拾ったコーディネーターと生きる転生C.E. 作:yatagesi
グラナダテロから数日、細々とした仕事に追われていた俺達の耳に、10月会談の話が入り始めた。
結論から言えば決裂、平和は遠くなりにけり。
とはいえ、捕虜交換や難民の移送とか、その辺りはまとめたようだが。
「戦争は続くんですね、マスター」
「南北アメリカと中国地域の大半が無事だからな」
本土が戦場になってるプラント理事国はユーラシアだけだからな、他の国は少し沿岸攻撃されてもその程度と言えるし。
「多くの為政者にとって他人事の間は、休戦すらないでしょうね」
「政治家はいつもそうです」
「戦争も政治だからな」
まぁ政治の失敗が戦争だからな、理事国はその代償を血で払ってる状態だ。
「さて、戦争が続くなら、俺達には仕事が来るわけだが」
「連合からの依頼が来てます、上司を通して」
「あのご令嬢から?」
あのご令嬢、この船回せる位だから、どんな繋がりを持ってるかわからん。
「L2にある連合の拠点防衛だそうです、現地指揮官に従うようにと」
「所属は?」
「今は基地司令のはずですが、元第8艦隊だそうで」
「ハルバートンか」
連合のMS開発を推進した男、デュエイン・ハルバートン。
そいつの指揮していた艦隊なら、G計画絡みか?
「しかしご近所か」
「軌道が違います、マスター」
「同じラグランジュポイントなので、近所ですよ」
「田舎の近所感覚です」
宇宙でのご近所感覚はそんなもんだから、ただでさえ広いんだし。
「一度ニア・ルールに寄ることは?」
「連合から到着の時間を指示されていますから」
寄り道禁止とは、目的は恐らく・・・
「直行するしかないか、進路L2の指定宙域」
「了解」
しかし、この前ブルーコスモスを制圧した側に依頼か。
「目的は、この艦かな」
「どうしてですか?」
「新型だからな、皆興味津々さ」
「奪い取りは、しないでしょうけどね」
ブランリヴァルは新造艦、これに匹敵するのは連合のアークエンジェル級だが、ネームシップはヘリオポリスで建造中。
それを進める上でも、データが欲しいんだろうな。
「まぁ思惑があるんだろうが、テロの事もあるし、表立ってやらかしはしないさ」
「メンツがあるから、ですか?」
「まぁな」
連合だって関わり深いブルーコスモスのテロ直後に無理矢理奪ったりすれば、マイスター以外からも傭兵を雇えなくなるリスクがある。
第一、兵士の大半は地球と故郷の為に戦ってるのであって、ブルーコスモスの為にではない。
そこは連合も、マイスターやラウンドテーブルの上層部だって理解している、どぎつい報復を実行するだろうなって事も。
「相手の出方次第な所はあるが」
「前方より接近する艦あり」
「マスター」
「先走るのはまずい、艦種は?」
「ドレイク級です」
ドレイク級ね・・・1隻だけだし、これは。
「ドレイク級より通信です」
「メインモニターに」
「了解です」
お出迎えか、さてどんな男が出てくるか。
『君たちがマイスター社の傭兵か』
「はい、ブランリヴァルを預かっているアラン・スミシーです」
『ミスティルテイン司令、シコルスキーだ』
厳つい顔に角刈り、鋭い眼光と生粋の軍人と言う感じか。
『君たちの事は聞いている、私の指揮に入る以上は、勤めを果たして貰う』
「無論、そのつもりです」
『私はナチュラルだろうがコーディネーターだろうが気にしない、戦えるか否かで判断する』
「それはこちらも安心できます」
連合だとコーディネーターは絶対悪な連中が将校もいるからな、先にスタンスを言って貰えるのはありがたいも
『ミスティルテイン迄はクニコフの誘導に従え、以上だ』
「了解しました」
通信へこれで終わりだが、あれが元ハルバートンの部下か。
「マスター、少し怖そうな人でした」
「軍人だから、あれを従えてたハルバートンも凄いな」
まぁ、コーディネーター排斥派じゃないだけましか。
今度の仕事、どうなることやら。
誤字報告、いつもありがとうございます。