蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜   作:松兄

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チャンピオンズリーグ アジャジャックス・アムステルダムvsP・X・G(パリエクスジェン)(4)― 殺し屋 ―

 凛のシュートが突き刺さり、点数は2ー1と1点差に縮まる。その中で、あたしは1つの攻略の鍵に思い至った。

 

花帆(シャルルの武器のパスは、理解できないけど理屈は説明できる。つまりシャルルも世界型。そして自分の出したいパスしか出さない自由型……)

 

花帆「あたしの読みが正しければ………」

 

 ―――一方

 

烏(大体分かったで………穴はアイツやな)

 

 ニヤリと笑う烏。そして、アムステルダムのキックから試合再開。

 

ピィイイイーーーッ!!!

RESTART!!!

 

 クライフォートくんのキックからボールはあたしへ。そこへレイマールと瑠璃乃ちゃんがプレスに来る。

 

 

 

MATCH UP!!

花帆 vs 瑠璃乃&レイマール

 

 

 

レイマール「取るっ!!」

 

瑠璃乃「フォローは任せて!」

 

 前衛にレイマールが行き、抜いた先に瑠璃乃ちゃんが仕留めるフォーメーション。

 

 ――なら!

 

花帆「ふっ!」

 

 あたしは突っ込んできたレイマールの股下にボールを通して抜き去り、そのボールに近づいた瑠璃乃ちゃんにおもいきり背肩奪取(ショルダーチャージ)。奪われる寸前で吹っ飛ばした。

 

瑠璃乃「うわっ!?」

 

レイマール「マジか!?」

 

 突っ込むあたし。そこにデュシャンが止めに来る。

 

 

MATCH UP!!

花帆 vs デュシャン

 

デュシャン「止める!」ズザァアァアアッ!!

 

 デュシャンのスライディングタックル。だが、あたしは跳躍して躱す。

 

デュシャン「そこだっ!!」ガッ!!

 

花帆「うわっ!?」

 

 すると、あたしが空中にいる時に足を上に向かって立ててボールを弾いて奪うデュシャン。あたしは空中で体勢を崩し、

 

ドシャッ!!

 

花帆「ぐっ!」

 

 痛みでしばらく起き上がれなかったが笛は無い。デュシャンからのパスは烏へ。

 

烏「おっしゃ行くで………」

 

 烏はドリブルで上がってくる。そこへマウリッツくんが止めに入る。

 

 

 

MATCH UP!!

マウリッツ vs 烏

 

 

 

マウリッツ「止める!」

 

 マウリッツくんが並走。身体をぶつけながら、腕で抑えようとするが、

 

烏「甘いわボケ!!」バチぃっ!!

 

 烏は腕を払ってマウリッツくんの腕を弾く。

 

烏「凛!!」ドッ!!

 

 ボールは凛へと飛ぶ。

 

フーゴ「させるかっ!」

 

 フーゴくんはトラップの瞬間を狙い跳躍する。あれならトラップした瞬間取れる。

 

凛(なら直接(ダイレクト)で撃てばいい話だ)

 

ドゴォオォオォオオオォォォンッ!!!

 

 凛の直撃蹴弾(ダイレクトシュート)。ボールはゴールの枠内右上に飛ぶ。

 

レオン「させるかっ!!」バギィっ!!

 

 しかし、レオンくんの横っ(ツラ)ブロック。ボールを確保する。

 

凛(ちっ!!)

 

 舌打ちする凛。ボールはレオンくんからマウリッツくんへ。

 

マウリッツ「よし……」

 

 トラップしようとすると、

 

烏「格好の餌やな」

 

バシッ!

 

 また烏に取られてしまった。

 

花帆「マウリッツくん!?」

 

花帆(あの烏ってやつ、マウリッツくんに粘着質なマークしてる……あれじゃボールを渡せない……!)

 

 あたしが焦る中、

 

 ボールを持った烏はシャルルにパスを出す。

 

マウリッツ「つ!」

 

烏「悪いけど俺、勝てる勝負しかせぇへん主義やから」

 

マウリッツ(?)

