なんか、このシリーズだけ平均5000字とか言っててほんと笑う。
総合字数だけだったら1番話数が多いシリーズ以上なんだけど。
何事もなく2日後。
雄英高校は授業が始まる。
午前中は特段変化はなく昼食はいつも通り心操に凸って一緒にご飯を食べることにした。因みに何故か葉隠が付いてきた。
「ヘイヘイ!!心操くん!!何食ってるんだい!?」
「何食ってるんだい!?」
太陽と葉隠は日替わり定食のお盆を持ったまま背中合わせになって心操を見やる。
意味がわからないほど息の合ったポーズ。
心操はため息をついてしまう。
「見てわかんないのか?日替わり定食だぞ」
「一緒に食べていい?」
「ダメって言ったら?」
「食べるけど!?」
太陽は心操の返答を聞くまでもなく心操の隣に座る。
葉隠は太陽の隣に座る。
その後は3人で美味しく昼食を食べていた。
午後1番のヒーロー基礎学でそれは起きた。
「今日はコードネーム、ヒーロー名の考案だ」
「「楽しそうなのきたー!!!」」
クラスメイトはそれぞれ思い思いにはしゃぐ。
その振動で1人ジェンガをしていた太陽の机が揺れジェンガが崩れる。
そして1人落胆している。
相澤先生はそんな太陽をガン無視して説明を続ける。
「前も言ったが、体育祭ではプロヒーローから指名が来る。それなんだが、例年にも増してばらつきが出た」
そう言って発表する。
画面に映し出されたのはそれぞれのドラフト数。
1位が太陽で5000件を超えている。
2位は轟でそれでも2000件は優に越している。
爆豪も多いが轟には及んでいない。
「ということで、指名の有無に関係なく職場体験に行ってもらう」
「そう言うわけでヒーロー名ですか」
「そうだ。だから変な名前をつけると「痛い目見るわよ!!」」
ガラガラと扉が大きく開き鞭を持ったコスチューム姿のミッドナイトが登場する。
「因みに」と前置きをして相澤先生のヒーロー名の起源を話す。
「相澤くんのヒーロー名は山田…プレゼントマイクが命名したのよ!!」
「そう言うことなんで、俺には何もいえない。だからミッドナイトのセンスを頼りにしな」
相澤先生はいそいそといつもの寝袋に体を隠す。
ミッドナイトは教壇に立ち鞭を振るう。
「さて、今から15分とるから。手渡すボードに書いてね!!あとで発表会するから」
15分後。
はじめに発表したのは爆豪。
とびっきりのドヤ顔でボードを見せる。
「爆・殺・王!!」
「う〜ん。センスないわね!!」
初手からヒーローらしからぬ名前が飛び交い最悪のスタートとなる。
それでも蛙吹や麗日の名前がちゃんと捻っているのもあり軌道修正されていく。
「それじゃあ、夢見くん!!行ってみよう!!」
「あ〜、デデドン!!これ」
「シーカー?探索者って意味かしら?」
「イエッサー!!」
「いいじゃない。爆豪くんよりまともだし」
「しゃあっ!!」
「あ゙あ゙!?」
あっさりとOKが出た。結局最後に決めるのは己自身のため爆豪のように頭のおかしいものでない限りいいのかもしれない。
そんなふうに考えながら太陽はジェンガを組み立てていく。
何故か組み立てた側から相澤先生に崩されていくがめげずに頑張って組み立てる。
結局この時間以内に決まらなかったのは爆豪のみであった。
発表が終わると相澤先生から指名の一覧表を貰う。
「週末までには決めろよ」
「えぇ!?あと2日しかないの!?」
5000件を2日で決める。不可能ではないが難しい。
誰もが悩んでいる。ざっと見たところ、ヒーローランキング?とやらの順番で書かれているらしい。
最後の番号はキリよく5000。
「太陽くんは何処にするの!?」
「そんなんランダムさ!!5000面ダイスを召喚。とはいけないのでダイスアプリを使うか」
スマホを取り出してダイスアプリを起動する。
そして1d5000を振る。
「8!!実質クリティカル!!」
そして上から8番目のヒーローを見る。
「リューキュウ?これでいいか!!」
「リューキュウといったらドラゴンになることができるヒーローだね。夢見くんの変身する個性と似たところがあるからいいんじゃないかな!?」
何故か隣に来ていた緑谷がリューキュウの説明を始める。
その内容を聞いて結構いい結果なんじゃないかと考える。
早速、相澤先生に提出しにいく。
「決めました!!」
「本当にそれでいいのか?」
「いやまぁ、5000件越えから決めるのは面倒くさいので。でも、これでいいです!!」
「お前がいいならそれでいいが」
