拾ったコーディネーターと生きる転生C.E.   作:yatagesi

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17.2

グラナダ、月の裏側にある工業系の月面都市。

中立の工業都市のため、ジャンク屋や民間人、傭兵で賑わっている。

 

「工業地帯なイメージがあったが、しっかり都市してるな」

「そうですね、マスター」

 

工業とか関連企業に倉庫が並んでるかと思えば、オフィス街に繁華街もしっかりしてる。

 

「ここも少し贅沢な感じだが、そこまで高くないしな」

「はい、美味しいです」

 

この店のハンバーガー、量が多くて食べごたえがあって旨い。

 

「シルヴィ、食べきれるか?」

「問題ありません」

 

傭兵も肉体仕事だからな、同年代より食べる量は多いんだよな。

 

「次の美味しい食事がいつになるかわかりませんので」

「・・・善処する」

 

宇宙食、しかも戦時下なんだ我慢してくれ。

 

「マスター、この後はどうしますか?」

「ソキウス達も出掛けてるからな、せっかくだし娯楽品でも仕入れるか」

「衣服や本ですか?」

「船に積む方だ」

 

睨むな、ブランリヴァルは空き部屋だらけなんだから良いだろ?

 

「服が欲しいです」

「俺に服の良し悪しはわからん」

「店員に任せるべきです」

「いくら取られるかわからん」

 

それにやだよベルト付きの服勧めてきたりしたら、そんなもんスーパーなコーディの彼位しか買いそうにない服着るシルヴィ見たくないし。

 

「服ならクナに選んで貰えば」

「ですが」

「変な服選んでも文句言うなよ」

「・・・」

 

素直でよろしい、まぁ傭兵なんて職業だから、私服は無地で飾りっけ無しが一番なんだが。

 

「BBQチーズバーガー追加で」

「はいはい」

 

まぁ戻ったら自販機と冷食だから、今のうちにしっかり食べとけ。

 

「そう言えばマスター」

「どうした?」

「人が少ない気がします」

「時間帯じゃないか?」

 

昼には遅いし小腹埋めには早い、バーガーショップなら昼とおやつ時の間なんて。

 

「そうでしょうか?」

「そうだと思うが」

 

外はそれなりの人通りがあるし、店内もそれなりには入ってる。

でもここ有名店だったよな確か、でも時間帯があるし。

 

「・・・店を出るか」

 

確かに何かおかしい気がする、空気というかなんというか。

 

「マスター」

「うん、チップは」

 

店員がこっちに来てるが…まずいか?

 

ーーーーーーーーーー

 

シルヴィ SIDE

 

お店を出る準備を済ませ、シルヴィはこっそりカバンにバーガーを突っ込んでいた。

そこに来た店員は、見た目は普通の店員だった。

 

「お客様、お帰りですか?」

「あぁ、そうだが」

 

アランは無難に対応していたが、シルヴィは店員の左手が何に手を伸ばしてるか瞬時に理解した。

 

「マスター!」

「青き清浄なる」

 

店員はナイフを引き抜いたが、それを振り下ろす前に、シルヴィが抜いたSIGタイプの拳銃の一撃で即死する。

 

「不用心です」

「すまない」

 

アランも拳銃を腰から取り出し、臨戦態勢に入る。

突然の出来事に他の客の反応は分かれた、悲鳴を上げる者、硬直して動けない者、叫びながら武器を取り出す者、そして武器を取り出し叫ぶテロリストを制圧する者。

 

「大丈夫か同僚」

「すまない、ブルーコスモスか」

 

この店には、他にもマイスター社関連の傭兵がいたらしい。

グラナダがラウンドテーブル社の影響下にある以上、当然と言えば当然ではあるが。

 

「ソキウス様達は無事でしょうか?」

「連絡する」

 

無線機を取り出し、連絡を取りながら、机を倒してバリケードを作ったり、拳銃に弾を込めたり、テロリストの銃を回収したりしていた。

 

「ソキウス達は無事だ、マイスター社が装甲トラックを派遣してくれる」

「帰りのバスですか?」

「そんなもんだ」

「かわい子ちゃんの独占はやめろ、こっちを手伝え」

「すまない」

「お嬢さんはこれを着とけ」

「感謝します」

 

アランは同僚に呼ばれバリケードづくりに参加する、バスが来るまでの籠城、そう思っていたところであった。

 

「エレカが突っ込んでくるぞ!」

「クソ!」

 

一台のエレカが猛スピードで店へと突っ込んでくる、窓も即席バリケードも突破され、店の壁にぶつかり止まる。

 

「青き清浄なる世界のために!」

「コーディネーターに死を!」

「シルヴィは後ろに」

 

エレカが開けた穴からサブマシンガンを撃ちながらテロリストが入ってくる、狙いなんて定めてもない乱射。

対してこちらは訓練を受けた傭兵、拳銃や鹵獲したサブマシンガンで弾切れを待って反撃する。

 

「一人」

「一人ダウン!」

 

ボディアーマーも着てないテロリスト程度、エレカが爆発でもしてたら制圧できてたのかもしれないが、それが失敗した時点で彼らの運命は決まっていた。

外で大口径機関銃の音が聞こえると、テロリストたちは撤退していった。

 

「シルヴィ、大丈夫か?」

「シルヴィはアーマーを着ていたので」

「そうか」

 

重機関銃搭載のトラックに乗り込み、港に向かう。

現場はアサルトライフルを装備した兵士と警官が警備と調査につく、何人かの同僚がアサルトライフルを受け取り、構えていた。

 

「戻ったら、報復だろうな」

「MS、出番ありますか?」

「場所によりけり」

 

シルヴィはそれ以上聞かずに、先ほどカバンにしまっていたバーガーを取り出し、食べ始めた。




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