拾ったコーディネーターと生きる転生C.E.   作:yatagesi

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誤字脱字報告、いつもありがとうございます。


25.1

この世界、記憶にあるSEEDの世界と酷似している。

当然ながら、知っている人物も会う確率も低いとはいえ存在している。

あちらもこちらも数十億の一人なんだから、当然である。

 

「マスター、ステーションまでどのくらいで着きますか?」

「あと半日って所だな」

 

月やL3まで行ったけど、ずっと艦内生活だったからな、外に出たいよな。

 

「マスター、早く着けませんか?」

「ドックの空き待ちもあるんだ、早く着いても艦内で待つだけだぞ」

 

こっちの都合だけじゃないからな、利用時間の超過だったりとあり得るわけだし、急ぐ状況でもない。

 

「・・・もしかして、メビウスの訓練から逃げたいのか?」

「・・・」

「図星か」

「MSがあるので、シルヴィには不要です」

 

まぁMS乗れるからそう思うのかもしれないけど、いつでもMSとはいかないし。

 

「何で使うか解らないぞ、連絡機とかで使うかもしれないしな」

「うぅ・・・」

 

移動とかだとMSじゃなくてもいいし、メビウスで事足りるならそっちが安上がりの時もあるしな。

 

「嫌ならシャン主任達の手伝いを」

「もう終わっていました」

「ならあきらめろ」

 

この前使ったメビウスの処分ついでに、あちこちで拾ったジャンク品から自分達だと使えなさそうなのをジャンク屋に売り払う予定だからな。

作業用のジンもくみ上げてたし、今も何か作ってるみたいだし、手伝うことあると思ったんだが。

 

「訓練しないと、CICのところにシミュレーター置くぞ」

「…メビウスの訓練に行きます、マスター」

「がんばれよ」

 

流石に定位置近くに置かれるのは嫌か、まぁ基礎動作ができるんだし手足のように扱うのだって時間の問題だろ。

 

「さて、航路の確認を…ん?」

「マスター?」

 

今、進路で何か光ったか?

 

「何かありましたか?」

「進路上でなにか光ったように見えてな、ベクトル解析」

 

気のせいだといいんだが。

 

「光は物体で、加速してるってことはスラスター」

「待ち伏せでしょうか?」

「これだけじゃわからん」

 

進路上に何かいるが、それしかわからんじゃ対応もできん。

やれることをやるしかないってことだ。

 

「シャン主任、進路上に何かいる、シグーを出したい」

『了解アル、すぐに準備するからシルヴィをこっちによこすヨロシ』

「頼む」

「信号受信…救難信号、マスター!」

「シャン主任、大至急だ!」

『わっ、わかったアル!』

 

別の船が襲われたか、受けた以上は確認しないとな。

 

「シルヴィ、まずは相手の確認をしてからだ、いいな?」

「了解です、マスター」

 

敵か味方か、その前にどっちが悪いかわからんからな、最終判断はその後だ。

 

ーーーーーーーーーー

 

シルヴィSIDE

 

緊急発進したシグー、そのコクピットでシルヴィは現状把握を行う。

 

『救難信号はジャンク屋組合のもの、仕事相手かもしれなくなった』

「襲ってる側については?」

『MSサイズで最低でも4つ、反撃のみ許可だ』

「了解、マスター」

 

理由が不明の為、先制攻撃はできない。

盾を構えながら、接近する。

 

「目標捕捉、ジャンク屋組合のマルセイユ三世、周りにはジンタイプが6機」

『エアロシェル被せてるのか、ソキウスもすぐに向かわせる』

 

各所にアームが取り付けられたマルセイユ三世級輸送船が、ディンのエアロシェルを被せた覆面ジンに襲われている。

シルヴィからはそう見えるが、そのまま行動はできない。

非がある方に味方した場合、追われる立場になりかねない。

 

『そこのMS、何が目的だ』

「こちらは、PMSCマイスター社所属」

 

覆面ジンの1機から誰何を飛ばされ、シルヴィは所属を答えるが、言い終える前に相手が動く。

 

