邪竜系美少女アドラーのヴィラン活動 作:AFOの手下
「おら、さっさと財布出せ」
「は、はい・・・」
いや〜、いつもと違うショボい犯罪も楽しいもんだね。
古典的なカツアゲなんて100年ぶりくらいかな?
「ちっ、これだけしか持ってねえのかよ」
なんだい500円しか持ってないサラリーマンって。
お小遣いが少ないんだね・・・。
まだ今月は半分残ってる・・・ファイトー!
「とっとと消えろ!」
「うわっ!」
サラリーマンを蹴っ飛ばし、次の獲物を探す。
今、僕はチンピラの格好をして路地裏でカツアゲをしている。
カツアゲだけで100万円稼ぐチャレンジはなかなかきつい。
当然、これは僕の仮の姿で、本来の姿はこんな人相の悪いおっさんじゃない。
「・・・おい、そこのお前」
突然後ろから声をかけられる。
気配がしなかった・・・転移系の個性かな。
「あ?」
振り向くと、そこには手を体にいっぱいくっつけた奴が。
なんか黒いやつもいる。
見るからに
「・・・なんの用だ?つか誰だよお前ら」
「このクソみたいな社会を、ぶっ壊したくないか?」
おお、これは確実に
怪しい宗教の勧誘とかだったらどうしようかと思ったよ・・・いや、ここから「万国の労働者よ団結せよ!」とか言い始める可能性もあるけどさ。
「あー・・・。なにする気だ?目標設定は大事だぜ?」
僕が本気を出せば、社会どころか文明まで破壊できるというのはさておき。
「雄英を襲撃する。一緒に来い」
ほう、雄英を襲撃ときたか。
「勝算はあんのかよ?」
「もちろん」
ふむふむ、自信たっぷりの凶悪な笑み。
「・・・なるほど。いいぜ、やってやろうじゃねえか」
なかなか楽しめそうだね・・・。
変化を解くのは襲撃の最中にしよう。
どうせなら、プロヒーローがやってきてからだ。
「で、お前らって何者なの?」
2人だけで雄英襲撃を計画するとは思えない。
僕やあいつみたいなのならそもそも1人で実行するし、僕を誘ってるのはちょっとした戦闘要員だろうしね。
今も活動してる組織って、なにかあったかな・・・。
「俺達は・・・」
知らない組織だけど、ネーミングセンス満点だからヨシ!
と、言うわけで雄英襲撃。
僕の持ち場は山岳ゾーン・・・まあ面白そうな方に勝手に行くけどね。
「おっ、いたな・・・」
「よっしゃー、行くぞ!」
周りのチンピラ共が突っ込んでいく。
ヒーローの卵とやらがどれほどのものか、見せてもらおうかな。
「ぎゃああああっ!」
あ、やられた。
弱すぎでしょ・・・。
これじゃあ相手の実力を測れないじゃん!
しょうがない、僕がやるか。
「くそっ、一人残った!」
金髪のがこっちに来てるね。
よーし、僕のパワーをちょっと見せてやろうかな!
「おらよっ!」
地面に全力パンチ!
「うおっ!?」
うーん、地面がちょっと吹き飛んだだけ・・・。
思ってたより硬いねここ。
「そら、行くぞ!」
体勢を崩した金髪に、砕けた岩の欠片をぽーい!
「ぐあっ!」
うーん、腕に掠ったくらいかな。
それでも骨は逝ったぽいからヨシ!
直撃してたらミンチ肉が生産されるんだけど、いかんせん僕はコントロールが悪くてね・・・。
「もういっちょ!」
地面をもう一度殴ると、エリア全体が崩落を始める。
もうここはいいでしょ。
残りの女2人は近接戦できなさそうだし、崩落に巻き込まれて死ねばラッキー。
ここから逃げても、金髪は戦闘に参加できないでしょ。
「あばよ〜っと!」
大ジャーンプ・・・そして普通に飛行。
僕の個性、増強系じゃないのかって?
全然違うよ!
僕の個性は『邪竜』。
龍とか竜とかドラゴンっぽいことはなんでもできるよ。
竜って神話とか昔話によく出てくるでしょ?悪役として。
ただ暴れまわるやつもいれば、人に化けたりするやつもいる。
その力の全てが僕のもの。
空も飛べちゃうし、首を切っても再生する。
最強だね、まじで。
「もう大丈夫。私が来た!」
なんで扉ふっ飛ばすんだ・・・高いでしょあれ。
上空から覗いてたけど、ようやくオールマイトが来たようだね。
あいつ筋肉やばすぎでしょ、どうなってるんだいあれ?
「よーし、俺も行くか・・・。おーらよっ!」
上空から勢いよく着地!
その場の全員から注目が集まっている!
