だぜ娘奮闘記!   作:元掃除道具

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その6 vs輝夜

「魔理沙はどうして、あの兎に『月の尊きお方』なんて呼ばれていたのかしら……?」

「さぁ……?」

 

 本当に困っていたので、紫に全面協力して私が知っていることは何でも話すつもりだ。

 だけど、まっったく心当たりがない。なさ過ぎて困っている。

 紫と顔を見合わせて、ふたりして首をひねって見つめ合う。

 

「月に妖怪がいるって? あいつら、なんなのよ」

「そうね、あの兎の様子は只事じゃないわ。紫、わかることは何でも話して」

 

 アリスと霊夢が詰問し、紫は本当に困った様子で頭を抱えている。

 

 先ほど襖を開けて出て来た鈴仙は、本当に強かった。

 私達と、いや正確には霊夢たちと正面からぶつかることは避けて、屋敷中に仕掛けた罠を巧みに使っていた。

 一瞬で身を隠し、遠くから狙撃するようにしてこちらを削る。特に私を狙って来ていたので、それを庇うみんなの負担が大きかったように思う。

 まるで時間を稼ぐのが目的のような、ここで時間を消費させるんだという戦い方だった。明らかになにか狙いのある動きだ。

 幽々子と妖夢が一計を案じ、私たちはその場を離脱した。妖夢たちに鈴仙を任せて先へ進んだのだ。

 

「……いまは話せることがないわ。魔理沙。ほんっっとうに、心当たりはないのよね!?」

「本当にないんだって! 困っているのは私の方だぜ!」

 

 何度も同じ質問をする紫に、こちらも強い調子で返す。

 詰め寄られても、じろじろ見られても。ないものはないんだから思い悩む。

 霊夢も困ったように、心配したように見てくる。

 

「月の尊きお方って、誰の事なんだよ……」

 

 私の原作知識はおぼろげだし中途半端だ。

 月にも妖怪がいるらしい、ということは解るけど、それ以上はあまり知らない。

 いや、妖怪じゃないんだっけ? 本当に全然覚えていない。

 私が知っているのは、月から逃げ続けている蓬莱人がこの幻想郷で隠れていて、隠れ場所がまさにこの永遠亭ということだけなのだ。

 

「今はもう仕方ないわ。さっさと異変を解決して、叩きのめした後に首謀者から話を聞きましょう」

 

 霊夢がそう締め括り、また長い廊下を飛んでいく。

 話をしながらでも一切の油断なく、偶に出てくる妖怪兎を右へ左へ叩きのめしながらどんどん先に進む。

 

 霊夢の後姿を見ながら、鈴仙が私に指を突き付けながら、悲壮な目をして話していた終盤を思い出す。

 

『あれ、でもなんだか穢れが……。あ、あれ? もしかして、私なにか勘違いを! これって、伝言みたいな気が……!』

 

 あれ、絶対途中でなにかに気が付いていたよな。

 私には本当に心当たりがないので、鈴仙が勘違いをしているという確信があった。

 そしてそれを見ていたみんなも、なんだか残念なものを見る目になっていた。

 だけど、紫はどうも『月の尊きお方』というのに引っかかるみたいだ。それに鈴仙がどうしてそんな勘違いに至ったのか、私も悩みため息を吐くのだった。

 

 *

 

「イナバ。それは……本当なの?」

「はい。十中八九、間違いないです」

 

 永遠と須臾の罪人、蓬莱山輝夜が尋ね、鈴仙はそれに頷いた。

 輝夜の傍に立つ八意永琳が、腕を組みながら片手を顎に当てて思考の体勢で輝夜の様子を伺っている。

 鈴仙の言葉に、輝夜の動揺は見られない。

 

 月から使者が来ることを、この鈴仙は逐一報告していた。

 月の迎えがこの幻想郷に来る。

 身を隠して逃亡生活を送っていた輝夜と永琳にとっては、それは良い報せではなかった。

 鈴仙が連れていかれる事を防ぐ為、当初はそれを目的とした異変だった。

 偽の月を浮かべてみたものの、夜が終わらない。遂にたどり着いた幻想郷の妖怪たちは、輝夜たちを討伐しに来たような物々しい様相だという。

 直前に感じた大きな魔力を思い返す。

 そして、鈴仙が聞いたという月人の波長を考える。

 

