蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜 作:松兄
蓮ノ空が東風異国館に勝利した頃、東京では―――、
― 東京・雷門 ―
ハル「………………」
雷門のグラウンドでサッカー部が練習中。それを足に包帯を巻いたハルが、悲しそうな顔で見ていた。
月影「ハル……」
ハル「蓮さん………」
ハルに声をかける月影。話そうとするが、言葉に詰まる両者。―――そこへ、
鬼門「キャプテ〜ン! こっちお願いしま〜す!!」
鬼門が月影を呼ぶ。
月影「……………」
月影はハルをチラリと見る。やはり何と声をかけていいか分からないようだ。
ハル「蓮さん……おれ」
ハルが声を絞り出そうとすると、
鬼門「キャプテ〜ン!」
月影「分かった! 今行く! 悪い、ハル」
ハル「………いえ」
その様子を見ていたある人物が、ハルに声をかけた。
涼太「…………ハル」
ハル「涼太さん……」
それは、晴也の兄。涼太だった。
涼太「今のお前には、少し気分を変えることと、自分を諦めない意志が必要に見える」
ハル「?」
涼太は驚くことを口にする。
涼太「晴也に、会ってこい」
ハル「!?」
涼太「みんなには、俺から言っとく」
そうして、涼太は練習に行った。
ハル「…………よし!」
そしてハルは家に帰って荷物を纏め、東京駅から新幹線に乗って石川に向かった。
― 金沢駅 ―
金沢駅で北陸新幹線から降りたハル。また石川の地に足を踏み入れた。
ハル「また来ることになるなんてな………」
ハルは駅を出て、バス乗り場から蓮ノ空行きのバスを見つけて乗り込む。
周りの人は他校生であるハルを不思議そうに見ていたが、特に気には留めなかった。
運転手『発車します』
そしてバスに揺られて30分程。蓮ノ空に到着した。
ハル「こんな山の中にあるのか………」
ハルが蓮ノ空の立地に驚きながら中に入る。少し進むと、グラウンドでサッカー部が練習中だった。
ハルは練習を眺めながら晴也を探す。
ハル「晴也は……居ないな」
ハルが不思議に思うと、
晴也「あれ?」
ハル「?」
背後から声をかけた晴也。2人が、また出会うことになった。
晴也「ハル……?」
ハル「晴也………俺、サッカーできなくなっちゃったよ……」
苦笑するハル。だが、その顔は―――
ハル「悔しいよ……俺。こんな気持ちになるほどサッカー好きだったんだって、気付かなかった……。スプリング杯の時に、サッカーつまらないなんて言って、ゴメン………」
晴也「ん、許す」
―――すると、
梢「晴也くん? どうしたの……って!」
さやか「なんであなたがここに?」
先輩たちが気づいて集まってきた。
ハル「あ、えっと……」
このままじゃあ騒ぎになるな……。
晴也「スンマセン先輩、少しハルと出てきます。門限までには帰るんで! 行くぞ!」
ハル「あっ!」
泉「晴也?」
そして晴也はハルの手を引いて、校門から飛び出し、金沢の街へと向かった。
― 兼六園 ―
ハル「凄い大庭園……落ち着く……」
晴也「ソフトクリームとかあるけど食うか?」
ハル「食べる!」
― 大野からくり記念館 ―
ハル「これどうやるんだ……?」
晴也「考えてやってみろ……」
ハル「えーーっと、あっ、こうか!」
晴也「お、よく解けたな」
2人で金沢の色々な所を回る。ハルの顔に少し笑顔が戻ったように見えた。
― 金沢駅・鼓門 ―
ハル「来た時も思ったけどデカい……」
晴也「13.7メートルあるらしいからな」
ハル「へ〜………」
そして、駅前のベンチに座る2人。
ハル「金沢、良いところだね」
晴也「だろ?」
ハル「………そろそろ帰るよ。父さんと母さんも心配してるし」
晴也「ああ」
そしてハルは切符を買い、晴也と2人で金沢駅の新幹線乗り場へと向かう。
ハルが東京への新幹線に乗ろうとする。―――と、
晴也「ハル!」
ハル「?」
晴也「信じてるからな。お前は、こんなところで終わるやつじゃないって」
ハル「…………」
晴也「決勝までに、必ず足を治して戻って来い! 待ってるから……」
ハル「! うん……!」
ハルは涙を流し、東京へと戻って行った。
晴也「さてと、俺も帰るか……」
俺が蓮ノ空に帰るために階段へと向かうと、
慈「見たよ〜……?」
晴也「!?」
なんと、サッカー部全員勢揃いだった。
晴也「付いてきてたのまさか!?」
花帆「まったくもう! お人好しすぎ!!」
来夏「敵に塩を送る様な……」
梢「え? 私はなんとなく分かるのだけど……」
さやか「私もです。万全でない相手に勝っても嬉しくないってことじゃないですか?」
泉「まあね」
ストイックな3人がそう言うが、
吟子「今まで以上に練習キツくしないとですね……」
小鈴「ちぇ、ちぇすと〜……」
姫芽「あ! 小鈴ちゃんが萎れてきてる!」
カオスな状況になりつつある俺たち。取り敢えず!
晴也「帰る!」ダッ!
瑠璃乃「あっ、待て!」
ダッシュで晴也を追いかけるみんな。口では色々言ってるが、みんなの顔は笑顔だった。
――ったく、
晴也(ハル、待ってるからな!)
― つづく ―
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