今思うと《治癒》って結構チートだよね。
俺が1番好きな呪文は《アザトースの呪詛》と《門の創造》、あと《ヨグ=ソトースの拳》ですかね。
ヒーロー科と言えども毎時間訓練をするわけではない。
雄英
昼前最後の授業は英語。プレゼントマイクが授業をしている。
「んじゃ、次の英文のうち間違っているのは?」
(これは冠詞が間違っているので4番)
キーンコーンカーンコーン
4時間目が終わる。
芦戸や切島は椅子に寄りかかって疲れをあらわにしている。
太陽は昼飯を食べるために食堂へといく。飲み物は持参したのか水筒を持っていく。
雄英高校の食堂は言わずもがな豪華だ。ランチラッシュというヒーローが切り盛りしているためいつでも美味しい料理を食べられる。
太陽は初め『ミ=ゴ丼』*1がないか探したがなかったため普通の日替わり定食を頼んだ。
食堂は大盛況。日替わり定食、今日は唐揚げ定食の乗ったプレートを持ちながらキョロキョロと席がないか探す*2。
「隣いい?」
「ん、いいぞ」
1人の生徒の隣が空いていたのでそこに座る。
紫髪の目つきの悪い生徒。
テーブルの上に唐揚げ定食を置き、ついでに持ってきたコップに水筒の中身を注ぐ。
「君も1年?」
「そうだが、お前は……ヒーロー科か」
「そうだよ」
「なら、馴れ合わねぇ」
「……なんで?友達になろう!!」
「いやだ」
「そんなこと言わずにさ。ほらほら、友達の印にこれあげるからさ!!」
「黙れよ。てか、これなんだよ」
「蜂蜜酒」
「は?…ははっ、ヒーロー科にはこんな奴でも受かるんだな」
話を聞く限り彼は普通科らしい。
それでヒーロー科に転入するために努力をしているらしい。
受け取ってくれなかった蜂蜜酒をグイッと煽り唐揚げに手をつける。
揚げたてで外はカリッと中の肉はジュワッとしておりご飯が進むったらありゃしない。
「あ、俺は夢見太陽。よろしく」
太陽は右手を差し出して握手の形にする。
紫髪の生徒は無視をして昼食を食べる。
「名前教えてよ。良いではないか良いではないか」
肩を組みにいく。
紫髪の生徒は面倒くさくなったのか素直に名前を言う。
「心操人使」
「心操って言うんだ。よろしくね」
「よろしくはしねぇ」
「友達になるまで毎日昼に探しにくるからね」
「は?」
─────────────
午後の授業が始まりその栄えある一つ目はヒーロー基礎学。
「わーたーしーが!!普通に扉から来た!!」
その教師はNo.1ヒーロー:オールマイト。
画風の違う姿で入ってくる。
クラスメイトはテレビの中だけの存在であったオールマイトに食いつく様に見ている。
(うるさ)
太陽は耳を塞いで先ほどの教室全体に響く声に驚いていた。
これほどまで冷めた感想の生徒は他にいないだろう。
一通り歓声が終わったと思った頃、オールマイトが説明を始める。
「ヒーロー基礎学、ヒーローの下地を作るため様々な訓練を行う科目だ。早速だが今日の科目はコレ!!戦闘訓練を行ってもらう!!」
戦闘。それを聞いた生徒が湧き上がる。
ヒーローになろうとしている者たちだ。そう言うものにも興味があるのだろう。
生徒は隣の席の人とコスチュームについて話している。
太陽は窓側の1番後ろで隣には誰もいない。
「そしてこれが今回の訓練に合わせて、入学前に送ってもらった個性届と要望に沿った君たちのコスチュームだ」
オールマイトが手に持ったボタンを押すと教室の壁がガゴッと音を鳴らす。
壁から迫り出したロッカーにはおそらく出席番号の振られたアタッシュケースが並んでいた。
「そのアタッシュケースの中にそれぞれのコスチュームが入っているから。着替えたら順次、グラウンド・βに集合だ!!」
更衣室で着替えてグラウンド・βに向かう。
更衣室で見た男子の様に装着しないといけない部品もなければ着にくい構造でもない太陽は他の男子を置いて先に来ていた。