「月人が、穢れを厭わずに地上へ来ることはないだろうと思っていたのだけれど」

「思い当たるのは?」

「そうねぇ。月の使者たち、女神、稀神をはじめとして賢者たち……」

 

 永琳が指折り数え、そしてふるふると頭を振る。

 

「うん、誰も思い当たらないわ。玉兎ではなく、月人が直接なんて」

「やっぱり。本当にどうやって、誰が地上に来たのかしら?」

「でも、今はそんなことどうでもいいの」

 

 永琳がそっと輝夜の傍に片膝を立てて、従者然とした姿でその手を取る。

 

「なにがあろうと、私があなたを守る。月になんて帰さない」

「……」

 

 輝夜はそれを黙って受け、丸窓から見える月を見上げた。

 月は完全な姿で、その中天に座していた。

 

 *

 

「っち! また……」

 

 霊夢が再び虚空に手を振って何かをつかむ。

 多分、さっきも見た鏃だろう。

 再びそれは虚空に溶けて消え、アリスも展開していた人形たちが構えている盾でガキンガキンと何かを弾いていく。

 

「いい加減イライラしてきたわ……!」

「奇遇ね。私もよ」

 

 時間を経るごとに攻撃はより激しさを増してきた。

 前に出て打ち払う霊夢と並ぶようにアリスが前へ出るようになり、今は紫が私を抱えてくれている。

 体の半分だけ隙間から出して、ゆったりと移動している紫に掴まりながら、私は私なりに防御魔法を組んで周囲に張り巡らせている。

 紫は最初に緊迫した雰囲気を少しだけ出していたが、今はもうふわぁ、なんてあくびを零すくらいには余裕ぶった態度だ。

 

「なあ能天気妖怪」

「どうしたのかしら能天気人間」

「ゆ、紫に言われたくないぜ!」

「はいはい、それでどうしたのよ」

「ああ、紫はこの便利な能力で一気に首謀者のところに行けないのか?」

 

 実際、この隙間ってなんなんだろう。

 境界を操るって言うけど、瞬間移動して急に出てきたりするし。

 

「そんなに便利な能力じゃないのよ。場所がわからないと境界も隙間も見当たらないし、攻撃だって素手で殴った方が……。んんっ!」

「なんか言いかけたな……」

 

 こほんとひとつ咳払いして、いい? なんて人差し指を立てて丁寧に教えてくれる。

 

「能力は便利だけど万能じゃないわ。こういう得体の知れない相手の時ほど隠しておく必要があるのよ。だから今は手札が割れていても問題のない霊夢とかアリスに頑張ってもらわないとね。私は非力だし、本当は今だってとっても怖いんだから」

「え、そうなのか」

 

 意外だ。

 怖いものなしだー、みたいな顔してるし普段から余裕ぶっているのに。

 

「そうよぉ。いざとなったら私の事も守ってね」

 

 ぱちーんっと音が出そうな程、様になっているウインクをされる。外国の女優さんみたいだ。

 なんとなく胡散臭いけど、よく考えたらルーミアと一緒の弾幕ごっこで勝てたもんなぁ。

 

「……紫も弱音吐くのとか、苦手そうだなぁ」

「あ、あら。そうかしらね」

「私に出来ることなんて全然ないけど、なにか助けになるなら頑張るよ。うん、守るぜ」

 

 慰めるように、ぽんぽんと抱えてくれている手を叩く。

 茶化しているように、冗談めいているけど私には本当に助けを求めているように感じた。

 こうして考えると、霊夢と紫って少しだけ似ている気がする。

 意地っ張りなところとか、弱音を吐かないところとか。強がりなところとか。

 

「……まいったわね。冗談のつもりだったんだけど」

 

