拾ったコーディネーターと生きる転生C.E.   作:yatagesi

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22.1

修理と強化が完了したブランリヴァル、すぐさまお仕事再開とはいかなかった。

理由の一つは、新入り達がまだ慣れてないこと。

 

「シャン主任、ブランリヴァルには慣れましたか?」

「最新設備のおかげで、仕事はやりやすくなったアル」

「それは良かった」

 

ご令嬢が派遣してくださった整備士グループ、そのリーダーを務めるシャン主任ことシャン・チンリン。

黒髪ショートで中華系のお嬢さん、整備士なんて男社会の女性だからきついところはあるが。

 

「作業用にMSが使えれば文句ないネ」

「艦内ならいらんだろ」

「回収するときとかに必要アル」

 

それ位持ち込んでくれとは思うが、今も不足してるからなMS。

 

「マスター、予備機もないのですが」

「シルヴィ、わかってるが」

「少女侍らせて言われても説得力無いアル」

 

シャン主任が来てから、シルヴィのボディランゲージが増えたんだよな。

少しだけ嫉妬してるだけだから、可愛いですむが。

 

「シルヴィさん、整備士との対立は避けねばなりません」

「ソキウスの言う通りだぞ」

「そっちも女に抱き着かれてじゃ形無しネ」

 

クナとソキウス、何かと一緒にいるからな、乙女心はどちらも一緒か。

 

「まぁ、長い付き合いになるんだ、月のエンデュミオンへ進路を取る」

「ありがとアル」

「むー」

「シグーの整備もしてもらうんだから、むくれない」

 

艦外整備の事考えたら、ミストラル以外にも作業用にMSあった方がいいしな。

宇宙ならいらんだろうけど、地上だと間違いなく。

 

「それじゃ、部下たちに伝えてくるアル」

「よろしくな」

「…良かったのですか、マスター」

「まぁ、腕前を見るにはいい機会だからな」

「そうなのですか?」

「エンデュミオン近辺は戦場後です、すでに荒らされた後ですよ」

 

ソキウスの言う通り、あそこら辺は連合やジャンク屋が漁った後だからな。

 

「連合軍のパトロールはありますが、ブランリヴァルが近くにいれば」

「手を出しては来ないだろうな」

 

まぁ、連合軍だけじゃない可能性はあるがな、海賊とかジャンク屋崩れとか。

 

「まぁ、手を出してくるバカがいる前提で動くか」

「その方がいいでしょうね」

「なら、マスターはブランリヴァルで待機を」

 

ソキウスいるから、出るつもりはないけどさ。

シルヴィの精神を考え、おとなしく待機するか。

 

――――――――――

 

シルヴィSIDE

 

整備士グループが乗り込んだことで、ブランリヴァルにも活気が出てきた。

得に格納庫は彼らの領域となっている、整備士であるのだから当然である。

そんな活気と怒声あふれる格納庫にて、シルヴィはシグーのコクピットでOSの調整をしていた。

 

「反応速度をコンマ-1、それに合わせてスラスターの設定も」

「何してるアルカ?」

「シャン様」

 

コクピットに来たのは整備士グループのリーダーシャン、手には新聞を持っていた。

 

「OSの調整です」

「機体とあってないアルカ?」

「オーバーホールしましたので」

 

シグーはブランリヴァルの修理に合わせてオーバーホールしたのだが、それに合わせてOSの調整となった。

 

「調整でごまかしていたのを、戻しています」

「バックアップとっとけヨ」

「質が変わるので、こうしてます」

 

元々裏取引で手に入れた物を独自の部品でくみ上げたこのシグー、整備で新品に交換するたびにOSを調整する必要があった。

ジンではそんな手間はないのだが、少数派故ともいえる。

 

「ちょっと見せるアルネ」

「シャン様?」

 

シャンはコクピットに入ると、シグーのOSをチェックする。

その動きは手馴れているのか、結構早かった。

 

「あー、部品ごとにリミッター駆けて平均化させた方がよさそうアル」

「ですが、反応は素早く」

「なら、これをこうしてイジイジして」

 

シャンは手帳を取り出し、セッティング案をメモって行く。

 

「よし、弄ってくるから新聞でも読んで待っとくヨロシ」

「…了解」

 

彼女から渡された新聞をシルヴィは読み始める、一面にはマイスター社のエースメレディス・スーの活躍が乗っていた。

 

「シルヴィも、いつかは」

 

エースにあこがれる、いつかはエースに、そんな多くのパイロットと同じ感情を宿すシルヴィ。

 

「その男、ある意味整備泣かせヨ」

 

そんな彼女の元に、再びシャンが顔を出す。

 

「シャン様、意味が解りません」

「そいつ一度の出撃でスラスターすぐダメにするから、調達が大変だったアル」

「整備、してたんですか?」

「短期間だけアルガ」

 

いろいろ聞きたかったが、シャンが嫌そうな顔をしてるので、シルヴィはそれ以上聞くのはやめた。

 

「シャン様、機体の方は」

「スラスターの質のばらつきを減らして、こっちのOSを合わせてあげれば行けるネ」

「使いやすくなる?」

「なるヨ、交換するときも近い質のものに交換すればOSの調節も楽できるネ」

 

使いやすくなる、その言葉にシルヴィも期待する。

 

「すぐ、できますか?」

「月につくまでには終わらせるネ、ジンの整備も終わってるからすぐ取り掛かるアル」

「シルヴィは離れた方が」

「いや、動かしてもらわないといけないから、いてほしいネ」

「了解」

 

シャンは整備士たちを呼び寄せ、すぐさま作業に取り掛かる。

シルヴィは彼女彼等と共に、機体の本格的調整を始めた。

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