 

烏「相手の強みと戦いにいってもしゃあない。弱点狙うほうが勝率はハネ上がるやろ。これは汚いコトじゃなくて、勝負の世界の当たり前の鉄則。ちゅーコトで、マウリッツ・ルー。アムステルダムの弱点(あな)はお前や」

 

マウリッツ「!」

 

烏「お前は周りにそこそこな仲間がおったらある程度戦えるけど、単独やと総合値は「凡」やろ」

 

 烏とマウリッツくんが話しながらボールを追いかけ走る。

 

烏「昨日一夜漬けで全員のVTR観たおした甲斐あったわ。お前の所からチーム潰したる」

 

マウリッツ「つ!」

 

 そうしている間にボールをトラップしたシャルル。パスターゲットを探す。

 

シャルル「えへっ♪」

 

 悪い笑みを浮かべて上唇を舐めるシャルル。クリスマンくんが奪いに行く。

 

 

 

MATCH UP!!

クリスマン vs シャルル

 

 

ルート「寄越せ!」

 

シャルル(キョロッ)

 

 一瞬のうちに目ん玉をうごかして周囲を把握するシャルル。捕まる前にパスを出す。

 

花帆(この状況、普通に考えて一番無いのはレイマール。だから恐らく……)

 

 花帆が考察を確かめるためにシャルルのパスの出し先を()る。

 

 ―――すると、

 

レイマール「来たな!」

 

 ボールはレイマールに飛んだ。

 

花帆(!! 間違いない!!)

 

 レイマールはボールをトラップ。すぐにレオンくんが止めに入る。

 

 

 

MATCH UP!!

レオン vs レイマール

 

 

 

レオン「止める!」

 

レイマール「甘いぜ!」

 

 レイマールとレオンくんの1on1。レイマールはフェイントでレオンくんの股下を開けると、低く跳躍してボレーシュート

 

レイマール「[真・クイックスルーショット]!!」

 

 レイマールの、相手の股下を抜けるシュートがゴールに迫る。

 

花帆「ハンスくん!」

 

ハンス「止める!」ドシィっ!

 

 しかし、これはキーパー正面。ガッチリとキャッチした。

 

レイマール「くっそ!」

 

ハンス「行けっ!」

 

 ハンスくんのゴールキック。ボールは山なりの軌道でマウリッツくんへ……

 

花帆「!!」

 

花帆(烏の奴! 自分たちの攻めが不発に終わったのを確認した瞬間マウリッツくんに着いてる!)

 

マウリッツ「!!」

 

 お互いに身体をぶつけ合い競り合い(スクランブル)になる烏とマウリッツくん。

 

 ――だが、

 

烏「退けや!」ガッ!!

 

烏の巧い腕使い(ハンドワーク)で押さえ込まれる。ボールは再びP・X・Gへ。

 

花帆(くっそ………アイツ、完全に狙ってる!!)

 

瑠璃乃「あ~烏くんにロックオンされちゃったね」

 

花帆「瑠璃乃ちゃん?」

 

 話しかけてくる瑠璃乃ちゃん。

 

瑠璃乃「烏くんの異名、"殺し屋"だからね。そのチームで穴だと思った選手を徹底的に突いてくるから。それも超執拗に」

 

 ケラケラ笑う瑠璃乃ちゃん。

 

花帆「マウリッツくんは弱くないよ!」

 

 あたしが言い返すと、

 

瑠璃乃「まあ、見てれば分かるよ」

 

 走りながら目線を烏にもどす。

 

烏「シャルル!」

 

 烏からボールはシャルルへ。

 

花帆「つ!!」ダッ!!

 

 ヤバいと思いあたしは辺りを見回して配置を見ながら急いで戻る。

 

凛「寄越せ!

 

 凛がゴール前に走る。普通に考えたらベストなコース。あたしだったら普通はそっちにパスを出す。

 

花帆(そして―――、)

 

 対して、ロキへのパスコースにはハンセンさんとフーゴくんが居る。パスを出すのは厳しい。状況から見ても一番無いコースだ。

 

花帆(けど、間違いなく!)

 

 あたしは、目的の位置へと走る。でも一応……、

 

花帆「レオンくんはレイマール、トラオラさんは瑠璃乃ちゃんを見ておいて!!」

 

レオン「分かった」

 

トラオラ「任せろ!!」

 

 あたしの指示でマークにつく2人。

 

花帆(よし、これで取り敢えず穴は塞げた……問題は………)

 

クライフォート「取るっ!!」

 

 

 

MATCH UP!!

