冒涜的なヒーロー   作:月ノ蛇

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投稿30分前に書き終わったので初投稿です。

まじでギリギリで辛い。寝る間も惜しんで書きました。頑張った頑張った。
ちなみに夏休みがもう少しで終わります。来週から後期の講習が始まるんですが課題が終わってないので今日中に終わらせないといけません。やばいです。こんなの書いている場合じゃないです。ガチで。読書感想文もありますが頑張ろうと思います。


スピリタスってやっぱお酒というよりも危険物なんじゃね

黒い霧が晴れる。太陽は見知らぬバーの中に立っていた。周りを見渡せば荼毘やトゥワイス、ヒミコ、コンプレスたちも同じ様に霧から出現している。

正面を見れば全身に手をつけているこの前雄英を襲撃した男がソファに座っている。また、バーカウンターには同じく襲撃をした黒霧と呼ばれた男が立っている。

 

「連れてきたぞ」

「弔くん!疲れました〜」

「頑張ってきたぜ!!何もしてねぇけどな!!

「いやぁ、疲れた疲れた」

「お前違うだろ」

「え〜、ここまできたら俺も仲間でしょ?」

「お前は捕まってんだよ」

 

太陽はいつのまにか両手を後ろで拘束されている。それでも飄々と軽口を言っている。

死柄木がため息をつくとゆっくりと立ち上がる。ヒタヒタと太陽の元へ向かいその右手を広げて太陽の顔に近づける。

 

「お前、雄英襲撃のこと覚えてないのか?俺に殺されるかもしれないんだぞ?」

「やってみろよ」

「きゃっ!?」

 

死柄木の掌が太陽の顔を掴む。太陽の顔を起点に肉体に罅が入る。ビシビシと音を立てて肉体が崩壊を迎える。その様子を見たヒミコから悲鳴が上がる。太陽の肉体はだんだんと塵状になるも崩れずに形を保っている。

 

「このくらいじゃ死なないんだよな」

「はっ!?」

 

全身塵状の太陽から声が聞こえる。口があった場所が動き出す。

死柄木はその異様な様子に驚き手を離して一歩後退る。

太陽の肉体は逆再生を見ているかの様に罅同士がくっつき元の形へと戻って行く。最終的には傷ひとつない肉体が完成する。

 

「どう言うことだ…?」

「さっき言った通りこのくらいじゃ死なないんだよ。個性的なものでね」

「…チートがよ」

「まぁその通りだね」

 

太陽は先程塵状になったことで外れた手枷を拾い上げて死柄木に手渡す。

 

「それじゃあ、俺もボロボロになったしこれであの時の貸し借りは無しね。対等に行こう」

「チッ」

「んで、何で俺を連れてきたんだい?」

「あ〜、記者会見もまだだしな……まぁいい。お前、仲間にならないか?」

「いいよ」

「まぁ、拒否するよ、な?……ん?」

「だから、いいよ。何もわかんないけど面白そうだしやるよ。あと、ヒミコちゃんもいるしね。あ、スピナーもだよ!!」

「そうか、そうか……」

「嬉しいです!!漸く太陽くんと一緒に遊べるんですね!!」

 

太陽はバーカウンターの椅子に座る。そして、正面に立っている黒霧にオーダーをする。

 

「スピリタスをロックで」

「ありません」

「え?」

「あんなのは酒と言わないので。と言うかここに置いていたら普通に危険です」

「……………確かに。よく燃えるし」

 

太陽は諦めて水を貰った。グイッと一杯流し込むと未だに一瞬で仲間になったことでさっきまで考えていた勧誘文句が無駄になって呆けている死柄木に体を向ける。

 

「俺は何すればいい?」

「…あ、あぁ。これまでと同じでいい。雄英で暮らしながら必要な時来てくれ」

「了解。一応表では敵ってことでいい?」

「ああ」

「それじゃあ、自己紹介していいかしら?私はマグネ。マグ姉って呼んでちょうだい」

「トガヒミコで〜す!!よろしくね。太陽くん!!」

「俺はトゥワイス。よろしくな。よろしくしねぇ

「荼毘だ」

「スピナーだ。久しぶりだな」

「おじさんはMr.コンプレスだよ。よろしく」

「…俺は死柄木弔」

「黒霧です」

「そして、俺が夢見太陽。よろしくね」

 