『女か、運がいい!』

「ジン発砲、交戦開始!」

『ソキウスがもうすぐ着く、捕捉しているジンを敵登録!』

 

覆面ジンはショットガンを構えると発砲、シルヴィもすぐに反応してシールドで防ぎ、敵機に迫る。

 

『抵抗するならころ』

「うるさい」

 

彼女のシグーはシールドを覆面ジンに投げつける、相手もこの位は余裕で回避するが、視線が切れた隙に接近を許してしまう。

敵パイロットが断末魔を上げる前に、左手に持っていたアーマーシュナイダーをコクピットに突き刺す。

 

「撃墜」

『遅れてすみません』

「ソキウス様」

 

ナイフを引き抜き、シールドを回収したところで、ソキウスのジンが到着する。

だが、相手も仲間がやられたことに気が付き、迎撃に動く。

 

『ここは僕が相手します、シルヴィさんは船へ』

「了解、お気をつけて」

 

シルヴィはジャンク屋の船へ向かい、敵もそれに反応する。

ソキウスは左手のアサルトライフルで牽制すると、回避した先にいる敵機に右手のバルルス改を直撃させる。

これで敵の注意は彼に行き、シルヴィは追われることなく船へと向かえる。

 

「間に合った」

 

ジャンク屋の船は2機の覆面ジンに追われていたが、大きな損傷は見られない。

彼女は追っている1機に狙いを定め、アサルトライフルの引き金を引く。

放たれた銃弾はジンのランドセル、右スラスターを吹き飛ばし、敵機はきりもみしながらどこかへ飛んでいく。

 

『救援か?』

「こちらはPMSCマイスター社イエローポニー、救難信号を受信」

 

船との通信もそこそこに、彼女は残った覆面ジンとの交戦に入る。

ステップを踏むように左右に動き、攻撃を回避する。

 

『人狩の邪魔をするな!』

「海賊が」

『俺たちは傭兵だ!』

「してること大差ない!」

 

覆面ジンは散弾銃を捨て重斬刀を抜き、斬りかかってくる。

シルヴィはシールドでそれを受ける、その時だった。

 

『もらったぁぁぁ!』

「後ろ!?」

 

後方から、先ほど飛んでいったもう1機の覆面ジンが、重斬刀を振り落とそうとしていた。

対処しようにも、目の前の相手に大型シールドを押さえられ、右手のライフルも向けれない。

打つ手がなく一撃貰う、そう思い覚悟したその時であった。

 

『あがぁ!?』

『命中!』

 

背後にいた覆面ジンに、高速のデブリが衝突する、ジャンク屋の船がアームで投げつけたそれが直撃したのだ。

 

『バカな!』

「隙あり」

 

喜劇のような仲間の悲劇に固まった敵機に、容赦なくアーマーシュナイザーを手にするとエアロシェルのこめかみあたりに突き立てる。

 

「降伏するか、死ぬか」

『クソッたれ!』

 

動かなくなった機体、敵パイロットは悪態をつきつつも、ジンの動力を停止させた。

 

ーーーーーーーーーー

 

『敵、制圧完了』

『こちらも撃退、1機撃墜しました』

「了解した、最初に仕留めたやつの回収は整備班がする」

『了解、マスター』

『了解』

 

救援できたが、人狩っていや鉄血じゃあるまいし。

コーディネイターの捨て子がその手の組織なんかが集めて育ててるくらいだし、人狩りなんてねぇ。

 

「ジャンク屋の船より通信です」

「つないでくれ」

 

まぁ、何はともあれジンの分で黒字だな、捕虜もとれたし。

 

『ありがとな、あんた等のおかげで助かった』

「…あ、いや、奴らはこちらにも手を出してきたからな」

 

嘘だろ、ここで、この男に。

 

「近隣にステーションがある、何かの縁だ、そこまで同行する」

『いいのか?あんた等にも仕事があるんだろ?』

「こちらの目的地なんだ、申し遅れた、マイスター社所属、イエローポニーのリーダー、アラン・スミシーだ」

『俺はロウ・ギュール、見ての通りジャンク屋だ』

 

ロウ・ギュールに、会えてしまうなんて。

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