クライフォート vs シャルル

 

 

 

 クライフォートくんが戻ってディフェンスを掛けてくれる。

 

花帆(よし、これで戻る時間を稼げる!!)

 

 その間に体制を立て直すアムステルダム。あたしももう目的の場所に到着する。

 

シャルル「はにゃ?邪魔だな……」

 

オチャド「こっち出せ!」

 

 そこにオチャドがフォローに入る。

 

シャルル「あら! オチャドナイス」

 

 シャルルはオチャドへ――

 

シャルル「なんちて♪」

 

クライフォート「は?(コイツ――、俺が99%殺したロキへのコースを!!)」

 

シャルル「あえて狙うの♪ THIS IS天邪鬼(あまのじゃく)ぅ」

 

 シャルルのパス。ボールは、敵と味方の配置的に一番無いと思っていたロキへと飛ぶ。

 

レオン「はぁ!?」

 

 ―――だが、

 

花帆「の…!」

 

――『裏』ぁ!!

 

 そのパスを、あたしがカットした。

 

シャルル「ふぇ!?」

 

ロキ「なっ!!」

 

バシィっ!!

 

 シャルルのパスがカットされた。それだけで、P・X・Gは大混乱に陥る。

 

クライフォート(カホ……!)

 

花帆「ひっぺがしたよ天邪鬼の思考……。普通なら100% 狙うワケない。こんな性格悪い極細コースが大好物………倒し方理解(わか)ってきたよ。この天邪鬼(ボス)!!」

 

 あたしの仮説は、完全に正しかった事が証明された。これでシャルルの思考は丸裸だ!!

 

シャルル「え、キッモ………」

 

 ドン引くシャルル。あたしはパスを出す。

 

花帆「マウリッツくん!」パスッ!

 

マウリッツ「カホ!?」

 

花帆「やられっぱなしは癪でしょ!!」

 

マウリッツ「!!」

 

 ボールを受け取るマウリッツ。

 

烏「わざわざ餌くれるんか!ごっつぁん……!!」

 

 

 

MATCH UP!!

マウリッツ vs 烏

 

 

 

 烏の腕動作(ハンドムーブ)がマウリッツくんを後ろから抑えようとする。

 

マウリッツ「つ!おぉおおぉおおおっ!!」

 

バシィっ!!

 

 マウリッツくんは腕を払って烏の腕をブロック。そのままドリブルを仕掛ける。

 

烏「! 何やと!?」

 

花帆(さすが!!)

 

花帆「こっち!!」

 

 ドリブルするマウリッツくんを追い越してパスを要求するあたし。

 

マウリッツ「カホ!」

 

 ボールがあたしに転がる。

 

花帆(ここまでで分かってる。晴也くんの高校時代のアレで言えば、ロキは自分型の自由形。点を取ることに貪欲で、特有の真似できない武器とその自由なプレーが脅威になる。シャルルは世界・不自由形で、とにかく自分の出したいパスっていう縛りをかけてて、でも通れば完璧に意表をつける説明可能なパサー)

 

瑠璃乃「やらせないよっ!!」

 

 

 

MATCH UP!!

花帆 vs 瑠璃乃

 

 

 

 瑠璃乃ちゃんが止めに入るが、

 

花帆「抜くっ!」

 

 あたしは両足にイナズマを溜めて超速移動。瑠璃乃ちゃんの上をバク宙で抜き去った。

 

花帆「[イナビカリ・ダッシュ・GX]!! 行けぇえええっ!!」ドッ!!

 

 あたしからのパスが飛ぶ。ボールはクライフォートくんへ。

 

クライフォート「ナイスだ花帆!!」

 

 ボールをトラップし、ドリブルで攻め上がるクライフォートくん。

 

ミゲル「っ!!」

 

 相手のディフェンスが止めに入る。

 

クライフォート「甘い!」

 

 クライフォートくんは一度バックパス。ボールはクリスマンくんへ。

 

ルート「クライフォート!」

 

 しかし、すぐにクライフォートくんへとリターン。クライフォートくんは来たボールを後ろ向きのまま踵で[クライフターン]。

 躱してそのボールを上に上げてスムーズな流れのままウインドミルジャンプからのボレーシュート!!

