蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜   作:松兄

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 祝・今作2周年!

 というわけで、バシムさん作、【キャプテン翼!サンシャイン!!】と、【Link!Like!ラブライナズマイレブン!】より、メンバーを何人か招いて蓮ノ空のメンバーと共に2周年記念パーティーを行います。

 どうかみんなの活躍を祝ってやってくださいww

 では、2周年パーティー、始まります!!


2周年記念話
2周年記念話《1》:(全国大会に向けて)〜 ゆえに、みらくらぱーく!あり編 〜


 

 

 ― パーティ会場 クロニクルルーム ―

 

 いよいよこの作品も2周年!! というわけで…去年と引き続きパーティが行われることとなった。

 

 今は蓮ノ空のみんながパーティ仕様になったクロニクルルームでお客様を待っている

 

 

松兄「時間だな。来るぞ!」

 

 

 すると、以前同様にクロニクルルームにワームホールが出現! 中からTMキャラバンが姿を現す! そしてキャラバンが着陸。ドアが開くと………

 

ワンダバ「着いたぞ!」

 

フェイ「ありがとうワンダバ」

 

 中から見慣れた青いクマのアンドロイドと、フェイさん現れる。

 

天馬「フェイ! ワンダバ!」

 

フェイ「天馬、久しぶり!」

 

 

 

 あいさつを交わす監督たち。その後ろから、5人の女の子たちが降りてきた。

 

聖良(バシム)「ここが蓮ノ空………」

 

果南(バシム)「来てみたかったんだよね〜」

 

曜(バシム)「すごい設備………」

 

鞠莉(バシム)「エクセレントね!」

 

千歌(バシム)「はじめまして!」

 

果林(バシム)「今日はよろしくお願いするわね」

 

四季(バシム)「よろしく」

 

 

松兄「お客様として、以前と同じ【キャプテン翼サンシャイン!!】の世界から、今度は【ラブライブ!サンシャイン!!】の原作に出てくるメンバーと、【Link!Like!ラブライナズマイレブン!!】の世界の蓮ノ空から、朝香果林ちゃんと若菜四季ちゃんに来てもらったぞ!」

 

 

晴也「へ〜別の世界の果林さんか……」

 

 すると、四季さんと呼ばれた女の子が慈先輩を見て驚いた顔。

 

四季(バシム)「あっ! やっぱり貴方は蓮ノ空の選手だったんですね……」

 

慈「んえ? どっか出会ったっけ?」

 

四季(バシム)「こっちの世界の慈さんにキーパーの練習スポット教えてもらったんです。今はまだ確証は無いですが、恐らくこちらの慈さんはキーパーなので」

 

慈「あ〜そういえば前にもう一人のアタシがこの世界に迷い込んできたけど…もしかしてそっちの世界のだったのかな……」

 

四季(バシム)「? そうなんです?」

 

慈「うん。こっちの私はディフェンダーだよ? で、梢がキーパー」

 

果林(バシム)「へぇ? こっちの梢さんはミッドフィルダーなのよ…」

 

梢「そうなんですね……」

 

 早速選手間の交流が始まる。でも今は話を先に進めるぞ!

 

松兄「よし、それでは天馬くん」

 

 作者の言葉に、天馬くんがこっちのみんなに声を掛ける。

 

天馬「うん。蓮ノ空整列!」

 

蓮ノ空『はい!』

 

 蓮ノ空のメンバーが一列に並ぶ。

 

梢「今日は宜しくお願いします!」

 

蓮ノ空『お願いします!』

 

 一斉に頭を下げる蓮ノ空メンバー。向こうも『宜しく!』と頭を下げて挨拶は終了だ。

 

松兄「みんな! 今回は集まってくれてありがとう! また、2周年おめでとう!!」

 

蓮ノ空&千歌たち&果林たち『『『おめでとう!!』』』

 

 各自グラスを手に乾杯して挨拶をするみんな。

 

松兄「さて、では最初に晴也くんと……さやかちゃん! 主役とヒロインからお客様に花を渡してくれ!」

 

晴也「はい!」

 

さやか「分かりました!」

 

 晴也とさやかは、聖良、鞠莉、果南、曜、千歌、果林、四季にそれぞれ歓迎の花束を渡す。

 

果南(バシム)「ありがとね」

 