「・・・お前、持ち場違うだろ」
「ああ、あっちはぶっ壊して来たから」
そう言って、土煙を上げて崩れる山岳ゾーンを指差す。
「・・・まじか」
「んじゃ、行ってみようか!平和の象徴!」
たしかオールマイト・・・当代のOFA継承者は、純粋にフィジカルで戦うんだったかな?
じゃあ僕も殴り合いしてあげようかな!
おら、スーパーキックを食らえ!
「うらぁ!」
「CAROLINA SMASH!」
オールマイトのチョップと僕の蹴りが激突し、衝撃波が発生する。
「さすがNo1ヒーロー!やるねえ!」
連続で蹴りを繰り出し、オールマイトはパンチでそれに応える。
うーん、まあ強いが殺れなくもなさそうだね。
「嘘だろ、あいつオールマイトとまともにやり合ってるぞ!」
まあ僕はこれでも本調子ではないんだけどね!
変化してる状態だと、5分の2くらいのパワーしか出せなくなっちゃうんだ。
その辺のヒーローを殺すにはこれで十分なんだけどさ。
「おらおらおらぁっ!」
「ぬおおおおっ!」
さすがに足が痛くなってきたね。
手のやつの横に、なんか脳みそむき出しのマッチョがいるし、あれになすりつけようかな。
「よっと!」
地面を蹴って飛び退き、手のやつの近くに着地する。
「ふ〜、疲れた・・・。横のやつが、あんたの言ってた『勝算』か?」
「・・・そうだ」
やっぱりか〜。
筋肉には筋肉を!脳筋!
もっとこう・・・あるでしょ!
毒とか!見たら死ぬとか!
なんで殴り合いしに行くんだよ!アホ!
・・・まあ僕も殴り合いしに行ったけどさ。
「ところでお前、何者だよ」
ふっふっふ、異常に強いチンピラの正体が気になるようだね。
今こそ正体を明かす時!
実に3年ぶりの一般公開!とくと見よ!
「教えてあげよう。僕はスーパー美少女
変化を解き、僕の真の姿が露わになる。
ねじれた一対の角!
鱗に覆われた尻尾!
そして翼を持つ美少女!
「ア・ドライグ・ゴッホさ!アドラーって呼んでくれ!」
「「「・・・」」」
「なんかリアクションしてくれよ!」
オールマイトはともかく、なんで手のやつもワープのやつも反応しないんだい!?
僕が可愛いすぎて声も出ないってことかな?
「・・・やれ、脳無」
「おーい!無視するなー!」
ぬぬぬ・・・。
とりあえず、観戦でもしようかな。
マッチョとマッチョがぶつかる度に、ドゴーンとかバゴーンとか鳴ってるね。
「おっ、これは・・・」
脳みそマッチョ・・・脳無の上半身だけワープして、オールマイトにダメージ!
このまま引っ張ってワープホールで切断!
「オールマイト!」
ま、そう上手くはいかないか。
なんか出てきたね・・・生徒だろう。
せっかくいいところなのに、邪魔されちゃ困るなあ。
「そ〜れ、邪魔者は飛んでいけー!」
翼をはためかせ、飛び出してきたやつに暴風を叩きつける。
しかしそれは、突然現れた氷の壁に阻まれた。
「てめぇらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いた」
また僕のことを「てめぇ」とか言うやつか・・・。
初対面の人に対して口が悪すぎないかい?
「平和の象徴はてめぇら如きに殺れねえよ」
「ごとき、だって・・・?」
なんだこの紅白頭。
今日あまりにも僕を舐めてるやつらばっかじゃない?
太平洋より広い心をもつ僕と言えど、堪忍袋の緒がぶち切れるよ?
「・・・殺しちゃおうか!」
翼をはためかせ、一瞬で紅白頭との距離を詰める。
ストレスの元は排除!
「轟君!」
「くっ・・・!」
「遅い!」
防御姿勢を取ろうが僕のパワーの前には無駄だよ!
このまま内臓をぶち撒けてあげよう!
「まずひと・・・ちっ」
僕の拳は、紅白頭・・・ではなく、オールマイトに当たって阻まれた。
「いい加減にしろよこの筋肉ダルマ!」
オールマイトは吹っ飛んだけど、当然のように起き上がった。
耐久ありすぎでしょ、普通死ぬんだけど?
なんでちょっと出血するだけで済んでるんだい?
「いい加減にしろと言いたいのはこちらの方だよ・・・!こいつらは危険すぎる!君達は早く逃げなさい!」
オールマイトに言われ、紅白頭たちが下がっていく。
「脳無、黒霧、あと・・・アドラー。やれ。俺は子供をあしらう」
「言われなくても!」
いきなり短縮して呼んだのはまあ不問にしてあげよう!
「死ね」
全速力の貫手!
相手は死ぬ!
「ぐっ・・・甘い!」
ガシッ!