多くのクラスメイトは最後まで決めることができず後日提出になった。
授業も全て終わり帰ろうと太陽が荷物を整理していると峰田と上鳴がやってくる。
峰田は深刻そうな表情で、
「夢見!!お願いだ!!体育祭の時みたいに女体化してくれぇぇ!!!」
「俺からも頼む!!」
そう叫ぶとその場に土下座する。
丁度誰も帰っておらず誰もがその光景を目にする。
「あのヤオロッパイよりもでかい胸!!もう一度見てみたいんだぁぁ!!後生だ!!オイラにもう一度夢を見せてくれぇぇぇ!!!」
「お願いします!!」
性欲に取り憑かれた2人はクラスメイトがいることも憚らず何度も頭を床に叩きつける。
その様子を女子はゴミを見るかのような絶対零度の目で見ている。
そんな中女神が現れる。
「太陽くん!!私も見てみたい!!」
葉隠だ。葉隠は太陽に抱きついてお願いする。
峰田と上鳴にとってはまさに女神だろう。
それに便乗して何度も懇願する。
「こんだけお願いされたらな。やらないのもめっちゃ面白そうだけど、可哀想だし…」
「でしょ!?オイラたちのために!!」
「そう言われたら面倒」
「すみませんでしたぁ!!お願いします!!」
太陽は《肉体変質 シュブ=ニグラス》を使い体育祭の時のように女体化する。
八百万を凌ぐほどの巨乳。峰田は一眼見て鼻血を出して気絶する。
葉隠は背後から太陽の胸を揉みしだく。
「うわぁ、でっか」
「ほんまや!」
「私よりも大きいですわね」
気がつけば女子が太陽の周りを取り囲んでいた。
気絶した峰田は気がつけば遠くに放り投げられている。
もみくちゃにされながら太陽は一つの小瓶に入った粉を取り出す。
「俺だけこうなるのも癪なんで…透、道連れじゃ。おらぁ!!《イブン=グハジの粉》」
キラキラと煌めく粉を葉隠にかける。
すると透明であったはずの葉隠の体がみるみるうちに見え始める。
最終的には透明ではない本来の葉隠の姿がそこにはあった。
「「え、えぇぇぇぇ!?」」
「どうしたの!?みんな!?」
「透ちゃんが透明じゃなくなってる!?」
「えぇ!?本当だ!?」
葉隠は自分の頬をつねって夢かどうか確かめる。
太陽はその間に鏡を取り出して葉隠に見せる。
「ほら、本当だよ」
「え?え?太陽くん何したの!?」
「それは簡単、透明人間とか幽霊とかを視認できるようにする粉を使っただけだよ」
「自分の顔、初めて見た〜」
「かわいい〜!!」
芦戸が葉隠をもみくちゃにする。
葉隠はそれを黙って受け入れている。
太陽はその隙にさっさと荷物を持って帰っていく。
「あ、それ粉振るい落としたら元に戻るから〜!!じゃあね!!」
「う、うん」
その言葉の通り女子にもみくちゃにされまくり粉が落ちたのかだんだんと透明になった。
─────────────
そして後日。
全員提出し終え、職場体験が始まる。
太陽は神奈川へと向かう新幹線を待っている。
そっち方面にいく他のクラスメイトもいる。
新幹線に乗ると運良く隣の席は飯田になっていた。
「飯田くんじゃあないか!!」
「その声は夢見くんか」
「途中まで一緒だね!!」
「そうだな」
「あれでしょ?飯田くんのいくとこって保須市でしょ?」
飯田の表情が曇る。
即座に太陽は飯田の兄の事件を思い出す。
「あれだろ?復讐でもするんだろ?」
「なっ!?」
「見てれば分かるよ。お兄ちゃんのことは残念だったね」
「それは、」
「大丈夫、俺は復讐賛成派だし」
「え?」
飯田が驚いたように太陽を見る。
太陽は窓の外を見ながら呟く。
「今から言うのは独り言。よくヒーローは復讐は良くないことでさらに復讐を生むだけって言う。でもさ。家族が、友達が、恋人が、自分が、誰かに傷つけられて取り返しがつかない時、それなのにその加害者はのうのうと生きながらえてる時。絶対思うよ、不公平じゃんって。どれだけヒーローが
だからこそ、復讐って必要なんだと思う。俺が苦しんだ分、お前も苦しめって。そうしないと心が壊れちゃうから。
あとはまぁ、復讐をしてもしなくても大切な人やその人との未来が戻ってくることはないから……したほうがスッキリするんじゃないかな」
「………」
「あぁ!独り言だからね。飯田くんは飯田くんの考えがあるんだし」
「そう、だな」
「悩んでるんならちゃんと決めたほうがいいと思うよ。ちゃんと決められたなら教えて、その時には何かあげるよ」
「……ありがとう。ちゃんと考えてみる」*1
太陽は駅から出て数分歩く。
するとリューキュウの事務所が見えてくる。
正面入り口には2人の女性が立っている。