格好はデザインで描いた神父服がベースになっており変化したところといえば手袋が追加されたくらい。あとは膝当てや肘当てが服と一体とないっているが見た目ではわからないので割愛。
「うーん、神父だし魔導書でも持つか」
太陽は虚空から一冊の本を取り出す。
数百年ものの様で表面の皮は丈夫だが中の紙は端が少しだけ虫に喰われている。
しかし、太陽が生み出したものなのでそうあれと考えて生み出したのかもしれない。
「ネクロノミコン。ふぅ、様になってるな」
側から見れば狂信者の様である。決してヒーローには見えないだろう。ネクロノミコンの禍々しさがそれを強調している。
誰かが来るまで読んでおこうとページを開く。
「うわっ」
男子よりも先に来た女子たちが引いている。
誰も話しかけようとしない。
「ねぇ、夢見。その本やめた方がいいよ」
意を決した様子で耳郎が話しかけにくる。
太陽は驚いた様子で耳郎を見る。
「マジで!?」
「マジ。めっちゃ不気味」
「ごめん」
太陽はネクロノミコンを閉じる。
するとネクロノミコンは元からなかったかの様に虚空に消える。
「てか、神父服?」
「おう。あんまりつけて欲しい機能とかなかったから適当に描いた」
「へぇ、様になってるじゃん」
「わ〜!!かっこいい!!」
手袋と靴が太陽の周りを回りながら感嘆を漏らす。
空中に浮いた手袋は太陽の神父服の外套などを触っている。
「葉隠か?」
「せいか〜い!!いいでしょこのコスチューム」
手袋と靴がその場で回る。
葉隠透は〝透明化〟の個性らしい。
と言うことは手袋と靴以外何も着ていないことになる。
「てか、服は着てないのか?」
「当たり前じゃん!!そうじゃないと私の個性が活かせないんだよ!!」
「まじか……」
手袋が腰のあたりに置かれている。
プンプンと起こっているのだろう。
「見ちゃダメだからね!!」
「いや、見せてんだろ。葉隠は」
「それでも見るな!!」
耳郎が葉隠の前に立って太陽の視線を遮る。
同じ女子が男子にまじまじと裸を見られるのは嫌なのだろう。透明だが。透明だが*3。
「お〜い、みんな集まってるじゃねぇか!!」
「女子のコスチュームだぁ!!エロすぎ!!ここは楽園か?」
1-Aの男子が集まる。
峰田は血走った目で女子を見つめる。一目で見て変質者だとわかる。
「遅かったな」
「夢見!お前を探してたんだよ!!先に行きやがって!!」
「羨ましいぞ!クソが!!なんでお前が女子に囲まれてるんだよ!!」
「うるせぇ。変態」
「なにをぉ!?こんなにエロい姿を出してるんだ!!見ない方が失礼だろうが!!」
「峰田さん…」
「キモいよ、峰田」
「峰田、お前」
「うわぁ」
その発言に女子は絶対零度の視線で睨む。
葉隠に至っては太陽の後ろに隠れている。
「なんで夢見は、あんなにくっつかれてるのに!!オイラは睨まれてるんだよぉ!?」
「こいつらは可愛いけど*4、堂々とエロい目で見ていいわけねぇだろ!!一旦生まれ直してこい!!」
太陽は峰田の頭*5を掴むと切島たちの方へとぶん投げる。
切島の腹に豪速球の峰田がぶつかる。
「どぉしてだよぉぉぉ!?」
「ぐはぁ!?効いたぜ、今の!!」
切島は咄嗟に〝硬化〟して受け止めていた。
峰田は泣いていた。
「ねぇ?それ本当?」
「わぁ〜」
「何がだ?」
「だから!可愛いってのは本当?」
「わぁ〜、口説かれちゃった///」
「本当だぞ?入試の時も可愛いなこいつって思ったから」
「っ────///」
「なんで殴るんだ?」
耳郎は無言で太陽を殴る。強くしていないからダメージが入ることはない。が、全部避ける。
「なぁ、切島ぁ!!あいつらラブコメ空間出してやがる!!!ゔら゛や゛ま゛じい゛」
カオスになっている中、オールマイトが登場する。
「有精卵の諸君!!それでは始めようか!!」
「俺は体細胞分裂で生まれたんで違いますね」
「そうだったのか!すまないな!!」
「いやいやいや!!オールマイト!騙されてますよ!!??」
