蓮ノ空×イナズマイレブン 〜英雄たちのヴィクトリーロード〜   作:松兄

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第79話:死ねるか

 俺の必殺シュートがイタリアゴールに突き刺さり湧くスタジアム。

 

実況『2対1!! 日本代表勝ち越し、この入り乱れるシーソーゲームの中、スーパーショットぶち込んだのは、日本の若き天才、大海晴也だあっ!!』

 

ブルーノ「ホンっと、マジかよ」

 

ボニート「やる……」

 

ベルナルド(トウマと2人揃って、なんだあのシュートの威力………)

 

 どよめきと歓声の中、イタリアの2人がセンターサークルに立つ。

 

べリザリオ「切り替えろ! まずは追いつくぞ!!」

 

 そして、イタリアボールから試合再開。

 

 

ピィイイイーーーッ!!!

RESTART!!!

 

 ホイッスルと同時にボールを戻し、パスを繋いで攻めてくるイタリア。――だが、

 

晴也(これで俺と蓮華は1点ずつ。今のこの状況、最も相手に警戒されていないのは兄ちゃんだろう。その後の1点、それが一番難しいはず)

 

 イタリアがキックから攻めてくるが、さっきとプレイスタイルが変わる。

 今度はサイドバック2人も攻撃参加し、それぞれの武器を使ってコチラを掻き乱してくる。

 

晴也(動きがさっきまでと全然違う。なんだこの形。べルティーナなとアデリーナが前に上がって、攻撃にかける人数めっちゃ多いじゃん)

 

 さっきとは戦い方がまるで変わる。どう対応するかを考える。

 

ボールはアデリーナへ。

 

アデリーナ「よっと! (どう攻めようかしらね)」

 

秋「行かせない!!」

 

 

MATCH UP!!!

秋 vs アデリーナ

 

 秋がすぐに止めに入る。相手の動きに着いていき、抜かれないことを最優先する。

 

アデリーナ「っ!」

 

秋(………相手を見て動きを注意深く観察して!!)

 

 すると、アデリーナはフェイントを仕掛けて抜くと見せ掛け、

 

アデリーナ「ブルーノ!!」パスッ!

 

秋「っ!!」

 

 アデリーナはパス。

 

晴也(ホント、さっきまでとはまた別チーム。マジで変幻自在軍隊だな、この組織力。周り見て使えるベルティーナのパスワークとアデリーナのドリブルコンビが中盤に入って、ボールの流れに淀みがなく、クリエイティブに鬼速くなった)

 

 すると、ブルーノにパスが回ったタイミングでまたスイッチが入ったのか加速するイタリア。

 

晴也(イタリアのパス回しの速度が加速する。時折ドリブルも交えて、マジで予測できない)

 

晴也(やべ、この速度に惑わされるな! ()ろ、急所は絶対どっかにあるはず。このフィールドをメタる!)

 

 俺は死角眼(インサイト)と脳みそをフルに使ってフィールドの状況を読む。

 

 ブルーノからビアージョへのパス。

 

晴也(パスカット地点は……ここだろ!)

 

 そこに、読み通りにパスが飛んでくる。

 

晴也「来た!」

 

 俺はすぐにカットに入るが、

 

ビーチェ「おっと、危ない……事前の話通り、良い眼と、頭してるじゃない。貴方……」

 

 ビーチェがその間に割り込んでくる。

 

晴也「なっ!?(マジかコイツ!? ボールロストを未然に防ぐ立ち回り。俺の眼がメタられた!?)」

 

 ビーチェがボールをキープすると……。

 

綴理「いや、ナイストライだよ。挟むよ、はる!!」

 

晴也「綴理先輩!(俺の動きに連動してくれた!)」

 

 

 

MATCH UP!!!

晴也&綴理 vs ビーチェ

 

 

 

 その背後から綴理先輩が駆けつけてくる。前後から挟み撃ちだ。

 

ビーチェ「ありゃ、やるね君たち」ガッ!!

 

 すると、ビーチェは両手で俺と綴理先輩を抑えてボールをキープする。

 

綴理「っ!!」

 

晴也(ハンドリング巧ぇ! 俺と綴理先輩のプレスを一瞬で封じるボディコンタクト。世界級(ワールドクラス)球保持技術(ボールキープテクニック)!!)

 

ベルティーナ「攻めパターンね。OK」

 

ブルーノ「この流れは止めない!」

 

 ビーチェはカールラにパス。そこへ千切が滑り込んで止めに入る。

 

 

MATCH UP!!!

