拾ったコーディネーターと生きる転生C.E. 作:yatagesi
戦争がはじまり、多くの兵器が消費され宇宙はゴミだらけ、それに加え何もかもが戦争優先で民間に回される資源も減っている。
この二つの問題を解決するべく設立したのがジャンク屋組合、宇宙で活動していた廃品回収業者や修理業者、修理業者に解体業者などの自営業者達をまとめた国際組織、いろいろ優遇があるがそうしないと回収された資源が回らない。
ただ中身的には商業組合とかに近いので完全な統制なんて不可能な必要悪的側面もある組織、いろいろ問題も起こしてるけど組合がないと誰がこの広い宇宙でジャンクを回収し、リサイクルし、資源に戻して市場に流すんだとなる。
そんなジャンク屋組合が後に定番ルートと数える場所、L4の廃棄コロニー群、今はまだ健在だが月のエンデュミオンクレーター、そして今も存在しているL1宙域のデブリ海である。
「程度のいい船はもう持ってかれているが、そこそこ広いな」
『マスター、大型艦を』
「まぁまて、ザフトの船があれば一番なんだが」
俺はホワイトアーク級で、シルヴィはレンタル品のプロトジンでここへやってきた。
いろんなデブリが漂っていて、うかつに入り込めばデブリの仲間入り確定である。
それにこんな場所は海賊も根城にできる、危険な場所なのは間違いない。
『少しいいかしら?』
「すまないパープルナイツ、すぐに仕事にかかる」
『わたくし達の為にも、しっかり働きなさい』
「わかっておりますお嬢様」
護衛で雇ったのはメビウスを使う傭兵団『パープルナイツ』、実力は並み程度だが実家がそこそこ太いらしいお嬢様が率いてるので、母艦はアガメムノン級で数も多い。
海賊相手に数で圧倒できるならまぁ負けることはない、雇った分もあるからできればいい船を持って帰りたいが、こいつで曳航できるのは1隻程度、ある程度固めてもう一度駆けつける必要がある。
「数集めるぞ、シルヴィ、捜索頼めるか」
『了解、マスター』
「よし!」
デブリの中をプロトジンが飛んでいく、こちらも通信ができるよう離れすぎないようにする。
パープルナイツもメビウスを飛ばしてくれているが、限界はあるしな。
『マスター、ジンが漂ってます』
「集めたら1機にはなるだろうから積極的に集めてくれ」
『売るんですか?』
「…あとで考える」
やる気を出してるシルヴィに冷や水を浴びせることはできない、目的外ではあるが好きに拾わせよう。
なんでMSにこだわるのかはわからないが、船がないと始まら無いからな。
『マスター、これは』
「機関部も艦橋が破壊されてて格納庫のないローラシア級…修理できそうにないな」
『そう』
「まぁこんなもんばっかりだよここは」
つかえそうなのはもうジャンク屋が持って行ったあと、だから修理に手間がかかるようなものばかり。
まぁ手がかかるがどこまでにもよるが。
「もう少し探そう」
『了解です』
残骸あふれるデブリ海、追いかけるメビウスも大変だな、こっちもいくつか拾わないとな。
この船にもマジックアームがあってよかった、ジンのもげた四肢は需要あるからな。
『マスター、こちらを』
「今見る…これは」
アガメムノン級、艦首は破壊されていて武装はすべて吹き飛んでる、艦橋にはジンが突っ込んで大破したのかジンの下半身が刺さってる、左側リニアカタパルトは全損。
その一方で機関部は無事、これなら修理して運用できるかもしれない。
「よくやった、すぐに曳航する」
『マスター』
「あぁ、よくやったぞ、シルヴィ」
『はい、マスター』
帰ったら頭撫でてあげて、いい飯食べさせてあげないとな。
すぐに船を飛ばして確認する、ジンの部品もそこそこ回収してるし、これを直して母艦にするのも悪くなさそうだな。
『曳航準備が終わり次第連絡なさい』
「了解した、シルヴィ、ワイヤーを」
『了解です』
曳航用のワイヤーを取り付け、曳航準備も終わらせる、やはりMSがいると便利だな。
しかしここまで来たら余裕もできたし、少し聞いてみるか。
「なぁシルヴィ、どうしてMSにこだわるんだ」
『マスター、、如何されました?』
「いや、MS使える母艦買い替え進めたり、MS欲しがったり」
『マスターを守るためです』
「俺の為?」
俺の為、俺を守るため…まぁこの前の初陣が影響か。
『強い敵が出たとき、今のシルヴィはマスターを守れません』
「それでMSか」
『はい、それに強いMS乗りは増えていきます』
「この前のメレディスみたいなのか」
メレディス・スーはこの前助けられたが、あいつは順調に撃墜数を伸ばしていて、今やマイスターのトップエース、今は味方だが今後どうなるかはわからない。
「焦る必要はない」
