蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜   作:松兄

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第30話:敗北

 光晴館が一気に2点を取り怒涛の追い上げを見せる。蓮ノ空のベンチでは………

 

天馬「…………………」

 

さやか「皆さん、どうしたんでしょうか。クロニクルルームでの特訓で前とは比べ物にならないくらい強くなってる筈なのに………」

 

吟子「いったい何で……」

 

天馬「……クロニクルルームのせいだ」

 

吟子「えっ?」

 

さやか「どう言うことですか?」

 

 天馬は2人に説明する。

 

天馬「たしかに、クロニクルルームでの特訓でみんなの力は飛躍的に上がった。けど、その事実と晴也、そして前は互角程度だったライバルとの点差が思った以上に開いた。そのせいで、『もうそう簡単に負けるはずがない』っていう心の隙を生んでしまったんだ。そのせいで、いざ相手の反撃を喰らって真正面から点を取られたら大きく動揺して判断力を鈍らせてる」

 

さやか「そんな!」

 

吟子「強くなったことが裏目に出たってことですか?」

 

天馬「自分たちの実力に自惚れてしまってたんだよ。自分でも気づかないうちにね。晴也は分かってるみたいだけど、1人で10人分のカバーは流石に無理だ。気付かない限り……この試合、負けるね……」

 

さやか・吟子「「っ!」」

 

 二人が絶句する。

 

天馬「でも、こうなるなら、一度負けさせたほうが良いかもしれない。このまま勝ち続けてしまったら、全国大会には進めるかも分からないから。一度、改めて理解させる。相手を舐めたり、慢心したり、思い上がってるとどんなに相手が格下でも足元を掬われるってことを」

 

吟子「……………」

 

さやか「分かりました………」

 

天馬「ゴメンね。2人には辛いかもしれないけど」

 

さやか「いえ、そんな状況に陥ってるなら、早めに気づくべきですから」

 

吟子「むしろ大会が始まる前で良かったんだと思います」

 

天馬「うん」

 

 

 フィールドでは、

 

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

瑠璃乃「何で急にこんな……」

 

慈「おかしいよ! 私たちあれだけ強くなった筈なのに!」

 

花帆「さっきまで圧倒してたのに、何で……」

 

来夏「…………」

 

丈二「何とかして点を取らねぇと」

 

晴也(天馬さん…………)

 

 晴也が天馬をみると、気づいた天馬は晴也だけにサインを出す。

 

晴也(っ! この試合はみんなに分からせるために捨てるのか……。でも、このまま大会に挑んだら全国どころか、下手すりゃ地区予選1回戦で負ける可能性がある。仕方ないな)

 

 

 そして、チームの動揺が収まらない中、蓮ノ空のキックから試合が再開する。

 

 だが、その後も光晴館の猛攻を受け続け、晴也も必死にカバーするが、1人では流石にカバーしきれずに失点を続けてしまい、そして………

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

ピッ、ピッ、ピィイイイイーーーッ!!

 

ー 試合終了 ー

 

蓮ノ空 5 ー 6 石川光晴館

 

 

 

藤川「勝ったぁー!」

 

花菱「やったぁ!」

 

 湧く応援席。両チーム整列して挨拶。ベンチに下がる。

 

 試合は、蓮ノ空の負けという結果で終わってしまった。みんなはこの結果を信じられない。

 

慈「なんで!? 何で私たちが負けたの!?」

 

姫芽「めぐちゃん先輩……」

 

丈二「分からねぇ。途中までは圧倒してた筈だ……」

 

来夏「うん。あの後半10分くらいの藤川の単独突破からの2点目で、明らかに流れが変わったよね……」

 

……………………。

 

晴也「それはただのキッカケに過ぎません。それ以前の問題ですよ」

 

花帆「どういうこと?」

 

 みんなが晴也を見る。

 

晴也「こうなったのは、みんなの気持ちの問題と、クロニクルルームが原因ですね?」

 

梢「えっ!?」

 

小鈴「クロニクルルームが?」

 

兵太「なんでだよ? あの部屋のおかげで強くなれたんじゃないか」

 

天馬「それは俺が話すよ。晴也はちゃんと分かってたみたいだしね」

 

綴理「?」

 

 天馬さんは、皆に話す。

 