自己紹介が終わりそれぞれ好きな様に寛ぐことになった。死柄木はソファに腰掛け、太陽はカウンター席に座る。その隣にはヒミコが座ってくる。荼毘は座ることなく壁に体を預けている。

ふと、部屋の中に唯一あるテレビが勝手につく。

 

「…やあ、みんな。全員いるんだね」

「先生」

「弔、スカウトに成功したようだね。よかったよ」

 

テレビ画面は真っ暗でそこから声だけが聞こえてくる。声を聞くだけで威圧感を感じ、一般人ならばすぐにでもこの声が聞こえないところに逃げたくなるだろう。しかし、神話生物に慣れきっている太陽。涼しい顔でその声を聞く。

 

「夢見太陽くんだっけ?…君には結構お世話になってね」

「あ〜〜〜、脳無だっけ?」

「そう。君のおかげで2体もの脳無を殺されたよ。その代わり、僕の手伝いをしてくれないかな?」

「え、お前が嗾けたのに……当たり屋?」

「君の細胞を少しだけ分けてくれればいいんだ」

「あ、そんくらいなら………」

「ありがとう。それじゃあ、一旦僕の元に来てもらおうか」

 

その瞬間、太陽の口から大量の泥が溢れ出る。その泥は太陽を包み込むと一瞬にして消え去る。

 

 

太陽は気がつくと先ほどまでとは全く違う場所にいた。辺りには多くのパイプがあり薄暗い地下の様な場所。正面には全身に点滴をつけた目から上がのっぺらぼうの男と電源がついているパソコンが置いてある。その画面には先ほどまでいたバーの映像が写っている。

 

「初めましてだね。私が先生さ」

「暗くない?目悪くするよ」*1

「それじゃあ早速、君の細胞を貰うね」

「髪の毛でいい?」

「まぁそれでいいよ」

 

プツンと太陽は髪の毛を一本抜く。AFOはそれを受け取ると一つの試験管に入れる。

 

「それじゃあ、対価をあげよう。何か欲しい〝個性〟はないかい?」

「ない」

「そう……なら、帰ってもらうよ」

「あ、自分で帰れるんで。じゃ、お疲れ様でした」

 

太陽の解答に一瞬戸惑うもAFOは切り替えて発言する。

AFOが先ほどの泥の〝個性〟を使う前に太陽は《門の創造》を唱えるとその場から帰っていった。後に残ったAFOは1人でクツクツと笑い出す。

 

「これを素体にもっといい脳無を作ろうか。ありがとう夢見太陽。君のおかげで計画がさらに進んだよ」

 

 

門を潜ると先程と同じメンツが揃っている。テレビ画面はすでに消えた後の様だ。太陽の姿が見えたと同時にヒミコが抱きつく。

 

「どうでした?」

「ん?いや、髪の毛あげただけ」

「よかったです!!」

「心配してくれたんだね.ありがと」

「おい、本当にこいつが仲間になっていいのか?」

 

荼毘が煽る様に話す。ヒミコはその様子にムッと怒った様な視線を送る。しかし、その当事者である太陽は「確かに」と納得している。

荼毘が不安を煽る様に続ける。

 

「こいつが本当に仲間になるなんて思ってるのか?ヒーロー側に情報を渡すかもしれないんだぞ」

「そんなことするわけねぇだろこいつならするんじゃねぇか?

