蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜 作:松兄
憧れの"14"
オランダの至宝ブライアン・クライフォートをはじめ、若き才能が集う強豪チーム、アジャジャックス・アムステルダム。
ヨーロッパの中でやや低迷を続けるオランダサッカーにおいて、希望の星でもあるアジャジャックス・アムステルダムは、国内リーグとチャンピオンズリーグの同時制覇を
2年前にチームに入団した花帆は、サッカー選手としてだけではなく、自身の病弱だった過去から、オランダの高度な医療を学び、同じ様に悔しい思いをしている子達の力になるために頑張っていた。
――そして、チャンピオンズリーグまで時間が近づくある日、オランダのアジャジャックス・アムステルダム、練習場では、
クライフォート「カホ、監督からキミも背番号"14"に憧れがあると聞いたんだが………」
チームメイトのクライフォートくんが突然アタシに聞いてきた。正直に話したほうがいいよね。
花帆「ん? うん。アタシね、小さい頃身体弱くて。ある時に過去のサッカー映像見たら、オランダの背番号"14"を付けてた人が凄く記憶に残って……。高校でサッカー始めた時は、部の方針で背番号を1から連番でつけてたから"14"は付けられなかったけどね」
クライフォート「そうだったのか……その"14"番をつけてたのはもしかして」
花帆「うん。クライフ選手。凄いテクニックで、あたしの眼はキラキラ輝いてたよ」
クライフォート「………………」
クライフォートくんが無言になる。すると、
ハンス「オランダでは、クライフは英雄的な存在だからな……」
ヨハン「ああ。背番号"14"を付けることは、オランダのサッカー選手にとって最高の栄誉とされてる」
チームメイトのハンス・ドールマンくん、ヨハン・レンセンブリンクくんが話に入って来る。
花帆「分かってるよ。だから、アタシがこのチームで背番号"14"付けたいと思ったら、今の"14番"のクライフォートくんや皆、そしてサポーターの人たちに認めさせなきゃならないからね! それは、プレーで証明することだよ!」
アタシの言葉に、みんな少し驚いた顔になるが、すぐに優しげな顔になった。
クライフォート「そうか……。覚悟はあるんだな」
花帆「うん!」
クライフォート「なら、オレと勝負しないか?カホ」
花帆「え?」
クライフォート「今季より活躍した方が次のシーズンで、この背番号"14"を背負う。どちらがチームの顔にふさわしいか、誇りをかけた戦いだ。もちろん、オレは負けるつもりはない」
花帆「分かった。正々堂々と勝負だよ! 今のあたしじゃあ相応しくないから、今はクライフォートくんに"14"番を預けておくね。今は誰がどう見ても、相応しいのはクライフォートくんだから!」
クライフォート「分かった。どこからでも奪いに来い!」
拳を合わせ合うあたしとクライフォートくんは笑い合う。それを見ていたみんなは……、
ハンス(女の子だけど、本当に良い覚悟を持った選手だな……)
ゲルト(カホがオランダ人だったらな……代表でも一緒にやれたのに………)
ヨハン(ちゃんと物の道理を弁えてるし、皆に認めさせた上で付ける分には全く問題ないからな………)
ルート&レオン((やはり、カホにもあの大海竜太や鬼道有人たちと同じ、日本人の血がながれてるんだな))
皆が花帆を見つめながらそんなことを思っていると、
花帆「さあ! 練習しよ!」
クライフォート「ああ!」
ハンス「そうだな」
そしてアムステルダムの練習後、花帆が自宅に帰りスマホを確認すると、妹のふたばからLINEが届いていた。
花帆「ふたば?」
花帆がLINEでコメントをつける。
花帆『どうしたの?』
しばらくすると既読マークが付き、
ふたば『お姉ちゃん久しぶり! 最近どう?』
花帆『うん。こっちは問題なく過ごしてるよ? ふたばとみのりは高校ではどう? 友達いっぱいできた?』
ふたば『うん! サッカー部入ってね? この間スプリング杯で優勝した!』
花帆『ホントに!? 凄いね!!』
ふたば『お姉ちゃんたちに負けないくらい上手くなるもん!』
あたしの顔に笑みが浮かぶ。
ふたば『たまにみのりやお母さん、お父さんにも連絡してね? みんな寂しいと思うし』
花帆『うん。分かった。今度連絡してみるよ』
ふたば『約束だよ? あ、時間だからまたね』
そして、LINEを閉じてベットに寝転ぶ花帆。
花帆(アムステルダムの一員として、国内リーグの優勝とチャンピオンズリーグ制覇………。すべての目標を、あたしは叶えてみせる!)
花帆「よし、まずは今度のチャンピオンズリーグ初戦のP・X・Gとのホームでの試合に向けて、頑張るぞ!! 相手はあの瑠璃乃ちゃんだからね!」
その頃―――、
クライフォート(オレとカホ、そしてチームの仲間達……。今のオレ達に死角はない)
クライフォート(オランダリーグだけじゃない。国内リーグ優勝も、チャンピオンズリーグ優勝もオレ達のものだ)
クライフォート「クラマーさん………兄さん……見ていてくれ。オレが必ず、オランダを世界一に導く!」
ブライアン・クライフォートは、今は亡き2人………。
自身を見出した恩師、デニス・クラマーと、
兄、スタイン・クライフォートに、……そう、誓った。
― つづく ―
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