千切 vs カールラ

 

 

千切「止めるぞクソ野郎!!」ザザアッ!!

 

カールラ「女の子に向かってクソ野郎って何よ! クソはそっちでしょ!?」パスッ!

 

 しかし、カールラはボールをべリザリオに回す。

 

べリザリオ「そうだイタリア。仕事を止めるな。敵に思考する時間を与えるな。冷徹にゴールを設計(デザイン)しろ」

 

晴也(やべえ、みんなべリザリオに意識行きすぎ!! ゴール前に抜けられた! くる!!)

 

梢「みんな!! アウローラがフリーよ!!」

 

日本代表『!!』

 

 気づいた時にはアウローラがフリー。意識の外から忍び寄っていた。

 

べリザリオ「気付くのが遅かったな!」パスッ!

 

 コチラの守りを引き付けたべリザリオから、フリーのアウローラにパスが回る。

 

晴也(てか無理止まらん。アウローラのシュートコースありすぎ!!)

 

アウローラ「決める!![超・ブレイクショット]!!」ドゴォオオオッ!!

 

 フリー状態でのアウローラの必殺シュート。燃える炎の様な色のオーラを纏ったシュートがゴールを襲う。――だが、

 

涼太「届けっ!」

 

蓮華「止めるっ!!」

 

ガ、ガッ!!

 

 FW2人がゴール前まで戻って来て、足を伸ばしてシュートブロック。二人の足に当たって弾かれたボールはクロスバーに直撃して跳ね返る。

 

晴也「ナイス2人共!!」

 

 だが、跳ね返ったボールは―――、再びべリザリオのもとへ。

 

涼太「やべっ!?」

 

ボニート「足止めんな!」

 

ビアージョ「次!」

 

ビーチェ「畳み掛けるわよ!」

 

 イタリアは次の動きに入る。コチラも各自マークには着くが後手に回ってしまっている。

 

晴也(来る! 第2波攻撃(セカンドウェーブ)。今のディフェンスでもギリだぞ!? 次はどう対応すればいい。てか、俺の眼の動きを読まれた。頭の中どうなってんだイタリアは!)

 

 すると、またイタリアの動きのパターンが変わる。

 

晴也(また新しい攻撃パターンを……。わけわかんねえ。こっちから動いててもまた封じられるのがオチだったら、ここは、()ろ!イタリアのワールドクラスの思考回路を分析してやる)

 

 俺は動きながらイタリアの動きを()る。

 

 べリザリオから、ボールは左サイドのボニートに飛び、受け取ったボニートはサイドラインを駆け上がり、蜂楽が急いで追従する。

 

晴也(相手は左サイドに展開。今度はフィールドを広く使ってクロスで横から崩しに来る気か?)

 

 相手を視て分析するが、その隙を突いてべリザリオが気付かれないように逆サイドから絞って忍び寄っていた。

 

晴也(でも、次のプレーに全員が集中する今、べリザリオが死角に潜ってる。もうヤベェって! 誰か気付け!! べリザリオが自由(フリー)!)

 

ボニート「ふっ!」ドッ!!

 

 ボールが、浮き球のバックパスでべリザリオの元に飛んでいく。

 

 しかし、

 

秋「()えてんのよこの野郎!!」

 

ガッ!!!

 

晴也「っ! ナイス秋!!」

 

 秋が跳躍して、身体をぶつけて競り合い(スクランブル)。――だが、

 

べリザリオ「見えてるだけだろ?」トッ!

 

秋「はぁッ!?」

 

晴也「なっ!(秋にぶつかられながら跳躍(ジャンプ)。えぐいボディバランスのポストプレー!!)」

 

 ボールはビーチェに飛ぶ。しかし、蜂楽が間に合った。

 

蜂楽「おっと、撃ってみなよ!」

 

 

MATCH UP!!!

蜂楽 vs ビーチェ

 

 

晴也「ナイス蜂楽!(蜂楽の後ろにはさやか先輩がフォロー入れる位置に控えてる。取れる!)」

 

ビーチェ「残念。これもイタリアの設計(デザイン)通りよ!」パスッ!

 

晴也(っ! 不味っ!!)ダッ!!

 

 ここでビーチェはボールを横に流してパス。俺も気づいてパスの予測方向に走っていた。そこに走り込んできたのは……、アウローラ!!

