拾ったコーディネーターと生きる転生C.E.   作:yatagesi

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今回から一般投稿になります


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資源採掘衛星新星、東アジア共和国がL4宙域に保有している小惑星である。

戦前から資源採掘がされており、東アジア共和国の宇宙における重要な収入源であった。

ザフトはプラント防衛のため、この新星を手に入れることを決め、1か月近く戦いが続いているが。

 

「連合軍は撤退を決定、我々にその支援が依頼されました」

「そうはいってもだな、負け戦に今更加わってもなぁ」

 

俺達は現在L1宙域、発電衛星奪還の後、補給艦と合流して物資の受け渡しをしている。

鹵獲した3機の改造ジンを向こうに渡して、消耗品を受け取っている。

ただ相手はヨーツンヘイム級、コーネリアス級と違って格納庫が艦尾方向に開くから航行しながらである。

こちらもカタパルトを開いて、ジンを打ち出した後受け取り中。

 

「マスター、新星は重要なのでしょうか?」

「いや、東アジア共和国としては重要でも、連合としてはそこまででもないだろ」

 

エンデュミオン基地を自爆させてでも守りたいのはプトレマイオス基地だ、東アジア共和国の石ころ一つ気にしてる暇はないだろ。

実際、東アジア共和国の艦隊が主戦力で、大西洋連邦もユーラシア連邦もそこまで戦力は派遣してないらしい。

 

「じゃあ、何をしに行くんです?」

「負傷兵の救護だそうです」

「あー、あの国ならやりかねないな」

「そうなのですか?」

「シルヴィは知らんだろうが、東アジア共和国は人が畑から取れるからな」

 

かつて人が畑から取れたロシアのあるユーラシア連邦だが、それは過去の話。

現在は東アジア共和国が人が畑から取れる国になっている、主に中国産。

あの国人口抑止政策やめてまた増えてきたからコロニーに棄民してたしな、そのコロニーにも被害が出て難民たくさん出てるけど。

 

「そんな国だからな、新星に負傷兵置き去りはあり得る」

「マスター」

「命がけで戦った人たちなのに」

「東アジア共和国で兵士の命なんて軽いんです」

 

流石に中華系だけなんだけどな、まぁ指揮官が中華系ばかりで他は割を食う前に大西洋連邦やユーラシア連邦の艦隊に合流したみたいだけど、というか中華系の連合軍将校は評判悪いし。

 

「まぁ連合としてはザフトに宣伝材料をくれてやるわけにはいかないということで」

「マイスター社が負傷兵を回収してこいと、その護衛を俺たちがすると」

「そうなります」

 

まぁ、ザフトからすれば連合の非人道性を訴えられるもんな、見捨てられた負傷兵たちって、地球のために戦って怪我しても捨てられるなんて宣伝されたら、しかもザフト側が必死に治療してる姿流されたら降伏の難易度は下がるしな。

まぁ、ザフトがそれを考えて行動しないだろうってのは、わかってるんだけど。

 

「マスター、行くことは良いことなのでは?」

「ケガした兵士の皆さんを見捨てられないです」

「わかってるが…負傷兵は何に乗せるんだ?」

「ヨーツンヘイム級の病院船ヒカワマルが、すでに月から出発しています」

「こりゃ断れない仕事だな」

 

病院船がすでに出てるんだったら、こっちが受けること前提で動いてるんだろうし。

とはいえ、装備もろくにないしな…まぁ病院船の盾をするのが仕事だしな。

 

「シルヴィ、新装備はないがやれるか?」

「やれます、マスター」

「なら、やるしかないな」

「ジン、残しておけばよかったです」

「私もジンを持ってくるべきでしたね」

 

まぁ慣熟訓練の予定だったしな、艦載機はシルヴィのシグーを除けば作業用のミストラルが数機だけだし。

とは言え鹵獲した改造ジンもコクピットが壊れてるから使い物にならなかったし、あっても戦えたかどうか。

 