晴也「おば…あ、こちらこそ」

 

果南(バシム)「?」

 

 

天馬「はは、異世界とは言え晴也が焦るのはわかるな」

 

千歌(バシム)「? どういうことです?」

 

 疑問に思った千歌が聞いてみる。

 

慈「こっちの世界でも皆さんは居るんですけど、もう皆孫が居るおばあちゃんなんですよ……」

 

曜(バシム)「おばっ!? アタシにも孫居るの!?」

 

花帆「千歌さんにも居ますよ?」

 

千歌(バシム)「へ〜千歌結婚できたんだ……」

 

吟子「で、晴也くんの父方のおばあちゃんが、果南さんなんですよ」

 

果南(バシム)「っ!? アタシの孫!!?」

 

晴也「異世界ですけど一応……あと、こっちの世界には果林さんもいて、雷門っていう学校で俺の親父の2年先輩ですね。俺も子供の頃にその頃はもう25歳でしたけど、会ったことがあります」

 

果林(バシム)「へぇ?そうなのね」

 

 それを聞き、晴也に一気に興味が出た果南と果林。

 

四季(バシム)「私のことは知ってたりする?」

 

晴也「いや〜、見たことも聞いたこともないですね」

 

四季(バシム)「私たちの方の作者が言ってた、私の出てくるラブライブサッカーはほんと少ないってホントなんだ…」

 

松兄「さて、いよいよパーティを開始するぞ! まずは1周年と同じく、これまでの蓮ノ空の軌跡を上映するぞ! ただし、親善試合までは去年やったので、今年はその後、インターハイに向けての練習編からだ!」

 

 

 そしてスクリーンが降りてくる。プロジェクターから映像が上映された。

 

 

 

 そこには、蓮ノ空の文化祭。撫子祭の前の様子が映し出される。

 

慈「勝負なんだよ」

 

瑠璃乃「……………なにが」

 

慈「撫子祭の出し物のこと」

 

瑠璃乃「あ、やっぱり出し物あるんだ」

 

慈「そう、せっかくの自由参加だからね。今年はサッカー部は4グループに分かれてそれぞれで申し込もうって話を梢たちとしてたの」

 

瑠璃乃「えー! エキシビションマッチやるだけじゃなくて!? メッチャ楽しそー!」

 

慈「もちろん! やるからには、本気だよ! 狙うは文化祭の最優秀賞! あたしとルリちゃんと姫芽ちゃん、"みらくらぱーく!"が蓮ノ空を制圧するのだ!」

 

 ドドーン! と、演出がありそうな口調で宣言する慈。

 

瑠璃乃「わーわー! ………ところで、その"みらくらぱーく!"って誰が名付けたんだっけ?」

 

慈「ん、去年沙知先輩が。綴理とさやかちゃん、小鈴ちゃんは"DOLLCHESTRA"、梢と花帆ちゃん、吟子ちゃんは"スリーズブーケ"っていう呼び名があるでしょ? 必殺技の名前はそこから来てるんだよ!」

 

瑠璃乃「なるほど……で、なにやるなにやる? あ、だったらルリもやりたいことひとつあって、みんなを楽しませるようなラジオをしてみたいっていうか〜」

 

 

 それを見た浦の星の皆さんは、

 

千歌(バシム)「え〜!! 楽しそう!!」

 

 

 

 ―――すると、

 

慈「………………それなんだけど」

 

瑠璃乃「ん?」

 

慈「"みらくらぱーく!"の出し物についてはぜんぶ任せたよ、るりちゃん」

 

瑠璃乃「え………えぇっ!? ど、どうしたのめぐちゃん!? やりたいことはなんでも自分でやらなくっちゃ気が済まない、あの天上天下唯我めぐ尊が!」

 

慈「私も、気づいたんだよ。そっか、るりちゃんはもう二年生で、先輩なんだな、って」

 

瑠璃乃「えっ?」

 

慈「いろいろあったよね。引っ越しで離れ離れになったり、カリフォルニアにいって、ビッグになって帰ってきたり。……私の手を引いて、前を走ってくれたり、さ。あれは、嬉しかったな」

 

瑠璃乃「めぐちゃん……………」

 

 瑠璃乃は慈を疑いの目で見始めた。

 

