蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜 作:松兄
第145話:帝国の天才軍師【不破アリス】
インターハイが行われている頃―――
― 兵庫県・淡路島 ―
ハル「…………」
ハルは、淡路島を流れる小川のなかに立っていた。
ハル「つ!」
ドッパァアァアアンッ!!
ハルが怪我をした右足をフルスイング。盛大な水飛沫が上がる。――が、
ハル「つ!」
痛みに顔を顰めるハル。だが、目は決して諦めていなかった。
川から出て岩場で空を見上げるハル。ハルは、自分の幼い頃、まだサッカーが楽しいという純粋な気持ちを持てていた頃の事を思い出した。
ハル「……アイル」
ハルは、かつての自分と対等に戦えた唯一の
その頃、お台場サッカーガーデン、蓮ノ空宿舎では……
記者「それでは監督さんとキャプテンに、いろいろと聞いていきますね」
天馬「は、はい!」
梢「おねがいします」ペコリ
兵太「監督の方が緊張してんじゃんwww」
晴也「な?」
リビングを見下ろせる2回の渡り廊下から、俺たちがその様子を見ていた。
記者「では、最初の質問です。1回戦を突破した今のお気持ちをどうぞ」
天馬「あ、嬉しいです。すごく…」
兵太「語彙力ね〜www」
瑠璃乃「ソジくんソジくん……」
梢「そうですね。みんながしっかりと力を出し切ってくれた結果だと思います。全国の舞台で1勝をもぎ取るのは、並大抵の練習ではできませんから」
晴也「梢先輩はしっかりしてんな〜」
花帆「だよねだよね!」
吟子「か、花帆先輩…。晴也くんも…」
記者「次の相手は難攻不落の要塞、帝国学園ですが、勝つ自信はありますか?」
天馬「えと…、あります」
兵太「なさそーwww」
泉「もうそのくらいにしておいた方がいいんじゃないかい?」
梢「勝つ自信は当然あります。みんながどれだけキツイ練習を乗り越えてきたか私が一番知ってるので、力を出し切れれば勝てると思います」
セラス「さすがおねえさん」
綴理「さすこず」
小鈴「梢先輩カッコいいです!」
―――そしてその後、チームの全体写真を撮って記者は帰っていった。
記者「蓮ノ空、良いチームだな。彼らを見てると、私が昔取材したジュニアチームの彼を思い出す。円堂ハルと並ぶほどの天才だったが……彼は確か事故でサッカーをすることが難しくなってしまったはず」
その選手は、プレー中の事故で足をケガしてしまったのだ。
記者「自分の本当にやりたいことができない。生きる希望を失ってもおかしくはない。彼らに、そんな事が起こらないと良いが……」
その選手の名前は、
記者「園崎アイル……か」
さて、取材が終わり蓮ノ空サイド。いよいよ今日の練習を始める。
天馬「よし、じゃあ練習を始めるからグラウンドに行こう」
蓮ノ空『はい!』
そして練習着に着替えてヨットハーバーグラウンドに向かう俺たち。すると、
ブッブーっ!
晴也「? ……!!」
グラウンドまでの道を遮るように、まるで城塞のような巨大で重厚なバスが何台も入って来た。
―――アレは……
丈二「帝国学園か……」
慈「確か関東ブロックの帝国と雷門は宿舎に泊まらずに自分の学校で調整するって話だったよね?」
晴也「間違いなくうちのデータ取りでしょうね」
来夏「え、なんで?」
綴理「蓮ノ空は、去年とは違って化身使いもソウル使いもいる。おまけに実力は去年とは比べ物にならない」
晴也「最新のデータが欲しいんでしょうね」
俺たちがバスから降りてくる帝国の選手を見ていると、右手に白いウサギのパペットを付けた不思議な風貌の男子生徒が出てきて、俺たちを一瞥すると帝国の選手と一緒に行ってしまった。
晴也「あれは……」
かすみ「不破アリス。帝国学園を率いる、天才少年監督。その天才的な采配で、何をされたか分からないまま破り、不思議の世界のアリスの異名を持ちます」
天馬「そうだね。実はさっき、そのアリスから帝国の選手のデータが送られてきたんだよね。データに基づいた戦術のぶつかり合いの勝負がしたいと」
蓮ノ空『!!???』
俺たちは驚いた。対戦前に自分のチームのデータを相手に送るなど正気の沙汰ではない。
天馬「…まあ、受けてやるさ」
そして練習を行い昼、お昼ご飯を食べてしばらく宿舎でゆっくりする時間を使ってミーティング。
天馬「次の相手、帝国学園は、見方によっては最強の雷門よりも手強いかもしれない」
丈二「どういうことっすか?」
かすみ「帝国の使用するタクティクスは20を超える。それを相手に合わせて適宜使い分けてきて、はっきり言って、全く隙がない。完璧なサッカーです」
騎士部「じゃあどうすれば…」
天馬「完全なる戦術に対抗するには、完全なるデタラメしかない」
蓮ノ空『………はい?』
かすみ「要は、相手のサッカーは1+1が2だから成立するんです。それに対抗するには、1+1が別の答えになっちゃうような狂った戦術を押し付けてやるしかないってことです」
泉「ふむ…。なんとなく分かったが…」
セラス「いや分かったの!?」
兵太「俺にはちんぷんかんぷんだったんたけど……」
晴也「要は、セオリーを大きく逸脱したプレーを連続で押しつけてやる必要があるって事ですよね? 定石通りのプレーでは、相手の読みの格好の餌食だ」
天馬「そういう事!」
梢「あ、そういうこと……」
さやか「晴也くんの説明でようやく少し理解できました……」
場が理解したところで次だ。
天馬「よし、じゃあまずは新必殺タクティクスを3つ習得してもらう。時間は短いから、しっかりやっていこう」
蓮ノ空『はい!』
― つづく ―
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