拾ったコーディネーターと生きる転生C.E.   作:yatagesi

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11.2

衛星軌道、かつては多数の衛星が飛び交い、抜けるのには管制が必要だなんて冗談もあった場所。

開戦後は両軍により、民間軍事問わず衛星が破壊されてしまい、寂しいものになっている。

両軍とも制宙権を確保するため、相手の物資投下や回収を妨害するため戦闘を行ってるが、基本的に常に戦力を展開してはいない。

理由は単純、この衛星軌道に艦隊を駐留させられる施設がないからだ。

 

「高度400㎞、投下軌道に侵入します」

「各種レーダー、反応ないです」

「速度を合わせ用意、シルヴィはシグーにて待機だ」

「了解、マスター」

 

昔は国際宇宙ステーションが浮かんでいた高度に侵入する、投下ポイントはすでに算出されてるから、そこに合わせるだけだ。

 

「戦争の影響で、すっかり寂しくなったな」

「各種衛星が失われて、地上は大変ですよ」

「地上だと衛星式のナビは役に立たないです」

「まぁ、代替はあるけどな」

 

気象衛星やGPS衛星が戦争に巻き込まれたり、もしくは攻撃対象になって破壊されてるから、衛星に依存してたナビとかは使えなくなってる。

まぁ代わりに地上の基地局同士のつながりから場所割り出すとか、風船飛ばしてとかしてるみたいだ。

ナビがないと不便だからなほんと、今だとジャンク屋組合が衛星打ち上げてたな。

 

「そろそろ、投下ポイントです」

「わかった、艦を垂直90度へ」

「了解」

「立てたらシルヴィを発進させる」

『了解です』

 

物資は後方の搬入口から行う、ここは本来帰還したメビウスの着艦ポートなんだが、物資搬入とかにも使うからな。

艦を立てて、物資を落とす、イグルーのヨーツンヘイムがしていたのと似た感じだな。

 

「90度固定、投下用意問題なし」

「シグー、発進です!」

『シルヴィ、シグー、出ます!』

 

シルヴィも出て、もしもに備える、今が一番危険だからな。

 

「クナ、レーダーに反応は?」

「変わらず無いです」

「よし、搬入口ハッチ開放」

 

あとは下ろすだけ、とっとと下ろして、離脱したいが。

 

「レーダーに反応!地表より何か来るです!数は3!」

「地表!ニュートロンジャマーを起動、出力最大!」

「了解、ニュートロンジャマー起動、チャフも放出!」

「任せる!」

 

地表からって、撃ってきたのは連合か?

というか、地上もNJの影響でこの手の運用難しくなってるんじゃないのか?

 

『マスター!』

「シルヴィはカツラギに捕まれ!」

『了解!』

「ミサイルらしきもの、接近するです!」

「進路はそれてますが、至近弾になる恐れあり!」

 

誘導方式がわからんが、逸れたならいい、衝撃だけなら沈まない!

 

「くぅ!被害報告!」

「ミサイルらしきもの…訂正するです、ミサイルが至近距離で爆発したです!」

「火器管制、艦内各所共に異常なし!」

『シルヴィも無事です!』

「クナ、後続はあるか?」

「反応なし…地球の影から接近するものありです!」

「連合の待ち伏せというわけか、コンテナを下ろせ!」

「了解!」

「下ろしさえすれば逃げれるんだ!」

 

とにかくコンテナを下ろす、この仕事を終わらせないことには離脱はできない、下ろすだけなんだ、どうにかなるさ。

 

ーーーーーーーーーー

 

シルヴィ SIDE

 

『そういうわけだシルヴィ、迎撃頼む』

「了解」

 

シルヴィのシグーは艦首にしがみついていたが、離れて敵の方へ向かう。

彼女のもとに、敵の詳細が伝わる。

 

『敵はドレイク級が3隻、メビウスが12機です!』

「突っ込んでくるのは?」

『メビウスです!』

「迎撃します」

『こちらもミサイルで支援します』

 

地球の影から現れた連合のドレイク級3隻、そこから出撃したメビウスが12機がこちらに近づいてくる。

先手を打ったのは、シルヴィたちであった。

 

『ミサイル発射!』

 

地表に対して直立し、物資を下ろして始めたカツラギから放たれたミサイルが、接近するメビウスの群れに向かって飛んでいく。

近接信管で爆発するが、メビウスはひるまず接近する。

 

「迎撃開始」

 

シルヴィはシグーを加速させてメビウスに接近する、ミサイルで編隊を崩されたメビウス隊は、一部が無防備な姿をさらしていた。

 

