冒涜的なヒーロー   作:月ノ蛇

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1日に2話目なので初投稿です。

なんか気がついたらオリジナル展開になっていた件。クトゥルフ要素を入れるために簡単なシナリオ擬きをしようとしたらレディ・ナガン関連の原作が崩壊することになるとは。このリハクの目をもってしてもわからなかったよ。


ショッピングモールにはなんでも(事件も)ある

土曜日。実技試験が終わった次の休み。太陽含むクラスメイトは林間合宿の準備としてショッピングモールに買い物にやってきていた。

買い物といっても全員がそれぞれ買うものが違うため集団で行動はせずに一旦解散してから再集合することで決まっている。精々、買いたいものが似ている奴らで固まって動く程度。

 

「緑谷は何買いにいくの!?」

「えっと、まだよく決まってないから、ちょっと見て回るかな」

「そうなんだ!!じゃあ俺は買うものあるから。じゃあね!」

 

太陽は聞くだけ聞いて別行動をする*1。色々な商品や店には目もくれず一つの店舗の中に入っていく。そこはゲームショップ。林間合宿の買い物には一切関係ないところであった。そもそも太陽は林間合宿の準備などしない様子。

太陽は最新作の棚を見ながら何を買おうか考える。金だけは無駄に大量にあるため買おうと思えば店舗内の全ての商品を買うこともできるだろう。しかし、自分に合ったものじゃないとやってても面白くないことは確実なので慎重にパッケージひとつひとつを見てピンとくるか確認している。

 

「あ、マ○クラ。ス○ラもあるじゃ〜ん。てか、NEWスーパー○リオブラザーズもあるじゃん。なんで、D○のゲームも売ってんだ?」

 

いくつか前世にも合ったゲームの今世版がある。懐かしさもあり買い物かごに入れる。この世界でも人気のようで目に見えて他の商品より売れている。

太陽は前世ではクトゥルフ以外にも沢山のゲームを嗜んでいた。サンドボックスゲームからPvPゲーム、バトロワまでありとあらゆるものをやっていたといっても過言ではない。一応ちゃんと働いてはいたし課金も程々にしていたがカセットを買ったりソシャゲに課金をしたりで結構の額を使っていた。今世ではPCゲームしかやれていなかったので太陽は家に帰ったら秒でやろうと考える。

 

「そういや、ゲーム機も買わないと」

 

カセットのある棚から移動しゲーム機本体を手に取る。発売してから結構時間が経っているのか在庫は豊富にある*2。在庫という言葉からこの世界でも転売が多いのかなと前世の苦い記憶が蘇ってしまう。この世界にも転売ヤーがいるのならぶっ殺してやろうかなと決心すらしてしまう*3。最新のテレビに繋げるゲーム機*4以外にも折りたたみ式のゲーム機*5もついでに買い物かごに入れる。というか今ゲームショップにあるゲーム機をほとんど入れる*6過去のゲームにはリメイクされていないものやされていても結構変わっているものがあり昔のゲームもしたい太陽は買うしかないのである*7

 

「あ〜!!太陽くん!!」

 

ゲーム機を買い物かごに入れ、他にもいいカセットがないかと物色していると背後から聞き覚えのある声が聞こえる。そして、背中に人の感触を感じる。首を後ろに向けるとベージュ色の髪の毛をした少女、つまりヒミコが抱きついている。その後ろからはトカゲのような青年がオロオロしながら駆け寄ってくるのも見える。

 

「久しぶりだね。ヒミコちゃん」

「はいです!!」

 

太陽がそう答えるとヒミコは太陽から離れて嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねる。

そして近づいてきたトカゲの青年をみて思い出したように彼の紹介をする。

 

「あ!紹介します!!この人はスピナーくん!!スピナーくん、この人は太陽くん!!」

「スピナーっていうのか!よろしくな!」

「お、おう。よろしく」

 

太陽は買い物かごを持っていない手を差し出して握手を求める。

スピナーはそのノリに少し押されるも渋々といった風に手を差し出す。その手をぎゅっと握って太陽はぶんぶんと振る。

その様子を嬉しそうに見ているヒミコは太陽に向かって話し出す。

 

「太陽くん!私、(ヴィラン)連合っていうところに入ったんです!!太陽くんも来ませんか?」

「お、おい!言っていいのか!?」

「良いです!!太陽くんならわかってくれます」

 

(ヴィラン)連合という言葉に一瞬固まる太陽。その様子を目ざとく発見したスピナーはヒミコに耳打ちする。しかし、ヒミコは太陽を信頼しているのか問題ないと発言する。

 