慈「るりちゃんは、大きくなった。私の足りないところも、埋めてくれる子になった。そろそろね、任せてもいい頃合いだよ。だから今回は……………、るりちゃんが姫芽ちゃんとふたりで、最強の出し物を考えてくれる?」

 

瑠璃乃「そんな。めぐちゃん抜きでなんて!」

 

慈「でも! 私にはやらなきゃいけないことが!」

 

瑠璃乃「………やらなきゃいけないコト? ……! もしかして、めぐちゃん!」

 

慈「私、必ず『補習』を乗り越えて、そして戻ってくるからね! 大好きなるりちゃんの元へ!」

 

瑠璃乃「え」

 

慈「それじゃあ行ってきます! バイめぐ〜!」

 

慈「でもね〜、たまに赤点取る日もあるよ〜。 そう〜! うちら人間なんだもん〜」

 

 慈は自分で作った謎の鼻歌を歌いながら行ってしまった。

 

瑠璃乃「たまにじゃなくて、いっつもじゃん……………。え? ほんとに? めぐ抜きなの? ルリひとりで大丈夫かなあ〜あ……」

 

 

聖良(バシム)「慈さん、勉強はちゃんとしましょうね……」

 

慈「え〜?」

 

果南(バシム)「気持ちは分かるけどダメだよ……」

 

果林(バシム)(知られたら不味いわね……)

 

 そう。果林も勉強は壊滅的なのだ。

 

四季(バシム)(……言わないでおこう)

 

 

 

 さて、続きだ。

 

姫芽「るりちゃんせんぱぁい〜。あれ? めぐちゃんせんぱいは、どこ行っちゃったんですか?」

 

晴也「どうかしました?」

 

 姫芽と晴也がやってきた。

 

瑠璃乃「そうだね。近くて、遠い場所かな……………」

 

姫芽&晴也「「?」」

 

瑠璃乃「……ところで、ひめっちと晴也くんって、ベンキョーはしてる?」

 

姫芽「え? してますよ〜。だって、サッカー10割なのに成績下がってたら、学生としてまずいじゃないですか〜」

 

晴也「俺もしてます。この間の小テスト満点でした」

 

瑠璃乃「そう! だね!」

 

瑠璃乃(1年生がちゃんとできてるんだよめぐちゃ〜〜ん!!)

 

 

 そして、姫芽と瑠璃乃の2人で出し物を考える。姫芽はサッカー教室を開きたいと言うと、瑠璃乃も乗り気。

 瑠璃乃が奔走し、蓮華祭に向けて備えて準備していく。

 

 

 

 そんな中、

 

瑠璃乃「ひめっちは本当にサッカー大好きなんだねえ」

 

 瑠璃乃先輩の言葉に、姫芽の目がすごく優しくなる。 

 

姫芽「お姉ちゃんの影響なんですよね〜………………」

 

瑠璃乃「もしかしてお姉さんも、超スゴイ選手だったり?」

 

姫芽「いやいやぜんぜん〜! むしろサッカーはほとんどやらない人です〜。昔試合見に連れて行ってくれて、目を輝かせてたあたしにサッカーボールを買ってくれたのが、お姉ちゃんだったんですよ〜」

 

瑠璃乃「えー! いいね! そういうの!!」

 

晴也「お姉さん、優し人なんだな」

 

姫芽「はい〜。あたしの家って、両親が居なくて……お姉ちゃんが私をここまで育ててくれたんです。両親は、アタシが5歳の頃に交通事故で亡くなって……」

 

瑠璃乃「え"っ!?」

 

晴也「つ!!」

 

 咄嗟の爆弾発言に驚く俺と瑠璃乃先輩。――すると、

 

姫芽「ああ、そんなに身構えないでください〜。だからこそ、アタシはお姉ちゃんが褒められたりすると、凄く嬉しくなるんです。大好きで大切なお姉ちゃんですから……」

 

瑠璃乃「そっか………姫芽ちゃんにとって、何よりも大切な人なんだね」

 

晴也「……本当に…凄い良いお姉さんだな」

 

 俺達が良いお姉さんだというと、家族を褒められて嬉しかったのか、笑顔になる姫芽。

 