突き刺した右腕が掴まれる。
「はあっ!?」
左腕に僕の腕が突き刺さってるのに平気で動くな!
ていうか硬すぎ!
半分位しか刺さってないんだけど!
「なら・・・ワープのやつ!僕ごとやっちゃって!」
僕は真っ二つにされても治るけど、オールマイトは違うでしょ?
腕が刺さってる今なら行ける!
「さあ、早くす「むうん!」おわあっ!?」
こいつ、僕の右腕を無理矢理引っ張って抜きやがった!
「この脳筋野郎がぁぁぁあああ!?」
そのまま僕をぶん投げたなこの野郎!
乙女をなんだと思って・・・
ドゴン!
「ぐっ、ふざけ、やがっ、て!」
倒壊したビルをいくつも貫通し、吹き飛ばされる。
8つほど貫通したところでようやく止まった。
「いてて・・・脳筋戦法じゃ駄目そうだね」
前の継承者には、縛りプレイでもいいとこまで行けたんだけどな・・・。
「とりあえず、さっさと戻らなきゃ!」
「ありゃ〜、さすがにこれはダルいね・・・」
戻ってきたら脳無はお星さまになって、ヒーロー共がワラワラ出てきた。
僕が戻って来るまでの30秒でやられてるじゃん、脳無。
「あーあ、来ちゃったな、ゲームオーバーだ」
「うーん。やってやれないこともないけど、めんどくさいね」
オールマイトに仕返しできなかったのは腹立たしいけど、撤退だねこれは。
「帰るぞ、黒霧・・・お前も来い、アドラー」
「まあ待って。最後に一発お見舞いしてから行くよ」
ドラゴンの得意技といえば?
そう、炎だ!
肩のあたりを爪で傷つけると、そこから竜の首が生えてくる。
ヒュドラの力の応用だ。
竜の首は口を大きく開き、炎を撒き散らす。
悲鳴が聞こえる。いい反応だね。
「じゃ、またねオールマイト」
「・・・で。結局お前は何者だ?」
「えっ、美少女敵って名乗ったじゃん?」
僕の名乗りを聞いてなかったの?
「・・・普通の敵はオールマイトと殴り合えませんよ」
「それもそうだね、え〜と・・・」
「黒霧です」
ああそうそう。そんな名前だったね。
『その質問には僕から答えよう、弔』
うおっ、聞き覚えのあるボイス!
『久しぶりだね』
『彼女は、僕の友人さ・・・。黒霧、関東平野大氾濫って知っているかい?』
「ええ。たしか、40年ほど前に起こった大災害でしたね。なんでも、川沿いに住んでいた人々を中心に数十万人の死者が出たとか」
『それを発生させたのは彼女だよ・・・彼女は僕と同年代でね。プロヒーローが束になっても敵わないレベルの力を持っているうえに定期的に大災害を起こすから、僕より犠牲者を出しているだろう。まさしく人類の敵だよ』
「いやいや、ちゃんと防災に取り組んでいれば、災害の方は死ななくて済むからね」
ちゃんと避難すれば助かるようになってるはずだよ、一応天災だし。
高い所に!すぐさま避難!
『・・・20mの津波とか、鉄筋コンクリートの建物を跡形もなく吹き飛ばす嵐から、一体どう避難するんだい?』
「・・・?飛べばいいじゃん。雲の上まで」
『・・・こういうやつだよ、彼女は』
なんかAFOに呆れられた気がする・・・なんでだろう?
「先生と同年代とか、大先輩じゃんか・・・」
「そうさ!大先輩を敬え!」
「いやだね」
なんだこいつ!
敵に礼儀を説くっていうのがおかしいことではあるんだけどさ。
「・・・まあいいさ。僕のすごさを後でたっぷり見せてあげるよ」
『・・・弔に協力してくれるのかい?珍しいね、君が誰かに力を貸すなんて』
なんか僕に対する評価低くない?
君は僕をなんだと思ってるのさ!
「最近暇だし。君としてたみたいに、誰かと組むのも良いかな〜って」
AFOと一緒に遊んでた頃は楽しかったな~。
飛行機を撃墜したり、小さな島国を物理的に崩壊させたり。
龍を崇める新興宗教ができたのはちょっと面白かったね。
「ま、これからよろしく頼むよ、弔!」
そう言って僕は右手を差し出した。
『彼の5指に触れないよう気を付けた方が良い。体が崩れ落ちるよ』
「えっなにそれは」
個性『邪竜』
龍・竜・ドラゴンっぽいことは何でもできる。
アドラーちゃんは130年以上この個性を使い続けているため、非常に多くのことができる。
異形系に分類される個性であり、本来は竜の姿となってしまうが、人への変身能力を使い続けたことにより、半人半竜の形態がデフォルトになった。