蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜 作:松兄
慈たちバスタードミュンヘンがドイツの練習場で話している頃、イタリアのFCユーヴァースの練習施設。
そのモニタールームで……
小鈴「……………………」
小鈴はモニターに映るバスタードミュンヘンの選手のプレー映像を過去の試合十戦に遡って観ていた。
小鈴「大体掴めましたね……。ウチの戦術設計ならちょっとアレンジすれば十分勝てます」
高校時代から秀でていた小鈴の観察力と洞察力。小鈴の特技をユーヴァースの上層部が知って以降、小鈴にそれを使って試合映像を見せることで対戦前に相手を丸裸にして攻撃する事を繰り返し、ユーヴァースはそれを行なうようになってから未だに負けていないのだ。
チームメイトで
―――すると、
キュルルル〜
小鈴「!!」
小鈴の可愛らしいお腹の虫が鳴った。
小鈴「そう言えば何も食べてなかった……。お腹すいた……」
―――すると、
馬狼「おいちびっ子」
小鈴「? 馬狼さん? なんですか……?」
馬狼「なんですかじゃねぇ。部屋に籠もって10時間も出てきてねぇって聞いて焦ったぞ。さっさと風呂に入って来い。後は必要なら便所も。こんな事だろうと思ってほら」
馬狼が出したのはオムライス。
小鈴「オムライスだ〜!! え?! 馬狼さんが!?」
馬狼「おう。俺の手作りだ。嫌とは言わねぇよな?」
小鈴「いえ! 済ませてきたらいただきます!!」
そして小鈴は部屋を出ていき20分後。
小鈴「おまたせしました!」
馬狼「おう。座って少し待て」
小鈴「?」
小鈴が座ると、馬狼はケチャップでオムライスにニコニコマークを描いた。見かけによらず器用で世話焼きな馬狼に小鈴は意外に想いながらも目を輝かせる。
小鈴「わ〜!!」
馬狼「食え」
小鈴「いただきます!!」
小鈴が馬狼特製のオムライスをスプーンで掬って齧り付く。小鈴は「ん〜っ!」と、ニヤけながら次々と食べていく。
小鈴「馬狼さん! 美味しいです!」
馬狼「そうか。なら良い………」
小鈴「でも、なんで徒町に?」
馬狼「お前見てるとな、日本にいる妹を思い出すんだよ。ちょうどお前みたいな雰囲気だった」
小鈴「へ〜……」
馬狼「まあ、プロの選手としては正しいんだろうが、勝つためでもお前ばかりがあまりにも酷使されてるの見て、なんかしてやりたくなったのと、ほっとけなかったんだよ。似合わねぇか?」
小鈴「いえ! 徒町はすごくうれしいですし、似合わないとかそんな事はないと思います! 馬狼さんの妹さんも優しいお兄さんがいて幸せですね!!」
小鈴の笑顔に馬狼も普段の毒気を抜かれて
馬狼「だと良いけどな……」
と、少し笑いながら答えた。
馬狼「で、スカウティングは終わったのか?」
小鈴「はい! これから監督に書き出したバスタードミュンヘンの選手の癖を届けにいく所です」
馬狼「そうか………。あまり根を詰めすぎるなよ? 手一杯になったら頼れ。良いな?」
小鈴「はい! ありがとうございます!」
そして馬狼は部屋をでていった。小鈴は残りのオムライスを平らげ、
小鈴「えっと、食器を食堂に持っていったら届けに行こうかな」
小鈴は食べた物の後片付けをした後、監督室へ向う。
コンコン
小鈴「監督、徒町です」
監督「入れ」
小鈴「失礼します」
監督「終わったのか?」
小鈴に監督が聞くと、小鈴は相手の癖にデータを渡す。
小鈴「コレです!」
監督「ふむ。見させてもらおう………これは!!」
監督はデータを見て驚く。選手の自分でも把握してないような微細な癖やプレーの傾向が、ビッシリと書かれていたからだ。
小鈴「バスタードミュンヘン相手には、戦術プランBをベースにアレンジを加えて戦うのが効果的だと思います」
監督「ふむ……たしかにこの通りなら間違いないな。よし。試合は4日後だから今日はもうゆっくり休め。明日と明後日でこの癖の詳細をみんなに話して軽く合わせて、1日休んだ後、次の日にドイツを我がホームスタジアムで迎え撃つ!」
小鈴「はい!」
そして小鈴は監督室から出ていった。
監督「コスズ・カチマチ……恐ろしい選手だ……"
― つづく ―
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