姫芽「えへへ〜。気づけば小さい頃は晴れてる日は近所の公園で来る日も来る日も、サッカーボールがベコベコになるまでず〜〜っと使い古して遊んでました、アタシ。そして気づけば、仲間も増え、友達も増え……です〜」

 

瑠璃乃「よっぽど嬉しかったんだね、幼きひめっち」

 

姫芽「はい、そりゃもう〜! 人生変わりましたから〜! ハッ、でもアタシが今蓮ノ空サッカー部にいるのは、" みらぱ!"の影響っていうか、めぐちゃんせんぱいとるりゃんせんぱいのおかげですからね〜!? だから、お二人とみんなにサッカーは楽しいと教えてみたいな〜って」

 

 いい志だな………。

 

 

瑠璃乃「そっか……そっか〜。うん、じゃあやっぱり、絶対に撫子祭の出し物、成功させなきゃだ! ひめっち! ルリもがんばることを決めたよ! 今、決めました!」

 

姫芽「そ、そうなんですか〜!? るりちゃんせんぱいは、いつでもがんばってるかと!」

 

 姫芽がそう言うと、瑠璃乃先輩は、

 

瑠璃乃「だったらいつもの2倍……いや、めぐちゃんの分までだから、5倍!」

 

姫芽「そんなチートが!?」

 

晴也「無茶しすぎないでくださいね〜?」

 

瑠璃乃「うん。体調管理はちゃんとやるよ。その上で、初めての撫子祭は今しかないんだから! やりたいことやろっ!」

 

姫芽「ええええ〜っ!?」

 

 

 

 それを見ていた皆さんは………

 

千歌(バシム)「ゔぅううう…………」よしよし

 

果林(バシム)「大変だったのね姫芽ちゃん……」

 

聖良(バシム)「いい人たちに出会えてよかったですね……」

 

 涙を流して号泣した皆さんによしよしと撫で回される姫芽。

 

 

姫芽「わ、分かりましたから〜!」

 

晴也「ふふ……」

 

 

 そして準備が進む中、遂に慈が合流する。

 

 

姫芽「めぐちゃんせんぱい〜!」

 

瑠璃乃「お勤めご苦労様です!」

 

 パァンっ! と、2人のクラッカーが鳴り響く。

 

慈「ふっふっふ、私に勉強させようとする悪の勢力に負けず、なんとかやりきったよ! ふたりとも、ただいま!」

 

瑠璃乃「いやあがんばったねえ、えらいねえ、すごいねえ。めぐちゃん!」

 

 瑠璃乃が慈を労う。すると、

 

慈「うん! がんばった! 一生分の勉強した! もうやらない!」

 

瑠璃乃「あはは……、勉強はちゃんとしようね?」

 

慈「るりちゃん!?」

 

 慈がショックを受ける。

 

姫芽「あっ、そういえば噂で聞いたんですけど〜、蓮ノ空には『補習室の女王』って言われてる生徒がいるみたいですね〜。なんでも、外出届を差し止められたという伝説をもってるとかで〜」

 

慈「あはは、なにそいつ。だっさー」

 

瑠璃乃(あっ……)

 

 瑠璃乃はすぐに気付いた。慈のことだと。

 

瑠璃乃「で、でも、めぐちゃん大丈夫? もう三年生だし、その、進路的なヤツは……」

 

慈「大丈夫、大丈夫。ちゃーんと考えてるから」

 

瑠璃乃「そうなの!?」

 

慈「いやいや、当たり前じゃん。私もう三年生だよ?」

 

瑠璃乃「……めぐちゃんのことだから。進路希望調査書にも『世界征服』とか書いてるのかと……」

 

慈「ぎく」

 

瑠璃乃「ウソだよね?」

 

慈「進路ってようするに、学校を卒業した後になにをしたいか。ってことだからね」

 

瑠璃乃「そうだけど!! 進学するのか就職するのか、どんな職種に付きたいかを聞いてるんだよ!?」

 

姫芽「ナルホド〜! さすがめぐちゃん先輩!」

 

瑠璃乃「真似しちゃだめだからね!? ……まさか補習になったのもそれが原因じゃ……?」

 

慈「私は今この瞬間を生きてるの! どうせ綴理だって「おでん食べたい」とか、梢だって『インターハイ優勝!打倒雷門!』とか書いてるに決まってるよ。なんたって私たちは、学生である前にサッカー部員なんだから!」