『ですが』
「エースは場数だ、生き延びていけばエースになるんだ」
『マスター』
『お話中申し訳ありませんが、お呼びでないお客様が近づいてますわ』
「!」
おいおい、ここまで来てかよ、とにかく曳航は続行するが相手次第だな。
「パープルナイツ、そのお客様はどちら様で?」
『ザフトですわ、ローラシア級1にドレイク級2の団体様ですわ』
「ドレイク級?」
『南アメリカ合衆国か大洋州連合の義勇兵部隊かもしれませんわね』
「納得」
ザフトに味方しなくていいから中立でいてくれで中立宣言したら大西洋連邦に軍事侵略された南アメリカ合衆国、それを見てザフトに土地まで渡して事実上の同盟状態の大洋州連合、どちらも義勇兵出すようなことはしそうだな。
「シルヴィ、撤退の用意を」
『マスター、武装は』
「あるわけないだろ、だから傭兵雇ってんだよ」
『重斬刀、拾ってますよね』
「援護できない!」
シルヴィは戦う気だけど、イエロー・ポニーは非武装、拾って使えそうなのは重斬刀くらい。
戦えば確実にこちらが負ける、傭兵いてもMSの数で負けてるんだぞこっちは。
『離脱すれば間に合いますわ』
「そうするつもりだ、相手もゴミ拾いが目的か?」
『マスター、突っ込んでいたジンの下半身にライフルが』
「シルヴィは船から離れるな!」
相手の数は不明、このデブリ海なら気づかれずにも逃げられる、後は見つからなければ。
『進行方向にジン長距離強行偵察複座型!』
「ちぃ!これじゃ戦闘は避けれないぞ!」
相手が臨検だけならまだいいが、進路ふさいでる当たりやる気だよな。
そうなると、腹くくるか?
「シルヴィ、船を爆破する用意を」
『マスター!』
「生き残る方が優先だ、パープルナイツまで巻き込み全滅は避けないとな」
『そうですわ』
何が目的かは知らないが、それ位はしないとな。
『なに早まってるんですか貴方達は』
「ソキウス!?」
『援軍ですの?』
『ソキウス様?』
ソキウスの声が急に、てかあいつは今休暇中だろ何しに来たんだよ!
「偵察型のジンはお前のか?」
『僕だってコーディネーターですよ、離脱急いでください、ザフトはもうMS隊を出しています』
「わかった、お前はどうする?」
『相手が撃つならパープルナイツと迎え撃ちます』
『シルヴィも』
『あなたは船の護衛を』
「ソキウスも言ってるんだ、直掩を!」
『…了解』
援軍でソキウスが来てくれたが、一人でどうするつもりなんだ?
いや戦う気がないなら何とかなるか、しかしどうするつもりなんだほんとに。
「ソキウス、動きは」
『こっちのMSが2機もいるのは相手も気づいてます、おそらくは攻めてくるのは中止でしょう』
『わたくしもそれを望みますわ』
「そうだといいんだが」
相手も冷静だったらいいんだが、こちらは順調にデブリ海から出れそうだが。
『少しおもちゃを持ってきましたので』
「おもちゃ」
『ちょっとした風船ですよ、ジンの形のですが』
「ダミーバルーンか!」
『正解です』
MSサイズのダミーバルーン、宇宙世紀の後半には有名な技術、一瞬の隙が命取りの宇宙世紀では厄介な風船。
ばらまかれた風船に、ザフトは引っかかってるみたいだな。
『安全圏ですわ、危ないところでしたわ』
「たすかった、金は約束通り振り込む」
『当然ですわ、で、そこのソキウス殿にはどうしますの?』
『僕は別のお話が』
ソキウスが戻ってきて、こっちに着艦する、シルヴィも着艦してるから、一緒に艦橋に入ってくる。
「おかえりシルヴィ、ありがとうソキウス」
「戻りましたマスター」
「…」
シルヴィをなでつつ無言のソキウスを見るが…あれ?怒ってる?
「えーと、ソキウスさん?」
「いえ、僕はお二人が面白そうなことをしていたので、様子を見に来ただけですよ?」
「いや、ソキウスは派遣されてきてるわけで」
「それでもですよ」
「ソキウス様?」
「少しは声を掛けたりとかはあっても良かったんじゃないですか?」
「いや、個人のプライベートはあってですね」
「私は貴方達のお目付け役でもあるんですよ?」
「いや、その」
「少し、次の仕事も含めてお話ししましょう」
「…はい」
ソキウスは怒ってるな、そんなに誘ってほしいのか?いやお目付け役だからか?それとも傭兵雇ってこの動きしたからか?
とにかく、ソキウスからお説教されることだけは確実だな、こりゃ。
一般公開しても
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いいんじゃない?
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チラシの裏がテメェの居場所だ