何故、鉄哲チームを入れたのか……それは簡単、塩崎vs太陽の構図をやりたかったからだ!!!!
後悔も反省もしていない!!
一回戦、第一試合。緑谷vs心操。
その試合が今始まろうとしている。
太陽たち雄英1年生はそれぞれの観戦席で座っていた。
太陽は漸く葉隠と耳郎の包囲を抜け、峰田たちと楽しそうに話している。
「どっちが勝つか賭けようぜ。俺は心操が勝つに峰田の魂を賭ける!!」
「なん、だとっ!?それなら俺は緑谷が勝つ方に峰田の魂を賭けるぜ!!」
「なんでオイラの魂が勝手にチップになってるんだよぉ!?」
「コラッ!!夢見くんに上鳴くん。お金を使った賭博は法律で禁止されているぞ!!ヒーローを目指す者がしていいことではない!!」
「大丈夫、賭けてるのは峰田の魂で金じゃないから」
「むっ、それなら……」
「委員長ならちゃんと止めろよ!!なんでそこで止まってんだよぉ!!このままじゃどっちが勝ってもオイラの魂が持ってかれるじゃん!!」
「……すまない、峰田くん。今回は諦めてくれたまえ」
「はぁぁぁぁぁ!?」
ケラケラと笑いながら賭け事をする太陽と上鳴。
それに物申すも言いくるめられてしまう飯田と一番の被害を被っている峰田。
ガチガチに凝り固まった雰囲気を彼らは少しばかり解していた。
1年A組の女子はそんな楽しそうな太陽を見ながら後方の席で葉隠を尋問している。
全員がキャアキャアと黄色い悲鳴を上げているため尋問よりも恋バナの方が正しいのだろう。
「それでそれで!?今日めっちゃ夢見くんに引っ付いてたよね!?好きなの!?」
「う、うん」
「きゃあ〜!!なんでなんで!?」
「……初めて私のことを見てくれたから、かな?」
「「きゃあぁぁ〜!!」」
「ケロ、まるで王子様みたいね」
「そうかな?…そうかも」
それから暫くして第一試合が始まろうとする。
心操と緑谷はそれぞれの入場口から出てくる。
『地雷でぶっ飛ぶと言うおかしなことをしてくれた!!今回はどうする!?緑谷出久!!』
『今年のダークホース!!!騎馬戦では猛獣を従え最後まで鉢巻を守り切った!!心操人使!!』
誰もが話をやめて戦いに注目する。
プレゼントマイクの合図を受けて緑谷は心操を見据えて一直線に進むために踏み込む。
ドンッ!!という音と共に緑谷の体は心操に向けて射出される。
「うおっ!?危ねっ!!」
「くっ!!やっぱり当たらないか」
緑谷の心操の顔を狙った拳の一撃は心操に咄嗟にしゃがんで避けられる。
ゴロゴロと転がって心操は緑谷と距離を取る。
「いきなりだなぁ。俺、普通科のはずなんだけどなぁ」
「それでもここまで来てるなら警戒はするよ」
両者は睨み合いながら相手の出所を探る。
先に動いたのは緑谷。先ほどと同じく拳を振り被る。
「はぁぁああ!!!」
「大振りだな」
心操はその攻撃を半身になって避ける。そのまま腕を掴んで投げる。
いきなり視界が回った緑谷は受け身を取れずに体を地面に打ちつけてしまう。
心操は追撃をすることなく緑谷が起き上がるのを待つ。
「これがヒーロー科か!?弱くねぇか!?」
「まだまだ!!」
立ち上がった緑谷は再度、ドンッ!!という音と共に飛び出す。地面には踏み込みでできたであろう罅割れができている。
緑谷は心操の懐に入りその腹に拳を打ちつける。
ドゴッ!という音が心操の体からなり、拳を受けた心操は後ろに吹っ飛ぶ。
しかし、その攻撃は心操を場外に飛ばすほどではない。
腹を抑えながら不敵な笑みで心操は緑谷を睨む。
「効いたぜ。だが、太陽ほどではない!!ほら、個性使えよ!!」
「なっ」
緑谷は心操と離れた位置で考える。
(どうすれば、勝てる。普通の攻撃じゃあ避けられるのがオチ。なら……もっと速く!!!)
緑谷は足にワン・フォー・オールを纏う。
足に緑色の電気が纏わりつく。
そのまま、心操に向けて一歩踏み出す。
ドゴンッ!!という音が響き緑谷の体は前方に吹き飛ぶ。
自らも対応しきれない威力と速度がでる。
運が良かったのか、一歩しか歩いていないのでギリギリ場外へは行かない。
(くそっ、足だけだと制御できない!!)