 頭上からそんな声が聞こえたので、見上げようとすると頭を撫でられて防がれた。

 

「期待しないで待っているわね、人間の魔法使いさん」

「ああ、いつかもっと強くなるからさ!」

 

「見つけたわよ!」

 

 霊夢が声をあげ、前方に注目すると、弓矢を背負った銀髪の女性がまさに襖の奥に消えていくところだった。

 襖が閉じる前に、急いでそこに向かっていく。

 

 霊夢、アリスが室内に入り、私達もそのまま入ろうとして、襖はぴしゃりと音を立てて閉じた。

 

「あら……?」

「どうしたんだ?」

 

 慌てずに紫が目の前に隙間を開くが、それを覗き込んだ紫が疑問の声をあげる。

 私は紫から、隙間の中は見ない方が良いと言われているので、目を閉じながら腕を掴んで揺する。

 

「困ったわ。罠よ」

 

 全然困っていない様子でそんな声を出すものだから、思わず目を開けて一緒に覗き込もうとするとそっと目元を手で覆われた。

 

「その人形、いや、人間? それとあの魔法使いを分断した方が良いって、永琳が言っていたから」

 

 凛とした声だ。鈴の音を転がしたように可憐な、しかしどこか間延びしたおっとりとした声だ。

 

「それにしても人間と妖怪……。今日は珍しい客が来ているわね。」

「あんたは……。一体何者よ」

「私は輝夜。でも、あなたが先に名乗ってないのに、質問してきた事には怒らない」

「その程度で恩を着せようなんてのは甘いわ」

「誰もそんな事言っていない。最近、永琳が屋敷の外に出させてくれないのよ。だから、たまのお客様は大切に扱うわ」

 

 ようやく目元から手が払われ、その声の主を見ることが出来た。

 気が付けば廊下にいたはずの私たちは外にいて、空に大きく月が浮かび雲がかかっている。

 足元は見えないほどに高い場所にいるみたいで、遠くに山の影が見える。

 

 目の前には満月を背負った、黒髪のお姫様が空に浮かんでいた。

 ピンク地で白いフリルがついた袖の長い上衣、金糸で模様の入った真っ赤なスカート。浮かんでいるから余計に長く見える、袖や丈から手足を出していないのはそういう拘りなのかもしれない。

 

「あ、私は魔理沙だ! 霧雨魔理沙!」

 

 慌てて相手の名乗りを思い出して、こちらも名前を返しておく。

 紫も「八雲紫よ~」なんて、合わせてくれる。

 

「この穢れのない月の光を浴びたら普通の人間は5分と待たず発狂するわよ」

「えぇ!?」

「だから魔理沙、あなたは紫に感謝した方が良いわね」

 

 さっき、私の目を覆っていた時だろうか。

 なにかしてくれたらしい紫を見上げると、ニコニコしながらぽんぽんと頭を叩かれた。

 「ありがとうな」と言って、また輝夜に向き直る。

 

「私はね、月の使者が来たのなら永琳に任せるばかりではいけないと思ったの。それでこっそり細工して、会いに来たんだけど」

 

 言いながら輝夜が口元を袖で隠す。

 

「一目見てすぐに解ったわ。あなたは月人じゃないし、多分、鈴仙の勘違いだったのね」

「ああ、よく勘違いされるんだ。高貴な生まれだ何だってな」

「この娘のどこを見たら高貴なのかしら」

 

「誰かがお節介にもあなたを守るために、地上のイナバ達にもわかる様に、攻撃しないでってお願いしたのね。玉兎たちを纏めるモノが、そういう細工を寄越したのかな。共有無意識の植え付けというか、兎のテレパシーみたいなものを利用して」

 

 そういって、にこにこと笑顔で「月にもそんなのがまだいるのね」なんて上機嫌に言っている。

 私と紫は、そろって頭の上に疑問符を浮かべて首をひねった。

 

「月にいた鈴仙には、それが月人のものに見えた。月の尊きお方の波長だーなんて騒いでいたのは、それでね」

 

