蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜   作:松兄

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第138話:円堂ハル

 

 

 蓮ノ空が東風異国館に勝利した頃、東京では―――、

 

 

 

 ― 東京・雷門 ―

 

 

ハル「………………」

 

 雷門のグラウンドでサッカー部が練習中。それを足に包帯を巻いたハルが、悲しそうな顔で見ていた。

 

月影「ハル……」

 

ハル「蓮さん………」

 

 ハルに声をかける月影。話そうとするが、言葉に詰まる両者。―――そこへ、

 

 

鬼門「キャプテ〜ン! こっちお願いしま〜す!!」

 

 鬼門が月影を呼ぶ。

 

月影「……………」

 

 月影はハルをチラリと見る。やはり何と声をかけていいか分からないようだ。

 

ハル「蓮さん……おれ」

 

 

 ハルが声を絞り出そうとすると、

 

鬼門「キャプテ〜ン!」

 

月影「分かった! 今行く! 悪い、ハル」

 

ハル「………いえ」

 

 その様子を見ていたある人物が、ハルに声をかけた。

 

涼太「…………ハル」

 

ハル「涼太さん……」

 

 それは、晴也の兄。涼太だった。

 

 

涼太「今のお前には、少し気分を変えることと、自分を諦めない意志が必要に見える」

 

ハル「?」

 

 涼太は驚くことを口にする。

 

涼太「晴也に、会ってこい」

 

ハル「!?」

 

涼太「みんなには、俺から言っとく」

 

 

 そうして、涼太は練習に行った。

 

 

ハル「…………よし!」

 

 そしてハルは家に帰って荷物を纏め、東京駅から新幹線に乗って石川に向かった。

 

 

 

 ― 金沢駅 ―

 

 金沢駅で北陸新幹線から降りたハル。また石川の地に足を踏み入れた。

 

ハル「また来ることになるなんてな………」

 

 ハルは駅を出て、バス乗り場から蓮ノ空行きのバスを見つけて乗り込む。

 周りの人は他校生であるハルを不思議そうに見ていたが、特に気には留めなかった。

 

 

運転手『発車します』

 

 そしてバスに揺られて30分程。蓮ノ空に到着した。

 

ハル「こんな山の中にあるのか………」

 

 ハルが蓮ノ空の立地に驚きながら中に入る。少し進むと、グラウンドでサッカー部が練習中だった。

 ハルは練習を眺めながら晴也を探す。

 

ハル「晴也は……居ないな」

 

 ハルが不思議に思うと、

 

晴也「あれ?」

 

ハル「?」

 

 背後から声をかけた晴也。2人が、また出会うことになった。

 

晴也「ハル……?」

 

ハル「晴也………俺、サッカーできなくなっちゃったよ……」

 

 苦笑するハル。だが、その顔は―――

 

ハル「悔しいよ……俺。こんな気持ちになるほどサッカー好きだったんだって、気付かなかった……。スプリング杯の時に、サッカーつまらないなんて言って、ゴメン………」

 

晴也「ん、許す」

 

 ―――すると、

 

梢「晴也くん? どうしたの……って!」

 

さやか「なんであなたがここに?」

 

 先輩たちが気づいて集まってきた。

 

ハル「あ、えっと……」

 

 このままじゃあ騒ぎになるな……。

 

晴也「スンマセン先輩、少しハルと出てきます。門限までには帰るんで! 行くぞ!」

 

ハル「あっ!」

 

泉「晴也?」

 

 そして晴也はハルの手を引いて、校門から飛び出し、金沢の街へと向かった。

 

 

 ― 兼六園 ―

 

ハル「凄い大庭園……落ち着く……」

 

晴也「ソフトクリームとかあるけど食うか?」

 

ハル「食べる!」

 

 

 

 ― 大野からくり記念館 ―

 

ハル「これどうやるんだ……?」

 

晴也「考えてやってみろ……」

 

ハル「えーーっと、あっ、こうか!」

 

晴也「お、よく解けたな」

 

 2人で金沢の色々な所を回る。ハルの顔に少し笑顔が戻ったように見えた。

 

 

 ― 金沢駅・鼓門 ―

 

ハル「来た時も思ったけどデカい……」

 

晴也「13.7メートルあるらしいからな」

 

ハル「へ〜………」

 

 

 そして、駅前のベンチに座る2人。

 

ハル「金沢、良いところだね」

 

晴也「だろ?」

 

ハル「………そろそろ帰るよ。父さんと母さんも心配してるし」

 

晴也「ああ」

 

 そしてハルは切符を買い、晴也と2人で金沢駅の新幹線乗り場へと向かう。

 

 

 ハルが東京への新幹線に乗ろうとする。―――と、

 

晴也「ハル!」

 

ハル「?」

 

晴也「信じてるからな。お前は、こんなところで終わるやつじゃないって」

 

ハル「…………」

 

晴也「決勝までに、必ず足を治して戻って来い! 待ってるから……」

 

ハル「! うん……!」

 

 ハルは涙を流し、東京へと戻って行った。

 

 

 

晴也「さてと、俺も帰るか……」

 

 俺が蓮ノ空に帰るために階段へと向かうと、

 

慈「見たよ〜……?」

 

晴也「!?」

 

 なんと、サッカー部全員勢揃いだった。

 

 

晴也「付いてきてたのまさか!?」

 

花帆「まったくもう! お人好しすぎ!!」

 

来夏「敵に塩を送る様な……」

 

梢「え? 私はなんとなく分かるのだけど……」

 

さやか「私もです。万全でない相手に勝っても嬉しくないってことじゃないですか?」

 

泉「まあね」

 

 ストイックな3人がそう言うが、

 

吟子「今まで以上に練習キツくしないとですね……」

 

小鈴「ちぇ、ちぇすと〜……」

 

姫芽「あ! 小鈴ちゃんが萎れてきてる!」

 

 カオスな状況になりつつある俺たち。取り敢えず!

 

晴也「帰る!」ダッ!

 

瑠璃乃「あっ、待て!」

 

 ダッシュで晴也を追いかけるみんな。口では色々言ってるが、みんなの顔は笑顔だった。

 

 ――ったく、

 

晴也(ハル、待ってるからな!)

 

 

― つづく ―




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