「おいおい、新技か?」
心操の煽りが耳に入らないほど緑谷は考えていた。
(全身に巡らせれば速すぎるのに対応できるか?…いや、でもまだ個性の制御すら……でも、やるしかない)
緑谷は全身にワン・フォー・オールを巡らせる。
肉体には血管のような赤いラインが入り緑色のプラズマを纏う。
「よし、うまく行った!!…これで!君を倒す!!」
「はぁ、咄嗟に作った新技で俺を倒す?舐めんじゃねぇ!!俺も努力してんだよ!!」
緑谷は足を踏み込む。
先ほどと同じ速度が出るが感覚はそれに対応できている。
その速度を維持したまま縦横無尽にフィールドを駆け回って心操を翻弄する。
「SMASH!!」
「こいよ!正面から受けてやる!!」
心操を正面に捉えて緑谷は速度を維持したまま殴りかかる。
心操はそれに対して両手を広げてそれを受ける。
ドンッという音が響く。
本来なら大怪我もするはずの攻撃を受けて尚、心操は耐え抜く。
血反吐を吐きながら心操は叫ぶ。
「みどりやぁぁぁぁ!!!」
「な、に…?」
緑谷は耐え抜かれたことに驚き言葉を話す。
その瞬間心操の個性が発動して緑谷は体が硬直する。
心操はそれをみると八極拳の構えをとって踏み込む。
「鉄山靠!!!」
『お〜っと!!これは武術かぁ!?緑谷がめっちゃ吹っ飛ばされたぞ!!??』
『俺がちゃんと指導してたからな。問題ない』
並足を揃えて膝で軽くしゃがみ、踏み出して敵の足を引っ掛けて下方向に向かって緑谷の胴体に背中で体当たりする。
痛みによって意識を取り戻したのも束の間、緑谷の体は宙を舞い場外へと落ちる。
『勝者!!普通科1年C組心操人使!!』
普通科の観戦席から歓声が上がる。それが聞こえてから遅れて他の科の席や観客席からも歓声や拍手が聞こえる。
ヒーロー科の席では緑谷の健闘や心操の勝利に声が上がる。
「しゃあっ!!うちの人使くんが勝ったんだぞ!!これで峰田の魂は俺のものだ!!」
「ぐあぁああ!!」
太陽は賭けに勝ち、両手を上げて喜ぶ。
その隣では賭けに負けた上鳴が蹲っている。
ふと、戦闘中の発言で気になったことがある蛙吹が太陽に質問する。
「ケロ、そういえば心操ちゃんが太陽ちゃんと訓練したような発言があったんだけど、どういうことかしら?」
「それは気になってた!!」
「あぁ、あれね。いやぁ、人使に鍛えてくれって言われた時はどうしようかと思ったよ」
そう言ってしみじみと感慨に耽る。
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これは体育祭の2週間前の話。
「いえーい!!心操くん、順調かい?」
「何しにきた」
「はぁはぁ、夢見か」
心操が相澤先生に指導を受けている練習場γに太陽は訪れていた。
相澤先生が睨みつけるも太陽は関係ない。根津校長のサイン入りの使用許可書を見せながら話す。
「いや、心操くんが頑張ってるんだし…なんか手伝いできないかなぁって!!」
「使用許可があるなら何も言わないが……何を手伝うんだ?」
「ほら、相澤先生の指導って繰縛布だけでしょ?どうせ体育祭はそういうの禁止になるはずだし、それなら武道とかの方がいいんじゃないかなぁって」
太陽のお目付役として付いて来させられたセメントスに頼んで大きめの壁を作ってもらう。
太陽はその正面に立って壁を見据える。
鉄 山 靠
太陽は並足を揃えて、高速で回転しながら壁に背中を打ちつける。
ド、ゴッ!!!!!!