「チッ」
「はは、それでは説明を始めるぞ!」
オールマイトの説明を簡単に言うと、
状況は
ヒーロー側の勝利条件は
籤によって誰と組むかどちら側になるかを決める。
と言うものだそうだ。
カンペを見ながら辿々しく説明をし終えるオールマイト。
その説明を聞いていた飯田が大きく手を挙げる。
「すみませんが、このクラスは21人。どうやっても2人組だとあまりが出るのですが!?」
「あぁ、それは問題ない。夢見少年は1人でやってもらうからね」
「「えぇ〜〜!?」」
クラスメイトからの絶叫が響く。
その当人である太陽は「スピリタスとフィリピン爆竹が出せる、だとっ!?」と手元に酒瓶を取り出していた。
オールマイトは太陽に指を指すと説明を続ける。
「夢見少年は主席だ!それなら1人でもできるのではないかと思ってね。どうかな!?」
「いいですよ」
そうこうして授業が始まる。
籤はオールマイトが引き、チーム分けは以下の通りになった。
A緑谷麗日
B轟障子
C峰田八百万
D飯田爆豪
E芦戸青山
F砂藤口田
G耳郎上鳴
H蛙吹常闇
I尾白葉隠
J瀬呂切島
K夢見
1組目は
それ以外の組の人はモニタールームへとオールマイトに連れられていく。
モニタールームは広く全員が座っても空きがあるほどの席、正面には大きなモニターがありそれを通して戦闘訓練を見ることができる。
オールマイトの合図と共に訓練は始まる。
【中略】
最後の組の番になった。
しかし、A〜Jまでの組同士でもう戦闘をしてしまったためKの夢見が戦う相手が見つからない。
それを考えているとオールマイトが声をあげる。
「では、最後の番だが……Kチーム対Bチームだ!!Bチームは一瞬で終わったのでね。もう少しできるだろう!?」
最終試合は
それぞれはモニタールームを出て訓練会場へと足を運ぶ。
太陽が居るのは核兵器がある部屋。
この試合が始まるまでの間で大体の作戦は立てておいた。
『よぉ〜い!!スタートォ!!!』
訓練会場にあるスピーカーからオールマイトの声が聞こえる。
それが聞こえたと同時に太陽は呪文を使う。
「《肉体の保護》消費MP50」
50d6、175の装甲が彼を包む。
目には見えない装甲だがしっかりと包む感覚を感じる。
さらにダメ押しと言わんばかりの呪文を使う。
「《炎の外套》」
そう呟くと彼は揺らめき輝く光の点に包まれる。火花は尾を引き、白熱して瞬く。
呪文効果によって太陽は1mほど浮かび上がる。
「装甲がガンガン削れていく音がする〜。てか、4d4ターンだから最大3分しかできないやんけ」
グッグッと手を握りしめたり足を動かしたりして体がちゃんと動くか確認する。
本来であれば《炎の外套》は対象にダメージを与えながら恩恵を与える呪文であるがそれを《肉体の保護》で帳消しにしている。
故に太陽にダメージはない。
因みにこの呪文で炎に巻かれている状態を見るとSANチェック1/1d4起きるのだが今は関係ないだろう*7。
突如、勢いよく部屋が凍る。
轟の〝個性〟によるものだろう。
しかし、炎に包まれており地面から1mほど浮いている太陽には関係ない。
炎の熱気が徐々に氷を溶かしているのが見える。
「来たか」
轟のチームは葉隠のチームを氷によって一撃で封殺した。
一度でもその作戦が成功すれば2度目もと擦りにくることはわかっている。
太陽は階段を滑るように駆け降りる。
数分で入り口へと辿り着く。
入り口には左半身を氷で覆った轟がいる。
「何故だ!?………カヒュ」
驚きで開かれた目。しかし、その目にはだんだんと恐怖が映り出す。
全身を気味の悪い光で包まれた化け物。それが轟から見た太陽の姿。
すぐに恐怖を抑え込もうとするがどんどんと恐怖は溢れ出す。
「あれぇ?どうしたのぉ?」
化け物が近づいてくる。
足は震えながら一歩、また一歩と後ろに動く。
これ以上この化け物と同じ空間に居たくなかった。