 勝手に一人で納得している様子の輝夜に、私は紫の腕をポンポン叩いて解説を求めた。

 見上げた紫の顔は、私とおんなじように何もわかっていない様子だった。

 

「なんて滑稽。勘違いとお節介がこうして波及して、今私の前で紐解かれた」

 

 うふふ、なんて笑っているけど、私たちはどうも置いていかれている気がする。

 しかし徐々に紫は納得したのか、それとも何も考えていないのか。口元を扇子で隠しながら話を始めた。

 

「考え事が多くて、本当に暇そうね。あなたはミステリーや文学が好きそうだわ」

「今まで身を隠していたから余り外に出られなかっただけよ。でも、今日はその分遊ばせてもらう」

 

「遊びならやっぱり、弾幕ごっこだな!」

 

 難しい話は終わったかな、と勢い込んで八卦炉を背中から前に向き直す。

 

「今まで、何人もの人間が敗れ去っていった5つの難題。貴方達に幾つ解けるかしら?」

 

 *

 

 霊夢とアリスが室内に入った瞬間、後ろの襖が閉じる音を聞いた。

 瞬間、室内にいた銀髪の女性が振り返りこちらに向けて複数の矢を放つ。

 

 それを難なくさばいた後に、アリスは思わず舌打ちをした。

 

「魔理沙たちと分断されたわ」

「なんでいっつも、こういう妖怪は考えることが一緒なのかしら」

 

 苛立ちを声にそのまま乗せて霊夢は周囲に陰陽球を浮かべた。

 

「姫……。まったく、お転婆なんだから」

 

 しかしどうも、目の前の女性の狙いは違ったようでため息と共に疲れた表情を浮かべた。

 左右で色の違う、奇妙な配色の服を着た女性だった。

 赤と青、左右で色が違う上衣と、またさらに上衣と入れ違いに赤青色のスカート。

 頭には同じ配色のナースキャップを被り、右手には弓と左手には矢を持ち対峙する。

 

 室内にいたはずだった。しかし、襖の先は外だった。

 いや、外ですらない。大地もなく、黒く塗りつぶされて細い星の光が届く空間だ。

 遠くに大きな星が見える。

 

「もうすぐ朝になる。そうなれば、もう満月は返すわ」

 

 女性が振り返って話をする。

 すでに事が成ったという様に、武器すらも下げて話を始めた。

 

「あら、聞き分けいいじゃない」

「霊夢、この空間はおかしい」

 

 1人と1魔女は既に違和感に気が付いていた。

 そしてそれを為した目の前の相手に一層の警戒を強める。

 

「ここは偽の月と地上の間。さっきの永い廊下は、偽の月と地上を結ぶ偽物の通路。貴方達は偽満月が生み出した幻像に騙されてここまで来たのよ」

「巫女の勘はどうしたのよ、巫女の勘は!」

「うるさいわねぇ! 今日はなんだか本当に不調なのよ! 多分魔理沙が近くにいないから!」

 

「ふふふ。こうやって、月に向う人間を偽の月に繋ぐ。月と地上を結ぶ道は、私の手によって切られたわ。これで、地上人は月に辿り着けない。そして月の民は、姫を探し出せない」

「こんな奴さっさと倒して、地上に帰るわよ」

「そうね。どの位痛めつければ良いのかしらね」

 

 *

 

「困ったわ~。なんっにもできないわね」

「うぐぐ……!」

 

 弾幕ごっこなら私の出番だと、勢い込んでみたものの。

 

「まさか、体が動かない人形を抱えて戦う羽目になるなんて……」

「ご、ごめんな~」

 

 すこしの間は動いたんだけど、だんだん動きづらくなってとうとう全身に力が入らなくなってしまった。

 今は完全にただの荷物になって、紫が赤ん坊にやるみたいに抱きかかえて弾幕を避けている。

 

 その手にあった扇子も既に仕舞っていて、妖怪の賢者全力の逃げである。

 

「それに……!」

 

 また、ぐいーんと引き延ばされる感覚。

 時間と意識が酷くゆっくりに感じられ、言葉も周囲の音も意味をなさなくなる。

 

