冒涜的なヒーロー   作:月ノ蛇

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眠いので初投稿です。

fgoの二次創作も書きたいと思う今日この頃。


こんなのに命を賭ける価値もない。一撃で沈めてやる

太陽は地上まで開いた大きな穴を見上げる。治崎によって開けられたその穴は真っ直ぐと地下まで伸び、太陽光を届ける。

太陽は一度、穴から視線を自分の腕の中にいる壊理ちゃんへと移す。

 

「さて、壊理ちゃんはどうする?俺はあれを倒しにいくけど。……ん〜、一応ヒーローが来ているはずなんだけど」

 

太陽は抱えていた壊理ちゃんを地面に下ろして問いかける。

壊理ちゃんが何か言葉を発しそうになった時、上空から大きな声が聞こえる。

 

「シーカー!!!無事!?!?」

 

ドラゴン形態のリューキュウであった。逆光で黒い影となっているがその大きさや翼から簡単に気づくことができる。地下の地面に近づくにつれて鱗が剥がれていたり鱗を貫通するほどの切り傷を見つけることができる。翼を羽ばたかせて地面へと降りるとリューキュウは変身を解き人型になるとこちらへと駆け寄ってくる。その体には痛々しい傷がある。ドラゴン形態ではよくわからなかったが、右腕に大きな傷を受けている。プランと垂れ下がっているため神経までも断絶しているのではないか感じてしまう。

 

「この子が壊理ちゃん?」

「……え、は、はい」

「もう大丈夫。私たちが来たからね」

 

リューキュウはまだ動く左手で壊理ちゃんの頭を撫でる。壊理ちゃんはただ目を細めてその感覚を受け入れる。

 

ふと、壊理ちゃんの額についている角に変化が現れる。その角は淡く輝き出すと光は壊理ちゃんを包みこみ、壊理ちゃんの頭に手を置いているリューキュウにも伝播する。壊理ちゃんの角がさらに光り輝くと変化が生じた。

 

「え…?」

「なんで!?まって、止まって!!」

 

壊理ちゃんの戸惑い静止する声とは裏腹に光はリューキュウの肉体に変化を及ぼす。まずは、リューキュウにあった傷が全て時間が巻き戻るかのように修復していく。傷が全て治ると次は肉体自体が巻き戻るかのように変化する。髪の毛の長さが長くなったり短くなったりと肉体の時間自体が巻き戻るようになる。

その様子を見た太陽は慌てて壊理ちゃんとリューキュウを引き離す。壊理ちゃんは太陽に触れたことを見ると更に取り乱したように声を荒げるものの太陽はじっと離さないように腕の中で抱きしめる。

 

「やめて!触らないで!!お兄さんまで巻き戻っちゃう!!」

「……大丈夫。俺の体が巻き戻って消えることはない」

 

太陽の肉体に変化が起きない。太陽は《延長》の呪文を使っており、全てのダメージなどは彼の肉体ではなく彼が契約している古のものにいく。古のものたちは不老不死であるため、壊理ちゃんの〝個性〟である「巻き戻し」で巻き戻したところで効果がないのだろう。

 

地上からの轟音がさらに激しくなる。太陽は地上に続いている穴を見上げる。そこからは何も見えないもののパラパラと石の破片が落ちてきている。それほどまでに地上では苛烈なことが起きているのだろう。

太陽は優しく抱きしめている壊理ちゃんを見て頭を悩ませる。未だに〝個性〟による巻き戻しが止まることはない。壊理ちゃん自身もそれを止められるとは思えない。先ほど発言した時も止めようと声を荒げていたため、所謂暴走状態だろう。ここにそのまま置いておくにしても何が起きるかわからない。かと言って今ここにいるリューキュウに頼んでもリューキュウには〝個性〟をどうにかする術がない。ならどうするか。

 

