蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜   作:松兄

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第149話:小鈴の真価

 

 

 帝国戦もいよいよ後半戦。帝国ボールのキックから後半が開始される。

 

 

審判『後半開始!』

 

 

ピィイイイーーーッ!!!

― 後半開始! ―

 

 

 ボールを一度穂村に預ける帝国。ドリブルで攻め上がってくる。

 

 

 

アリス「蓮ノ空は実に良いチームだ。完全な連係を実現している。でもそれが弱点だ。無駄のない回路は一箇所でも故障すれば、機能不全に陥る。つまり、壊すのは一箇所でいい…。簡単なことだ、ふふふ…」

 

 アリスの見つめる先には、

 

アリス「ターゲットは彼女(徒町小鈴)だ!」

 

 

 

 穂村がドリブルで攻め上がってくる。そこに小鈴が止めに行く。

 

小鈴「止めます!」

 

 

MATCH UP!!

小鈴 vs 穂村

 

 

穂村「邪魔だっ!」

 

バギィッ!

 

小鈴「あぐっ!」

 

 小鈴はラフプレーでふっ飛ばされてしまう。

 

慈「つ! この!」ズザアッ!!

 

 しかし慈先輩がナイスカバー。奪い返す。

 

小鈴「! 慈大先輩!」

 

慈「やり返してきな!」パス!

 

 慈先輩は小鈴にパス。

 

小鈴「つ! よし!」

 

 小鈴がドリブルで攻め上がる。――だが、

 

殿崎「[キラースライド]!」ズギャァアァアアッ!!

 

小鈴「うわあっ!?」

 

 またしてもボールを奪われる小鈴。

 

晴也「まさかコイツら小鈴を狙って!!」

 

 

 

実況『あーーっと! 徒町、またもミスだ!』

 

解説『ちょっとミスが多いですね…』

 

 

 

殿崎「ふっ…」

 

 

 

アリス「………」

 

うさぎ「どんくさいやつだよなあ……」

 

 

 

天馬「…不味いな」

 

 

 

小鈴「また徒町のせいでボールを取られた……」

 

霊道「ここまでみんなの足を引っ張って、よくプレイを続けられるよね」

 

小鈴「つ!」

 

 

 そこに、泉と姫芽とさやか先輩が走ってくる。

 

泉「落ち着こう。小鈴さん」

 

姫芽「気にすることないよ」

 

さやか「大丈夫です。落ち着いて」

 

小鈴「さやか先輩…。徒町…」

 

 だが、小鈴にはその声が自分を罵倒するような恐ろしい声に聞こえてしまっていた。

 

 

小鈴「ううう…!」

 

 

 小鈴はフィールドに蹲ってしまった。

 

 

吟子「監督! 小鈴が!!」

 

天馬「なんで不破アリスは徒町さんを狙おうと考えたのか。実際にはそうなってしまったけど、スピードやテクニック、そしてこれまでの試合データを見れば、小鈴が弱点とは到底思えないはず……」

 

吟子「え、なんとなくそう見えたとかじゃないですか? 小鈴けっこう慌てたりするし、今までだって」

 

天馬「いや、敵の監督、不破アリスは、見た目で人を判断したりはしない。何かのデータでうちのチームを分析してるはずなんだ…。なんで小鈴が自分に自身が持ててない事が分かったんだ……」

 

 

 

霊道「行くぜ!」

 

慈「させるかっ!」ズギャァアァアアッ!!

 

 慈先輩のファールギリギリのスライディングタックル。ボールを奪い取る。

 

慈「こんの!」

 

 慈先輩が攻め上がっていく。そこに帝国も止めに入る。

 

穂村「止める!」

 

 

MATCH UP!!

慈 vs 穂村

 

 

慈「邪魔!」ドカッ!

 

穂村「ぐっ!」

 

 慈先輩は力任せに突破する。

 

瑠璃乃「めぐちゃんこっち! めぐちゃん!?」

 

 しかし、瑠璃乃先輩の声を無視して慈先輩は1人で突っ込んでいく。

 

殿崎「止める! [キラースライド]!」ズギャァアァアアッ!!

 

慈「つ!」

 

 ボールを奪われる慈先輩。だが急いでリカバリーして追いかける。

 

慈「返せ!」ズギャァアァアアッ!

 

殿崎「!?」

 

 慈先輩の荒々しいスライディングタックル。再び蓮ノ空ボールだ。

 

 ――すると、

 

 

ブーッ! ブーッ!