「この、能力の使い方が! 上手いじゃない!」

 

 片手で私を抱えたまま、紫が魔力の弾幕で輝夜の弾幕を食い破る。

 

「うふふ! 初めてにしてはうまいでしょう?」

「まったく、嫌になるくらいよ!」

 

 再び、ぐいーんと引っ張られる感覚。

 感覚的には皮膚がつっぱっていく感じに近くて、あんまり不愉快には感じていない。

 ただ時間をかけるとどんどん紫が消耗していくのがわかるので、完全に足手まといになっているのが本当に申し訳ない。

 

「空間軸以外に、時間軸をつかってくる相手は苦手なのよ!」

「が、がんばれ紫ー!」

 

「うーん、どうしましょうか。まさかこんな、弱い者虐めみたいな構図になるなんて……」

 

 これには輝夜も困惑顔で、白い球を手の中で遊ばせている。

 

「も、もう私の事は置いて戦ってくれ!」

「そんなこと、できるわけないでしょう!」

「ゆ、ゆかりぃ……!」

「なんでそっちでドラマをするのよ……。はあ、まあいいか」

 

 ため息を零して、輝夜は手に持ったその白い球を天にかざした。

 

「せっかくなんだもの。スペルカードくらい耐えて見せてよね。難題『龍の頸の玉-五色の弾丸-』」

 

 光りが放たれ、周囲に竜の顎を模した弾幕が広がる。

 牙がこちらに向かい、食い破らんと迫ってくる。

 

 難なく避けようとする紫に、また時間がぐいーんと引き延ばされる感覚。

 さっきまで遠くにあった弾幕がすでに躱しきれないほどの量と密度で目の前に迫っていた。

 

 これは避けられない。

 ぐっと目を瞑って強く紫にしがみつく。

 紫も覚悟したのか、私を強く抱いて体を丸めた。

 

 しかし衝撃は訪れず、新たな音と光が弾幕の顎を吹き飛ばした。

 真っ赤な光だ。

 2本の交差する光が私たちを中心に大きく立ち上り、触れる竜の弾幕をすべて消し去ってしまう。

 

「紅符『不夜城レッド』」

 

 頭上で声がする。

 辛うじて動く首で顔を見上げ、声の主を探すとすぐに見つけられた。

 

 満月の光を浴びて、腕を組みながら悠然と浮かぶ姿。

 それに付き添う様に従い、両手にナイフを持った咲夜が手の中でナイフをくるくる回して遊んでいる。

 

「あら、どうやって入ってきたのかしら」

 

 驚いたように声をあげたのは輝夜だ。

 まったく予想外の姿を見つけたように、しかし新しい遊び相手を見つけたような嬉しそうな声でもあった。

 

「方法なんて知らない。そこの妖怪の賢者に聞いてほしいわ」

「よ、よかった! 幽々子と妖夢を連れてこようとしたんだけど、もっと近くに気配があったから!」

「レ、レミリアに咲夜ー!」

 

 大喜びで両手を上げようとして、やっぱり体が動かないから、とりあえず声だけでも大きく上げる。

 

「魔理沙。ようやく会えた」

 

 にこっと不敵に微笑む姿は、さすが力の一角を担う吸血鬼。

 カリスマ溢れるその姿に、恥ずかしいのか嬉しいのか、なんだかカーっとなってしまった。

 

「さて、遊び相手は私たちが務めるわよ。咲夜」

「はい、お嬢様」

「ようやく本領の満月の夜、暴れるわ。満月の夜は、無敵なのよ」

「無敵って素敵」

「あら、咲夜……月の影響でちょっと狂い始めてない?」

 

 にこにこと嬉しそうな月の姫と、満月の吸血鬼が対峙した。

 私はだんだん首も動かしづらくなって、そういえば意識も遠くなってきた気がして……。

 

 抵抗もできずにストンと、また意識を手放していた。





ようやく異変パート終了!
日常(EX)が続くので何も考えず書けるぞー!
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