蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜   作:松兄

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 本作品原作、【イナズマイレブン〜英雄たちのヴィクトリーロード〜】。ついに正式発売!

 ここまで長かった………。

 始まります!


第108話:トラブル

 

 

 九坂の助力もあり、感情のコントロールをできるようになった晴也。午後からはみんなとグラウンドで練習だ!

 

 

 

 ― グラウンド ―

 

天馬「じゃあまずはみんなでグラウンド10周。それが終わったらミート練習。その後で1vs1だよ!」

 

蓮ノ空『はい!』

 

 

 そして2列になってグラウンドを走る。コレは身体を温めるためのウォーミングアップなのでそこまでスピードは出さなくても大丈夫。

 

 

梢「蓮ノ空ーー!ファイっ!」

 

蓮ノ空『オー!』

 

梢「ファイっ!」

 

蓮ノ空『オー!』

 

 掛け声を入れて声出し。こう言う声出しを普段からしているかどうかで試合の時のコミュニケーションもだいぶ変わってくるからな。

 

 

 そして二人一組でミート練習。二人交互にそれぞれインサイド、インステップ、膝トラップして蹴る、胸トラップして蹴る、ヘディング。で、投げられたボールを相手に返す。

 

 

丈二「………」トンッ!

 

晴也「………」 パシッ シュッ!

 

丈二「………」トンッ!

 

 

 そして次は1vs1。今回は最初は綴理先輩がゴールに立つ。

 

 

綴理「いいよー」

 

天馬「……」ピッ!

 

 天馬監督が笛を吹く。最初はさやか先輩vs瑠璃乃先輩だ。

 

 

瑠璃乃「行くよさやかちゃん!」

 

さやか「抜かせませんよ!」

 

 瑠璃乃先輩の高速ドリブル。素早いフェイントから一気に抜きにかかる。――だが、

 

さやか「そっち!」ザッ!

 

 しかし、瑠璃乃先輩の動きを読んでいたさやか先輩。進路をガッチリと塞ぐ。

 

瑠璃乃「なら!」

 

 瑠璃乃先輩は上空にボールを蹴り上げて自身も飛ぶ。そして空中を跳ねてドリブルで抜き去りにかかる。

 

瑠璃乃「[極・スカイウォーク]!!」ピョンピョン!

 

さやか「させませんっ!」ブァアァアアッ!!

 

蓮ノ空『!!』

 

 

 

 さやか先輩の背から、以前の《ラブライブジャパン》戦の一番最後にみた黒い靄が立ち昇る。

 

さやか「っ!はあっ!」

 

瑠璃乃「うわっ!?」

 

 実体化はしなかったものの、さやか先輩の身体能力は飛躍的に上昇。空中でボールをカットした。

 

 

 

晴也(さやか先輩、やっぱり化身を……)

 

 皆が同じことに思い至る。すると、

 

 

 

天馬「さやか、もう一度だ。今度は前に意識を集中する感じで構えてみて?」

 

さやか「前に意識を?分かりました」

 

 

 そして、相手は晴也()。天馬監督の笛と同時に勝負開始!

 

晴也「抜くっ!」

 

 晴也はクラウチングスタートの構えから超加速。一気に抜き去りにかかる。

 

晴也「[スーパースプリントワープ・G4]!!」

 

 ドリブルしながら、さやか先輩に迫る。

 

さやか「前に意識を……これでどうだあっ!!」

 

 さやか先輩の背から黒い靄が大量に溢れ出し、遂に実体化。それは、氷雪の様に白いマントを羽織った魔女のような化身だった。

 

さやか「はぁあぁああっ!!」ドガッ!

 

晴也「っ!」

 

 さやか先輩は化身の力でこちらの動きを完全に見きってタックル。ボールを弾き飛ばした。

 

 

 

さやか「や、やった! 晴也くんに勝った!」

 

 皆がさやか先輩のもとに集まってくる。

 

 

花帆「さやかちゃんスゴイ! 化身だよね今の!?」

 

瑠璃乃「さやかちゃんパネェ!」

 

さやか「まさか私が化身を宿してたとは思いませんでしたけどね……名前は[氷雪の魔女スカジ]にしましょうかね」

 

丈二「スカジ?」

 

花帆「たしか北欧神話に出てくる氷の女神様だよね?さやかちゃんにぴったりかも!」

 

 

 

 名前も決まったところで練習再開だ。次はソジvs吟子。

 

兵太「行くぜ百生!」

 

吟子「抜く! 私の合宿で編み出した新技!」

 

 

 すると、空に渦巻く暗い雲、《叢雲(むらくも)》が立ち込める。するとソジの背後に巨大な八俣の大蛇(ヤマタノオロチ)が現れる。

 

兵太「つ!ヘビ!?」

 

 吟子の手にはいつの間にか鋭い独特な形の剣が握られており、ダッシュと同時にその剣で大蛇とソジを一閃。すると当時に《叢雲》から雷が落ちてソジを切られたついでに吹き飛ばす。

 

兵太「おわぁああっ!?」

 

吟子「[天叢雲剣(アマノムラクモのつるぎ)]!!」

 

 

 

 そしてソジを抜いた吟子はシュート体勢に入ると、吟子がボールにキック一閃。菊の花弁が集まる。

 

吟子「[真・菊一文字]!!」ドゴォオォオォオオオッ!!

