クトゥルフの触手を見ただけでも一般人はSANチェックするよね。わすれてたよ。
一応本体見るより少ないSANチェックにしてます。本体が1d10/1d100に比べて触手は1/1d5くらい?
相澤先生が出ていった教室は静かだった。
遅れてきたと思ったらいきなり土下寝をしたから当たり前だろう。
その当人が飄々と笑っているのもそれを加速させる。
爆豪や轟は興味がないのかさっさと着替えに行った。
「どうしたんだい?みんな元気ないじゃないか!!」
そんな太陽にズガズガと近づく人がいる。
メガネをつけたthe委員長と言える生徒。
「君!遅刻したと言うのになんと言う態度だ!!」
「ん?謝って許してくれたからいいんじゃね?てか、まず名前教えてよ」
「まぁ、確かにそうだが、そもそも遅れてこないようにしたまえ!!……俺は飯田天哉だ!!」
「夢見太陽だ。これから一年よろしくね。俺の席ってあれ?」
1番後ろの窓側の席を指す。
そこだけカバンなどが何もない。
誰も使っていないことが容易にわかる。
誰かが答える前にその席にカバンを置きにいく。
その途中で見知った顔を見つける。太陽を見て驚いたような少女。
「あ、耳郎じゃん。おひさ」
「う、うん。どうしたの。遅刻して」
「普通に寝坊。10分前に起きちゃって…急いで来た」
「は?10分前?」
「そうそう。いや〜、間に合ったと思ったんだけどね」
太陽は机の中のバナナを取り出しながら耳郎響香と会話する。
普通は10分でここまで来れるわけないのと机の中からバナナが出たことに呆気に取られる。
そんな中でも太陽は体操服とバナナを持って更衣室へ行こうとする。
「あれ?この後グラウンドでしょ?早く行かなきゃ」
その言葉でクラスメイトは本来やることを思い出してバタバタと慌てる。
その姿を笑いながら*1太陽は着替えに行く。
─────────────
「個性把握テストぉ!?」
グラウンドに全員集まると相澤先生が説明を始める。
そのことが意外だったためクラス全員が聞き返す。
「入学式は?ガイダンスは?」
「そんな悠長にしてる時間はねぇ」
「他のクラスはやってるみたいですけど〜?」
「うるせぇ。遅れてきたお前に文句言う権利はない。あとバナナを食うな」
麗日の質問や太陽のヤジを返し説明を続ける。
「そもそも雄英は自由な校風。それは教師もまた然り」
「「………」」
「お前達の中学の頃からやってるだろ?個性使用禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録をとって平均を作り続けている。合理的じゃない。ま、文部科学省の怠慢だな。夢見、バナナはダメだと言ったがだからといって林檎を食っていいわけじゃない」
そこまで話し、一度手元のタブレットに目を落とす。
「今年の首席は……夢見、お前だな」
「アムアム……そうですけど、どしたん?」
「「はぁ!?」」
「ちっ」
太陽が主席と聞いて大きな声をあげるクラスメイト。
初日から遅刻する人が主席とは驚くだろう。
爆豪は太陽を睨みながら舌打ちをする。
「次そんな舐め腐った態度をしたら除籍な?それじゃあ、中学の時のハンドボール投げ。何mだ?」
「はいっ!!ええと、50mくらい?」
「そうか、それなら今から個性をフルで使って投げてみろ。この円からでなければ何してもいい」
相澤先生が指すところにはよくハンドボール投げで見る白い円があった。
(つまりこの円からでなければ何してもいいんだな!!*2)
太陽はその円の中に入る。
相澤先生からボールを手渡され投げるフォームをする。
その勢いのまま投げるとも思ったがいきなりフォームを止めて相澤先生に質問する。
「この円から出なければ何してもいいんですよね?」
「そう言ってるだろ…早くやれ」
「いえっさー!!」
太陽はボールを投げる素振りを見せない。
口でブツブツと何かを言っている。
クラスメイトは距離が離れておりよく聞こえない。
「おらっ!!《門の創造》じゃい!!」
そう叫んだかと思うと太陽の目の前に黒い霧状のゲートのようなものが現れる。
突然現れたそれに呆気にとられているクラスメイトを後目に太陽はキャッチボールをするかのような軽い力でボールをゲートに入れる。ボールが入るとそのゲートは霧散する。
「相澤先生!!記録は?」
太陽は後ろにいた相澤先生に記録を尋ねる。
手元の装置を見ながら相澤先生はため息を着く。
「エラーだ。ちなみに聞くがどこまで飛ばした?」