背中を当てた部分を中心に壁に穴が開く。
コンクリートは穴が空き耐えられなくなったのか崩れていく。
その一部始終を見た3人は驚きに目を見開く。
「これが鉄山靠。八極拳の攻撃の一つ」
「いやいやいや、夢見。お前、それが人間にできるわけないだろ!!」
「はぁ?いいかい、心操くん。これは極めれば誰でもできる攻撃だよ?例え女子供でも」
「夢見、お前。それを心操に教えるつもりか。それを体育祭で使えば人死が出るぞ」
「大丈夫!!たった2週間でここまでできると思わないから」
「結構丈夫に作ったはずなんですが」
心操は無理無理と首を振る。しかし、太陽にそんな弱音は効かない。
太陽は逃げ出す心操を捕まえてくる。
「大丈夫。鉄山靠以外にも教えるからさ!!」
「いやいや、無理だって!!相澤先生も何か言ってください!!」
「まぁ、なんだ。体育祭に合わせて強くなるなら合理的だ。頑張れよ」
「死ぬかもしれないけど生き返らせるから気にしなくていいし、怪我だって治してあげるからさ!!!」
「ちょっと待てよ!!今めっちゃ不穏なことが聞こえたんだけど!?」
こうして太陽と心操の地獄のというのも生ぬるい特訓が始まる。
今日はもう遅いため次の日の放課後から始めるということになった。
それから2週間、心操は全力で太陽の扱きに耐えた。
何度か死んだが《復活》で何も問題なく生き返るため些細なことでしかない。
それにより心操は段々と強くなる。1番成長したのは攻撃を受けても衝撃を緩和したりして耐えるタフネスと攻撃を先んじて察知して回避する能力。
できる限り太陽の攻撃を受けたくなかったがためである。
そして、今日。不完全ではあるが鉄山靠を決めることができたのだ。
全ては俺のおかげ。
─────────────
「いやいやいや、何してんの!?ほんとになにしてんの!?」
「確かにHRが終わったら勢いよく教室を出ていっていたが、この特訓があったのか」
クラスメイトが思い浮かべるのはこの2週間の太陽の不審な動き。
HRが終わると一目散に教室を出ていったり、帰りに買い食いをしようなどの誘いも断っていた。
それは全て心操を鍛えるためだと知ると納得する。
しかし、この話の中で1番おかしなことに気がついて叫ぶ人がいる。
「待って待って!!死んどるやん!!心操くん、何回か死んどるやん!!」
「《復活》で生き返らせてるから問題ないよ」
「うーん。そうなんかな」
「夢見よ。そもそも何故八極拳なんだ?他にも武道はたくさんあるだろうに」
端で聞いていた常闇が質問をする。武道であればほかにも空手や合気道などの多種多様存在する。
太陽は簡単に答える。
「細かくは言えないけど人使の個性は人の動きを止められるんだよ。それと一撃必殺の八極拳を使えば」
「防御もできずに倒される、と。そこまで考えていたとは」
常闇は途中までの説明を補完して納得する。
それを聞いた他のクラスメイトも納得する。
「あ、次の試合始まるよ!!」
『第二試合!!氷で全てを凍らせる!!壁も攻撃もなんでもござれ!!氷結ボーイ!!轟焦凍!!』
『
いつの間にか太陽の膝の上で観戦していた葉隠がそう言う。
フィールドを見ると轟と瀬呂がもう上がって向かい合っている。
「太陽くんはどっちが勝つと思う!?」
「え、轟」
いきなり聞かれたら太陽は驚きつつそして確信して答える。
切島は隣の爆豪にも葉隠と同じ質問をする。
「で、爆豪はどう思う?」
「あ゙?そんなのあの半々野郎に決まってんだろ!!」
「その心は?」
「考えてみろ。テープ野郎に遠距離の手段があるか?精々、テープを撒き散らして捕まえる程度だろ?それに対して半々野郎、あいつは遠距離から氷をチマチマ出すだけで勝てる。そんなこともわかんねぇのか!?あ゙あ゙!?」
イラつきつつも的確な説明をする。
それを聞いていたクラスメイトは「あ〜」と納得してしまう。
そもそも、クラスでも最上位にいる実力者の轟。勝つ可能性は限りなく低いだろう。
『よーい!スタート!!!』
試合が始まる。
瀬呂は個性でテープを出しまくり轟の道を制限する。
横には移動できないようにして正面衝突をさせようとしているのだろう。
「おらぁ!!喰らえぇ!!!」
そして、回避できないようにしてから轟をテープで捕まえようとする。
轟っ!!
