蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜   作:松兄

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第78話:仕事

 乙夜のシュートを止めたベルナルド。ゴールキックからリスタート。

 

RESTART!!!

 

 イタリアのキックからプレー再開するが、パスをゆっくりと、じっくりと回して確実にラインを上げてくる攻め。

 

晴也(1点目は蓮華がぶち込んだ。次だ次、もっかい奪ってもう1点。相手のエースDFってデータだったカロージェロは……攻め上がらない。てか、攻撃のスピードも、むしろスロー。ボール失わないようにじりじり押し上げて、攻撃のスイッチはどこかで入れる気か)

 

 俺は思考を巡らせる。

 

晴也(その起点は、おそらくべリザリオ。シュートの瞬間(タイミング)と裏抜けさえ気をつけていれば……)

 

狩れる。捉えられる!!

 

 そして、ブルーノにボールが渡った瞬間、べリザリオが連動。イタリアの攻めのリズムが変わる。

 

晴也「来る!(べリザリオのステップのリズムが転調する!)征也!!」

 

 晴也()は征也に指示を出す。

 

 ブルーノからべリザリオへのパス。しかし征也も分かっていたのかコースに割り込む。

 

征也「はいよ! ここだろ余裕! 完全奪取!」

 

 ボールをカットする征也。すると、

 

べリザリオ「()れ」

 

 イタリアが、一気にスピードを上げて征也にハイプレスを仕掛けてくる。

 

征也「なっ!? (俺がボールカットした瞬間にハイプレス、しかも何人も連動してスピードアップ!?)」

 

 絶え間ない超スピードハイプレスに、征也は考える余裕が無くなっていく。

 

晴也「(なんだこのシステム!? 考えてる暇ねえ!)征也パスだ!」

 

 俺がパスを要求するが、

 

征也「いや、無理だって! プレスキッツい!」

 

 それでもなんとかキープし続ける征也。だが背後から――、

 

ビアージョ「術中。気づいてからじゃもう遅い。お仕事完了」ガッ!!

 

征也「なっ!?」

 

 ボールを奪われる征也。ゴール前で一気にピンチだ。

 

晴也(まじかよ。これが全部戦術!?)

 

①スローテンポでローリスクで攻めながら

②ボールを奪われたとしても一気ににスピードを上げてハイプレス連動

③そこから奪い返してショートカウンターでビッグチャンスを作り出す。

 

晴也(絶対1人じゃできない組織的超連動。このチームは戦術、思考、選択肢を共有する。超組織サッカー……これがイタリアのカテナチオサッカーか!!)

 

 攻め上がってくるイタリア。梢先輩が構える。

 

梢(スイッチ切り替え。さあ誰が打ってくるかしら?)

 

ビアージョ「そこ!」シュパッ!

 

 すぐさまパスするビアージョ。ターゲットは……、

 

梢(止めずにパスエンド。やっぱあなたね、イタリアのエースストライカー、べリザリオ!!)

 

 イタリアのエースストライカー、べリザリオにボールが渡る。

 

さやか「後ろ頼みますよ梢先輩!!」

 

梢「分かったわ!」

 

 

 

MATCH UP!!!

さやか vs べリザリオ

 

 

 

 べリザリオと対峙するさやか先輩。その後ろで梢先輩が構える。

 

さやか(少しでもシュートコースを限定して――!)

 

 さやか先輩が神経を集中する。

 

 ――だが、

 

トンッ!

 

さやか「っ!?」

 

梢(べリザリオがパス……? ビアージョがキープ。いや、ここでビーチェとスイッチ、ブラインドでワンツー。細かいわね……。そんな密集地帯で……というか今、誰がボール持ってるの? ちょっと待って………? 見えない………!!)

 

 ゴール前で敵味方入り乱れた混戦になる。それがキーパーの視界を遮ってしまった。

 

晴也(やばい。これはゴールキーパーから見えるボール保持者(ホルダー)を隠して、一瞬の空白を作り出す)

 

晴也(気づいたときには殺されてる。チーム全体の超連動)

 

 "隠密殺撃蹴弾(ステルス・キルショット)"!!!

 

 梢先輩と晴也が焦った一瞬を見逃さず、飛んでくるべリザリオのシュート。

 ボールはカーブを描きながらゴールの右上隅へ突き刺さった。

 

梢「あ………」

 

ザシュゥッ!!

 

 

 

GOAL!!!

日本 1 ー 1 イタリア

 

 

 

実況『ゴォオオォオオオルッ!!! イタリア同点に追いついたぁっ!!』

 

 

解説『これがイタリア伝統の超組織(カテナチオ)サッカーです。日本、これにどう対抗するのかに注目ですね!!』

 

 

梢「くっ、ガンッ!