「どうなんだ?」

「ん、まぁ、確かに。そう言う考えもあるね。俺はそんなつまらないことするわけないけど……………」

 

太陽は一つの提案をする。

 

「俺の右腕みたいなやつを人質にするよ。これで満足だろ?」

「誰のことだ?」

「今から呼ぶさ。《門の創造》」

 

太陽が作った門から1人の女性が落ちてくる。先ほどまで寝転んで漫画を読んでいたのかその体勢のまま床にぶつかる。紫色の髪の毛の女性。筒美火伊那である。腹から床にぶつかったためか腹を抑えて丸まってしまう。数秒経つと周りの様子を確認してスッと立ち上がる。

 

「イッッタ!!!…………なにここ?」

(ヴィラン)連合の本拠地だけど」

「は!?あんた捕まったの?」

「仲間になることにした」

「あっそ。で、何で私がここにいるの?」

「いや、俺が信頼されるために人質になってもらおうと思って」

 

火伊那は辺りを見渡して理解する。

 

「あぁ…そういうこと。まぁいいけど」

「てか、こいつレディ・ナガンじゃねぇか!!」

 

スピナーは火伊那を指差してヒーロー名を叫ぶ。火伊那はスピナーを見て面倒くさそうに話す。

 

「ヒーローは辞めたの。今はこいつの居候?まぁいいや、そんな感じ」

「ハハ!ハハハハハ!!!……強個性を勧誘したと思ったら元プロヒーローまでついてきたのかよ!!最高だな今日は!!!」

 

死柄木は楽しそうに笑う。一頻り笑った後宣言する様に話す。

 

「こいつはもう仲間だ!!俺たちが(ヴィラン)連合だ!!」

 

 

時刻は朝まで飛ぶ。各々勝手に眠ったため語ることはあまりない。強いていうならヒミコが太陽に抱きついて寝ていたことだろうか。

朝7時。昨日深夜まで起きていた死柄木は漸くノソリと目を覚ます。

 

「起きた?朝飯出来てるよ」

「は…?」

 

死柄木が寝ていたソファの前のテーブルには多くの料理が乗っていた。卵焼きからスクランブルエッグ。ベーコンやウィンナー、多種多様の料理が所狭しと置かれている。そして、熱々のご飯が人数分茶碗に装われている。

太陽はエプロンをつけてバーカウンターの後ろの入り口から出てくる。そこは簡易的な台所を併設している物置だったはず。その手にはサラダが盛られた皿を持っていた。

 

「いい匂い…」

「ふあぁ」

「あら、美味しそうなご飯ね」

「…………」

「何だこれは…」

「美味そうだな!!不味そうだ!!

 

続々とヒミコやマグ姉が起きてくる。全員そのテーブルの上の料理を見ると驚いた様な表情をする。

そんな彼らを気にすることなく太陽はサラダをテーブルに置くと未だに寝ている火伊那を起こす。

 

「ほら、火伊那。起きな。朝飯だよ」

「うぅ〜〜。眠…」

「みんなも座って。朝飯食べるよ」

「お、おう」

 

太陽は全員分の椅子をテーブルの周りに置く。それに合わせてヒミコたちも椅子に座り始める。

 

「黒霧さんも食べましょ」

「…いえ、私は」

「みんなで食べたほうが楽しいですし」

「………では、お言葉に甘えて」

 

全員が椅子に座ったことを確認すると太陽は話し始める。

 

「じゃあ、みんないただきます!!」

「いただきます!!」

「はぁ、いただきます」

「おじさん、こんなに豪華なの久々だよ。いただきます」

「いただきます。こんなの美味しいに決まってるじゃない」

「ほら、弔も」

「………いただきます」

 

それぞれ箸を使って好きなものを取る。弔たちは一口食べてその美味しさに驚愕する。そして、手を止めることなく無言で料理に手をつける。

太陽はその様子を見て嬉しそうにしている。ふと、箸を使うこともなく一切料理に手をつけていない荼毘に目が行く。

 

「あれ、荼毘くんは食べないの?」

「俺は、いい」

「アレルギー?その怪我で上手く食べれないなら治すよ」

「は?治す?」

「うん。そのくらいなら完璧に治療できるよ」

「!?…………今はいい。必要になったら言う」

「そう。なら食べよう!!」

「はぁ、わかったよ」

 

荼毘も漸く箸を手に取る。

もののす十数分でテーブルの上の料理は綺麗さっぱりなくなった。一番多く食べたのはトゥワイスでパンパンに膨らんだお腹を摩っている。

太陽はテキパキと皿を重ねて洗うために持って行こうとする。

 

「あ、私も手伝う!!」

「私も手伝うわね」

「ありがとう!」

 

