拾ったコーディネーターと生きる転生C.E.   作:yatagesi

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誤字脱字報告、いつもありがとうございます。


18.3

敵襲とは、いつも突然だ。

警戒していても、いつ攻めるかという点で主導権はあちらにある。

 

「マスター!」

「ザフト艦隊が来てる、ブランリヴァルも出撃する」

 

ザフトにとってはG計画の拠点の一つはつぶしたいよな、今の優位はMSありきだし。

 

『ブランリヴァルへ、出撃を許可します』

「了解…シコルスキー大佐は?」

『大佐は艦隊を率いて出撃しています、ミスティルテインを囮とし、戦艦隊で敵艦隊の横腹を叩く予定です』

「了解した」

 

まぁ大佐だけ逃げたときは、こちらも逃げさせてもらうがな。

 

「シルヴィはシグーで出てくれ」

「了解」

「ソキウスはもう向かってるはずだから」

 

クナが上がってくるのに時間かかってるが、出航までには間に合うだろ。

しかし、敵戦力がいまいちわからんな、こっちの戦力も。

 

「ミスティルテインの要塞砲にミサイルのほかは、ドレイク級8隻って、火力の要はブランリヴァルか」

 

ドレイク級はミサイルフリゲートみたいなもんだし、対MS戦闘にも力不足なところあるしな。

メビウスのMS隊がいるけど、こっちの負担は重いからな。

 

「遅れましたです!」

「問題ない、火器管制を頼む」

「了解です!」

「戦闘用意、オールウェポンズフリー!」

「ゴットフリート起動展開!ミサイル装填完了、全イーゲルシュテルン起動展開!」

 

港から出るときには全武装展開済み、火力自慢だぞこの艦は。

 

『シルヴィ、出撃準備完了』

『ソキウス、出撃準備完了』

「よし、カタパルト開放、そちらのタイミングで発艦してくれ」

『了解』

『了解です』

 

二人も準備完了、こっちもいける。

 

「ゴットフリート発射用意、ただし撃つのは要塞砲の後だ」

「了解です」

 

規模はわからんが、生き残らせてもらうぞ。

 

ーーーーーーーーーー

 

シルヴィ SIDE

 

シルヴィの目の前には、いくつもの業火が花開く。

両軍が撃ちだすミサイルや砲弾が、それを作り出している。

その輝きが命を含むものになるのも、まもなくであった。

 

『連合のMS隊はミルテルテイン近海で戦います、メビウス隊は前に出るようです』

「シルヴィ達は?」

『連合MS隊と合わせます、敵が攻め手ですから』

 

ザフトが攻め、連合が守る、ならこちらから無理に攻める理由はない。

 

『敵の初撃は終わりました、ソキウス、出る!』

「シルヴィ、出撃します」

 

ブランリヴァルのカタパルトから、シルヴィはシグーと共に宇宙へと撃ちだされる。

ソキウスのジンも撃ちだされ、隣に並ぶ。

 

「ブランリヴァルから離れすぎないように、支援が受けれなくなります』

「了解」

 

ブランリヴァルの火力は高い、その庇護下の方が戦いやすい。

今もミサイルやゴッドフリートを敵に向け放ている。

 

『敵機複数接近、メビウス隊よりプロトジンの改修型とのことです』

「プロトジン」

『改修型です、油断は禁物ですよ』

 

 

接近して来る敵編隊は、クナのいう通りプロトジンであったが、ランドセルはジンのそれに換装されていた。

見た目よりもジンに近いのだろう、シルヴィはすぐに備える。

 

「まずは、1機!」

 

ブランリヴァルが放ったミサイルの爆発でプロトジン部隊が体勢を崩す。

そのなかで立て直しが遅れた一機を、彼女は見逃さなかった。

無防備な胴体にアサルトライフルの一連射を叩き込む、半数が命中し、その内の数発が装甲を貫き、敵機に致命傷をもたらす。

 

『見事ですよ』

「まだまだです」

 

シルヴィをほめるソキウスだが、彼は敵機をブランリヴァルのゴッドフリートの射線に誘い込み、撃墜する。

彼女からすれば、そちらの方がすごく見えた。

 

『シルヴィ、そっちに新手が行ったぞ!』

「了解、マスター」

 

レーダーを見れば、プロトジンが一機突っ込んでくる。

シールドのガトリングでけん制するが、敵機は回避はすれど、まだ突っ込んでくる。

 

「それでは、甘い」

 

敵機は重斬刀を抜き切りかかるが、シールドはそれをたやすく防ぐ。

この隙を逃さず、アサルトライフルをコクピットに突き当て、引き金を引く。

すぐに巻き込まれないようにシールドで押し出し、爆風とデブリを凌ぐ。

 

「2機目!」

『ジャクソン大破!』

 

シルヴィは戦果を重ねるが、戦況はザフト側がやや有利であった。

全体の数では連合が勝っているとはいえ、MSという存在が戦局をザフト側に傾かせていた。

 

『連合のMS隊も前に出る、誤射に注意』

「見間違え注意、了解」

 

連合のジンも前に出る、戦い方はザフトが個人主体に対して、連合は集団と違いが出ている。

 

「これなら」

 

シルヴィはシグーを加速させて、あえて直線気味に動く。

これを逃さず、数機のプロトジンが追ってくる。

 

「掛かった」

 

銃口を向けてきたプロトジンが、その背後からジンやメビウスの攻撃を受け爆散する。

狙う時は狙われる時、本来なら一緒にいた味方が警戒するのだが、敵はそれを怠っていたらしい。

 

「これなら」

『シルヴィさん、敵艦隊から高速で2機、片方がそっちに!』

 