「えっとぉ、魔力を20くらい消費したのでぇ……5000万光年くらいですかね!」
「じゃあ、それでいいや」
「待ってください。5000万光年と言っても宇宙に投げたのでそれ以上行きます!!」
「じゃあ、∞で」
「しゃおらぁ!!記録更新じゃあ!!」
「「はぁー!?!?」」
「∞ってなんだよ!?おかしいだろ!!」
「てか、個性使っていいなんて面白そー!!」
「最高じゃねぇか!!さすがヒーロー科!!」
クラスメイトはその異常な記録に歓声を上げる。
その姿を見た相澤先生が静かに呟く。
「はぁ、面白そう、か…………」
「「???」」
「この3年間、その心意気でやるのか?……それなら八種目トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としよう」
「「はあぁぁぁー!?!?」」
突然の宣告に驚きを隠せず声をあげるクラスメイト一同。
ようやく倍率300の雄英に入ったにも関わらず1日で除籍させられる可能性が出てきた。
そんなクラスメイトを尻目に相澤先生は不敵に笑う。
「生徒をどうするかは先生の自由……ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」
当然、除籍に反発する生徒も現れる。
「除籍って、そんなの横暴じゃないですか!?しかも入学して1日目ですよ!?」
「自然災害、大事故、そして身勝手な敵達、いつどこから来るか分からない厄災、日本は理不尽にまみれている。そういうピンチを覆していくのがヒーロー。放課後マックで談笑したかったのならお生憎。これから三年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。"Plus Ultra"さ。全力で乗り越えてこい」
しかし、相澤先生は譲らない。
それを聞いて不敵に笑うもの、心配そうになるもの、楽しそうなもの様々な様子で個性把握テストは始まる。
─────────────
第一種目、50m走。
名簿順に二人組でやるそうなので太陽は最後。しかも1人である。
太陽の前にやった人で目立ったのは飯田。飯田天哉の個性〝エンジン〟はその名の通り足にエンジンがついている。それを利用して記録3秒04をマークする。また、爆豪も個性〝爆破〟で一気に推進力を得て4秒13でゴールする。
「じゃ、最後。夢見、お前だ」
ハンドボール投げで∞を記録した太陽。誰もが注目する。
クラスメイト全員に注目されながら始まる50m走。
「ヨーイ、ドン」
相澤先生の合図がなる。
「《門の創造》」
ハンドボール投げと同じ呪文を使う。
目の前に瞬時に現れるワープゲート。その出口はゴール直前に現れる。
太陽は勢いをつけたままそれに入る。
「1秒87」
門に入る時間や門を出てゴールを通る時間などがあり1秒を切ることはできなかった。それでも1位を記録する。
得意の競技だったのか飯田は少し項垂れている。
第二種目、握力。
これは多腕の障子という生徒が高記録を叩き出す。
その腕を3本使って握力計を握る。
その腕から出る記録は540kg。個性なしの最高192kgの4倍以上をマークする。
「うわー、すげぇ!!ゴリラ、いや蛸みてぇ!!」
「なぁ、タコってエロいよな」
「そう?……んじゃいきまーす」
太陽は詠唱を始める。
足元に魔法陣が現れそれと同じものが少し離れた地面にも現れる。
「いあいあくとぅるふふたぐん。さっさと出てこい。《神格部分招来 クトゥルフ》」
「なんだ………なん、だ」
「ヒュッ……」
地面に現れた魔法陣からタコのような触手が召喚される。
その触手が握力計を握る。
「はぁ、はぁ?なんだよ、それ」
「いや、あそこで万力使ってる人いるじゃん」
「待って、キモい。吐きそう……オェ」
「あんまよく見んなよ。吐くかもしれねぇから*3」
記録は1400kg。STR140もある大いなるクトゥルフの顎の触手*4が握ったらまあそうなるだろう。
クラスメイトはその異様な存在に慄き、吐き気を催す者までいる。
プロヒーローである相澤先生までも青い顔をしている。
「やべ、精神分析!精神分析!」
「はぁはぁ、夢見。お前、次からそれを出すな」
第三種目、立ち幅跳び。
麗日は自分に〝無重力〟を付与し、∞を記録する。
他にも爆豪や青山は〝個性〟をフルに使って砂場を超えた記録を出す。
太陽はそれを見て一つの呪文を思い浮かべる。
