・・・」
「それは―――」
一夏が答えようとした瞬間謎のISは一夏に向けビームを放つ。一夏の身を守ろうとハンターボールがガードモードになりその攻撃を防ぐ。
「悪いなハンターボール。てことで話している暇は無いから先にあいつをつぶすわ。」
一夏は左手につけている腕輪を見せる。
「それはもしや!」
セシリアはそれが何か感づくが一夏はそんな事を気にせず叫ぶ。
「展開!」
その瞬間一夏のISが光り、一夏の体をISが包む。
一夏のISはどちらかと言えばIS用のスーツである。ところどろこにアーマーが付けられていてブースターは無く、ただ生命維持装置と絶対防御があるだけである。
鈴たちはそんな一夏の姿を見て驚く。
「男が・・・・」
「ISを・・・・」
「そんなことって・・・・」
「信じられん・・・・」
驚く鈴たちに一夏は目もくれずただ謎のISを見る。
謎のISは両腕を横に広げるとミサイルを一夏に向けて放ってくる。
一夏はガルムから貰ったクロスショットとミニクロスショットを手に取るとミサイルに照準を定め、二つを構える。
「ダブルバレット・クライシス!」
ダブルバレットから放たれたレーザーは枝分れしてミサイルを打ち落とす。
「そんな!あんな事が出来るなんて!」
セシリアは驚きを隠せない。
一夏はダブルバレッドを収めると謎のISに向かいながら叫ぶ。
「スティンガー・・・・サーベル!」
一夏は右手にスティンガーサーベルを装備すると謎のISに向かい正面から突っ込む。謎のISは一夏に向かいレーザーを放つが一夏は軽々と避ける。
「遅い遅い遅い!」
一夏は避けながらも確実に謎のISに接近するとサーベルを構えて叫ぶ。
「ニードルラッシュ!」
謎のISは腕を十字に組み攻撃を防ぐ。謎のISの態勢が崩れ掛けたところで一夏は怒りのオーラをサーベルに集中させる。
「フォース・・・・サ~ベル!」
一夏のフォースサーベルが謎のISの装甲を削ぐ。しかし謎のISは一夏に向けレーザーを放つ。一夏は空を飛びながら回避する。
「こうなったら!」
一夏はサーベルを収めるとバレルの装備を展開する。バレルの装備は紅いマフラー、分離状態のサイクロンソーサー、シザーブレードと左の籠手である。一夏はサイクロンソーサーを展開し回転させ、叫ぶ。
「サイクロン・・・・ソーサー!」
一夏の放ったサイクロンソーサーが謎のISに直撃する。謎のISはの両腕はことごとく破壊された。一夏はサイクロンソーサーを自分の下に戻し、着地する。
「ふぅ、これでいいだろ。」
「おい貴様!」
「ん?」
ラウラが一夏に声をかける。
「なんだ今の武装は!何処の国の者だ!なぜブースターも無しにあんなに移動できる!」
「普通IS無くても飛べるでしょ。」
『飛べるか/ませんわ/ないよ!』
「あ、こっちの宇宙じゃ出来る人俺くらいしかいないのすっかり忘れてた。」
そんな時一夏に向かい謎のISが内部に隠していたレーザーの手を一夏に向け、放った!
「あっ!あぶな―――」
鈴が言おうとした瞬間一夏は残像を残しながら二つに別れ、その場から姿を消すと謎のISの上を飛んでいた。
「しつこい!これで終わりにしてやる!」
一夏はシザーブレードを展開するとブレードから白い光を放ち、叫ぶ。
「白色!破壊斬!」
一夏の白色破壊斬が謎のISを真っ二つにする。一夏が距離を取り着地し、シザーブレードを収めると同時に謎のISは爆発した。
「ミッション、コンプリート!」
これで終わったかに見えたその時であった。鈴たちは一夏に向け武器を構えていた。
「・・・・・・・第二ラウンド?」