蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜   作:松兄

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第75話:理論による進化

 あれから3日。俺と兄ちゃん、蓮華の3人は監督やコーチから通常の3倍の重さのボール。"ブラックボール"を使っての練習を言い渡されていた。

 

 最初、初日に練習していた頃、俺はふと気づいた。

 

晴也(これ、まずはこのボールでリフティングを確実にできるようにして慣れたほうが後々楽じゃね?)

 

 俺は二人に声をかけてその旨を伝えると、2人も「それもそうだな」と同調し、3人でまずはこの重さに慣れるためにリフティングを頑張ることにした。

 

 最初はめちゃくちゃ苦労した。――だが、2日目になると重さにも慣れてきて普通のボール程ではないがマトモなリフティングができるようになった。

 そして2日目の午後からブラックボールを使ってのシュート練習、そして新必殺技の練習をしたのだが初日と手応えが全く違う。

 

 ―――やはり先に慣れることを優先したのは正解だったらしい。

 

 そして今日、3日目だ。ブラックボールを勢い良くゴールに叩き込む俺達3人。

 部屋の様子をモニターで監督達は見ていたらしいが、練習の手順の踏み方が100点満点だと言っていた。

 監督たちもまずは慣れる事を優先するべきと思っていたそうな………、

 

 だったら最初に言えよ。

 

 そう思ったが、さすがに言えずに黙々と練習を続ける俺達3人。今は少し休憩中だ。

 

蓮華「あ"〜〜……疲れたぁ…………」

 

晴也「ほら、ドリンク」

 

蓮華「あんがと……」

 

 蓮華は受け取るとがぶ飲み。「ぷはぁ~……」と生き返った様な声を上げる。

 

蓮華「生き返る……」

 

涼太「あ、足がパンパンだ……」

 

晴也「だよね……でさ、そろそろ新必殺技の開発に移ったほうが良いと思うんだけど」

 

蓮華「確かにね。でもまずはイメージを固めないと。どんな技にするか……」

 

涼太「今からやっても間に合うのか……?」

 

 考える3人。実は―――、

 

晴也「俺に一つ考えがあるんだけど」

 

蓮華・涼太「「?」」

 

 2人がこっちを見る。

 

晴也「新しい技を0から作るんじゃなくて、今ある技を全く別物の威力の新しい技に技自体を進化させるのはどうだろう」

 

蓮華「"改"から"真"みたいなのじゃなくて、今ある技を元にした新しい技って事?」

 

晴也「そ。それならイメージもつけやすいんじゃないかな」

 

涼太「なるほどな……」

 

晴也「実は、俺1個試したいことがあるんだよね………」

 

蓮華・涼太「「?」」

 

 俺はボールをセットポジションに置く。

 

晴也「[激流ストーム]なんだけどさ、ずっと思ってたんだ。シュートする時の纏う水エネルギーを、もっと大量に込められないかな? って。でも、兄ちゃんと俺で昔やった事あるけど、その時はエネルギーがコントロールできなくて暴発した。じゃあどうやってそれをコントロールするか………ボールがそれに耐えうる状況じゃなかったからじゃないか?」

 

涼太「? ……つまり」

 

晴也「こういう事!!」

 

 俺がシュート体勢に入ると、水の竜巻が発生する。ここまでは同じだ。

 

晴也「そしてここで!」

 

 竜巻に巻き込まれてボールが上昇する瞬間、俺はボールに竜巻の回転方向と同じ方向の強烈な回転を足でボールを擦ってかける。

 

 上昇していくボールは、回転の勢いで今までの[激流ストーム]を遥かに凌ぐ勢いで竜巻の水エネルギーを巻き取って行き、遂には竜巻の水を全て凝縮して纏いきり、ついでに強風も纏う。

 

 それを俺は跳躍してオーバーヘッドキック。

 

ドゴォオォオオォオォオオオォオオオンッ!!!

 

 ボールは竜巻の弾道を引きながら、今までの激流ストームをはるかに上回る威力でゴールネットに突き刺さった。

 

ギャルルルルルッ!! ポトン…

 

 ネットに突き刺さったボールはしばらく回転が収まらずに勢いが死なず、勢いを失って地面に落ちるまでに7秒くらいかかった。

 

晴也「よし、イメージ通り!!」

 

涼太「スゲ…………」

 

蓮華「何? あの威力………」

 

 二人とも呆然としている。出来過ぎたかな。

 

晴也「とまあ、こう言うのを考えてた。名付けて、[ネオ・激流ストーム]ってところかな」

 

涼太「[ネオ・激流ストーム]…………」

 

蓮華「これだから天才は………」

 

晴也「そうか? これは理屈さえ分かれば理論で説明できるからそうとは言わない気がするけど。天才っていうのは理屈で説明できない事を平然とやってのける奴のことだよ……」

 

蓮華「天才と秀才の違いってこと?」

 

晴也「函館聖泉と戦ったとき、俺よりも蓮華のほうが天才だと思ったけど……あんなゴール理屈じゃ無理」

 

蓮華「へえ? アンタにとってはあたしのほうが天才なのね」

 

涼太「どっちもどっちだと思うけど………」

 

晴也・蓮華「「明らかな天才がわかったようなこと言うな!!」」

 

涼太「なんで!?」

 

 俺と蓮華の息の合った声がハモる。兄ちゃんはショックを受ける。

 

 すると――、

 

蓮華「まあでも、今のでイメージは掴めたわ。少し変えるだけでも全く変わるのね………」

 

涼太「だな」

 

晴也「"理論(ロジック)"なら考えるのは得意だからそういう視点で意見は言えると思う」

 

涼太「じゃあ、イタリア戦まで後5日?地道にやってくか……」

 

蓮華「そうね」

 

― つづく ―




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