「まぁ出たとこ勝負だ、補給完了次第、新星に向かう」

 

これしか言えないが、無駄に死ぬ人間は少ないに越したことはないからな。

 

ーーーー

 

それから、俺達は病院船と合流、新星へと向かった。

到着した時は幸運にもザフトも攻撃を中断しており、病院船は無事入港で来た。

 

「負傷兵多数、ヒカワマル1隻で足りるのか?」

「マスター、足りなければこちらに」

「人数の関係で乗っ取られるかもしれないから却下だ」

 

負傷兵とはいえ程度があるからな、動ける連中数百人あいてにこっちは4人じゃ勝ち目がない。

だから負傷兵は病院船に積み込んで、こっちには乗せたくないのだが。

 

『シルヴィさん、負傷兵はヒカワマルで積み切れますよ』

「ソキウス様」

「すまんな、シルヴィの代わりに」

『いえ、その手の話は僕の耳にも入ってますので』

 

積み込み支援だけど、シルヴィだと東アジア共和国の兵士が手を出すかもしれないからな、すでに看護師に手を出そうとして制圧されたみたいだし。

 

「アランさん、防衛軍から電文、護衛をつけるとのことです」

「護衛か、まぁ期待せず待つか」

「マスター、病院船から、負傷兵の乗船完了とのころです」

「向こうも準備してたんだろうな」

 

大容量のヨーツンヘイム級を改造した病院船、新星に取り残されるかもしれなかった負傷兵を全員積み込んで見せたか。

ソキウスのシグーを回収出来たら、後は月まで逃げるだけだが。

 

「ヒカワマルが出航したです」

「なら、後ろに続く、ソキウスの帰還に備える」

「了解、マスター」

『こちらも了解』

 

新星を離れて、連合も撤退準備中だし、ここでの戦いはザフトの勝利になりそうだな。

さっき言ってた護衛は…あれか。

 

「ドレイク級が1隻、まぁそんなもんか」

「ドレイク級が先導します」

「シルヴィさん、交代です」

「ソキウス様、了解」

 

ソキウスが艦橋に戻って、シルヴィが俺の隣に、後は何事もなければいいが。

 

「後方より、ザフト艦です!」

「マスター!」

「まて、クナ、方位は?」

「本艦の4時方向です!」

「こちらの任務を伝えましょう」

「そうだな」

 

やっぱり来たかザフト艦、とはいえいきなり攻撃してこないあたり、常識あるやつか?

 

「ソキウス、ザフト艦に電文を こちらは病院船ヒカワマルの護衛である、戦時国際法にのっとり攻撃は控えられたし そう伝えてくれ」

「了解」

「シルヴィはシグーで待機した方が」

「いや、この距離なら相手の出方次第で」

 

頼むから、常識のある相手でお願いするぞ。

 

「…返信!」

「内容は?」

「そちらの任務は了解した、医薬品の不足はないか? 以上です」

「マスター」

「どうやら相手の艦長は、常識人だったな」

 

血のバレンタインのせいで、ナチュラルは皆殺しな艦長も多いが、これは助かったな。

こちらの事はしっかり伝えておけばいいか。

 

「ヒカワマルに聞くよう伝えてくれ、それとドレイク級にも変な真似しないように伝えてくれ」

「了解です」

「助かったです」

「撃ってこないんですね」

「そりゃな」

 

ザフト艦はつかず離れずの距離を維持してるが、臨検とか言い出さないあたりこっちを信頼してるんだな。

 

「まもなく連合の勢力圏です」

「ザフト艦、離れます」

「電文、貴艦の武運長久を祈る」

「了解」

「マスター、送る意味は」

「ここまで守ってもらったんだ、これくらいはな」

 

病院船の監視の任務があったのかもしれないが、手を出してこなかったわけだし、医薬品を分けてくれようとした相手、この位はしとかないとな。




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