天馬「さっきベンチで吟子ちゃんとさやかちゃんには言ったけど、クロニクルルームでの特訓で、みんなの力は格段に上がった。けど、上がり過ぎた事が問題だったんだ」

 

丈二「ああ?」

 

来夏「力が付きすぎたことが問題……?」

 

晴也「ええ。力が付きすぎた事と、今回の対戦相手に対してあそこまで点差がついたことで、みんなの心に、『負けるはずがない』って言う慢心が生まれたんですよ。自分でも気付かないうちにね。相手を舐め始めて、格下だと思い上がってたんです」

 

梢「そんなことは……」

 

晴也「無いと言えますか? 事実、相手が意地を見せて純粋に実力で点を取られたら浮足立って動揺が広がったのがその証拠。そのせいで判断力もガタ落ちした。相手にとっては一気に楽な相手になったでしょうね」

 

花帆「……………」

 

梢「そんな………」

 

晴也「真剣勝負で相手を舐めたり思い上がってたら、足元を掬われるのは当たり前です! 良い教訓になったと、頭に叩き込んでください! どんなにリードしたとしても、もう二度と相手を舐めたり油断はしないと!

 

蓮ノ空『!!』

 

花帆(晴也くん、怒るとこんなに怖いんだ……)

 

梢(1年生が分かってた事を、なんでキャプテンで3年生の私が気付けなかったの……!)

 

 メンバー全員が暗い顔になる。反省してくれれば良いんだが……

 

天馬「じゃあ、帰るよ。対戦相手に挨拶して」

 

蓮ノ空『ありがとうございました』

 

藤川「乙宗さん乙宗さん!」

 

梢「なに……?」

 

藤川「あの人、松風天馬さんでしょ? あの人が監督ってちょっとずるいわよ……」

 

梢「そうね………」

 

藤川「? どうしたの?」

 

梢「いえ、自分の精神の未熟さを思い知ってたところよ……」

 

藤川「精神……?」

 

 そして、俺たちは蓮ノ空に帰った。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 蓮ノ空サッカー部専用のバスから降りた俺たちは、荷物を片付けて解散する。

 

天馬「じゃあ、明日は休みにするから。今日はお疲れ様!」

 

蓮ノ空『お疲れさまでした……』

 

 晴也は寮に戻ってしばらくボーっとしていたが、

 

晴也「ダメだな。練習してぇ」

 

 そして、晴也は試合の直後だと言うのに、クロニクルルームに向かった。

 

 

晴也「ふー……」

 

 ウィーン

 

 クロニクルルームのフィールドへの自動ドアが開くと、

 

花帆「来夏ちゃんカバー!」

 

来夏「うん!」

 

さやか「丈二くん左サイドフリーです!」

 

丈二「木曽路!」

 

兵太「オッケー!」

 

慈「るりちゃん止めて!」

 

瑠璃乃「行かせない!」

 

 みんなが、練習していた。なんか、泣いてね?

 

梢「あっ、晴也くん!」

 

晴也「なんで……」

 

花帆「もう、あんな負け方はしたくない!!」

 

慈「技術もそうだし、もっとハングリー精神? みたいなのを自分に叩き込むため!」

 

兵太「それには練習しかないだろ?」

 

丈二「ああ。俺たちの夢は、全国優勝なんだ。それをあんなバカみたいな負けで傷をつけた自分自身が許せねぇ!」

 

来夏「うん! 鍛直しだよ!」

 

吟子「もう、誰が相手だろうと油断はしない!」

 

小鈴「最後まで全力で!」

 

姫芽「どんな点差になろうと、一切手は緩めない!」

 

梢「これが私達の決心よ。どうかしら?」

 

 みんなの顔は涙でぐしゃぐしゃ。ったく……。

 

 晴也は俯いて黙ると、顔を上げて、

 

晴也「遅せーよ! じゃあ、今から特訓しましょう!」

 

蓮ノ空『おーーー!!』

 

 

天馬「戦えそうだね。このチームなら」

 

 その様子を、天馬はこっそりと見ていた。

 

 

ー つづく ー




蓮ノ空が負けたのが意外に思った人どれくらいいるかな。

感想・評価よろしくお願いします!!

ぶっちゃけ本編とNEXT DREAM編どちらの方が面白い?

  • 本編
  • NEXT DREAM
  • コラボ回(キャプテン翼サンシャイン)
  • コラボ回(二つの世界のサッカー)
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