冒涜的なヒーロー   作:月ノ蛇

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2話目なので初投稿です。

この小説はネタ8割シリアス2割構成になっています。
クトゥルフの呪文が介入するとシリアスがぶっ壊れるからねしょうがない。


クトゥルフで有名な服ってなんだろう?

「知らない、天井…………なわけ。家だよ家」

 

転生したことに気がついてから2週間。毎日このセリフを吐いている。彼は転生者ゆえの言葉を吐きたかっただけなのである。

 

太陽は入試終わってから学校に行ったがクラスメイトの顔も名前も思い出も思い出せるがどこか他人事の様に感じるのである。

漫画を読んでてそのキャラのことを理解した様に感じるあの様子。

 

「さて、今日は休み。何しようかなぁ?」

(ニャルと戯れるのは昨日したし*1、アザトースを起こそうと頑張ってみたのは一昨日か*2

 

輝くトラペゾヘドロン*3を弄りながら太陽は思案する。

うーん、うーんと唸っていると一階のリビングから母親の声がする。

 

「おーい!!太陽!!雄英から入試結果がきたよ〜!!」

「はいはーい。今行く」

 

輝くトラペゾヘドロンを消し太陽は階段を降りる。

リビングに着くと母親が期待した笑顔で太陽を見る。

手には一つの封筒が握られている。

その封筒を手渡しながら太陽にエールを送る。

 

「ほらほら、開けてみてよ!!受かってること応援してるから」

「今応援されても結果は変わんないんだよ」

「いけるいける」

 

封筒を開けて中身を確認すると数枚の書類と1つの小型の円盤の様なものが入っている。

書類よりも先にその異質な円盤に注目がいく。持ち上げると大体50gもないほどの重さ。ブンブン降ってみたり裏や表をよくみたりするも何かわからない。唯一発見したのは表面の中心にある小さな穴。そこに目を近づけてみる。

 

ブオン!!

『私が投影された!!!』

 

ホログラムが小さな円から投影される。

そして今現在太陽はその小さな円をのぞいている。

つまりどうなるのか。

 

「うぎゃあー!!??目が〜!目が〜!!」

 

そう眼球に光がぶつかるのである。

至近距離で光を見た太陽は投影機を放り投げその場で目を抑えながらのたうち回る。

その間も投影されたオールマイトは話を続ける。母親は太陽のことなど無視してホログラムに食い入る様に見ている。

 

 

「はぁはぁ、視界が戻ったか?」

『こいよ!!雄英にさ!!』

ブンッ!!

 

太陽の視界が戻ったかと同時にオールマイトのホログラムは消える。

そう、太陽はオールマイトが投影されて試験結果を話している間ずっとのたうち回っていたのだ。

つまり、結果を見ることができなかった。

 

「はぁ〜!?見てないんだが!?」

「よかったねぇ!!合格だって!!しかも主席だって!!*4

「いやいやいやいや、聞いてないんだが!?てか、母親!!あんたくらいは息子の心配をしろ!!」

「大丈夫よ!ちゃんと記録はとってるから」

 

そう言って母親はノートを出す。

そこにはオールマイトの言葉が一字一句間違うことなく書かれている。

 

(ヴィラン)ポイント70

救助(レスキュー)ポイント35

合計105ポイントで主席合格らしい。

救助(レスキュー)ポイントとは隠し評価点で試験中に他の受験生を助けたりしたときにつくものらしい。

確かに結構の人を助けたからこんだけつくのは妥当だろう。

いや〜、よかったよかった。

 

「太陽、それでなんかこの書類にヒーローコスチュームの要望を書けってあるから書いといて」

「うーっす」

 

母親は書類を手渡す。

それにはデカデカと『ヒーローコスチューム原案』と書かれておりその下に白紙でイラストを描くであろうところがある。

その書類を持って太陽は部屋で考える。

 

(うーむ、何にしよう。〝個性〟的に何でもいいんだよな)

 

近接戦闘を重要視するわけでもなければ〝個性〟的にこうであって欲しいという要望もない。

それ故に難しい。そう言った要望があればもう少し考えやすかっただろう。

 

(それならクトゥルフっぽい服……なんだ?ローブか?*5いやぁ、ないか。面白くないし)

 

書類ではないただのコピー用紙に色々な服を書いていくがどれもピンとこない。

白ローブ、黒ローブ、魔法使いの様な服。色々描くもなぜか腑に落ちない。

何かないかと頭の中のクトゥルフ神話の情報を反芻する。

 

「あっ!てかニャルの化身でいいか。ナイ神父とか……いいね。最高だ」

 

いきなり立ち上がって一つの答えに辿り着く。

思考がまとまったらあとはそれをアウトプットするだけ。太陽は机に齧り付いてデザインを書き殴る。

 