『これはダメだろ!!1発で全部凍ったぞ!!』
氷が轟の足元からいくつも出現して瀬呂を捕まえる。
そのまま瀬呂は氷の中に囚われるのだった。
『勝者!!1年A組轟焦凍!!』
一瞬で勝負は決まった。
轟は凍った会場を個性で溶かしそれによって瀬呂も元に戻る。
負けたと理解した瀬呂の背中は小さくなっている。
「どんまい!!」
会場の誰かがそう叫ぶ。
その言葉はどんどん会場全体を包み、最後にはドンマイ!!コールが瀬呂に向けて送られた。
瀬呂は少し複雑そうな感情を露わにしていた。
「というか、なんで俺の膝に座ってるの?」
「え!?ダメだった!?」
太陽は何食わぬ顔で膝の上で観戦している葉隠に質問する。
いい笑顔でキョトンと返す葉隠に太陽は言い返すことができなかった。
「………まぁいいよ」
出し渋るような声で返答する。
その時、第三試合を始めるプレゼントマイクの声が流れる。
『さっさといくぜ!!第三試合!!綺麗な髪には棘がある?!伸縮自在の茨ヘアー!!塩崎茨!!』
1人の少女が入場口から出てくる。
しかし対戦相手は来ない。
『対して!!………あれ?まだ来てないぞ!?…おい!!そこだよそこ!1年A組観戦席!!早く降りてこい!!』
自分を指しているのかと思い太陽は自分に指しながら首を傾げる。
それが見えていたのかプレゼントマイクは更に捲し立てる。
『わかってるなら早く降りてこいよ!!』
漸く自分の番だと思い出した太陽は葉隠をそっと隣に下ろしてそのまま観客席から飛び降りる。
そして空中でクルクルと3回転ほどしてからフィールドの上に着地する。
『漸く来たぜ!!それでは改めて!!ワープに変身!!一体どんな個性だ!?正体不明の優勝候補!!夢見太陽!!』
太陽は塩崎の正面に立つ。
塩崎は両手を組んで瞑想している。
『両者準備はいいな!?それじゃあ、レディ!!ファイッ!!』
試合が始まる。
まず、どちらも動かずに様子を見ている。
「この幸運を、神に感謝」
「んじゃ俺も……」
塩崎は瞑想したままそういう。
それを見て太陽は天に中指を立てて叫ぶ。
「クソッタレな
「なんて卑劣な!?」
神という存在を否定するような発言を聞いて塩崎は憤る。
「あなたは神を信じていないのですか!?」
「信じてるよ。だってぶっ殺せるだろ?」
神を殺すという宗教関係者が聞いたら卒倒するような発言。
太陽はあっけらかんとしている。
塩崎は怒りを露わにしながら個性を使う。
「神敵に裁きを!!」
塩崎の髪の毛である〝ツル〟が勢いよく太陽に向かってうねる。
そのまま太陽を包み込む。
『まじか!!1発で閉じ込められた!!どうするんだ!?』
「これで絶対に出ることはできません」
「すごっ!!」
塩崎の背後から声がする。
グリンと首を勢いよく回して見ると、確実に閉じ込めたはずの太陽が立っている。
「なぜ…」
「あれ、俺ってワープみたいなの使えるって言われなかったっけ?」
「では!!」
塩崎は伸ばしていた〝ツル〟を根元で切り離し再度伸ばして太陽にぶつける。
茨のように棘がついている。捕まえられなくとも怪我程度はつけられるはずだ。
「そもそも、わかんないんだよね。神ってさ、まともな奴もいるけど殆どが俺たちの邪魔をする存在じゃん!!趣味で他人を変なところに拉致ったり*1暇だからって理由で事件の黒幕になったり*2、招来されたからってした人の言うことを聞くわけもなく焼き尽くしたり*3!!殺した方がいい存在なんだよね*4!!わかる!?」
「わかりません。神敵である罪人の発言なぞ聞くに値しません」
太陽は〝ツル〟の攻撃を避けることなく受け続けて自分の考えを話す。
〝ツル〟が当たったところは何故か玉蟲色に変わり攻撃が通らない。
「わかんないならいいや。ここで神格見せるわけにもいかないし……あっ!!」
太陽は一つの結論に辿り着き1人で喜ぶ。
そして呪文を紡いでいく。
「《神格招来 ノーデンス》ついでに《ルルイエの霧の創造》」
フィールドを覆うようにして一寸先も見えない霧が埋め尽くす。
これによって観戦席からフィールドを見ることはできないだろう。
魔法陣が現れるとそこから1人の老人が出てくる。
しかし、貝殻に乗っておりそれをイルカが引いている。
また筋骨隆々で大きなトライデントを持っている。
因みに服装は上裸のブーメランパンツのみ*5。
「じじい、暇だった?」
「何勝手に呼び出しとるんだ!!今、美女と宮殿でキャッキャウフフしとったのに!!」