「いやぁ、今は無理かな。興味あるけど」

「そうですか……」

「ごめんね。もうちょいヒーロー側で遊びたいから」

「お前、それで良いのか?雄英体育祭で見たがヒーローの卵だろ?ここに(ヴィラン)が2人いるのに捕まえないのか?」

「めんどいし良いよ。てか、俺もヒーローよりは(ヴィラン)側だし」

 

暗くなった雰囲気をぶち破るように太陽はスピナーの持っているカセットについて言及する。

 

「スピナー。それ買うの?」

「あぁ、連合のみんなとやろうかなって思ってな」

「いいじゃん!!俺もやりたいな〜」

「おっ、お前もゲームやるのか?って、その買い物かご見ればわかるか」

「いいでしょ。家帰ったら一個ずつやっていくんだ」

「そのゲーム俺もやってるし、今度一緒にやりてぇな」

「いいよ!!俺からそっちの(ヴィラン)連合に遊びにいくよ」

「本当か!?弔もLoLやってるみたいだし、一緒にやろうぜ」

「オッケー。じゃあ俺は会計してくるよ」

 

太陽は会計に向かい精算する。10万円を超す総額だったが太陽の財布には一切ダメージは入らない。別の会計ではスピナーが手に持っていたゲームカセットを買っている。ゲーム機が何台もありそもそもレジ袋にすら全部入らないため会計が終わったものから門に押し込んでいく。門の先でニャルカスが悲鳴をあげているがいつものことである。ニャルカスには暗躍から買い出しまで雑用全てをやらせているので太陽の心は傷まない*8

 

「太陽って言ったな?ガチで今度遊ぼうぜ」

「じゃあね〜!!太陽くん!!」

 

先に会計が終わった2人は太陽にそう言って店を出ようとする。

会計が長引いている太陽はそんな2人に伝言を伝える。

 

「あ、弔と黒霧に伝言を頼む。『前殺そうとしてごめん。気が立ってた。今度一緒に遊ぼう』って」

「わかった」

「じゃあね!!」

 

2人は伝言を受け取るとそのまま店を後にする。太陽も漸く全ての会計が終わると門に最後の一つを押し込んで店を後にする。話し込んでいたのか1時間ほど経っていた。

太陽はスマホで時間を確認し集合場所に戻ろうとする時、太陽の前を1人の女性が横切る。フードを目ぶかに被った女性。歩いて店を見ている他の客とは違いその客の間をうまく縫って移動しておりクトゥルフ脳から何かに逃げているように感じる。その証拠にその後を黒服の男たちが追っている。

太陽は少し考える。この事件に首を突っ込むのかどうか、それを考える。

 

「まぁ、当たって砕けろかな」

 

事件には首を突っ込む。それがクトゥルフプレイヤーだと考えている太陽は急いでその後を追う。その間に緑谷に『集合せずに帰る』と連絡するのを忘れない。連絡しなかったらクラスメイトがついてくる可能性があったためである。面白そうなのは1人でやるに限る。

太陽が黒服を追っていくとショッピングモールから少し離れたコンテナが多くある港倉庫に辿り着く。フードを被った女性はジリジリと黒服に追い詰められようとしている。フードの女性は後ろに移動しようとしているが背後には海が広がり飛び込む以外に逃げる手段がない。

 

「クソッ、なんなんだよお前らは!!」

 

女性は怒りを露わにした声色で黒服を指差す。

黒服はそれに答えることもなく「テケリ・リ」と呟きながら近づく。

太陽はその呟きを耳にし、舌打ちを一つつくとフードの女性を庇うように現れる。

その目には光がなく苛立ちだけが浮かんでいる。

 

「誰だ!?」

「黙ってて。今はこいつらを殺す」

 

太陽は前髪をかきあげ舌打ちをつく。左手を前に突き出し言葉を発する。

 

銀色の球(死ねよ)

 

太陽の掌から銀色の球体が出現し一直線に黒服へと飛来する。黒服のいる中心に銀色の球体がぶつかると半径5mにいる黒服は全て死に絶える。10体程度しか居らずそれらは一体残らず銀の球で跡形もなく消失した。残ったのはフードの女性と太陽のみ。太陽はフードの女性に向き直すと会話を試みる。

 

「ねぇ、あれにどこから追われるようになった?」

「……は?あんた、あれについて知ってるのか?」

 