その様子を見たヒミコとマグ姉は持ちきれていなかった皿を代わりに持って行く。

3人でやったためか皿洗いはものの数分で終わった。太陽は水気を拭き取らずに門の中に入れて行く。*2

皿洗いを終えてバーへと戻ってくると死柄木はテレビをつけていた。

 

「見ろよ。どのチャンネルも俺らの襲撃の話で持ちきりだぜ」

「ふーん。どれもヒーローを批判する様な放送だね」

「なぁ、クソだろ?俺らはこんな腐った社会をぶち壊したいんだよ」

「いいじゃん。俺もこの世界はゴミみたいって思ってたし」

 

死柄木は悪戯が成功した子供の様に無邪気に笑っている。数分、チャンネルを変えていたが飽きたのか電源を切る。

太陽もやることがなくカウンターに突っ伏して目を瞑る。その隣で火伊那はぐっすりと眠っていた。*3

太陽の頭に浮かぶのはヒーローの仕事の邪魔をする様に群がる民衆。少しでも被害が出れば簡単にヒーローを叩こうとする民衆。*4

太陽はそんなことに頭のリソースを割くことが馬鹿らしくなり体を起こす。

 

「よし、みんな!ゲームしよ!」

「いいですね!!」

「楽しそうだな!!つまんねぇぞ!!

「おじさん、そう言うの詳しくないからなぁ。できるかなわかんないや」

「その提案いいわね。みんな暇してたところだし」

「何やるんだ?」

「俺はパス」

「私はやることがあるのでいいです」

「俺もやらねぇ。うっかり壊しちまったら大変だからな」

 

寝ている火伊那を外したら参加半分不参加半分になった。太陽は死柄木の発言でふと気になったことを質問する。

 

「そういや、指サックでもすればいいんじゃね?」

「は?」

 

指サック。それは指一つにつける滑り止めの様なもの。ゲーム用のものも発売されておりそれの用途はスマホゲームなどで指の脂で画面が汚れたり上手く滑らないことを防ぐ。ゴム製の業務用と違い色々な繊維を使っている。

 

「ほら、つけてみなよ」

 

太陽は門から未開封のゲーム用指サックを取り出す。死柄木は言われた通り両手の人差し指につける。

 

「これでいいでしょ。うーん、空き缶でいいか。持ってみて」

「うおっ!?」

 

太陽はつけたのを確認すると空き缶を放り投げる。死柄木は突然投げられた空き缶に驚きその五指で触ってしまう。当然と言うべきか『崩壊』する様子はない。指サックによってその指だけ触れている判定が消えたことが要因だろう。これで問題なく遊べることが証明された。

 

「何やる?みんなでできるゲームだし………」

「トランプとかどうですか?」

「いいね。じゃあ、大富豪でいい?」

「それならルール覚えてるぜ!!わかるわけないだろ!!

「おじさんもそれならできるよ」

「何年振りかしら。大人数で遊ぶのは」

「久々にトランプやるな」

「やるなら、俺が勝つ」

「あ、荼毘くんもやろ」

「俺はいい」

「そう…。じゃまた今度やろう!!」

 

太陽は門からトランプを1セット取り出して全員に配り始める。

 

「じゃあ、ローカルルールは都落ち、スート縛り、禁止あがり、革命、8切り、階段、スペ3返し、11バックくらいかな」

 

スタートは厳正なジャンケンの結果コンプレスからになった。

 

「おじさんは真面目だから小さい数字からにするね」

 

《割愛》

 

「あがり。おじさんが大富豪だね」

「む〜、強いです〜!!」

「ほら、まだ富豪もあるから頑張りましょう」

「俺のターンか。ほれあがりだ」

「弔が富豪かよ。くっそ強えじゃねぇか」

「スピナーも頑張りな」

「当たり前だろ」

 

最終的に大富豪:コンプレス、富豪:弔、平民:ヒミコ、トゥワイス、マグ姉、貧民:スピナー、大貧民:太陽、となった。

手札がゴミすぎて最後まで勝つことができなかった*5太陽はテーブルに突っ伏す。

 