少しでもこの化け物から逃げたかった。
しかし、体はそれを拒否する。最後には尻餅をついてしまう。
「はい。確保〜!!」
太陽はそんな轟を無視して背後に回りその手に捕獲テープを巻く。
轟は捕まった。
「あ、3分経っちゃった」
それと同時に太陽を包んでいた光が水に溶けるように空中に霧散する。
轟は元に戻った太陽の姿に安心を覚えたのか気絶する。
「さて、あとは障子君だけ。《空中浮遊》」
太陽の体が浮かび上がる。
そのまま高度を上げて核兵器のある部屋の高さへとつく。
あらかじめ開けておいた窓から入ると、丁度階段を登ってきたであろう障子と目が合う。
「おひさ〜」
太陽は中に入ると呪文を即座に解除し障子に肉薄する。
多腕の先についている目に拳を叩き込む。
「くっ‥」
怯んだ隙に捕獲テープを巻き付ける。
迷いのない鮮やかな手口。
『そこまで』
オールマイトの弱々しい声で試合が終了する。
─────────────
気絶している轟を障子が背負ってモニタールームに到着するとそこは阿鼻叫喚の嵐。
全員顔を青くしている。太陽の姿を見ると恐怖に包まれた表情を見せる人までいる。
かのNo.1ヒーローであるオールマイトですら顔が強張っている。
「どうしたんだ!?みんな!」
「うぎゃ!?」
障子が轟を放り投げてクラスメイトの元へと向かう。
きれいな弧を描いて投げられた轟は障子の後から入ってきた太陽にぶつかる。
この場にいて唯一《炎の外套》状態の太陽を見ていない障子には何が起こったのか理解できない。
「すまないが、夢見少年。これをどうにかしてくれないか?君が炎に包まれたのを見てこうなっているんだ*8」
「あ、やば」
太陽は思い出す。《炎の外套》を見るとSANチェックが発生することに。
こうなってしまったのは全て太陽のせいである。
太陽は考える。呪文にSAN値回復のやつないかなと。
「ん〜。あ!《記憶を曇らせる》」
《記憶を曇らせる》。対象の記憶力を遮る呪文。それによって《炎の外套》を見た記憶を曇らせることにした。
クラスメイトは少しずつだが何について恐怖していたのか思い出せなくなる。
全員が気力を取り戻した頃。オールマイトが他の組と同じように講評を始めようとする。
「ささ、本来だったら講評なんだけど〜。みんなよく覚えてないよね!?だから、今回は無しにしようかな!!」
「「えぇ〜!?」」
元気になったクラスメイトが本来であればあるはずの講評がなくなることに驚きの声をあげる。
「覚えていない」と言うところに対して近くの人と話す人もいる。
「でもよ。何か見たはずなんだがよく覚えてないんだよな」
「だよな。なんかやばいもの見たはずなんだが…」
「太陽くん!!何か大切なことを忘れてるはずなんだけどわかる?」
「覚えてない方がいいよ」
オールマイトは太陽に目線を向けて真剣な声色で語る。
「あと、夢見少年。真面目な話になるがヒーローを目指すならそう言う人の精神に危害を加えるものは使わないほうがいいよ」
「うっす」
「それじゃあ、今日はおしまい!!みんなちゃんと着替えて教室に戻るんだよ!私は緑谷少年に講評を伝えねば!!」
さらば!!と言わんばかりの速度で走っていくオールマイト。
太陽たちはガヤガヤと話しながら戻っていく。
─────────────
太陽は緑谷に《治癒》を使ってあげるために保健室に向かっていた。
保健室にはリカバリーガールがいるのだが彼女の〝個性〟は対象の栄養といった力を消費するため太陽の《治癒》の方が効果的には強い。
しかし即時回復はしないし回復量も少ない上に変化することもあるためリカバリーガールの方が上の部分もある。
保健室の扉をノックしようとした時、中から話し声が聞こえる。
(聞き耳立てるか)
太陽は扉に耳を当て声に耳を澄ます。
(なになに…緑谷はオールマイトの弟子で緑谷はオールマイトの〝個性〟を継承してるってぇ!?)