お互い質問をぶつけて話が進まない。仕方がなく太陽は先にその質問に答えることにした。

 

「あれはショゴスかショゴスロード。殆ど同じだからどっちでも良いけど。まぁ、人型だしショゴロかな……で、あれはこの世界に存在しない生物。化け物と言った方が正しいかも」

「はぁ……」

「で、なんであれに追われてんの?」

 

女性はフードを外す。その下から濃い紫の髪に薄い紫のメッシュが入った長髪の女性の顔が露わになる。その特徴は少し前にホークスが言っていたレディ・ナガンの特徴と一致していた。太陽はその姿と彼女が起こした事件からなんとなく理由を察する。

 

「あぁ、公安の中のやつがやったのか。レディ・ナガンだっけ?前会長殺害の」

「なんであんたがそれを知ってるのかはいいわ……そうよ。私は元ヒーローのレディ・ナガン。今の会長争いをしてるやつに追われてるの」

 

太陽はため息をついて海に落ちないようにする縁石に座り込む。

そして太陽は思い出したかのように自己紹介をする。

 

「そうそう、俺は太陽。一応雄英ヒーロー科1年」

「へぇ、あんたがねぇ。似合わないわよ」

「知ってる。で、提案なんだけど…レディ・ナガン。呼びにくいわ。本名教えて」

「筒美火伊那」

「じゃあ、カイナさん。あんたの追っ手、潰さない?」

 

太陽は不敵な笑みを浮かべてそう提案する。火伊那は驚いたように太陽を見る。それはヒーロー候補生がそんなことするのかという呆れも含まれているようにも見える。

 

「はぁ?ヒーロー科がそんなことを提案するなんて」

「良いんだよ。俺は大衆のヒーローには向いてない。あんなヒーローショーみたいなやつには、な。それより、俺はあのショゴロを使っているやつを絶対にぶっ殺さないといけない。あれをほっとけば絶対にやばいことが起きる」

「そこまでいうなら。いいわ。やってやるよ」

 

この日、指名手配犯とヒーロー科1年(探索者)の協力関係が築き上げられた。

2人は作戦を整えるために一度場所を変えることにする。2人が話し込んでいる間に夜へと差し掛かっており夕食を取るついでに作戦会議をするために安価なファミレスへと来ていた。

火伊那はここ最近まともな飯を食べていなかったのか大量に頼んでいる。太陽は簡単な軽食をとステーキセットを頼む。

 

「それで、作戦はあるの?」

「ん?ない」

 

むしゃむしゃと逐一運ばれてくる料理を片っ端から食べ進めている火伊那。彼女は食べるのがひと段落すると持っているフォークでプラプラと遊びながら太陽に質問する。

ステーキを食べ終わりコーヒーに砂糖とミルクをたっぷり入れてチマチマ飲んでいる太陽は当然のことのようにそう返す。

 

「はぁ!?じゃあ何、正面から行くとか?」

「めんどいしそれで良いよ」

「一個言うけど。公安って警備やばいよ?それでも正面から行くの?」

「まぁ、警備やばくてもなんとかなるでしょ」

「あ、そう」

「そういや聞いてなかったけど、あのショゴロを使ってるの誰かわかる?」

「目星はついてる。私のことを疎んでて会長の座を争ってるやつだから…憶田録郎*9。そもそも会長の座を狙ってるのは2人しかいない。その1人が憶田」

 

太陽は火伊那が見せた写真の人物をよく見る。なんと言うか特徴のない人物。太っているわけでもなければ禿げているわけでもない。中肉中背でこれと言ったっ特徴が見つからない。火伊那が知っている情報を聞いてもこの人物が公安にいるのが不思議で仕方がない。

 

「なんだろ。親の七光り感がやばい」

「その通りよ。あいつは殆ど親の七光りで公安に所属してる。最近は変な本を貰ったとかで噂になってた。人を洗脳したりとか好き放題してるって噂もある」

「魔導書持ってんのかよ」

 

魔導書を持っているかどうか、なんの魔導書かで面倒くささが半端なく上がる。このせいで更にすぐさま殺さないといけない。そして魔導書を回収しないといけない。そもそもあんなものがこの世界にあったら何が起きるかわかったものじゃない。クトゥルフ神話が蔓延り、《個性》がない世界とは訳が違う。簡単に複製されて世界中にばら撒かれる危険性もある。故に1番精通している太陽が回収しないといけない。

 

「魔導書?」

「その七光りが持っているであろう本。いろんな呪文が載っててやばいのも沢山あるやつ」

 