「うっさい、人間を見捨てた地球の神なんてそんな扱いなんだよ!!」
「くっ、事実陳列罪だぞ!!それで何の用だ!!そこの少女がお主さんのことを攻撃してるのと関係あるのか?」
ノーデンスはトライデントで塩崎を指す。
そこには呆けながらも攻撃を続けている塩崎がいた。
「そうそう、なんか神を信仰しているらしいんよな」
「ほう、神をとな。儂含めそんなもん信仰しない方がええと思うんだが」
「そうなんよな。つーわけで、なんか神っぽいことしてどうにかして!!」
「はぁ!?お主さん、儂がなんでもできると思ってるんだろ!?」
「やれ、やらなきゃ支配する」
「おお怖い怖い」
ノーデンスはトライデントを掲げてオーラを纏う。
一言で言うならばまさに神と言わんばかりの覇気が塩崎を襲う。
塩崎は気がつけば攻撃をやめてその場に蹲っていた。
「人間よ。儂のことがわかるな?」
「は、はい。我が主よ」
「これより神を信じるのはやめよ。いつか其方の身を滅ぼすぞ」
「もったいなきお言葉!!主が私の前に現れるなど至極恐悦!!これからも正しく信仰させていただきます」
ノーデンスや太陽が思っているのとは違う方向に喜んでいる塩崎。
その姿を見て2人はコソコソと話し出す。
「あれ、話違わない?」
「なんでこの子儂の言葉聞かないの?」
「どうしよ。狂信者っぽくなったよ」
「元も変わんないんじゃね?知らんが」
「ほら、早く軌道修正してよ!!」
「もう儂は知らんぞ!」
「ん゛ん゛っ」と息を整えてノーデンスは言葉を続ける。
「何故神を信仰する」
「私は神を信仰することこそが存在意義だと信じています!!」
「スッ──────。ふむ、しかし儂はここの太陽という存在に負けた。故に其方に信仰されることはない」
「ははぁ!!」
「では、ここの太陽を支えよ。精々励むのだ」
「勿体なきお言葉!!」
「ちょ待て!おいおいおい、じじい!!何勝手にいっとんじゃ」
「ではさらば!!」
ノーデンスはイルカを走らせてそのまま空間を歪めて帰っていく。
後には恍惚とした表情の塩崎と絶望感が半端ない太陽がいる。
ノーデンスがいなくなると同時に《ルルイエの霧の創造》の効果が消える。
漸く、フィールドの状況を知ることができた観客は先ほどまであった戦闘がなくなっていることに驚く。
そして端から見れば幼気な少女を土下座させているように見えるかもしれない。
「我が主よ!!先ほどまでの無礼な行為、許してください」
「あ、あぁ。大丈夫だよ」
「ありがとうございます!!」
『霧で見えなかった間に何が起きたんだ!?!?』
塩崎は放心したままの太陽を見てフィールドの外へと恍惚の表情のまま降りる。
ミッドナイトが気付き終了の合図をする。
『塩崎茨、場外!!勝者!!夢見太陽!!』
「あんのじじい!!絶対ぇぶっ殺す!!」
太陽の心からの叫び声が会場に響く。
─────────────
A組の観戦席に戻るとクラスの特に峰田から詰められる。
血の涙を流しながら全力で訴える。
「おい!!なんでお前はあんな可愛い女の子に「我が主」とか呼ばせてるわけ!?オイラだってあんな女の子とお近づきになりたいのに!グフッ」
「我が主よ。このゴミ以下の存在を消し去ってもいいでしょうか」
「来ちゃったよ」
「何を…はっ、まさか。私などの木端には聞かせられないお言葉ですか!?申し訳ありません!!今ここで命を」
「マジでやめて」
「ははぁ!」
いつの間にか峰田の背後に立っていた塩崎が峰田を〝ツル〟の餌食にする。
太陽に止められると土下座をしながら峰田を離す。
全身傷だらけの峰田は上鳴に泣きつく。
「なんでここにいるの?」
「それはあのご老体の神様から貴方様を支えよと」
「ん〜〜。大丈夫だよ」
「私の存在はいらないと。では今ここで命を」
「スッ──────────、めんどくさ*6」
塩崎は〝ツル〟で自分の首を絞めようとする。
周りの麗日たちが急いで止めようとする。
「やめて」
「我が主の言う通りに」
「…………もうめんどくさいし、いつもと同じように過ごしていいよ。必要になったら言うからさ」
「はいっ!!」
何故が塩崎の頭の上に犬耳を幻視する。尻尾があればぶんぶんと振っていることだろう。
太陽は塩崎に《治癒》を施しB組に行かせる。
その頃にはクラスメイトからは羨ましいよりも同情の方が多くなっていた。
SAN値上限0は実質神話生物と同等。
そして神格をも凌駕するPOW。オリ主は神格だった!?
ノーデンスおじいちゃんはオリ主からはじじい呼びされています。