 

姫芽「ええ〜! かっこいい〜!」

 

瑠璃乃「そんな訳ある?! あの2人はちゃんと書いてたって聞いたよ!? それに、『学生である前に』じゃなくて、学生だからサッカー部なんだよ!」

 

 はあ、ルリの胃が保たない……。

 

慈「まあ、真面目なこと言ったらサッカーでプロになりたいかな? 一応卒業前にプロチームの入団テスト受けるつもり」

 

瑠璃乃「そういうのを書いて欲しかったんだよ先生は!!」

 

慈「よくわかんないけど、よし、と! あ、じゃあ、ルリちゃんのやりたいって言ってたやつは?」

 

瑠璃乃「んぇ?」

 

慈「ほら、撫子祭でやりたいって言ってたじゃん。ルリちゃんラジオ。『がんばってる人たちを、いろんな形で応援してあげたいんだ〜』ってさ」

 

姫芽「え?」

 

瑠璃乃「あ、あー! そーいやそんなこと言ってたっけー忘れてたー! 今が楽しいから全力で忘れちゃってたうっかりーあははー!」

 

慈「……ほんとに?」

 

瑠璃乃「ま、それはいいじゃん! また次の機会ってことで! 今回はほら。さすがに今から準備する時間はないわけだし!ね!」

 

姫芽「るりちゃんせんぱい………? ほんとは、せんぱいにもやりたいことがあったんですか………?」

 

瑠璃乃「いや、それは」

 

 やっぱり……。

 

慈「え? 姫芽ちゃんに、言ってなかったの?」

 

瑠璃乃「ま、まあ……」

 

姫芽「アタシの準備ばっかり手伝わせちゃったから、るりちゃんせんぱいは、自分を犠牲にして一」

 

瑠璃乃「そういうわけじゃなくて!」

 

姫芽「……………」

 

瑠璃乃「なんて言えばいいかな。あのね、えっとね、じゃなくてね」

 

姫芽「………っ、ごめんなさい、アタシ」

 

 

 そして、姫芽は走って行ってしまった。

 

千歌(バシム)「あちゃ〜………」

 

鞠莉(バシム)「やっちゃったわね………」

 

瑠璃乃「まあ、この頃はルリも若かったってことで……どうかひとつ」

 

 

 その後、瑠璃乃は"ぼっちハウス"に引き籠もっていた。

 

 

瑠璃乃「……まっくら。ふふっ……ルリにお似合い………はぁ。" 可愛い後輩"と思ってる……"仲間"だと思ってない…か。もう2か月も一緒にいたのに……ルリ」

 

 すると、部屋の扉が誰かにノックされて誰か入って来た。

 

姫芽「あの………るりちゃんせんぱい…………」

 

瑠璃乃「あ」

 

姫芽「すみません。おやすみのところ」

 

瑠璃乃「…………ううん」

 

姫芽「……………めぐちゃんせんぱいから、さっきまた謝ってもらいました。その上で、いろいろと、聞きました」

 

姫芽「せんぱいは優しいから、アタシのためにいろいろとがんばってくれたんですよね。アタシが失敗しないように………」

 

瑠璃乃「……………」

 

姫芽「アタシがもっとめぐちゃんせんぱいみたいに、なんでもできたら、せんぱいも言いたいこと言えたのかな。って………えへへ………そんなこと、ムリですけど………撫子祭。アタシだけやりたいことやるなんて 申し訳なさすぎるんですけど……でも。ここでやめちゃったら、それこそるりちゃんせんぱいがしてくれたことの意味が、なくなっちゃいますから」

 

姫芽「サッカー教室は開きます。アタシの夢を手伝ってくれて、本当に、ありがとうございました」

 

瑠璃乃「あっ、待って、ひめっち――」

 

 そして、姫芽は走って出ていってしまった。

 

瑠璃乃「………う。……………手伝ってくれて、か。ルリは、ひめっちと、どんな風に………なりたかったんだろ………」

 

 瑠璃乃は、引っ越す前の……と慈と一緒に遊んでいた頃の小学生時代を思い出した。

 

瑠璃乃『へーきへーき! あとはルリがやっとくから! 遊びに行ってきていいよ!』

 

慈『ねえ、るりちゃん。いいの? さっきの』

 

