拾ったコーディネーターと生きる転生C.E.   作:yatagesi

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地上には長距離移動時に休憩できる場所が存在していた。

陸路ならモーテルや道の駅、空路や海路では中継地が、名前や場所目的は様々だが存在していた。

宇宙時代は空路や海路に近いのでこういった休息地の需要は減ったものの、存在していた。

 

「ペルガミノ、元浮きドックですか」

「ソキウスとクナはこういう場所に来たことは?」

「ありません」

「無いです」

「そりゃ結構」

 

物資投下から数日、俺達は休息と補給の為にL4宙域に来ていた。

ここには多数のコロニーが浮かんでいたが、戦争に巻き込まれ多くが破損、最悪は破壊され住民全滅。

生き残ったコロニーは何とか補修して生き残りを図っている、ジャンク屋組合も人をまわして復旧作業を進めている。

そんな騒がしさと無縁のデブリ地帯、資源目的で持ち込まれた用済みの小惑星や宇宙ゴミが漂う海域の中に浮かぶ1つの浮きドック、ガンダムで出てきたペルガミノの浮きドックそっくりなうえ名前もペルガミノ、偶然というのは怖いものだ。

 

「マスター、準備できました」

「シルヴィ、離れるなよ」

「了解です」

 

ここは何度も来てるが、シルヴィを一人にできる気がしないんだよな。

 

「ここは中立だから、騒ぎは起こすなよ」

「わかってます」

「私はソキウスさんにくっついてます」

「クナさん…」

「その方がいい、ナンパ野郎は多いぞ」

 

ペルガミノに降りると、沢山の人が行きかい賑わっている。

ジャンク屋から個人傭兵から何でもありだ、あと男ばっかりだ。

 

「目線が」

「シルヴィはモテるからな」

 

忘れそうになるが、シルヴィは愛玩用コーディネーター、そのため美人ではある。

で狙う男も多いから、一人で行動させたくないんだよな。

 

「クナもソキウスから離れない方がいい」

「は、はいです」

「いざとなれば」

「最後の手段だからな」

 

ソキウスと二人でならここらでもよかったが、今はエレベーターに急ぐか。

 

「こっちだ、行きつけの店がある」

「大丈夫なんですか?」

「シルヴィの顔を覚えてもらってる店だ、信用に足るだろ?」

「…まぁ、そうでしょうね」

 

ソキウスにもシルヴィが訳ありなのは伝えてるから、今から行く店が信用できることは伝わったろ。

エレベーターで重力を感じながら、最下層へ、ここはいつも通り静かだな。

 

「誰もいないです」

「ここには、派手な店はない」

「他の客はキャバレーとかに行ってるからな、こっちは静かなもんだ」

 

ここペルガミノは浮きドックから始まり、入港待ちの船員相手の店が出てきて、今や貴重な宇宙の歓楽街。

そっちの店も多数あるが、その分こっちみたいな静かな場所がある。

 

「オーナー、空いてるか?」

「空いてるよ坊主、今日は連れがいるのか?」

「あぁ、同僚だ」

 

マスターは相変わらずダンディでグラス磨いてるな、店内も静かなもので。

 

「バー、ですか」

「一時の夢が目当ての客ばかりで、ここはいつもこうさ」

「おじ様、お久しぶりです」

「シルヴィちゃんか、相変わらず坊主のお守りは大変だろ」

「問題ありません」

 

マスターめ、シルヴィとクナにはジュースをサービスか。

まぁいいけど、いつもの事だし。

 

「あ、ありがとうございます!」

「なに、シルヴィちゃんのお友達ならこの位はな」

「しかし、この店の入りでは」

「オーナーはここの持ち主だ、遠慮はいらない」

「…」

 

このオーナー、ペルガミノのオーナーなのに趣味でバーのマスターやってるんだよな、まぁオーナーの事をマスターと呼んでる客を見たことはないが。

 

「そういうことだ、で、お前さんたちは注文しないのか?」

「ノンアルコールを、この後も仕事だから」

「なら、僕も同じものを」

「酒も飲めないガキが二人か」

 

そういいながら、ノンアルコールのドリンクも品ぞろえ豊富なんだよな。

 

「ビールモドキだ、飲むといい」

「ありがとな」

「ありがとうございます」

 

味は本物っぽいが、ノンアルコールなんだよなこれ、どこで仕入れてるのやら。

 

「で、オーナー、何か面白い話無いか?」

「アランさん」

「坊主、そんな聴き方は無いだろ」

「すまない、じゃあ、何か仕事になりそうな話」

 

こんなところで生き抜いてる男だ、仕事になりそうな話の一つや二つはいつも持ってる。

 

「そうだな、10月あたりに坊主の提案で連合とプラントが話し合う、という噂は知ってるか?」

「初耳でな」

「僕も」

「しょせん噂だ、まぁ仮に真実でも、これで戦争が終わるとは思えないが、それに合わせた動きを両軍とも見せてる」

 

初耳…というのは嘘になるな、マルキオ導師が主導した10月会談の事か、たしか決裂したはず。

 

「あの、坊主ってどなたです?」

「マルキオ導師の事さ、どこの宗派かは知らんがな」

 

マルキオ導師、いろいろ言われてる人だが、まぁSEEDという要素を信じてナチュラルもコーディネーターも関係ないと言ってる盲目の人、という感じだな。

 

「だが、双方水面下でそろそろ話し合いをするべきという意見が出始めている」

「その話し合いに合わせて、双方主導権を握るべく動くと」

「そういうことだ」

「おじ様、ジュースのお替りもらえますか?」

「魚のフライもあるぞ」

「いただきます」

 

そりゃ、話し合いは必要だ、ここで全てを決められなくても、決めておきたいことはあるだろう。

その時に通しやすくするために、わかりやすい戦功が必要ってことか。

 

「それと、その話し合いをもしするのなら、邪魔になりそうな連中の処分だな」

「大掃除、ですか」

「そうだな、で、坊主達の仕事になりそうなのは、この位だろうか」

「拝見します」

 

渡してきたタブレットの中身は…なるほど、こりゃ表で依頼できないようなものばっかだな。

 

「粛清すれば角が立つ、だから裏でと」

「しかし、口封じに消されるリスクがあります、控えるべきです」

「青髪の坊主、あんたの上司にこの話を持ち込めばいいだろ」

「…それは」

「ペルガミノのオーナーからといえば、上司は理解する」

「オーナー、ソキウスの上司と知り合いなのか?」

「顔が広いもんでな」

 

ソキウスはお目付け役で来てるけど、そういえば上司知らないな。

どこかでソキウスには世話になってること伝えておかないとな、ソキウスの出世にも関わるし。

 

「まぁ、そのくらいだ」

「ありがとう、金の方は」

「ドックの使用量と一緒でいい」

「…恐ろしい人です」

「敵に回したくない老人だよ」

 

ソキウスの上司知ってるみたいだし、ほんと怖いオーナーだよ。

 

「あ、あの、お寿司ってもしかして」

「冷凍のだが」

「お願いします!」

「クナ様?」

「シルヴィちゃんも、食べてみます?」

「…食べる」

 

そっかクナは日系か、そりゃこんな宇宙の片隅で寿司なんて食べれるなんて思わないよな。

 

「ソキウスも食べるか?」

「奢ってもらえるなら」

「無論だ」

 

まぁ、ここでの飲み食い請求されるの俺だしな、世話になってるしこの位は当然だな。




誤字脱字報告、ありがとうございます。
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