 

 吟子のシュートが、猛然と綴理に迫る。

 

綴理「[極・ネラッズーロキャッチ]!!」

 

バシィイッ!!

 

 綴理先輩の右手一本ワンハンドキャッチ! だが、

 

 

 

綴理「わー!」

 

バシャアアアッ!!

 

 吟子のシュートは綴理先輩の手を弾き飛ばしてゴールをぶち抜いた。

 

 

 

吟子「っし!」

 

瑠璃乃「スゲー……」

 

慈「やるね吟子ちゃん……さては隠れてトレーニングしてたな?」

 

吟子「私ももう少しパワーつけようと思いまして。奏さんに言われた事意識して練習しました」

 

 

天馬「よし、じゃあ残り各1本ずつ終わったら、新しい必殺タクティクスの話をしようか」

 

蓮ノ空『はい!』

 

 

 そして、各ディフェンス、オフェンス1本ずつ行い天馬監督の元に行く。

 

 

 

天馬「終わったね。じゃあ、まずはこのタクティクスの概要を話す。キーマンになるのは晴也と小鈴だ」

 

晴也「俺?」

 

小鈴「徒町も!?」

 

天馬「うん。簡単に話すと、このタクティクスは晴也が試合状況の中から相手の戦術のキーマンを読み解いて、それを分析能力に秀でた小鈴と2人がかりでマーク。相手の戦術の核を機能不全にして動きを殺す。《ブロック・ザ・キーマン》とでも言おうかな」

 

さやか「《ブロック・ザ・キーマン》………」

 

天馬「まあ、コレはチーム内練習だと中々練習できないから、帰ったらクロニクルルームでやろうか。じゃあ、そろそろ午前の練習は終わりかな?」

 

梢「そうですね」

 

天馬「じゃあ小鈴の個人シーン撮影するから撮影班は残って後は別荘に戻ってて。雨も降りそうだし」

 

蓮ノ空『はい!』

 

 

 

 そして、残ったのは監督、小鈴、さやか、慈、晴也。

 

 グラウンドで撮影する。

 

 

さやか「さあ、ちゃきちゃき撮っていきましょうね!」

 

小鈴「はい……。ふう、緊張してきた」

 

 小鈴は緊張気味に息を吐く。少し震えてる……?

 

 俺が声をかけようとすると、

 

小鈴「だいじょーぶです、失敗するのは徒町なので!」

 

晴也「そんなこと言ってる場合か?雨降り始める前に撮り切らないとなんだぞ」

 

小鈴「……がんばる!」

 

晴也「ん、頑張れ」

 

 ………杞憂だったかな。

 

 

 

慈「はーいそれじゃー行くよ! 3、2、1、あくしょん!」

 

 慈先輩の合図でカメラを撮影モードにする。小鈴をフォーカスに収めて、少しずつ状況に応じて動かしながら撮影する。

 

小鈴『はぁ、はぁ……上手くいかない……。でも、諦めたくない! 次の相手、相当強い。せめて徒町はこの技を完成させないと……』

 

小鈴『あたし、ずっとチームのみんなに支えられてきた。ようやく気付いたんだ。ひとりで戦ってると思ってたけど、傍にずっとみんなが居たんだ。だから……』

 

慈「カット!! ごめん!」

 

 慈先輩……?

 

 カメラを停止させる。

 

 

 

さやか「慈先輩? 今ちゃんと台本通りだったと思いますが」

 

慈「そうなんだけど……そうなんだけど〜! 違うの! 主人公の事を、ずっと仲間が支えてくれてたわけでしょ。仲間と一緒に勝ちたい。一緒にだったらどんなチャレンジもできる、そういう話でしょ。花帆ちゃんのストーリーはとてもいいんだけど」

 

慈「だからこそもっとこう……熱が、足りないと言うか」

 

天馬「ふむ………なんとなく、言わんとしてることは分かるね」

 

慈「ここは大事なシーンだから、めぐちゃん妥協したくない!」

 

晴也「えっと、どうしましょう?」

 

小鈴「何度だってやります!」

 

天馬「いや、何度もやる時間はさすがに………」

 

 すると、ポツリポツリと雨粒が降り始めてきた。

 

 

 

さやか・慈・晴也・小鈴・天馬「「「「「あ」」」」」

 

慈「あ―――ごめん急ごう! えっと小鈴ちゃん!」

 

小鈴「は、はい!」

 

慈「ピンと来てなかったらごめんだけど、仲間にもっと感情移入して!」

 

小鈴「仲間に……熱…、熱…………!」

 

さやか「……慈先輩」

 