2時間後、椅子の背もたれに寄りかかって体を伸ばす太陽の姿がある。

書き終わったのだろう。書類にもしっかりとデザインと文字で仔細を記している。

太陽が選んだのは神父服。ニャルラトホテプの化身の一つナイ神父の服装。

黒い外套に白いシャツ。首には十字架のネックレスをしている。*6

一目見るだけではヒーローには見えないがスーツ姿の社畜みたいなヒーローもいるので今更のこと。

 

「いやぁ〜、完成完成!!最高のやつできたわ!!」

 

ハッハッハと笑いながら太陽はできた書類を掲げてみる。

気が付けばもう6時過ぎ、夕ご飯の時間が差し迫っている。

太陽は気分良くリビングへと降りていくのであった。

夕飯はいつもより豪華だった。

 

─────────────

 

あっという間に入学までの日数は減っていった。

気が付くと入学式の日だ。

 

「ふぁ〜、よく寝た」

 

朝8時20分、太陽は起床する。因みに雄英高校の始業のチャイムは8時30分。つまり遅刻ギリギリである。

しかし、太陽は動揺しない。枕元の時計と雄英高校の始業の時間を見比べて固まっている。

 

「あぁぁぁぁぁぁ〜!?!?!?時間ねぇ〜〜!?時間ねぇーぞ!!栗原ぁぁぁ〜!!!*7

 

いや、絶賛動揺していた。ベットから起きると時計を持ってそれに向かって意味不明なことを叫ぶ。

本当に誰なのだろうか、栗原は。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ、あ?いやいやいやいあいあ。《門の創造》あるやんけ」

 

太陽の頭の中に一つの呪文が浮かび上がる。

《門の創造》。それはある地点とある地点を結ぶ門を創造する呪文。簡単に言えばワープゲートを作る呪文だ。

MPの消費によって移動できる距離に違いがあるがそれでも十分有能な呪文だ。

太陽は颯爽と着替えて呪文を唱える。

 

「え〜っと。なんか詠唱あったけ。まぁいいや、《門の創造》。あ、ゴールは雄英ね」

 

太陽の目の前に黒いモヤができる。

平べったくその場で動くことなく止まっている。

太陽が手を突き刺すと黒いモヤを突っ切って反対側に出ることなく黒いモヤに吸い込まれる。

完璧に起動していたことを確認して入っていく。

 

因みに今の時間は8時30分である。

 

─────────────

 

太陽は雄英高校ヒーロー科1年A組の前に現れる。

しかし、ここで大きな誤算が生じる。太陽は自分のクラスを見ていない。

本来であれば雄英高校の玄関に掲示しているクラス表を見て自分のクラスを確認するのだがその行程を端折って教室の前まで来た太陽は知らなかったのだ。

 

(おっと、ヒーロー科はAとBの2個あったはず……………まぁいいや。主席だしAじゃね)

 

太陽は楽観的だった。間違えたら間違えましたと言ってもう一つのクラスに行こうと考えて太陽は扉を開ける。

 

「お前ら、お友達ごっこがしたければ「おはよう!!みんなおはよう!!」……は?」

 

扉を大きく開けると蓑虫のように寝袋に包まれている無精髭のあるおっさんがクラスメイトに何かしらを言っているところに出くわす。

丁度何かを言っていたらしいのだがそれを太陽が遮ってしまったらしい。

クラスメイトの視線は全て太陽に吸い込まれる。

 

「どうしたんだい?みんな!!おはよう!!」

「おい、夢見。お前遅刻だからな?」

「………………あ。先生ですか。………サーセンした!!」

 

流れるような綺麗な土下座*8。いや、五点投地も生ぬるい土下寝の姿勢になる。

それには目の前の無精髭を話しているおっさんも少し引いている。

 

「…まぁいい。お前ら、このジャージ着てグラウンド集合な?」

 

先生は考えるのをやめて説明事項を言うと教室をさっていく。

土下寝をしていた太陽は立ち上がり制服についた埃を落としてクラスメイトにもう一度挨拶をする。

 

「みんな、おはよう!!」

 

クラスメイトからは微妙な表情を貰った。

*1
おい

*2
何しとんねん。世界滅ぶぞ

*3
ロケットペンダントの様なもの。ずっと開いていて閉じ切ったらニャルの化身が出てくるよ

*4
ガン無視。それでいいのか?

*5
ローブ以外のものは身につけていないものとする

*6
時と場合によっては魔導書を手に持つ可能性も

*7
誰だよ。栗原って

*8
俺でなきゃ見逃しちゃうね




神父服は『ナイ神父』と調べれば大体出ます。
わかんない人はFGOの言峰の神父服を考えてください。

因みに門の創造は一度行ったところじゃないといけないなどの制約が書かれていないので距離の範囲内ならどこでもいけます。無法です。

忘れてましたが主人公の容貌です。

黒髪赤目
アシンメトリー
大人びた雰囲気
身長175cm

6版に換算するとこんな感じ
STR13 CON13 POW300 DEX13
APP13 SIZ14 INT18 EDU11
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