 

 ゴールポストを殴りつける梢先輩。

 

さやか「すみません。キーパーの邪魔になってましたね……」

 

梢「いえ、あれはしょうがないわ。相手が、そうなるように仕向けて攻撃を仕掛けてたのよ……」

 

さやか「え!?」

 

征也「まさか俺たちを目隠しに使ってシュート撃ってくるなんて………」

 

晴也「悪い。俺がもっと早く気づけてたら………」

 

梢「晴也くんは経験という意味では浅いからしょうがないわ。とにかく、3人は点を取ってきて」

 

晴也・涼太・蓮華「「「分かってます(る)(るわ)………」」」

 

 

 そして、日本ボールで試合再開。

 

 

ピィイイイーーーッ!!!

RESTART!!!

 

 

 日本のキックからプレーを再開し、ボールは晴也()に渡る。その中で、俺は必死に考える。

 

晴也(さっきのイタリアの攻撃、あんなチーム全体の完璧な連動、絶対アドリブじゃできない。どのタイミングでアクションするかどうか。生半可な訓練じゃ無理だ)

 

 そこへ、

 

ブルーノ「()る!!」

 

 ブルーノがプレスを掛けてくる。

 

晴也「秋!」トンッ

 

秋「晴也くん!」パスッ!

 

 イタリアの動きを、ワンツーでパスを繋ぎ、プレスを躱しながら考える。

 

晴也(守備でも攻撃でも、無数の連動パターンをチーム全体が共有してる。これがイタリアの強さの真髄。―――でも、ベリザリオのあのシュートは、それだけじゃ何か説明つかない気がする。だって、梢先輩が一歩も動けなかったんだ。てことは、タイミングをずらして撃ってるのか?)

 

晴也(だったらあれは、べリザリオが自由に撃ったんじゃなくて、梢先輩が反応できない瞬間を狙って、ずっとずっと()てた。……あ)

 

 俺はあることに気づく。

 

晴也(そうか。べリザリオはもう一つ眼を持ってる。確かに、べリザリオの、世界で戦うストライカークラスのシュート能力があればゴールキーパーに反応させなきゃ超高確率でゴールを奪える。だからずっとゴールキーパーを視野に入れてプレーしてるんだ。獲物の隙を常に狙えるように)

 

晴也(ゴールキーパーとの駆け引きに全部りして、シュートをぶち込むことに特化した眼、"捕食者視界(プレデターアイ)"!!

 

晴也(俺の眼と頭とは、方向性が違う進化………)

 

 でも――、

 

晴也(中盤は形を作れる。俺と兄ちゃん、蓮華の3人である程度。3分割・中盤(ミドルサード)で切り崩せる。問題はその先の3分割・前線(アタッキングサード)。ピッチを3分割したときの、前のエリアでのフィニッシュまでの形。2人のゴール、そして俺のゴールのために、俺自身がどう動くか………)

 

 ここで俺は兄ちゃんにパスを出す。

 

カロージェロ「おっと、通行止めだ」

 

 しかし、兄ちゃんにすぐにカロージェロが止めに入る。

 

涼太「カロージェロ……」

 

 

MATCH UP!!!

涼太 vs カロージェロ

 

 

カロージェロ「1on1か?」

 

晴也「いや、2on1だよ!!」

 

 俺は兄ちゃんとカロージェロの間に割り込んで、兄ちゃんからのパスを受ける。

 カロージェロを背中で抑えながら兄ちゃんからのパスを踵で擦って浮き球のパスにする。

 

カロージェロ「そっちか」

 

 "ブロック&浮き球(ロブ)ワンツー"

 

カロージェロ「お、テクいな」

 

晴也「俺は今、MFだからな」

 

 浮き球のパスが、兄ちゃんの方に飛ぶ。

 

カロージェロ「でもそのパターンは……」

 

ベルティーナ「そんなパス通させない!!」

 

 警戒していたベルティーナが跳躍。ヘディングでパスを撃墜する。

 

涼太「な!?」

 

綴理「うそ!?」

 

千切「戦術の引き出しどんだけあるんだ………?」

 

ベルティーナ「カウンター!!」

 

 攻守反転。イタリアの組織的サッカーのカウンター。ロングフィードでボールはブルーノへ。

 

 

実況『一気に攻守反転! 日本! 防ぎきれるか!?』

 

 

ブルーノ「カールラ!!」パスッ!

 

 ボールをトラップしたブルーノからのパスが、サイドのカールラに飛ぶ。

 

晴也「千切!!」

 

千切「任せろ!!」ドンッ!!

