蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜   作:松兄

45 / 247
第43話:予兆

 試合前――、

 

吟子「え……?」

 

天馬「吟子は遠慮せずにもっと前に出ていい。先輩たちにも、プレーヤーとしての主張を見せて」

 

吟子「で、でも……!」

 

天馬「大丈夫だよ。君の仲間は……」

 

 

 

 

 ――試合開始のため、ポジションにつく。

 

吟子(私の、プレーヤーとしての主張……)

 

 審判が笛を咥え、

 

ピィイィイイイーーーッ!!!

KICK OFF!!!

 

 函館聖泉のキックオフから試合開始。ボールはキャプテンの朝倉さんに渡ると、そこからゲームメイクする。

 

朝倉「秋ちゃん!」パスッ!

 

 ボールは鹿角さんへ。

 

秋「はいっ!」

 

来夏「行かせるかっ!!」

 

 

MATCH UP!!!

 

来夏 vs 秋

 

 

 鹿角さんは細かいフェイントを仕掛けるが、来夏先輩はなんとかついて行く。

 

秋(そこっ!!)

 

 一瞬の隙を突いて抜け出す鹿角さん。が、

 

来夏「させるかっ!!」ドガッ!!

 

 来夏先輩の背肩奪取(ショルダーチャージ)。肩と肩がぶつかり合う。

 

 ギシッ!!

 

来夏(っ!動かない……!)

 

秋「ふっ!」

 

ドカァアァアアッ!!

 

来夏「ぐあっ!!」

 

 来夏先輩は弾き飛ばされて転倒。鹿角さんはそのまま攻め上がる。

 

実況『おっと!? 忍原弾き飛ばされた!!』

 

秋(軽……)

 

瑠璃乃「行かせないよっ!!」

 

 しかしすぐに瑠璃乃先輩がフォローに入る。――が、

 

秋「はい、そこ空いたっと……」トンッ!

 

瑠璃乃「あっ!!」

 

 しかし、そのせいで空いたスペースに走り込んできた久遠さんにパス。

 ボールを受け取る。

 

綴理「ボクが行く……「あたしが行きます! 綴理先輩は逆サイドへの切り返しコース消してください!」っ! 分かった。ひめ」

 

 ここで綴理先輩に指示(コーチング)して姫芽が久遠さんを止めに入る。

 

 

MATCH UP!!!

 

姫芽 vs 久遠

 

 

 久遠さんが突っ込んでくる。姫芽は正面から必殺技を仕掛ける。

 

姫芽「[キラースライド]! はぁあぁああぁあっ!!」

 

 姫芽の、足の残像が無数に見えるほど高速かつ暴力的なスライディングで、ボールを奪いに行く。

 

ガッ!!!

 

 

 両者がボール越しに激突する。だが、

 

 

姫芽(っ! パワーが!? けど……っ!)

 

久遠(っ!)

 

バチィイイッ!!

 

 姫芽はスライディングした足を咄嗟に振り抜いてボールを弾きこぼれ球にする。

 

慈「ナイスひめちゃん!」

 

 その球を慈先輩が抑える。

 

慈「綴理、カウンター!!」ドッ!

 

 慈先輩からボールは綴理先輩へ。

 

実況『蓮ノ空、カウンターで一気に攻め上がる!!』

 

 

 しかしそこに坂本さんが止めに入る。

 

綴理(っ、クイックで行く……)

 

綴理「ぎん!」ドッ!!

 

 綴理先輩は坂本に付かれる前にボールを蹴り出して吟子にパス。吟子はボールをトラップするとドリブルで攻め上がる。

 

 が―――、

 

木崎「通行止めだよ!!」

 

 木崎がすぐに追いついて止めに入る。

 

 

MATCH UP!!!

 

吟子 vs 木崎

 

 吟子はパスターゲットを探して、ボールを動かしながら周りを見る。が、

 

吟子(みんなマークが外れてない……!)

 

木崎「隙ありっ!!」

 

 ドカッ!!

 

 木崎の奪取(ジャッカル)。吟子はボールを奪われる。

 

吟子「あっ!!」

 

晴也(っ! なんで勝負しねぇんだ!!)

 

 

 そのままドリブルしてくる木崎。そこにソジがサイドを駆け上がって止めに入る。

 

 

MATCH UP!!

 

兵太 vs 木崎

 

兵太「止める![イグナイトスティール・改]!!!」ボォアァアアッ!!

 

 ソジの炎のスライディングタックル。ボールを奪い返して吟子にボールを戻す。

 

吟子「っ!あんやと!」

 

 再びドリブルで上がっていく吟子。今度は周りに注意を払い、状況を把握しながらの攻撃態勢。

 

 

雪宮「パスは出させないよっ!!」

 

 しかし、ディフェンダーの雪宮は吟子には向かわずに丈二先輩にピッタリとマークに付く。

 春日と小山は晴也に、中野は来夏先輩にと、フォワードを完璧に封じる。

 

 

 

実況『おっと、函館聖泉DF陣、蓮ノ空FW陣をガッチリとマークしています! コレではパスは出せません!!』

 

 

 

吟子「っ!! (どうすれば!!)」

 

 ここで、背後から木崎が迫ってくる。

 

木崎「棒立ちいただきっ!!」ドカッ!