「まずは、1機」

 

シグーのアサルトライフルの1連射が無防備なメビウスに吸い込まれ、胴体を貫き爆散させる。

他のメビウスは編隊の再編をあきらめ散開する、2機1組でシルヴィを狙うが。

 

『援護射撃行くぞ!』

「了解、撃ってください」

 

カツラギからは装填が終わり次第ミサイルが発射される、命中を期待しているわけではないが、目的はメビウスの邪魔をすることだ。

 

「貰いました!」

 

ミサイルの直撃を避けるために分かれたメビウスの片割れに、シールドのガトリングを浴びせかける。

左側スラスターがハチの巣になり、爆発したメビウスは不幸にも、地球の重力にとらわれ落ちていく。

この高度は、少し間違えば地球に引っ張られる、そうなれば離脱できずに大気との摩擦で燃え尽きる。

 

「シルヴィも、離れないと」

 

シルヴィはシグーのスラスターを吹かして高度を上げる、今回はカプセルをすべて下ろすまで防衛すればいい。

2機のメビウスがこちらに誘導弾を放つが、彼女はアサルトライフルで迎撃する。

すれ違うと、振り向いてガトリングを浴びせかけ、1機撃墜する。

 

「練度が低い、気のせい?」

 

メビウスたちの動きは戦闘機のそれに近かった、だが本来メビウスは左右のスラスターがボールジョイントで本体とつながっており、もっと柔軟な動きができるはずである。

 

「後ろを取っても、避けるだけ」

 

シルヴィはメビウスの後ろを取ると、相手は右に旋回する、シルヴィはそこで止まり予測進路にアサルトライフルの弾をばらまく。

まるで自分から当たりに行くように、メビウスは飛行し爆散する。

 

「性能の差?それとも」

 

シルヴィは放たれたリニアガンの弾をシールドで防ぎながら、ヘッドオンを仕掛けてくるメビウスをアサルトライフルで撃墜する。

既に5機も仲間がやられた連合のメビウス隊は彼女を無視して母艦を狙う、だがそれを見逃す彼女ではない。

 

「行かせない!」

 

メビウスも無防備なカツラギを狙うが、直進してしまっていた。

シルヴィは進路を変えさせるべくガトリングでけん制し、相手もそれをよけるために進路を変える。

カツラギからのミサイル、シルヴィのシグー、この二つを相手にしてメビウス隊は苦戦していた。

これで彼等の母艦であるドレイク級が接近して戦闘に加わったのなら、より苦戦したのかもしれないが、ドレイク級は距離を詰めてこようとはしなかった。

 

『物資投下完了、シルヴィさん、帰還してくださいです』

「了解」

 

全ての物資を落としたと聞いて、シルヴィは帰艦を選択する。

メビウス隊は追撃を選択するが、飛んでくるミサイルがそれを邪魔する。

推力全開で離脱するカツラギに捕まると、そのまま戦場を離脱した。

 

ーーーーーーーーーー

 

シルヴィの頑張りのおかげで無事全部下ろせたが、なんだ今日の連合軍は。

 

『マスター、メビウス隊ですが』

「ベテラン…じゃないのは確実だな」

 

メビウスってMSほどじゃないけど、もっと軽快に動き回れるからな、それをなんか戦闘機みたいな動きで。

まぁ数の暴力につぶされないようこっちから援護してたが、それでもあの動きは。

 

「母艦との連携が取れていませんでしたね」

「ソキウスもそう思うか」

『シルヴィもです』

「練度、落ちてるんでしょうか?」

「さぁな」

 

連合って開戦からこの方損害出しまくってるからな、勝てた月でもエンデュミオンで自爆したからメビウス・ゼロ部隊を鷹以外全滅させてるからな。

地上で訓練して打ち上げてとかか?今の月基地に新人派遣して訓練させる余裕があるかわからんし。

 

「とにかく、安全圏まで行ったらシルヴィは艦内へ」

『了解』

 

今はドレイク級の追撃をかわすのが優先、しかしあの練度でもこっちの支援があったからシルヴィは無事だったんだよな。

ミサイルだいぶ使ったが、それ相応の価値はあったということか。

 

「アランさん、ドレイク級3隻、こちらから離れていくです」

「そうか、減速開始、シルヴィは艦内へ」

『了解』

 

まぁ何はともあれ、仕事はこなした、相手からは逃げ切れた、そこは変わらない。

今回は幸運だった、それだけだ。




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