扉が蹴破られる*9。
中にはリカバリーガールとベッドに横たわる緑谷とその横に座るガリガリの人物。
「何してるんだい?」
「リカバリーガール!!お久しぶりです!!てか、緑谷ってオールマイトの弟子だったんですか!?」
緑谷とその隣のガリガリの人物が目を見開く。
リカバリーガールは呆れた様子で2人を見ている。
「だから言ったじゃないか。ここで話すことではないと」
「ゆ、夢見くん!?お、お、お、オールマイトの弟子ってなな何かな?」
「そんな言い訳も全部聞いてたから関係ないさ!!」
緑谷が見てわかるほど動揺している。
リカバリーガールは保健室についている冷蔵庫からプリンを取り出して机に置く。
「ほら、プリン食うかい?食べるなら扉を戻しておきな」
「はーい!」
蹴破られ倒れている扉を付け直して太陽は椅子に座る。
リカバリーガールは自分の元に置いていたプリンを食べながら緑谷とガリガリの人物に話しかける。
「バレてしまったものはどうしようもないからね。話してしまった方がいいんじゃないかな?」
「そうですね」
ガリガリの人物がポツリポツリと話し出す。
曰く、オールマイトは過去にAFOとの戦闘で重傷を負ってしまいそれ以降ガリガリのトゥルーフォームになっている。
曰く、普段の姿(以降マッスルフォーム)は1日に1時間ほどしか持たない。
曰く、オールマイトの個性〝ワン・フォー・オール〟は代々受け継いでいく個性で今は緑谷が持っている。
曰く、AFO持つ個性〝オール・フォー・ワン〟は他者の個性を奪い渡すことができる個性である。
全て話し終わった後に太陽が発した言葉は「ふーん」であった。
「ふーん。って、めっちゃやばいことを話したと思うんだけど!?今時の子はそんなに淡白なのかい!?」
「いや、でも……あんま俺には関係ない話だし、怪我くらいなら治してあげれるっていうか」
「えっ!?夢見くん!オールマイトの怪我を治せるの!?」
オールマイトは怪我により胃を全摘した。それは今の医学界では治すことは不可能。
太陽はそれをさらっと治せると言ったのだ。緑谷はオールマイトが全盛期と言えなくても元気なれることにエグいくらい食いついた。
オールマイトも驚きで目を見開いている。
リカバリーガールも年齢に見合わない驚き方をしている。
「どう言うことだい!?」
「あ〜、俺の個性の一つに《治癒》ってのがあるんですよ。それが、まぁ……怪我とか病気とかで失った体力を回復する。つまり怪我を治すことができるんですよ」
「は、はぁ!?」
「回復量はその時でバラバラになるので重ねがけするしかないけど」
「それでもやばい個性だよ!?それがあったら不治の病でも治るんでしょ!?」
「……あんた。私の弟子になる気はない?」
デメリットを話すもそれ以上の効果があると言われる。
リカバリーガールに至っては弟子になるか聞くほど。
太陽はオールマイトに手を当てる。
「まぁ!試した方が早いんでやりまーす!!《治癒》×5くらいでいいか」
「ぬおっ!?いきなりだな!?」
「1分くらいで効果出るはずなんで」
3人は1分が経つのを今か今かと待つ。
その間、太陽はプリンを頬張っている。
きっかり1分後、オールマイトの体に変化が現れる。
「ムムムッ!?」
突如、トゥルーフォームからマッスルフォームへと変化する。
普段よりも筋肉の張りがいい。
「なっ!?息苦しくない!?」
「本当ですか!?」
「久しくお腹が空いていなかったはずなのに……今とてもお腹が空いた!!」
「よかったじゃないですか。完璧に治りましたね」
「ッ───!?夢見少年!!ありがとう!!」
オールマイトはその筋骨隆々の肉体で太陽を抱きしめる。
その逞しい肉体に埋もれながら太陽は叫ぶ。
「ギブギブギブ!!」
「おっとすまない!!」
「はぁはぁ…それより、お腹が空いたのでしたらランチラッシュのところでご飯を食べてくればいいじゃないですか?」
「ムムムッ!!確かにそうだな!!ありがとう、夢見少年!!このお礼はいつか必ず!!」
「いらないですよそんなの」
「それでは、No.1ヒーローとしての矜持が」
「それじゃあ、今から緑谷と美味しいご飯を食べてきてくれたら嬉しいな」
「HAHAHA!!そうか!!では行こう!緑谷少年」
「HAHAHAHAHAHA!!」と騒音を上げながら食堂へと元気よく走るオールマイトと脇に抱えられて悲鳴を上げる緑谷が見えなくなった頃、リカバリーガールは真剣な目で太陽を見つめる。
「それで、どうして助けたんだい?しかも見返りも求めずに」
「そんなのヒーローとして当然」
「そんなわけないだろう?アンタのその目。善意で人を助けるような目に見えないんだよ」
「………そんなの簡単です。そっちの方が面白そうだから。助けるも助けないも俺次第ならより面白そうな方に手を貸しますよ」
「それがあんたの考えかい」
「そうですよ!」
最後、結構シリアスになってしまった………
作者の中のPLは面白いことを嬉々としてやる人だと思ってます!!(作者を含む)
オリ主の個性の詳細
・原典、ルルブ、サプリに存在する全てを生み出せる
・また、存在しなくても「おま、これTRPGのやつやろ」と言われるものも生み出せる
・呪文は好き勝手にいじれる