瑠璃乃『え?うん、ぜんぜん。だってルリは、みんなが楽しいって思ってくれたら、楽しいから。それに……』

 

慈『それに?』

 

瑠璃乃『ルリには、トクベツなめぐちゃんがいるから――』

 

 そのまま、瑠璃乃は泣き疲れて寝てしまった。

 

 そしてその後、慈に"ぼっちハウス"から引っ張り出され、少し話したあと、

 

慈「でも、それじゃあどうしよっか。姫芽ちゃん、今回のことかなり引きずりそうだからなあ。せっかくるりちゃんが勇気出して正直に話そうとしても、恐れ多いって言って、逃げられちゃうんじゃないかなあ………」

 

瑠璃乃「……確かに、さっきも。ひめっちと、正面からぶつかるためには………あ!」

 

慈「え?」

 

瑠璃乃「わかったよ。めぐちゃん! ひめっちがぜったいに、逃げられないシチュエーション!」

 

慈「ほんと?」

 

瑠璃乃「うん! だからそのためには、めぐちゃんにも協力してほしくて」

 

慈「いいよいいよ、なんでも言ってみ。勉強以外なら、なんでもやっちゃるよ!」

 

瑠璃乃「だったら――。きょうからルリのサッカーの猛特訓!付き合って!」

 

 

 あれから2日間ルリがめぐちゃんに特訓相手をしてもらっていた。

 

 すると、吟子ちゃんや晴也くん、綴理先輩たちが聞きつけてみんな相手をしてくれた。おかげでルリは色んなタイプのディフェンスに対する対応力が上がり、ルリはいよいよ今日、姫芽ちゃんに対して作戦決行を決めた。

 

晴也「よし、ここまでできればたぶん大丈夫でしょう」

 

さやか「瑠璃乃さん!しっかり!」

 

吟子「姫芽のスピードには注意してください!」

 

瑠璃乃(ルリ、恵まれてるな…………)

 

 そして、絶対に勝つと決意していると、姫芽がやってきた。

 

瑠璃乃「よかった。サッカーの誘いなら来てくれると思った、ひめっち」

 

 練習着に着替えてサッカーモードになったひめっちが暗い顔で立っていた。

 

姫芽「るりちゃんせんぱい……。なんですか〜、これ、『果たし状』、って」

 

瑠璃乃「その名の通りだよ。ルリね、ひめっちとサッカーで真剣勝負しに来たんだぜ」

 

姫芽「勝負、って………まさか、ほんとにやるんですか?」

 

瑠璃乃「うん、やる」

 

姫芽「いやですよ、アタシ………」

 

瑠璃乃「えっ? い、いやなの?」

 

 意外。サッカーだったらノリノリで乗ってくると思ったのに……。

 

姫芽「はい……………。だってアタシ、1対1で勝負を挑まれたら、手加減とかできませんもん! 勝負内容で有利不利はありますけど、るりちゃんせんぱいのことを容赦なくボコりに行っちゃいます!」

 

瑠璃乃「あ、ああ、そーゆーことか。ならいいよいいよ、ぜんぜんおっけー」

 

姫芽「よくないですよ〜!」

 

瑠璃乃「ていうかね、きょうはボコられにきたんだ」

 

姫芽「えっ?」

 

瑠璃乃「それに、ナメてると痛い目をみるのは姫芽ちゃんの方かもしれないぜ? ルリは先輩なんだからね! ――それじゃあ、内容はルリがオフェンスで姫芽ちゃんがディフェンスの一対一で抜くか抜かれるか。オフェンスはシュートを決めて勝ち。ディフェンスは止めたら勝ちね。スタート!」

 

姫芽「ちょ、ちょっと〜――」

 

 そしてサッカーの勝負を始める2人。俺達はそれを見守る。

 

 瑠璃乃先輩は得意のフェイントを仕掛けて姫芽を崩して抜きにかかるが、抜いたと思ってもすぐに姫芽のスピードに追いつかれてしまう。

 

瑠璃乃「くっ!」

 

姫芽「………………」

 

瑠璃乃「もう1戦!もう1戦!」

 

 だが、瑠璃乃先輩は止めようとしない。

 

 

 

 ―――そして、すぐに10戦が終わり、

 

 

 

姫芽「……………」

 