 

クライフォート「[極・クライフターン&ウインドミルショット]!!」ドガァアァアアァァッ!!!

 

 クライフォートくんの鮮やかなテクニカルシュートがゴールに迫る。

 

バシュゥウウウンッ!!

 

 そしてボールは、相手のキーパーに反応すらさせずにゴールに突き刺さった。

 

クライフォート「よっしゃあぁあぁああっ!!」

 

 

 

GOOOAL!!!

アジャジャックス・アムステルダム 3 ー 1 P・X・G

 

 

 

実況『ゴォオオォオオオオルッ!! カホ・ヒノシタからのパスを、ブライアン・クライフォートが決めたぁっ!! アムステルダムが再び2点差に差を広げる!!』

 

凛「っ、クソが!」

 

ロキ(不味いな………)

 

レイマール(くっそ……)

 

 そしてここで、

 

 

ピッ、ピィイイイーーッ!!

 

 

実況『ここで前半終了のホイッスル!! アムステルダムの2点リードで折り返しです!!』

 

 両チーム一度控室に戻る。―――P・X・Gは、

 

 

凛「クソがっ!!」ガアンッ!!

 

 ベンチを蹴り飛ばして怒りをぶつける凛。

 

凛(あの花帆とかいう女に良いようにやられちまってる……!)

 

烏「ヤバいなアイツ……大沢、あの日野下ってやつ昔からああなんか?」

 

瑠璃乃「いや、少なくとも高校時代は今よりは大人しかったよ。実力なんか"誰?"ってくらい変わってる」

 

ロキ「こっちで色々学んだんでしょうね……」

 

 重々しい口調で呟くロキくん。

 

瑠璃乃「ん〜と、なんかさ? ルリが高校生の頃に同じチームに大海晴也って人がいたんだけど……」

 

デュシャン「カタルーニャの?」

 

瑠璃乃「そう。なんか晴也くんの思考力が花帆ちゃんにも備わっちゃってる感じがするんだよね」

 

 ルリの言葉にみんながこちらを向く。

 

烏「じゃあ、大海晴也もあれだけの思考をできるんか?」

 

瑠璃乃「いや、晴也くんはもっとヤバい」

 

レイマール「マジかよ………」

 

 瑠璃乃たちの世代の日本人はどうなってるだと愕然とする日本以外の国出身の選手たち。

 

オチャド「そんな事より、後半はヒノシタにマークを2人つけた方が良くないか? アイツを封じればアムステルダムの攻撃力は半減しそうだが………」

 

瑠璃乃「そうだね。ルリと……シャルルくん、お願いできる?」

 

シャルル「え〜? アイツキモいからやだ」

 

ロキ「ワガママ言わない!!」

 

凛(見てろよ……。後半、絶対ぶち殺してやる!!)

 

 

 

アムステルダムは―――、

 

クライフォート「カホ、前半はナイスパス!」

 

花帆「うん! けど……」

 

ルート「ああ。後半、カホは徹底的に抑えられるだろうな」

 

ヨハン「なに、俺たちがフォローに入るさ」

 

クライフォート「ああ、頼んだぞ」

 

花帆「あ、あと言っておくことがある」

 

 あたしは、シャルルの意味不明な思考回路の仕組みを話した。その時の状況で、普通に考えたら一番ありえないコースにパスが飛んでくる。それさえ分かってれば、対処は割と簡単だ。

 

レオン「サンキューカホ。これでだいぶ楽になるぞ」

 

花帆「うん。よし、後半もいくよ!」

 

アムステルダム『おう!!』

 

 

 そして、両チームがフィールドに戻ってくる。

 

花帆「…………………」

 

瑠璃乃「…………………」

 

烏「はは、燃えとるな大沢」

 

凛「………………」

 

 

 

 それぞれがポジションに着き、ロキとレイマールがセンターサークルに立つと、時計を見た審判が笛を咥える。

 

アムステルダム&P・X・G『『絶対に勝つ!!』』

 

 

 

ピィイイイーーーーッ!!!

― 後半開始!! ―

 

 

 

 両チームの闘志が燃える中、後半戦開始のホイッスルが鳴った。

 

 

 

 

 

後半:0分

 

アジャジャックス・アムステルダム 3 ー 1 P・X・G

 

 

― つづく ―




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