「本当にみんな強かったんだけど……」

「太陽くん!!次は勝てますよ!!」

「おじさんも今回運が良かったからね。次はどうなるかわかんないや」

 

そして太陽たちはトランプゲームやテレビゲームを遊んで夜まで過ごした。途中からは火伊那や荼毘、黒霧なんかも巻き込んで(ヴィラン)の巣窟らしくない楽しい空間になっていただろう。

 

 

林間合宿襲撃2日後の夜*6、彼らはバーに設置されているテレビに注目している。

テレビでは雄英高校の記者会見が行われている。

 

『この度は我々の不備からヒーロー科1年に被害が及んでしまったこと、ヒーロー育成の場でありながら防衛を怠り社会に不安を与えてしまったこと。謹んでお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした』

「なっ、相澤先生がちゃんと髭を剃っているだとっ!?」

「気にするとこそこか?」

「弔くんも見たでしょ?雄英襲撃の時の浮浪者みたいな格好を」

 

太陽と死柄木が話している間もテレビでは記者会見が進行して行く。その大半がヒーローを責める様な事柄。普段から守ってもらっている自覚はないのか、こいつらは。

 

『不幸中の幸いだとでも?』

『未来を侵されることが〝最悪〟だと考えております』

『攫われた夢見くんについても同じことを言えますか?』

 

問題は誘拐された太陽の話へと変化して行く。記者は臆することなく質問して行く。

 

『体育祭優勝、リューキュウ事務所にいた際の単独(ヴィラン)撃破。経歴としてはヒーロー性を感じますが、反面、体育祭で見せた個性の特異性、一瞬にして遠くまで移動できることや目隠しを張ることが出来ること、狼のような姿に変身もしていましたね。ここまでの個性なら(ヴィラン)側も喉から手が出るほど欲しがるでしょう。もし、そこに目をつけた誘拐だとしたら?言葉巧みに彼を勾引かし悪の道に染まってしまったら?未来があると言える根拠をお聞かせ願いたい』

 

過度に圧をかけて煽る様な言い草。太陽はその記者は本心ではヒーローの卵やヒーローなどどうでもよくネタが欲しいのだろうと考える。

その質問に対して怒るでもなく相澤先生は静かに答えた。

 

『彼のあの個性で(ヴィラン)に狙われたと言うならばそれは浅はかとしか言えないと考えております。彼のあの特異性は彼自身が十分に理解しています。それでも尚ヒーローを目指しているのです。それにどれだけの精神力が必要でしょうか。私は彼がその様なところで止まってしまうとは考えられません』

『質問の答えになっておりませんが?感情ではなく論理的な観点でどうなのかと尋ねています』

 

その質問に相澤先生よりも早く根津校長が答える。

 

『───────我々も手を拱いているわけではありません。現在警察と協力して調査を進めております。我が校の生徒は必ず取り戻します』

「ハハハハハ!!!ヒーローになれるとさ。面白い冗談だなぁ」

 

ふと、コンコンと扉がノックされる。

 

「どうもォ、ピザーラ神野店です」

「なに…?」

 

誰もが一瞬戸惑った。頼んでいないはずのピザが来たこと、なぜここなのか。ありとあらゆる理由が頭を駆け巡る。

しかし遅かった。

いきなり壁が破壊された。そこにはオールマイトがいる。

 

「なんだぁ!?」

 

スピナーが訳もわからず声に出してしまう。

オールマイトの姿を見た瞬間、死柄木は瞬時に決断した。

 

「黒霧!!ゲート……」

「先手必縛!!ウルシ鎖牢!!」

 

途端、木が太陽と火伊那を除く7人に絡まり付く。火伊那はその木が来る直前で後方に回避していた。

 

「なんだ?木ィ!?なら…」

「逸んな。大人しくしてた方が身のためだぜ」

 

荼毘は自らに巻き付いているものの正体に真っ先に気が付き自らの炎で燃やそうと画策する。しかし、空中を高速で移動した120cmもないだろう老人に顎を的確に蹴り飛ばされる。

 

「さすが若手実力者のシンリンカムイ!!そして目にも止まらぬ古豪グラントリノ!!もう逃げられんぞ(ヴィラン)連合!!…何故って!?────────────我々が来た!!!」