 

 千切の爆発的なスプリント力を活かしてのオーバーラップ。飛んできたボールに対して跳躍し、空中でカットしてインターセプト。

 そのまま猛スピードで攻め上がる。

 

千切「[スプリングパスカット・V2]!!!」

 

イタリア『何ぃっ!!』

 

ベルティーナ「くっ!!」

 

 

実況『すかさず千切豹馬がインターセプト! 再び攻守反転だぁあぁああっ!!』

 

千切「行くぜ! [ジ・アロー・G3]!!」ドギュンッ!!

 

 千切の矢のようなとてつもなく鋭く、早い超速ドリブル。急いでベルティーナが止めに行く。中にはカロージェロとブルーノ。

 蓮華にはアデリーナとボニートが相変わらず2人で着いている。

 

蓮華「っ! しつこい!!」

 

アデリーナ「あなたにだけは撃たせないわよ!!」

 

ボニート「おとなしくしていて貰う!」

 

蓮華「っ!!」

 

千切(FWはマークキツいな………!!)

 

 ベルティーナとマッチアップする前に中を見る千切。兄ちゃんと蓮華は警戒されているが、密集のやや後ろから、気付かれないように晴也()が走る。

 

晴也「コッチだ千切!! だせ!!」

 

千切「ナイス晴也!! [絶・ジェットパンサー]!!」ドゴォオォオォオッ!!

 

 千切の必殺シュート。ボールは走り込んだ俺のシュートポイントに向かう。

 

 

実況『ボールは密集のやや後ろ(マイナス)上空へ! 大海晴也フリー!!』

 

 

イタリア『!?』

 

晴也「完璧」バッ!

 

 俺は跳躍し、シュート体勢に入る。

 

 晴也()が跳躍し、シュートの体勢に入ると発生した竜巻の旋風と飛んできたボールが重なる。

 ――瞬間に、晴也が竜巻の回転方向と同じ方向の回転をボールに足を擦ってかける。

 

 ボールはその回転で竜巻の風圧と水を全て安定して巻き取り、莫大な水エネルギーと風圧がボールに纏わりつく。

 晴也は跳躍して、オーバーヘッドキックを叩き込んだ

 

晴也「このボール、絶対に決める!! [ネオ・激流ストーム・G3]!!」

 

ドゴォオォオオォォオオォォオオオンッ!!!

 

 竜巻の弾道を引きながら迫るチェインシュート。ベルナルドが構える。

 

ベルナルド「イタリアの守護神の誇りにかけて、必ず止める!」

 

 ベルナルドは跳躍すると、思い切り振りかぶった左腕でシュートを殴りつける。

 

ベルナルド「[真・白銀の左腕]!!」

ドゴォオォオオォオオオッ!!!

 

 拮抗するパワーとパワー。ベルナルドも必死に堪える。

 

ベルナルド「絶っ…対に……、止める!!」メキメキ!!

 

 ベルナルドも気合で踏ん張るが、腕からメキメキと骨が軋む音がする。

 シュートを受けているベルナルドの体勢も崩れてきて……、

 

晴也「行けぇええぇえええっ!!」

 

ベルナルド「ぐっ!(だ、ダメだ……)うわぁあぁあああっ!?」

 

 シュートはベルナルドを吹っ飛ばし、轟音とともにゴールに突き刺さった。

 

 

GOAL!!!!

日本 2 ー 1 イタリア

 

 

実況『ご、ゴォオオォオオオルッ!! ニッポン、大海晴也の必殺シュートで勝ち越しーー!!』

 

解説『おや? ベルナルドくん、様子が……?』

 

ベルナルド「ぐっ……、くそぉっ……」

 

ブルーノ「ベルナルド! 大丈夫か!?」

 

ベルナルド「うぅ、さっきのシュートほどでは無かったが、それでもとんでもない威力だった……」

 

アウローラ「どうする? また2人着けるの?」

 

ブルーノ「とにかく、チームで連係してパスを刈り取ろう。ボールさえ渡らなければシュートは撃てない」

 

イタリア代表『分かった……』

 

 そして、持ち場に戻るイタリア代表。

 

ベルナルド(そもそも、試合終了まで俺の腕が保つのか……?)ズキズキ

 

 

 

 

 

前半:17分

 

日本 2 ー 1 イタリア

 

― つづく ―




感想・評価宜しくお願いします!!

ぶっちゃけ本編とNEXT DREAM編どちらの方が面白い?

  • 本編
  • NEXT DREAM
  • コラボ回(キャプテン翼サンシャイン)
  • コラボ回(二つの世界のサッカー)
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