瑠璃乃「いやあ、手始めに10連敗とは。ぜんぜん手も足も出ないなあ。本気で今まで頑張ってきたんだね。姫芽ちゃん。スピードに負けないようにって、ルリもけっこう特訓してきたのになあ………」

 

姫芽「どうして、こんなこと………。ごめんなさい、るりちゃんせんぱい。でもあと何回やっても、アタシ全部追いついちゃいますよ………?」

 

瑠璃乃「そっかぁ。でも、とりあえずがんばるね。ほら、次の勝負始まるよ」

 

姫芽「〜〜っ! 楽しいんですか?これ…………」

 

瑠璃乃「いやあ、楽しくはないよね。姫芽ちゃんとも気不味いし、バッテリーの減りやばいし。おまけに、けっこう悔しいし」

 

姫芽「じゃあ、なんでやってるんですか……………!」

 

瑠璃乃「こうしなきゃいけない、って思ったから……かな」

 

姫芽「…………それは?」

 

 お互いにボールを蹴り合い、攻防を重ねる足を動かしながら、2人は話す。

 

瑠璃乃「姫芽ちゃん言ってたよね。サッカーにだけはウソつけない、って」

 

姫芽「……………はい。いくら相手がるりちゃんせんぱいでも、勝負なら手は抜けません。今もそうです。負けた方が気持ちは楽になるのかもしれませんけど……それでも、アタシ自身が本気でやるって決めたことですから」

 

瑠璃乃「そうだよね。うん、そうなんだ」

 

 瑠璃乃先輩はいったんボールを止める。それを見た姫芽も今は中断だと思い構えを解く。

 

瑠璃乃「ルリにとっての"みらくらぱーく!"も、おんなじだったんだよ」

 

姫芽「おんなじ………?」

 

瑠璃乃「ルリときどきね、めぐちゃんと意見がぶつかったりしてね。『こっちのほうが楽しい!』、『いや、こっちのほうがいいでしょ!』みたいな。お互い幼馴染で、遠慮なんてもうなんにもないから、ワーワー言い合っちゃってさ」

 

瑠璃乃「ケンカもときどきつらくて、苦しくて、めぐちゃんとケンカなんてしたくないなー、ってホントは思ってるんだけど……でもね、だからって気まずいから折れちゃうなんて、ナシ」

 

瑠璃乃「そんなことしたって、めぐちゃんは喜んでくれないし、応援してくれる人にも失礼だし……なによりそれは、自分が信じる『本気で楽しいことをするんだ!』 って気持ちに、ウソをつくことだと思うから」

 

姫芽「あ…………」

 

瑠璃乃「ルリもね、逃げてたんだ。姫芽ちゃんに向かい合うことを。サッカーで手加減されて勝ったって、姫芽ちゃんは喜ばないって、ほんとはわかってたはずなのに」

 

瑠璃乃「だから、ごめんね、姫芽ちゃん。ルリ、最初からひめっちこう言わなきゃいけなかったんだ」

 

瑠璃乃「『ルリにもやりたいことがあって、ぜんぶをやるのはすごく大変だと思うけど……でも、姫芽ちゃんと一緒にやりたい。そうして一緒に苦しいことを乗り越えた先には、これまで以上に「楽しかった!」って思えるような、素敵な景色が待ってるって思うから。ルリとおんなじ気持ちを。隣で分かち合ってほしい』、って」

 

瑠璃乃「お互いさ、遠慮するのはもうやめようよ。ひとりじゃ難しいかもだから、せーので一緒にさ。そしたらルリたち、もっといい仲間になれるんじゃないかな?」

 

 ルリちゃんは、自分の想いを姫芽ちゃんに全部ぶつけた。

 

姫芽「…………っ、るりちゃんせんぱい………!」

 

 瑠璃乃先輩は構える。そして、瑠璃乃先輩が勝負を再開し、姫芽も再開する。

 

瑠璃乃「なろうよ、一緒に。世界中を夢中にさせる、そんな最強の仲間に!」

 

瑠璃乃「行くよ!!」

 

瑠璃乃先輩が構えると、両足に紫色のイナズマが走る。――次の瞬間!

 

瑠璃乃「[雷光]!!」ドギュゥウゥウウンッ!!