「オールマイト!?あの記者会見に合わせて来たのか!?」

 

トゥワイスやヒミコが拘束から逃げようと体を動かすも木はがっしりと肉体を絡め取っている。

 

「攻勢時ほど守りが薄くなるものだ…」

 

入り口の鍵が開けられ外から多くの警官が流れ込んでくる。

そんな中、拘束に力を入れているシンリンカムイが声を荒らげる。

 

「何故!?何故あなたがいるんですか!?レディ・ナガン!!!」

「いちゃダメなのか?」

「あなたは公安前会長殺しで指名手配されている。大人しく捕まれ」

「いや、ごめん。無理」

 

火伊那は〝個性〟を使う。肘が変形した銃口から7発の銃弾が射出される。

それらは部屋を縦横無尽に跳弾し死柄木たちを拘束している木を撃ち抜く。切断されたことで死柄木の拘束は弱まる。

しかし、シンリンカムイによって次はさらに強く拘束されてしまった。

 

「何っ!?」

「よくやった。さあ、黒霧!!脳無だ!!持ってこれるだけもってこい!!」

 

死柄木は黒霧に命令する。黒霧はその命令通りワープを発動するも何も出てこない。

 

「すみません。死柄木弔。所定の位置にあるはずの脳無が……ない!!」

「まだまだだな。君たちは舐めすぎた。警察の弛まぬ捜査力を、我々の怒りを!!!ここで終わりだ!!死柄木弔!!」

「クソっ!!クソクソクソクソ!!!だから嫌いなんだ!!!正義とか平和とか!!!全てゴミなんだよ!!黒霧!!」

 

命令された黒霧は〝個性〟を発動しようとする。しかし、その寸前で糸が切れた様に気を失う。

 

「キャアアアアア!!!やだもう!!殺しちゃたの!?」

「本体は体にあるはずだと考えてな。中を少々弄った。忍法千枚通し!!この男が一番厄介でな先に倒させてもらった」

「だから言ったろ?大人しくしてろって。引石健磁、迫圧紘、伊口秀一、渡我被身子、分倍河原仁、あと筒美火伊那。警察が夜鍋して見つけたそうだ。わかるか?もう逃げ場はねぇってことだ。筒美火伊那が何故ここにいるかは知らないがな」

 

死柄木はその様子に酷く狼狽する。目の前にいるオールマイトが真実とは受け入れられないようだ。

 

「ふざけるな…こんなあっさりと終わっていい訳ない……ふざけるな…失せろ……失せろ…失せろォォォォ!!!!」

『弔が初めて自分でやったことなんだ。少しくらい手伝ってあげないとね』

 

テレビから声が聞こえる。オールマイトとグラントリノはその声に驚愕しそちらを見てしまう。

その瞬間、カウンターの上に2つの黒い泥が出現しそこから脳無が現れる。

 

「何っ!?」

「脳無!?何もないところからいきなり泥現れたのは何故だ!?」

 

泥は更に増え同じく脳無も更に出現してくる。

それと同時に死柄木たち9人の口から勢いよく泥が溢れ出る。その泥は体を飲み込み始め次第に小さくなって行く。

 

「夢見少年!?」

「やば、ごふっ…」

「なん、だと!?NOOOOOOO!!夢見少年!!」

 

そして、9人の肉体はその場から消失した。

*1
彼は前に戦ったことを忘れています

*2
門の先でニャルが残り全部やります

*3
レディ・ナガンがズボラなお姉さんポジになりかけている今日この頃

*4
ゴミかな

*5
幸運ファンブルかもしれない。大富豪の手札に幸運がかかるかどうかは置いといて

*6
2日目の朝や昼も同じ様に太陽が料理を作った




これからの話で強化脳無とか出したいな〜ってことで、ここで脳無を強化するフラグを立てておきました。

追記:時系列を間違っていました。記者会見のやつを見たのは襲撃終わってから2日目の夜らしかったです。緑谷の怪我関係もあるので時間をずらしました。次の話の前書きにも書きますが一応。内容的にはあまり変わりないです。
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