「う、、う、ん、、ここは?」
目が覚めるとそこは住宅街の人通りの少ない裏道で目が覚めた
「は?、、、どこ?」
思わず声が漏れる
仄暗い道路に、街灯はなく夜であるためハッキリとは視えないが左右に建築物のようなものがあることはわかった
そもそもどうしてこんなところで寝ていたのか
思い出そうとしてズキリと頭痛が奔る
思わず頭を抑えながら必死に記憶を辿ろうとするが、この場どころか自分の名前以外、自分がどこの誰なのかすら何もわからない
何か手かがりでもないかと身に着けていた服、ズボンのポケットを漁るが何もない
というか金すら持っていない
(困った、、、)
このままでは自分する前に空腹で死んでしまうかもしれない
周りを見渡しながらどうしようかと悩んでいた
「キャーーー!!」
「!!」
不意に女性の悲鳴が響く
考えるより身体が先に動いた、暴漢か、と考え視界に映る落ちていたビニール傘を拾い、悲鳴の元へ向かう
細い裏路地を全力でかける、意識が覚醒し暗いなか視界が明瞭になる
単純な正義感もあるが人に会えればここがどこなのか分かる、そういう期待もあった
だからこそ全力で走る
(どこだ?)
「ーーーー!!!」
怒鳴り声が次第に大きくなり、闇に慣れた頃に視界の先に明かりが見え人間の影が浮き上がっていた
「てめぇの!てめぇのせいで!俺は!!」
何を言っているのか分かる距離まで近づけ、声の主だとわかった
勢いのまま駆け抜けとうとうその現場を目撃する
暴漢であろう怒鳴り声を上げていた小太りのサラリーマンのような男と深い紫髪の被害者と思われるワンピース姿の女性が見えた
怒りの声を発していた男はよく見ると服がボロボロで髪も乱れていた
女性のほうは目立った外傷のようなものはなくなんとか間に合ったと安堵した
「やめろ!!」
「あ??」
咄嗟に女性の前に立ち塞がり持っていた傘を向ける
男はこちらにドスの効いた声を向け、睨みつけてくる
最初はただのいざこざだと思った
だが正面に立ち気付いた、最初は怒りで目が充血しているのかと思ったがそうではない目が黒く染まりその中央のレンズが紅くこちらを見据えていた
明らかに普通の人間ではない
ハァハァと息を荒げながら男は停まった
「あ?なんだよ?人間かよ?安っぽい正義心で出てきちまったのか??」
「ムカツクわ!どいつもこいつも、俺を!コケにしやがって!!!」
男は怒りは上がり唾を飛ばしながらなおも罵倒を続ける
人間という表現に違和感を覚えながらも
どうやって宥めようかそう思案していた最中、男に変化が現れた
「な、、、」
男の肉体が怒張すると同時に男の腰から赤い揺らめく何かが現れる
尻尾のようなそれでいて舌のように赤く粘液のようなものが街灯に照らされ爛々と輝く
それは明らかに人間にある機関ではない
(尻尾?)
そう思った瞬間、凄まじい速度でそれが向かってきて赤が視界を埋め尽くす
「危ない!!!」
咄嗟に女性抱え身を捩る、風邪と何かが横切る感触に冷汗をかく
遅れて硬いもの同士がぶつかりあったかのような金属音が響く
「マジかよ」
確認しようと視線を向け思わず目を見開く
先ほどまで自身が居た場所から少し先の車のバンパーが凹み、ガラスが割れスクラップになっていた
見た目に反しての強力な一撃
呆然としていた、そのせいで反応が遅れた
上空より迫った赤い尾から咄嗟に女性を突き飛ばすしかできなかった
衝撃が全身を襲う
重い、重量物のようなものが体を押し潰す感覚、肉体が軋み、体を突き抜けた衝撃が背後の地面を割り、体を押し出す
「ガハッ、、、」
肋骨が折れ、息が出来ない、視界を赤が埋め尽くし、自身を潰そうと尚力が強まる
持っていた傘を咄嗟に盾にしたが何の役にも立たない
グシャリと音をたて傘だった面影はない
「が、、、ぁ」
死ぬ、、、視界が霞み、女性と男の声がフィルター越しに聞こえる
なおも強まる万力に身体中が悲鳴を上げた
「馬鹿な人間だ、こんな野郎を庇って死ぬなんてな」
そんななか嘲るような男の声が聞こえた
「……」
どれくらいたったのか数分の出来事が数時間にも感じられるほどの感覚のなか、痛みさえも薄れてきた
混濁する意識の中、思った、
(腹、、、減ったな)
そう思い意識は落ちた
〜
「馬鹿な人間だ、こんな野郎を庇って死ぬなんてな」
「……」
女性は何も言わない、口角が上がり、舌舐め釣りをする
「あぁ、残念、彼のことは私が食べてあげたかったのに!!」
瞳が赤く染まり先程のひ弱な女性とは変わって嗤い、その本性を顕にする
「てめぇは食いすぎなんだよ!」
「そのせいでうちの地区のコミュニティがいくつも壊滅した、リゼぇ!!この落とし前どうつける気だ!!?」
「あら?そんなの知らないわ?私はお腹が空いたから食べただけ?貴方達の仲良し小好しは私には関係ないわ?」
「そうかよ、なら、死ね!」
ギィィィイン、金そう男が言った瞬間に金切り音と共に青年を押し潰していた筈の尾赫が両断された
「な、、」
青年が立ち上がり理性を感じられない朱くギラついた瞳をこちらに向ける
「腹減った」
「お前、喰r」
ボソッと殺した筈の青年が呟いた
いい終える前に男の肉体の感覚がなくなり視界が宙を飛んだ
青年はその場を動いていなかった
だが巡るめく視界から何かをされたのかは理解できた
だが声がでない、体も動かない、動くのはその眼球だけだ
思考を巡らせるが状況はあまりにもその男の常識てあ離れていたため思考が纏まらない
ただ青年を見つめゆっくりと時間が過ぎる
その体に何があったのか男は理解出来なかった、それを知ったのはボトリと幾重にも聞いた馴染のある音と頭が何かに叩きつけられた衝撃を感じた瞬間、絶命とともに理解した