「君かな?リューキュウ事務所を受けてくれたのは?」
「あ、はい」
「ねぇねぇ!!なんで神父服なの!?」
「やめなさい。せっかく来てくれた人が引いてるでしょ」
メカクレ属性の女性と不思議女子の歓迎で太陽はリューキュウ事務所の職業体験を始めるのであった。
事務所に入ってすぐに自己紹介が始まった。
「私はリューキュウ。個性は知っての通り〝ドラゴン〟でっかい竜に変身できるわ」
「私は波動ねじれ。ヒーロー名はネジレチャン!!雄英高校3年!君の先輩になるのかな?よろしく!!」
グイグイくるねじれを避けながら太陽は自己紹介する。
「俺は夢見太陽。ヒーロー名はシーカー。個性は〝クトゥルフ神話〟でいろんなことができる」
「いろんなことって何!?おしえて!!」
「呪文とか変身とかいろいろかな」
「体育祭の狼に変身するのもその一つかしら」
「まあそうです」
「えぇ!?動物になれるの!?今ここでやってみてよ!!」
「めんどいから無理〜」
「えぇ〜!?私、先輩だよ!?」
上手くのらりくらりお願いを避ける。
見かねたリューキュウが仲裁する。
「そこまでよ。それじゃあ、今日は早速パトロールからしましょう」
「はーい!!」
そう言うとリューキュウは窓から飛び立ち空中でドラゴンに変身する。
それに続いて波動も〝波動〟を利用して飛び上がる。
「あ、飛ぶんだ」
走って行ったり車でも使うのかと思っていたら飛ぶらしい。
呆気に取られた太陽は少し戸惑う。
「まあいいや。《肉体変質 ナイトゴーント》」
太陽の背中から1対の翼が生える。太陽の背丈と同じほどの大きさ。
それはコウモリのような翼。膜は赤黒くところどころ破れたような形状。それ以外は真っ黒になっている。
神父服の背中を突き破るように生えたそれは太陽の思考と同調して動く。
翼だけでなく太陽には一つの尻尾が生えている悪魔のような尻尾。
「やべ、コスチューム変更申請するか」
太陽は窓枠に足をかけて跳躍する。
空中で翼を羽ばたかせる。バサバサと音がしながら太陽は空に浮かび上がる。
そして、翼を動かして高速でリューキュウの向かった方向へと飛び立つ。
「こっちこっち!!」
波動が手招きをする。そこには滞空している波動とリューキュウの姿がある。
「あら、狼にでもなるか空を走ってくると思ったら翼も生やせるのね」
「ふっしぎ〜!!」
「リューキュウ、飛ぶなら飛ぶって言ってください。翼もぎますよ」
「ご、ごめんなさいね」
空中で話をしていると地上の民が悲鳴を上げる。
見ると大きな車が道路を爆走しているのが見える。
その車からは紙幣が飛び出ることもあるため、銀行強盗でもしたのではないかと考えつく。
「ネジレチャン、シーカー。いきます」
「はいっ!!」
「了解」
リューキュウはその翼を動かして車を追いかける。
それについていくように2人も移動する。
移動しながらふと気がついたことをリューキュウに質問する。
「はい!リューキュウ!!
「え!?そんなのダメよ。ヒーローは
「そうなんですか!!わかりました」
使おうとしていた《ヨグ=ソトースの拳》を止める。代わりに《ルルイエの霧》を使う。
すると車の周り3m四方に濃い霧ができる。
車はすぐ先も見えない霧により車を止めざるを得ない。
その瞬間、霧が晴れ上空からリューキュウが降り立つ。車をその4本に割れた手で掴み上げる。
車の中では諦め切った表情の二人組がいた。
その後、警察がやってきて2人組の
それを見ていた市民からは「わー!!」と歓声が上がる。それを見てリューキュウと波動は手を振る。
太陽は眠いのか欠伸をしている。
そんな太陽の元に1人の少年がやってくる。
「あ、あの!!雄英体育祭の1位の人ですよね!?」
「あ?まあそうだけど」
「サインください!!」
そう言って色紙とサインペンを差し出す。
太陽はそれを受け取ると少し逡巡する。
(サイン、サインか。何も考えてねぇ。あ、あれでいいか)
太陽は手際良く星とその中に目の模様を描く。
「これでいいかい?」
「ありがとう!!」
大事そうにその色紙を持って少年は人混みに消えていく。
太陽が描いたのは《
その後は事務所に戻り、今日は解散となった。
「ねえねえ!!もっといろいろ教えてよ!!」
「話すには好感度が100ほど足りないです」*3
「ええ〜!?どういうこと!?」
ヒーロー名は安直に探索者から取りました。本来のCoCの探索者の英語表記は違うらしいんですが、一般的なのはこっちかなって思ってつけました。使うかどうかは置いておいて