「壊理ちゃん、危険だと思うけど俺にちゃんと抱きついていてね」

「………え?」

「俺は今から地上に行く。でも壊理ちゃんをここに置いておくわけにも誰かに頼むわけにもいかない。壊理ちゃんの〝個性〟がどう影響するかわかったものじゃないから。だから、俺が責任持って守るからちゃんと掴まってね?」

 

壊理ちゃんは太陽の服にしがみついて返事をする。

 

「リューキュウ。ここまで来てもらってすみません。先行ってます!!」

 

太陽はリューキュウの返事を聞く前に《空中浮遊》を使って地上へと向かう。

地上は凄惨たる有様だった。辺り一面の建物は倒壊し、大きな棘に変化しているものも見える。その中心部に治崎はいる。地上のビルや他の極道の組員を取り込んだ治崎はさらに異形へと変貌している。また、数多くのヒーローが治崎を捕まえようと周りから〝個性〟によって攻撃を仕掛けている。治崎が地下にいる太陽たちに手出しできなかったのはこのためだ。

治崎は太陽と壊理が地上に出てきたのを見ると周りからの攻撃など眼中にも入れず叫び声を上げながら太陽の方へと近づいていく。

 

「ルーラー!!さっさと壊理を俺に渡せェエ!!」

「すまんな。俺は夢見太陽。今はシーカーだ。そんな名前ではない」

 

太陽は空中に浮き上がり治崎を真正面から見据える。壊理ちゃんは治崎の姿を見たくないのか太陽の胸の中に顔を埋めている。

太陽は自由に使える右手を前に出して指を動かすことで挑発をする。

 

「こいよ。潰してやる」

「夢見くん!!」

 

太陽を呼ぶ声が下から聞こえる。そこには満身創痍ながらも必死の形相の緑谷がいるではないか。

 

「あいつの手に触れちゃダメだ!!!」

「え?手ってどれ?」

「…わかんないけど!!あれに触れたら1発で分解されちゃうみたい!!だから、プロヒーローに任せたほうがいい!!」

 

太陽はそれを聞いてもその場から避けることなく一言発する。

 

「いや、別に倒してしまっても構わないだろ?」

 

太陽は獰猛な笑みを浮かべる。

 

「じゃあもう、一撃で消し飛ばしてやるよ。呪文も全て使ってなぁ!!!!!!」

「黙れ!!この世界は〝個性〟という病で終わってる!!!そんな〝個性〟をもったガキ如きが俺の邪魔をするなァァァァアアアアア!!!!」

 

太陽は右手を正面に出す。そして目を瞑って呪文を唱える。

太陽の周りを回るように幾何学的な紋様を携えた魔法円が現れる。それは淡い光を放ちながら数を増やす。

 

「お前の敗因は一つ、俺を怒らせた。死ね──《ヨグ=ソトースの拳》」

 

太陽の真正面から不可視の拳が出現する。それはとても大きくそして冒涜的であった。拳のような何かは太陽の正面にいる治崎へと飛ぶ。圧倒的な威力を持った拳は治崎を正面から貫く。

 

「か、はっ!?」

 

治崎は酷く小さく呻き声をあげて後方に倒れる。

〝個性〟も意識なしでは持続できないのかこれ以上辺りが変化することはなかった。

 

「俺の勝ち!!」

 

太陽は異形と化した治崎へと近づく。未だに〝個性〟を抑えきれずに放出している壊理ちゃんの余波が治崎を元通りに戻す。治崎以外にも数多くの組員が融合していたようだ。その数は片手では数えきれない。

 

「やべ、煽りに来たけど。危ねぇ」

 

太陽はすぐさま離れて周りに誰もいないであろうところへと向かう。

壊理ちゃんの〝個性〟の暴走は未だに収まる気配を見せず、更に周りに悪影響を及ぼそうと光のモヤが溢れている。

 

「大丈夫だよ。収まるまで一緒にいるからね」

 