ここまで来たら火伊那も共犯にしとくのが良いかなと考え太陽は魔導書やクトゥルフ神話の情報をぼかしつつも話す。

 

「呪文?魔法みたいなもの?」

「そう、これが魔導書」

 

太陽は個性を使ってネクロノミコンを出す。禍々しい雰囲気が漂い火伊那は唾を飲み込む。

太陽はそれを簡単にペラペラをめくって中身を見ている。火伊那は意を決して質問をする。

 

「そんな禍々しいものをあいつが持ってるのか?」

「まぁ、その可能性が1番高い。あ、記念に1個呪文覚える?空中浮遊でも転移でも殆ど何でもあるよ」

「え、じゃあ。空中浮遊で」

「オケ」

 

太陽はメモ用紙に《空中浮遊》の呪文と効果やその他諸々を書く。それを火伊那に渡す。

 

「これ読めば覚えるはず」

「なに、これ、?脳内に情報が直で入ってくる。あ、がぁ…」

 

火伊那は頭を抑えながら数分間苦しむ。その苦しむ時間が終わるとスッキリしたような表情をしている。

 

「なにこれ!?呪文の使い方が鮮明に理解できる」

「よかったじゃん。これで呪文が覚えられました〜パチパチ〜。じゃ、公安行こうか」

 

太陽は会計を済ませると火伊那を連れてファミレスを出る。そして近場の路地裏に向かい、そこで《門の創造》を唱える。《門の創造》で移動した場所はヒーロー公安委員会がよく見えるビルの屋上。時刻は夜の10時を過ぎており公安委員会の建物も殆どが消灯している。それでもいまだに仕事をしている人がいるのか階毎に何個か電気がついているところがある。

 

「最上階から1つ下の階。その1番左の部屋が憶田の仕事部屋」

「りょうか〜い。一応、姿変えておくか」

 

太陽は《変質》を使い姿を変える。白の長髪を携えた身長が175cm程ある長身ですらっとした少女。服装も変化し白シャツにジーパン、シャツの上から真っ白な白衣を着ている全体的に白が基調となっている人物。太陽はそれに変身する。一応モチーフは風の落とし子。

 

「じゃあ行きますか〜」

「もう驚かないわ」

 

2人は《空中浮遊》を唱えると空中を歩くように移動していく。

 

「どっちからいく?上から、それとも下から?」

「どっちでもよくない?警備が少なそうなのは上だけど」

「じゃあ下からで」

 

太陽たちは入り口へと降り立つ。公安という超重要な建物。案の定入り口には警備員が2人ほど立っている。それ以外にも監視カメラが常時入り口に向けられているのも見える。深夜ということもあり建物の中から出てくる人もいなければ建物の前を通りかかる通行人もいない。故に警備員も太陽たちもお互いがよく見える。警備員は火伊那の姿を見つけると指を指す。

 

「お前は、指名手配犯の!!レディ・ナガン!!」

「大人しく捕まりにきたのか!?」

 

驚いた様子で捲し立てる警備員。指名手配犯に夢中で一緒に着ている太陽には見向きもしない。

それを好機と捉えたのか太陽は瞬時に間合いを詰めて回し蹴りを喰らわせる。その蹴りは1秒の間に2回起こり、それぞれ警備員の顎を綺麗に捉える。

脳を揺らされた警備員は目を回してその場に倒れ込む。その様子を見て太陽は呆れた様子で吐き捨てる。

 

「いや、警備員なら即座に他と連絡取れよ」

 

警備員を無力化するために装備を剥ぎ取り綺麗に畳んでから警備員を土に埋める。頭を下にするのを忘れない。犬神家になった2人を置いて2人は公安の建物の扉を蹴破って侵入する。

 

「さ〜て、いっちょやりますか」

*1
どうせ一緒に行かないなら聞くなよ

*2
前世では世界的な感染症もあり売り切れや転売ヤーが一時期蔓延っていた。時間と共にそれらも解消されたのだが

*3
転売ヤーは死すべき。慈悲はない

*4
Switch

*5
DS、3DS

*6
ファミコン、スーファミ

*7
新作で甲羅マリオを使いたい民。スーパーマリオワールドめちゃ面白いよ、布教する

*8
ニャルカスには妥当の扱い。今まで苦しめられた分をぶつけよう

*9
オリキャラ




レディ・ナガンがヒロインになることはないとは思いますが、良い相棒ポジションにはなると思います。

2人のヒーローの話はいる?

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