 

姫芽「あ――」

 

 土壇場で出た瑠璃乃先輩の新必殺技。瑠璃乃先輩は姫芽を上回るスピードで一気に抜き去る。そしてシュートをたたき込んだ。

 

瑠璃乃「あ、……………ルリ、勝った? はは、勝っちゃった………姫芽ちゃんに。びっくり……。特訓の成果……かな?」

 

花帆&さやか「「やった〜〜!!」」

 

綴理「ナイスるり!!」

 

晴也「すげぇスピード!!」

 

 みんなが盛り上がる。すると、

 

姫芽「るりちゃんせんぱい〜!」

 

瑠璃乃「おわっ!?」

 

 姫芽が瑠璃乃先輩に飛びついた。

 

姫芽「アタシ、アタシ〜! るりちゃんせんぱいと、めぐちゃんせんぱいの存在が大きすぎて〜! だからアタシはなるべく迷惑かけないようにしなきゃって思って〜!」

 

姫芽「でも、それってまだチームのお荷物って思われてるみたいで、悔しくて〜! せめて練習がんばりたくて、どうやったらチームの役にたてるか、一生懸命考えて〜! でも……でも悔しいって思うことすら、なんかおこがましいんじゃないかって〜!」

 

姫芽「アタシが楽しいだけじゃなくて! 大好きなおふたりの力になりたくて、ほんとに、ほんとに〜! るりちゃんせんぱいの楽しいことも、お手伝いさせてほしかったんですよぉ〜〜!」

 

 姫芽も、泣きじゃくりながら瑠璃乃先輩にしがみついて訴えかけてくる。

 

姫芽「グスッ……………それはそうとして、負けて悔しいので、また今度リベンジマッチにはお付き合いください〜……………」

 

瑠璃乃「えっ!? う、うん、わかった……!」

 

瑠璃乃「ルリのバッテリーが切れない程度に、お願いね…?」

 

 

 

 ―――そして、2人のわだかまりが解消し、翌日………。

 

 

 

慈「一件落着……なのはいいとして。それ、どういうこと?」

 

晴也「瑠璃乃先輩、凄いくっつかれてる……」

 

 姫芽も、泣きじゃくりながら瑠璃乃先輩にしがみついて訴えかけてくる。

 

姫芽「うう〜! うう〜!」

 

瑠璃乃「仲間だから、と言ってます」

 

花帆「え? どういうこと??」

 

兵太「今ので分かったんだ……」

 

瑠璃乃「つまりね、ルリとひめっちは、ようやく本当に心と心を通わせることができたんだよ」

 

さやか「あれ?」

 

花帆「ひめっち……?」

 

吟子「呼び方……」

 

 まあ、仲が深まったってことだな。

 

梢「まぁ、それなら良かったけれど」

 

慈「………心を通わせると、そんなんなっちゃうの?」

 

瑠璃乃「や、わかんないけど。でもさ、たまにはこういうのもいいな、って。ルリたち2人も……そうだったよね?いっぱい、いろんなことでぶつかって…………」

 

慈「うん。そうだったね」

 

瑠璃乃「あれ、ひょっとして、その人とぶつかるごとに、次から消費バッテリーが軽減されてゆくってシステムだったり……!?」

 

慈「そうだったの!?」

 

姫芽「……………るりちゃんせんぱい〜」

 

晴也「あ、喋った」

 

姫芽「アタシもこれから遠慮しないようにがんばりますから〜……一緒に、一緒にがんばりましょうね〜」

 

瑠璃乃「うん、がんばろうね、一緒に、一緒にね」

 

 

 そして撫子祭当日のエキシビションマッチは、大成功に終わった。

 

 

小鈴「と、ここまではどうでした?」

 

千歌(バシム)「感動した!」(号泣)

 

果南(バシム)「あ"ぁ"〜……っ!!」(嗚咽)

 

鞠莉(バシム)「泣かせるじゃないの〜!!」

 

曜(バシム)「美しい友情だね〜」グスッ

 

聖良(バシム)「はい。本当に……」

 

四季(バシム)「…………」(涙ポロポロ)

 

果林(バシム)「久しぶりに感動して泣いたわ」

 

 

 

晴也「それならよかったです。じゃあ次は、夏合宿編です!」

 

 

《2》につづく




《2》へ続く

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