「じゃあ最後、夢見」
「《空中浮遊》」
太陽はその場で地面から1.5mほどの高さに浮かび上がる。
その状態で並行移動し始める。
「おい、それは後どのくらい続く?」
「んー、魔力掛けまくればほぼ無限?」
「あー、∞でいいか」
「やべー!!2個目じゃん!!」
「お前空中も浮けるのか!?一体どんな〝個性〟なんだ!?」
「ちっ」
個性把握テストの種目で2個目の∞の記録。
誰もが感嘆の声をあげる。
爆豪だけは舌打ちをして太陽を睨みつける。
第四種目、反復横跳び。
特に太陽が目立つようなことはなく終わる。
まぁ、横移動に使える呪文があるわけじゃないからしゃあない。
因みに峰田が〝もぎもぎ〟を利用して無双してた。
「残像見えててキモかった」
「はぁ!?何ってんだ!?夢見ィ!!」
「わかるわ」
「切島までぇ!?」
第五種目、上体起こし。
これも特にこれといった記録を出せたわけもない。
上体起こしに使える(ry
峰田はまた〝もぎもぎ〟をうまく利用して高記録を出していた。
他にも尻尾を持つ尾白もその尻尾を利用していた。
「尾白はいいけど、峰田の高速上体起こしはなんかキモかった」
「またかよぉ!?」
第六種目、長座体前屈。
〝蛙〟の個性をもつ蛙吹が舌を伸ばして記録を伸ばしたり常闇が〝ダークシャドウ〟を使って記録を伸ばすなど最早体の柔らかさが関係ない種目。
太陽は無難に体を伸ばす。物理的に胴体が伸びる。スライムのように胴体が伸びていく。体操服からはみ出た胴体は玉蟲色をしておりずっと見ていると気持ち悪くなる。すぐに視線を外す人もいた。
「キモっ」
「峰田よりキモいかもしれない」
「なんか吐きたくなった」
「早く元に戻ってください」
「ごめんごめん。次は前もって言うね!!」
「ほんとに頼むからな!?」
記録は20m。
第七種目、持久走。
個性〝創造〟を持つ八百万が単車を創り出して走った。
持久走のくせに持久が関係ない。
「あ、夢見。お前さっきのワープなしな?」
「何故に!?」
「コースを回れ。それ使ったら実質スタートからゴールまで直線になるだろ」
「確かに。わかりました!!」
《完全》と言った呪文もあるがこれは一度使うと2度と元に戻せないのでこんなところで使うわけにはいかない。
つまり、素の力で走った。案の定、単車や〝エンジン〟を持つ飯田には勝てなかった。
第八種目、ハンドボール投げ。
太陽は始めにやったので見学。
麗日はボールを無重力にし∞を記録する。
他には爆豪が〝爆破〟を利用していたり、八百万が大砲を使っていた。
「へぇ〜、俺以外にも無限出した奴がいるんだ」
「いやぁ、たまたま〝個性〟があっただけだよ〜」
「そんなわけねぇよ。ほらあそこに800mくらいしか出せねぇ雑魚がいるだろ?あの目つきの悪い奴。あれより上なんだから胸を張れよ」
「あ゙?煽ってんのか!?」
「いやいや。それよりこの目つきの悪いやつより2種目も上なんだよ。普通にすげえよ」
「てめぇ!!俺と最終結果で勝負しろやぁ!!」
「でもなぁ、俺が一位だと思うからな。勝負にもならないと思うなぁ」
「あ゙あ゙?てめぇ!!」
「それより、ほら次の人がやってるぞ」
そして緑谷出久の番になる。
これまで一度も〝個性〟を使った様子がないためこういったものに向かないものなのだろうと思っていた太陽。
その矢先、緑谷がボールを投げる。
しかし、ボールは40mと一般的な記録。
「お前の個性を消した。つくづくあの試験は合理性に欠ける。こういった奴が入学してくるからな」
異様な雰囲気が相澤先生を包む。
「個性を消した?……あ、あなたは抹消ヒーロー・イレイザーヘッド!!」
緑谷はいきなり大声を上げる。
「誰?知ってるか、麗日」
「ごめん」
「私知ってる。アングラ系ヒーローよ」
メディアにほとんど露出しないらしい。それならば知っている人もごく少数だろう。
それを知っている緑谷は結構なヒーローオタクなのだろう。
(てか、個性を消したって…そんなものもあるのか。それなら緑谷は寸前まで使おうとしていたってことになるが)
相澤先生に何かを言われた緑谷はぶつぶつと独り言を言いながら円の中で数秒間考える。
そして、大きき腕を振りかぶってボールを投げる。
「SMASH!!」
緑谷の中指に赤色の電気のようなものが纏われ勢いよくボールが飛んでいく。
記録は705.3m。
さっき投げた10倍以上飛んでいる。
(STRを上げるタイプ、こっちで言う増強系かな?)