壊理ちゃんは返事する余裕もなく必死に抑えようと努力する。太陽に掴まる力がさらに強くなるも太陽は壊理ちゃんが安心できるようにと優しく抱きしめて声をかける。

それから数分ほど経った頃だろうか。壊理ちゃんの角を起点として出ていた光のモヤが収束していく。それと同時に壊理ちゃんは太陽の胸の中で意識を失う。

 

「はぁ、何やってんだお前は」

 

そう言いながら相澤先生が近づいてくる。全身に小さいながらも数多くの怪我をつけているのを見る限り、相当この作戦で活躍した様子。

相澤先生は頭を抱えると太陽に苦言を呈する。

 

「お前は本当に……(ヴィラン)連合に狙われているくせになんでこっちにも捕まってんだ」

「壊理ちゃんと会ったからですかね」

「そういうのはプロヒーローに任せるべきだ。断じてお前らみたいな学生がすることではない」

 

相澤先生が言うことは正しいことだろう。現実でも事件と遭遇してしまえばまずは警察に連絡して本職の人に対応してもらうのが筋だろう。何故なら一般人にとっては危険極まりないのだ。

しかし、探索者と言う人種にとっては他人に助けを求めると言うことはあり得ない。

 

「俺が会ったんだから、俺が助けないといけないんです。知らない他人にやって貰うなんてそもそも無理です」

「…はぁ、そうか。それならその子はどうする」

「俺が引き取ります。俺が会って助けたんだから最後まで面倒を見ないといけない。助けたらそこで終わりじゃいけない。壊理ちゃんの人生を変えたから俺には最後まで責任持っておかないと」

「…………わかった。まずは警察からの事情聴取がある。それまではこの子は病院にいて貰う。その後、ちゃんとこの子と話し合って決めろ」

 

 

太陽はその後、警察に連行された。事情聴取ということでこれまでの極道のところでのことの顛末、壊理ちゃんについてなどを聞かれると何故かすぐに解放された。太陽が不思議がっている中、続いて相澤先生に連れられて病院へといく。そこの一室に壊理ちゃんはいた。目が覚めていたらしく太陽の姿が見えると顔を綻ばせる。

 

「お兄さん!」

「壊理ちゃん、どう?〝個性〟大丈夫?」

「…はい。なんか、全部出したら収まった感じ」

「よかった」

 

太陽はベッドの近くの椅子に座る。相澤先生はそのとなるに立ったままだ。相澤先生が口を開く。

 

「壊理ちゃんの〝個性〟は便宜上「巻き戻し」と称しよう。本拠点にあった資料によれば肉体や概念をも巻き戻す。肉体を巻き戻して胎児以前にして消失させることも〝個性〟を巻き戻して無くすことも可能だ。さて、壊理ちゃんはどうする?」

「…え?」

「一応〝個性〟のため抹消で消せる。施設などに行って〝個性〟が発動しないように定期的に抹消をかけるか。この夢見のもとで暮らすか」

「え〜先生。俺が言いたかった」

「うるさい。さてどうする?」

「え……お、お兄さんについていきます!!お兄さんはいなくならないって言ったので!!」

「そうか」

 

相澤先生は一言だけいうと部屋を去る。部屋には2人が取り残される。

治崎は捕まり、壊理ちゃんは治崎の下から解放された。太陽にとっては泣いている女の子を助けるのは当たり前のことだが、壊理ちゃんにとっては違う。たった1人のヒーローの手によって1人の少女の心までも救われたのだった。




この話の着地点が不明になったので最後は適当です。ご容赦ください。あとなんか、この頃のやつが適当になった気がする。気だけだからわかんないが。

fgoととあるのクロスオーバーが少ないので書きたい。上条さんやアレイスターとかとカルデア組の絡みを見たい。
あと、クトゥルフと相性がいいって聞いたので探索者とかとの二次創作も書きたい所存。
色々ありすぎてもいけないけど、ドバドバやりたいものが増えて辛い。
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