拾ったコーディネーターと生きる転生C.E.   作:yatagesi

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11.1

病院船の護衛を終えて、ニア・ルールに戻ってきた俺達。

慣熟訓練で出てきた不具合を修正し、次の仕事のための荷物を積み込んでいる。

 

「マスター、次の仕事は」

「プラントからの仕事だな、物資投下だよ」

 

投下用カプセルを、艦後方の搬入口からどんどんと入れていく、中身は食料とか医薬品とか民需品である。

 

「プラントは、自分たちで下さないのですか?」

「いや、表向きは中立国への支援だからな」

 

プラントの支援国は、プラントが積極的中立を求めて中立ということになってる、実態はザフトの同盟国だ。

彼らは義勇兵として兵士や兵器を提供し、プラントはエネルギーや軍事力を提供する、人口が少ないプラントにとって義勇兵ほどありがたい支援はない。

とはいえ、そういう国々の食糧事情や医療事業は大洋州連合を除けばあまりよくない。

 

「プラントは自分たちの食い扶持で手一杯、そこで余裕があるこちらに仕事が回ってきたわけだ」

「プラントからですか?」

「表向きはアフリカ共同体からだな、まぁ現地のザフト兵に回される確率が高いけど」

 

プラントは自分たちの食い扶持でどうにかこうにか、他国に食料支援できるほどの余裕はない。

でもプラントがラウンドテーブル社から購入して分配する、というのも難しい。

まず自分達の食い扶持が安定しきれてないのだから、そちらを優先しろという声が出る。

ユニウスセブンの喪失は、単なる人的資源の喪失ではない、プラントの食料供給計画に大きなダメージを残している。

今のザフトに食料面での余裕はない、4基の穀物生産用プラントで残りのプラント全体を賄う計画だった、それは余裕を持たせた数だったのだろう。

しかしユニウスセブンは連合の核により破壊され、その余裕は消し飛んだ。

 

「余裕がないザフトからすれば、同盟国名義でも欲しいのさ」

「自分たちの負担を、減らすために?」

「そうだ、宇宙から何もかも下ろすというのは、重労働だからな」

 

武器、弾薬、食料、兵士、彼らが過ごすための基地、それらを円滑に回すための輸送手段。

これら全てを基本宇宙からの支援だけでどうにかしてる、今のザフトはある意味凄い。

なんでもカーペンタリアへの補給はそれ用の潜水艦を宇宙から落としているとか、なんというか力技である。

だが今のザフトにはそれを宇宙へ戻す手段はない、マスドライバーを確保できていないからだ。

 

「シャトルという手段もあるが、他の用事でも使う、だからこっちに投げてきた」

 

表向きはザフト側の中立国が購入した食料を、その広い領地の決められたエリアに投下する。

それを誰が拾い集めるのか、誰が利用するかは関係ない、契約の範囲外だ。

 

「まぁ、こういうグレーな仕事をするのも民間軍事会社だ、今更だよ」

「ですが、連合から妨害等が」

「あるだろうな、まぁそれに関してはシルヴィの仕事だ」

「シルヴィの」

 

ぶっちゃけ、連合としては妨害してくるだろうな、ザフトの得になる行為は連合にとって損なわけだし。

 

「新装備を積み込む」

「新装備?」

「この前話してた実体剣の問題、それの解決案」

 

今回積み込むのは、なにも投下用カプセルだけではない、シルヴィのシグーに使う新しい装備だ。

 

「これは…盾?」

「オリジナルのバルカンシステム内蔵防盾を参考に、シールドとしての機能を強化したものだそうだ」

 

格納庫のカメラ映像で見るそれは、オリジナルのそれよりもはるかに大きく、盾としての機能を意識したものだ、どこかで見たような形だが…まぁいいだろ。

 

「実体剣は?」

「シールド裏側にアーマーシュナイダーが1本、これで足りるか?」

「十分です」

「ならよかった」

 

シールドの裏に付けられたナイフ、アーマーシュナイダーは重斬刀より短いが、基本は銃撃戦だからあくまで護身用だ。

 

「シールドは艦砲対策として対ビームコーティングもされてる、角度をつければゴッドフリートを弾ける」

「いりますか?」

「防げるに越したことはないだろ」

 

バルルス改やゴッドフリートとかあるし、ビーム兵器対策はしておかないとな。

 

「あと、予備機でジンを積む」

「ジンを、ですか?」

「ソキウスやクナも乗り込むしな」

 

あの二人は今は休暇中だけど、二人ともコーディネーターだし、使える機体はあるに越したことはないしな。

 

「それとメビウスを」

「マスター?」

「いや、非常用だからな」

 

地上と違って俺は母艦の艦長席に座ってればいいとはいえ、何かあった時に対応できないとまずいだろ。

メビウスの1機くらい積んでおいてもばちは当たらないだろ。

 

「マスター、メビウスの代わりにジンを」

「ナチュラルだから動かせないぞ」

「では複座型を」

「あれは結構貴重品なんだぞ」

 

長距離強行複座型ジンなんて、なんでソキウスが長期間借りれたのか不思議な代物なんだぞ、あの電子戦装備の塊。

ウチの組織でもジンの生産が始まったけど、それだってノーマルのジンとワークスジンだし。

 

「まぁ、今の人数じゃ俺が乗ることはない、安心しろ」

「本当ですか?」

「4人しかいないんだぞ、カツラギを動かすだけでも2人はいるんだ、だから安心しろ」

「約束です」

「あぁ、約束する」

 

まったく、まぁ実際最低でも二人はいないと動かせないしな、今の状態もだいぶ無理してるわけだし。

とはいえ…当分人を増やす話は受けれそうにないな。




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