ソキウスに言われ、警戒する。

小刻みに動きながら敵機を探すが、見つからない。

 

「どこに」

『もらった!』

「!?」

 

突如として鳴り響くアラートの中、無線から響いた声に驚きつつも、シールドを構え攻撃を防ぐ。

周りにいたジンのうち、対応できなかった機体が撃墜されていく。

 

「なぜ!」

 

次いで高速で迫る敵機ををとらえ、それに合わせて回避する。

そこにいたのはジンハイマニューバ、その肩にはANZACと書かれていた。

 

「あの時の」

『よう死にぞこない、新しいお人形でおままごとか?』

 

彼女はこのハイマニューバを知っていた、イベリア半島で戦ったあの機体である。

 

『なら、相手してやるよ!』

 

ハイマニューバは加速すると、再びシグーに急接近する。

彼女もシールドのガトリングでけん制を試みるも、それよりもハイマニューバからの銃撃が早く、牽制をあきらめシールドで防ぐ。

 

「主導権を」

『お前にターンは渡さねぇよ!』

 

ハイマニューバは短時間の加速と転身を繰り返し、シグーに反復攻撃を加え反撃の機会を与えない。

 

「逃げるは、下策」

『根性はあるようだな死にぞこない!』

 

ここで逃げれば立て直せるかもしれないが、相手はそれを狙っている。

直線に逃げられても、ジグザグに逃げても、加速に勝るハイマニューバに捉われ撃墜される。

勝ち筋は相手のガス欠待ちだが、それがいつかはわからない。

 

「今は、耐える」

『耐えさせるわけねぇだろ!』

 

ハイマニューバが接近してくる、彼女もそれに備える。

だがこれまでと違い、銃撃でなく蹴りを叩き込んできた。

吹き飛ばされ視界が揺れる中、彼女もアサルトライフルで反撃するが、狙いが定まっておらず、ハイマニューバには当たらない。

 

『もらった!』

『シルヴィ!』

「マスター!」

 

それは彼女にとって、希望の声だった。

アサルトライフルを構えたハイマニューバ目掛け数発のミサイルが飛来する。

それが直撃しなければ爆風も許容範囲とみた敵機はそれを気にも留めない。

だが、そのミサイルから白い物体が膨らみ始めたら、そうもいかなくなった。

 

『バルーン、子供だましが!』

 

放たれたのはブランリヴァルを模したバルーン、その大きさは相手の視界を奪うには十分すぎる者だった。

いきなり視界を奪われても、相手は言葉とは裏腹に冷静に対処する。

 

『その盾は目立つんだよ!』

 

バルーンの隙間から、シグーが持っていたシールド目掛け発砲する、全弾命中するも、そこに彼女はいなかった。

 

『ちぃ!』

「今!」

 

ミスを悟り、離脱しようとしたハイマニューバに、バルーンを突き破ってシルヴィのシグーが、アーマーシュナイダーで切り掛かる。

アーマーシュナイダーはハイマニューバの左足を切り裂くも切断はかなわず、ハイマニューバもアサルトライフルで反撃するが、シグーの右肩アーマーを吹き飛ばすにとどまった。

 

「浅い」

『小癪な』

 

シルヴィもアサルトライフルを放つが、ハイマニューバはスラスターを吹かし距離を取る。

状況的には仕切り直しであったが、そこからの再開はなかった。

 

『シルヴィさん!』

「ソキウス様!」

『あの盲目女、抜かれたか』

 

ソキウスのジンの介入で、ハイマニューバは数的不利になる。

だがザフトの艦隊方向から信号弾が放たれると、事情は変わる。

 

『運がいい』

「追撃を」

『いえ、撤退支援の攻撃が来ます』

 

連合の側面攻撃が、何らかの成果を上げたのだろう、ザフト艦隊がMS隊を呼び戻す。

だが無防備で下がらさせることはない、すぐにミサイルや艦砲が飛んでくる。

シルヴィはシールドを回収すると、ソキウスとともにブランリヴァルへ撤退した。

 

ーーーーーーーーーー

 

敵がエースを突っ込んでくるとはな、しかも二人も。

 

「ハイマニューバとジンアサルト、撤退していきますです」

「二人は?」

「着艦しましたです」

「そうか」

 

シルヴィの援護、もう少し早くすればよかった、現実として敵機と近すぎて援護できなかったが、それは言い訳だな。

 

「しかし、ソキウスが相手にしたジンアサルト、眼鏡をかけたウサギが描かれていたってことは」

 

ソキウスが相手したのは間違いなくあの女だよな、アストレイに出てきたあの。

そうなるとハイマニューバの方のパイロットは、そいつと匹敵するってことだよな。

 

「見えているのは一側面のごくわずかか」

「どうかしましたか?」

「いや、なんでもない」

 

前世の記憶も、所詮はその程度ってことだよな。

無名のエースなんてゴロゴロいる、わかりやすいのばかりじゃないか。

 

「シコルスキー大佐より通信、音声のみです」

「つないでくれ」

 

音声だけとは、あちらは忙しいのか?

 

『シコルスキーだ、聞こえているか?』

「こちらブランリヴァル、聞こえています」

『前進して圧力をかけろ、契約は終了間近だが、代金分の働きを求む』

「了解しました」

 

代金分のね、そういわれたら拒否できんな。

 

「主砲とミサイルを撃ちながら前進する、王手をかけるぞ」

「了解です」

 

まぁ、これでザフトも撤退だろうな。

いくらMSの優位があっても、2方向から攻撃されるんだ。

それを凌いでも、ミスティルテイン攻略が控えてる、撤退を決断するには、十分だろ。

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