 

 スタジアムからブーイングが飛んでくる。慈先輩は立ち止まる

 

慈「何…、コレ?」

 

江流崎「キミさあ、王様プレイってやつ?」

 

慈「はあ!?」

 

江流崎「居るんだよねぇ。自信家な人間に多いタイプ。とにかく、フェアプレイで行こうよ」

 

 

慈「!! なっ! くっそ、汚い真似を! だったらお望み通りラフプレイで行ってあげるよ!!」

 

綴理「めぐ! 挑発に乗っちゃダメ!!」

 

慈「つ! 綴理…」

 

 

 

天馬「小鈴に続いて慈も…。どういうことだ? 2人の性格が完全にバレてる…」

 

来夏「敵が性格の弱点を突いてるんだとしたら、狙われそうなのは綴理先輩の気がするけど……」

 

天馬「たしかに。綴理一度崩れる立て直しが間違いなく厳しい。なんだ?慈は弱点だと思えるのに、綴理は弱点だと思えない理由……。その違いはなんだ」

 

 

天馬「! まさか!!」

 

 天馬はいきなりスマホをいじり、蓮ノ空の学園SNSにアクセスした。

 

吟子「こんな時に何してるんですか監督!?」

 

 

天馬「そうか…。敵はうちの学校の学園SNSへの書き込みで性格を分析しているんだ!」

 

吟子「SNS!?」

 

丈二「で、でもそれは蓮ノ空の生徒しか見られないはずじゃあ」

 

騎士部「まさかハッキング!?」

 

天馬「その追求は後にしよう。つまり、独特な世界観を持ってて普通の人からよく分からない書き込みの多い綴理は、解析できなくてターゲットにならないってことなんだ」

 

吟子「言われてみれば、慈先輩は凄いそう言う書き込み多い気が……」

 

セラス「でも、それを言うなら泉は…」

 

かすみ「泉ちゃんはそういう、人に隙を見せる書き込みを一切しない。だから対象にならなかったってことですね」

 

天馬「そういう事」

 

セラス「でも、ならこのままじゃあ不味くないですか? 調子を崩してる二人を下げるっていう手もある気が…」

 

天馬「…いや、このまま行く。小鈴にボールを集める」

 

吟子「! そんな事したら!」

 

 

 監督はベンチから立って指示を出した。

 

天馬「みんな! 小鈴にボールを集めて!」

 

 

 

蓮ノ空『!!???』

 

泉「え、小鈴さんに?」

 

瑠璃乃「でも今の状態じゃあ…」

 

小鈴「………」

 

 

 

 

吟子「敵は、SNSへの書き込みから小鈴をウィークポイントだと判断した。けど小鈴には、SNSには書き込まれてない秘密があるんだよ。もうすぐそれが発動するはず」

 

吟子「え?」

 

 

 

井野部「もらいっ!」

 

慈「あっ!!」

 

 隙を突かれてボールを奪われる慈先輩。

 

井野部「穂村くん!」パス

 

 井野部は穂村にパス。

 

小鈴「く、来る!」

 

穂村「これでトドメだ!」

 

 小鈴の頭のなかに、スケートをするさやか先輩が思い浮かぶ。

 

小鈴「!!」

 

 すると、小鈴の身体から化身とは違う、光のオーラが湧き上がった。

 小鈴の髪は青く染まり、長い髪をポニーテールにした姿に変わる。

 

 

 

アリス「!?」

 

 

吟子「あれは!?」

 

天馬「小鈴の秘密。それは、強い憧れで対象の人物の個性を習得した、『なりきりモード』。」

 

吟子「なりきり?」

 

天馬「小鈴は、自分に自身が持てないゆえに、極限まで追い詰められると誰かになりきって乗り切ろうとする」

 

吟子「じゃあ今は…」

 

セラス「さやか先輩になりきってるってこと!?」

 

天馬「さすがにそうなった時の小鈴の情報はSNSには載ってない」

 

騎士部「これも計算外の展開……」

 

天馬「計算外の展開で、計算で試合を組み立てるアリスの世界を打ち崩す」

 

 

 

 

 観客席で、とある男が試合を見ていた。

 

鬼道「あれは〈ミキシトランス〉。人の能力を自分の力として扱うことのできる能力(チカラ)

 

 

 

ミキシトランス:村野さやか

 

 さやか先輩とミキシマックスした小鈴。果たしてその実力は?

 

 

 

 

後半:23分

 

蓮ノ空 2 ー 1 帝国学園

 

― つづく ―

 

 




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