「先生、まだ…いけます!!」
緑谷は涙目になりながらも手を握って宣言する。
その指をよく見ると中指だけが壊死しているかのように紫色になっている。
その様子を見た爆豪が緑谷に掴み掛かろうする。
「おい、デクっ!!なんでお前が個性を使ってんだ!!!ワケを言いやがれぇ!!」
鬼気迫る顔で両手から〝爆破〟を繰り返す。
このままでは緑谷に被害が行くと思った太陽は咄嗟に《支配》を使う。
「
爆豪はピタリと体を止める。
その間に太陽は爆豪を羽交い締めする。
きっかり10秒後、爆豪は動き始める。
「おい!!なんだこれは!?離せよ!!」
「ドウドウドウドウ」
爆豪はどれだけ体を動かしても太陽の羽交い締めを解くことはできない。
太陽はドウドウと馬をあやす様にしている。
「おい、爆豪。何してる。夢見、もういい」
「チッ、なんもしねぇよ」
「了解」
爆豪は相澤先生の言葉を受けてすぐにその暴力性を抑える。
緑谷に何もしないとわかったため拘束を外す。
「あと、緑谷。お前後でリカバリーガールのところに行ってこい」
「はい」
「ちょっと待った!!」
太陽がいきなり相澤先生と緑谷の間に挟まる。
相澤先生は面倒くさそうな表情をする。
「緑谷、ほら。《治癒》」
太陽が緑谷の指に手を当ててそう呟く。
するとじわじわと傷がなくなっていく。
「回復系の個性?それなら今までのあれはなんなんだ?回復じゃ話がつかない。それに始めの門みたいなやつ。あれもわからない。ワープゲートの様に見えるけどそれなら回復と噛み合わない。体が伸びるのも変な触手を召喚するのも。全部別の効果だ。一体どう言う個性なんだ?」
傷が無くなり痛みも無くなった指を見て緑谷はブツブツと呟く。
いつものオタクの部分が出てしまった様だ。
その間にも太陽は別の人のもとに行っている。
全ての種目が終わった。
全員集められて相澤先生が結果を発表する。
「それじゃ、サクッと結果を言ってくぞ。まず、一位は夢見。お前だ」
「やった〜!!」
「2位は爆豪」
「クソがッ!!!」
「なんで悪態ついてんだよ!!十分じゃねぇか!!」
「あの召喚野郎に負けたんだよ!!わかんねぇのか!?あ゙あ゙?」
最下位は緑谷出久だった。
「因みに除籍は嘘ね。みんなの全力を引き出すための合理的虚偽ってやつ」
「「はぁ〜?!」」
「そんなに声出せて元気いいね」
「少し考えれば嘘なのはわかりきっていましたわ」
クラスメイトはホッとした様子。
ただ、心理学ができる*5太陽だけは違った。
(あれは本心からの言葉だった。俺たちの結果がそれを変えたんだろう。………ツンデレじゃねーか!!)
太陽は生暖かい目線を相澤先生に向ける。
相澤先生から帰ってきたのは冷たい視線。
「あと、夢見。次その視線向けたら除籍な?」
「なんでですか!?」
「当たり前だろ」
ガビーンという効果音とともの太陽は崩れ落ちる。
教師にそんな目を向けていれば当たり前のことなのだが。
「これで今日は終わりな、クラスに資料等届いてるので目を通しておけ。明日からもハードだぞ。以上、解散」
そう言って相澤先生は先にもどっていった。
太陽たちもガヤガヤと自分の記録を言い合ったりして戻っていく。
ささっと着替えて教室にある書類を持って鞄に入れる。
「それじゃあ、帰りますか。《門の創造》」
太陽の目の前に門が出現する。
「じゃあみんな、バイバ〜イ」
手を振りながら太陽は門の中に入っていく。
その光景に唖然とするクラスメイト一同。普通なんかこう友達と帰ろうなどとは思わないのだろうか。それとも今日だけこれなのか。
「やっぱ、ずりぃよ。あの個性」
「なんの個性なんだろう?」
「チッ、次こそぶっ殺す!!」
残ったクラスメイトも各々のタイミングや友達と帰っていく。
1日目が終わる。
クトゥルフプレイヤーはみんな頭おかしい。
一般人をもってこいと言われて1000歳のPCを持ってくるやつとか製作で無から錬成する人とか芸術でありとあらゆるものをマリトッツォにするやつとか(全部うちの卓)