 

アウローラ「もらったぁ!!」

 

 アウローラが右足を振り上げる。――だが、

 

晴也(いやまずい、ギリ極限(ギリ)!!)ガッ!

 

アウローラ「あっ!?」

 

 俺が間一髪の所で気付きスライディングタックル。ボールを外に弾き出す。

 

審判『ボールアウト! イタリアスローイン!!』

 

べリザリオ(コイツ……)

 

アウローラ(良い脳みそ(アタマ)してるわね……!!)

 

晴也(っ………、ヤベェ。(アタマ)止めてる暇()え………)

 

 俺は体力よりも(アタマ)がかなり疲弊してきている。

 

晴也(止めたけど、キリねぇぞこれ。イタリアの攻撃を予見(キャッチ)してやばいとこを潰せるのは、このフィールドで"俺"だけ。さっきから俺がみんなに指示して、それをみんなが対応してそれでギリギリディフェンスできてるだけの防戦一方の状況)

 

晴也(このままじゃ、ボールを奪って攻め返すなんて想定できない。てか多分、べリザリオは自分のゴールに執着してないし、ビーチェとブルーノの3人は、チームの戦術のための黒子に徹してプレーしている。あんな高次元(ハイレベル)のボディバランスやハンドリング、接触技術(ボディコンタクト)を、チームとして準備してきたゴールのために使ってる)

 

晴也(そしてそれが結果的に、逆にイタリアのエースストライカーの座にべリザリオを据えて、ほか2人もチームの中核になっている。わかってきた。あいつらの思考。あいつらは、イタリアが設計通りに戦うための"監視番人(ウォッチマン)")

 

晴也(そりゃ俺がメタられるわけだ。自分でボールを奪って自分でゴールを狙おうなんて俺のエゴい動き、監視に徹するべリザリオたちにしたらイージーな歪み(バグ)。こんな後手を踏む戦い方じゃ駄目だ。べリザリオたちより先手を取らなきゃ)

 

 ―――先の未来を想定しなきゃ勝てない。

 

 すると、

 

鬼道「大海!」

 

晴也「鬼道監督?」

 

 監督がベンチから俺を呼んだ。俺はフィールドからは出ないが、ベンチのすぐ前辺りに走る。

 

鬼道「やっぱやりにくいか?」

 

晴也「はい。このままじゃ時間の問題で……」

 

鬼道「………べリザリオのたちプレーの本質は柔術だ」

 

晴也「……柔術?」

 

鬼道「ああ、柔術。日本発祥で柔道や格闘技などに繋がり、今や世界で様々な進化を遂げる武術だ。それをあいつらはサッカーに取り入れて自分のものにしてる。体幹・人体力学、接触体術。柔術から得たそれらとサッカースキルを融合させて、あいつらの世界級(ワールドクラス)のポストプレーやボールキープが成立している。無論パスやシュートもだ。総合力では世界でもかなりのレベルのプレーヤーたちと、俺は評価する」

 

晴也(それに加えて、サッカーIQもえぐい……)

 

晴也「どうやって倒すんですか?」

 

鬼道「それは自分で考えろ」

 

 バッサリと切り捨ててくる監督。

 

晴也「ちょっ、えっ? ヒントくれないんですか!? あっちはいろんな攻撃パターンを無駄なく動いて繰り出せるのに対して、こっちは戦い方に統一性がなくて、敵の動きを理解してないやつがだぶついて混乱中。せめてべリザリオだけでもどうすればいいかってアドバイスとか!!」

 

鬼道「それは間自分で考えろ。だが、一つ言ってくぞ。―――"我慢"が道を開くときもある」

 

 そして、鬼道監督はベンチに戻っていく。

 

晴也(我慢、無駄、だぶつき………)

 

 俺はその言葉の意味を必死に考える。一度思考のパズルを破壊し、新しく思考を再構築する感覚。

 

実況『イタリアスローインで再開です』

 

晴也(道を開く……我慢………)

 

鬼道「おい、ボーっとするな。始まるぞ……」

 

 ――そして、

 

晴也「これか! べリザリオを超えられるかもしれない、可能性の欠片は!!」

 

鬼道「大海?」

 

 俺は、急いでとある人物のもとへ走る。

 

晴也「征也!」

 

征也「あ!? 晴也……?」

 

晴也「死ねるか? お前!」

 

征也「……は?」

 

 

 

前半:29分

 

日本 2 ー 1イタリア

 

― つづく―




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  • NEXT DREAM
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