慈「小鈴ちゃんがその主人公と同じ境遇に立ってると思って自分だったらこう気持ちを届けるって感じでやるといいかも……小鈴ちゃん、できそう!?」

 

小鈴「はい……考えろ、考えろ……あっ!! 分かりました、やってみます!やれそうです!」

 

慈「よし! 私も全力で見るから!」

 

慈「それじゃあ、3、2、1、あくしょん!」

 

 

 

 

小鈴『あたし…………あたしは』

 

小鈴『ずっと、みんなに支えられてきたんだ。あたしのことを、いつも気にかけてくれて、なのにその気持ちすら口にしたことがなかった』

 

 っ! アドリブ……

 

小鈴『ひとりで戦ってると思ってた! でも傍にずっとみんなが居た! だから!』

 

 ここで、小鈴ちゃんは雨に打たれながら顔を上げる。

 

小鈴『皆で見た夢のためにも、絶対に諦めない!!』

 

小鈴『みんな一緒なら、どんなことだって、いつか叶うよ!』

 

慈「カット〜〜〜!!」

 

 ここで、慈先輩がカットを入れる。

 

 

 

小鈴「ど、どうでしたか?」

 

慈「文句なしおっけー!! やれば出来るじゃん、我が弟子小鈴よ!!」

 

小鈴「はい! 熱ってどう表現すればいいんだろうって思ってたんですけど、みんなを想像してできました!」

 

慈「えらい! 偶然をアドリブで使いこなす力! うん、実際もとの脚本よりもぜったい迫力出たよ! これが役者の力なんだよ小鈴ちゃん」

 

小鈴「は、はい師匠! ありがとうございます!」

 

晴也「び、びっくりしたぁ………」

 

天馬「小鈴ちゃんすごかったよ! 役者の才能もあるかもしれないね!」

 

慈「うん! ……監督、撮れましたー?」

 

天馬「バッチリだよ! 雨の中でも綺麗に撮れたよ。 良い機材を持ってきてくれたさやかちゃんに感謝しないとね!」

 

小鈴「はい! さやか先輩、ありがとうございます!」

 

さやか「いえ、お役に立てたなら良かったです。では、戻りましょうか」

 

天馬「そうだな。みんなびしょ濡れだ……」

 

晴也「早く戻りましょう!」

 

 そして、俺たは急いで別荘へと戻った。

 

 

 

 俺や小鈴たちは男女別で順番で風呂に入ったのだが、さやか先輩が夕食の支度があるとタオルで拭いただけでご飯の方に行ってしまった。

 

晴也(……大丈夫かな)

 

 

 

 そして夕食時、みんながそれぞれ食べ終わると、みんなで談笑をし始めた。

 

瑠璃乃「ありがとさやかちゃん、今日も美味しくいただきました」

 

さやか「いえいえ。ひとりひとりの時間が貴重ですからねー。やるべきことは、やらないと」

 

慈「いや、本当にごめん。結構わがまま言った」

 

花帆「でもでも、録画見ました! 雨の中のシーン、すっごく良くて!」

 

慈「あれはまあ、私の無茶ぶりもあるけど、小鈴ちゃんが頑張ったんだよ」

 

晴也・瑠璃乃「「めぐちゃん(慈先輩)が素直に……」」

 

慈「そこ! うるさいよ!」

 

睨まれてしまう俺と瑠璃乃先輩。

 

 

 

小鈴「いえいえ、もともと徒町のリテイクが多かったせいでスケジュール押しちゃったので……でも、うまくいって良かったです!」

 

姫芽「スケジュールって言えば、監督。どうですか?」

 

天馬「うん。相変わらずぎりぎりなんだけど……でも、言った通りあとは屋内のシーンだけだし、同時並行の編集も順調だからね」

 

慈「うん、確認させてもらったけど……るりちゃんも成長してるねえ」

 

梢「とはいえ、今日中に撮り切らないといけないのは変わらないわ。まだまだ終わりじゃない――」

 

すると、さやか先輩がふらついて机に倒れ伏した。

 

 

 

綴理「さや!?」

 

晴也「さやか先輩!!……あつ。熱出てる!」

 

さやか「あれ…………? あぁ…晴也くん?」

 

瑠璃乃「ちょ、ちょっとちょっと。大丈夫?」

 

場が騒然となる。早く処置しないと!

 

晴也「花帆先輩! さやか先輩を部屋に連れて行くので手を貸してください!」

 

花帆「わ、分かった!」

 

そして、花帆先輩の手を借りてさやか先輩を寝室に連れて行った。

 

晴也(さやか先輩……っ!)

 

 

― つづく ―




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  • スプリング杯編(全3試合)
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  • コラボ回(二つの世界のサッカー)
  • 日常回(原作ひめるり回〜proof回)
  • インターハイ編(予選〜全国大会決勝)
  • クロニクル編
  • プロ編(花帆vs瑠璃乃)
  • プロ編(慈vs小鈴)
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