 

吟子「あっ!」

 

 ここでボールは弾かれて外に出る。

 

木崎「自分で仕掛ける事も、シュートすることもできないミッドフィルダーなんて、怖くもなんともないね……」

 

吟子「っ!」

 

吟子(自分で…撃てば良かったんか……。でも)

 

 すると、

 

晴也「吟子!」

 

吟子「へっ!? は、晴也くん……、なに?」

 

晴也「"なに?"じゃねぇ! 試合中に何を遠慮してんだ!!」

 

吟子「え、遠慮なんか……!」

 

晴也「してるだろ! 知ってんだぞ。高校からサッカー始めた小鈴はともかく、百生吟子……中学サッカーの石川県ベスト4のエースミッドフィルダー……調べたらすぐにでてきたぞ!」

 

吟子「っ!!」

 

晴也「お前はあの距離ならゴール狙えるシュート技術(テクニック)持ってんだろ!? ドリブルにしたって、お前の足や球保持技術(ボールキープテクニック)なら置き去りもできるはずだ!」

 

吟子「で、でも……先輩たちや晴也くんの方が確実で……」

 

晴也「それがダメだって言ってんだよ!!」

 

 すると、

 

ピピッ!

 

審判「そこ、試合中だぞ!」

 

 審判に注意を受ける。

 

晴也「……すみません。吟子、この試合……花帆先輩じゃなくてお前がメンバーに入った意味をよく考えろ。それに……お前はこんな所で黙って負けるような奴じゃないって、普段一緒に練習してる俺達が一番知ってるんだからよ……」

 

吟子「………………」

 

 

 そして、蓮ノ空のスローインになる。丈二先輩のスローインからボールは吟子に。

 しかしそこに木崎が止めに入る。

 

木崎「言ったでしょ! 怖くないって!!」

 

 

 ―――お前はこんな所で黙って負けるような奴じゃない

 

 ―――普段一緒に練習してる俺達が一番知ってる

 

 

吟子「…………ブチッ!! あ〜もう! 分かったわ! やってやんよ! どうなっても知らんよ!!」

 

 すると、吟子は細かいフェイントからボールを左に動かして相手の軸足の重心を動かす。すると、

 

吟子「こっちや!!」ギュンッ!

 

 一気に逆方向に切り返し、その段違いに早いダッシュの初速で置き去りにする。

 

吟子「"引導狭足(ドラッグシザース)"!!!」

 

木崎「なっ!? (早っ!!)」

 

 そのままドリブルで突き進む吟子。慌てる函館聖泉ディフェンスを、ディフェンスの3年生が落ち着かせる。

 

雪宮「落ち着いてフォワードを抑えて! そうすれば得点できる選手はいない!」

 

 そう言いディフェンダー4人が蓮ノ空のフォワード3人を抑える。

 

晴也「撃て! 吟子!!」

 

吟子「どいつもこいつも……! 舐めるのも大概にせえ!!」ドッ!!

 

 吟子の右足から放たれたボール。しかし、大きく上がりすぎており、コレではゴール枠外だ。

 

春日「フカした! オッケー、ミスキック!」

 

 だが、

 

晴也「あの回転……」

 

 すると、枠外と思われたボールは急降下し、ゴールの方に向かって急激にコースを変えて逸れる。

 

白坂「っ、そんな! 枠内……っ!!」

 

 急いで跳躍する相手キーパー。だが、反応したときには遅すぎた。

 

バシュゥウウゥウウンッ!!

 

 ボールは、ゴールの内側サイドネットに突き刺さった。

 

吟子「"無揚力(ジャイロ)シュート"………!!!」

 

 

 静まりかえるスタジアム。……だが、

 

 

 ぁ、あ…ドワァアァアアアッ!!!!

 

 

 一気に大歓声に包まれた。

 

 

GOAL!!!!!

蓮ノ空 1 ー 0 函館聖泉

 

 

実況『決まったぁああぁあぁあああっ!! 今大会、なりを潜めていた石川県中学サッカーの名選手、百生吟子のゴールで蓮ノ空先制ーーーっ!!』

 

白坂「くっ、あんなシュートを……!!」ダンッ!

 

 悔しさで地面を叩く相手キーパー。

 

吟子「…………」

 

 吟子がこっちのコートに戻って来る。すると、

 

瑠璃乃「吟子ちゃんすげぇじゃん!あんなシュートもってたの!?」

 

綴理「ぎん……すごい!」

 

吟子「えっ、あっ……いや……」

 

さやか「まさか……今まで手を抜いてたんですか?」

 

吟子「……その、中学の時、嫌なことがあって……。光晴館戦でのこともあったし、高校では、『できるだけ目立たずに"全力で"陰に徹しよう』と……」

 

慈「……なにがあったかは聞かないけど、そんなんじゃあ勝てないよ? 本気出してないのと一緒じゃん!」

 

晴也「……みんなの持ってる力を余すこと無く結集しなければ勝てない。それがサッカーだぞ?」

 

吟子「……はい。あの、わたし……もっと前にでて、良いんですか?」

 

 俺たちは顔を見合わせると、

 

丈二「当たり前だろ?」

 

晴也「むしろ、『お前ら、あたしのゴールのために動け!』くらい思っても良い。俺はそう思ってるし」

 

慈「ナマイキだぞ1年!!」

 

 プンスカと怒る慈先輩に笑いが漏れる。すると、吟子は流れた涙を拭うと……

 

吟子「はいっ! これからはどんどん仕掛けて、ガンガン撃ちますから!! せいぜい着いてきいよ!」

 

蓮ノ空『もちろん!!!』

 

兵太「性格変わってね……?」

 

 

 

 

冬真「…………………」

 

 その様子を見ていた相手のエースストライカー、冬真。

 

 試合は、まだ始まったばかりだ。

 

 

前半:10分

 

蓮ノ空 1 ー 0 函館聖泉

 

ー つづく ー




感想・評価宜しくお願いします!!

ぶっちゃけ本編とNEXT DREAM編どちらの方が面白い?

  • 本編
  • NEXT DREAM
  • コラボ回(キャプテン翼サンシャイン)
  • コラボ回(二つの世界のサッカー)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。